昨日開催された日中首脳会談について、各紙一面で報じています。
ALPS処理水の海洋放出を受け、中国が日本産水産物の輸入を全面禁止してから三か月ほどになりますが、改善の様子が全く見られません。台湾海峡を巡る動向などもあり、日中関係は過去にないくらい厳しい状況にあります。
昨日の米中首脳会談でも、対立事項の解決よりもひとまずは衝突回避を優先し、軍事対話を再開することが合意されたように、日中両国も決定的な対立を避けることを優先し、「戦略的互恵」の関係を目指すことが再確認されたことは、非常に意義深いと感じます。
習近平国家主席は「核汚染水」という言い方は変えなかったものの、処理水について日中両国が専門家レベルで科学に立脚した議論を行うこととなりました。これも非常に重要です。
科学的見地に立てば、中国の言い分に理がないのは明白です。首脳会談の場で国家主席が「自分たちが間違っていました」などと言えるはずがなく、自分のメンツを守りつつ、中国側が譲歩したものと私は考えます。
一方で、輸入停止措置がいつ解除されるかはまだ見通せません。政府の引き続きの粘り強い交渉に期待します。
個人と個人の関係でもそうです。どんなに意見が食い違い、気が合わない人間でも、同じ職場であったり隣近所の者同士であれば、最低限の会話ややり取りは避けられません。対立が決定的になるよりは、最低限の会話を途絶えさせず、意思疎通をしながら、うまくやっていくしかないのです。
今日は稲津久代議士の計らいにより、宮下一郎農林水産大臣が留萌管内を訪問され、JAるもいと新星マリン漁業協同組合の皆様方との意見交換会が開催されました。私も地元の道議として出席をさせて頂きました。
JAるもい留萌支所では、花井秀昭専務理事と前川彰広報室長から、留萌管内農業の特徴について説明がありました。南北の細長く、沢地を農場とする地理的特徴と土壌の性質上、収量は限られるものの品質は高く、他地域と差別化した付加価値の向上に取り組んでいるJAるもいの考え等について、宮下大臣もご理解を示して下さいました。
新星マリン漁協では、北海道のホタテ稚貝生産の約6割を担う留萌管内漁業の課題として、燃油や各資材価格が高騰している分に見合うだけの稚貝価格の上昇が実現できていないこと、中国の輸入停止により道東地域のホタテ成貝の生産が滞れば稚貝生産にも影響が出ることが懸念されること等の説明がありました。また布施利彦専務理事からは、東電の賠償の対象にホタテ稚貝が含まれていないことの訴えもなされました。
宮下大臣からは、中国に対して粘り強く交渉すると共に、経産省と連携し、稚貝への賠償に関して何か対応が出来ないか検討するとのお言葉を頂けました。
日本の一次産業の最高責任者と直に話す機会が得られたことは、今後の管内産業にとって非常に意義深いことでした。稲津代議士は宮下大臣と個人的にもとても親しくされているそうで、稲津代議士の人間関係のお陰で大臣訪問が実現しました。心から感謝申し上げます。
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