北朝鮮による弾道ミサイルへに備える―総務委員会で質問しました(2022年6月30日)―

 今年に入って既に16回と、北朝鮮から弾道ミサイルが極めて高い頻度で発射されています。3月24日には、次元の異なる深刻な脅威である新型のICBM級の弾道ミサイルと考えられるものが渡島半島から西方約150㎞の我が国のEEZ内に落下する事態が生じ、国民全体の安全・安心にとって非常に重大な脅威となっております。

 これらの事態を受け政府は、4年ぶりに弾道ミサイルを想定した避難訓練を都道府県、市町村と連携して行う旨表明しました。道では2018年に岩見沢市、滝川市で訓練を行っています。道の対応について質したところ、

  • 国が4年振りに地方公共団体と共同で弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を再開することとしていることから、道としても市町村や防災関係機関と連携し、共同訓練の実施に取り組み、住民理解の促進や行政の対応能力の強化を図って参る。

との答弁がありました。

(浅野)
一 弾道ミサイルへの対応について

 今年に入りまして、北朝鮮から弾道ミサイルが極めて高い頻度で発射されております。防衛省のホームページによりますと、その回数はこれまで16回に及んでいるとのことであります。

 ロシアによるウクライナ侵攻やロシア軍の本道周辺での活発な活動が行われる中ですが、3月24日には、次元の異なる深刻な脅威である新型のICBM級の弾道ミサイルと考えられるものが、渡島半島から西方約150㎞の我が国のEEZ内に落下したほか、6月5日には、少なくとも6発の弾道ミサイルが連続して発射されるなど、国民全体の安全・安心にとって非常に重大な脅威となっております。

 4年前には、弾道ミサイルが本道上空を通過し、Jアラートが起動する事態が2回も発生しております。再びこのような事態や不測の事態が発生する可能性も十分に念頭において、万全の対策をしていく必要があると思われますので、以下、伺ってまいります。

(一)弾道ミサイル発射に対する認識について

 まず始めに、このような度重なる弾道ミサイルの発射について、道としてどのように認識しているのか伺います。

(危機対策局長)
 弾道ミサイル発射に対する認識についてでありますが、国では、弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、一連の北朝鮮の行動は、我が国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすもので、関連する国連安保理決議に違反するものであるとし、北朝鮮に対して厳重に抗議し、強く非難しているところであります。
 また、道といたしましても、道民の皆様の安全・安心に対する極めて深刻かつ重大な脅威であり、断じて容認することはできないものと考えております。
 本年3月24日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルが我が国の排他的経済水域内で、渡島半島の西方約150kmの地点に落下したものと推定される事態が発生した際には、その翌日、直ちに、国に対しまして、北朝鮮に自制を求める毅然とした外交交渉を推進することや、必要な情報収集分析及び警戒監視に全力を挙げるなど、国民の保護を最優先とし、万全の措置を講じるよう、緊急要請を行ったところでございます。

  

(二)弾道ミサイル発射への対応について

 次に伺いますが、弾道ミサイルが発射された場合、国からどのような情報が入り、道はどのように対応しているのか伺います。

 (危機対策課長)
 弾道ミサイルが発射された場合の対応についてでありますが、ミサイルが我が国に落下する可能性がある場合などは、Jアラートを通じまして、ミサイル発射情報や避難の呼びかけなどが関係自治体に配信され、防災行政無線などにより住民の皆様に伝達されますとともに、携帯電話会社からもエリアメールや緊急速報メールとして住民の皆様に配信されることとなっております。
 平成29年8月と9月に本道でJアラートが起動した際には、道では、知事、副知事、各部長等が速やかに登庁いたしまして、自衛隊や警察など関係機関も参加した緊急会議を開催し、状況把握などを行ったところでございます。  一方、その他のミサイル情報につきましては、消防庁から各都道府県の危機管理部局に提供されることとなっておりまして、道では、弾道ミサイルの発射場所や落下地点など、消防庁から提供された情報を市町村や消防など関係機関に速やかに伝達を行うとともに、庁内の関係課とも情報共有を図っているところでございます。

(二)再質問
 ただいま消防庁から各都道府県に危機対策部局にミサイルに関する情報提供がなされ、そこから庁内の関係部局に情報共有を行っているとの答弁をいただきました。
 2016年9月5日に、北朝鮮の弾道ミサイルが日本のEEZ内である奥尻島西方沖に落下する事案が発生しております。この時、同日の12時54分に水産庁から水産林務部に情報提供がなされ、その約一時間後に消防庁から総務部への情報提供がなされた事実がありました。
 総務部より早い段階で政府から情報を得ていた水産林務部が、総務部へ情報提供をしていなかったことが、2016年12月12日の予算特別委員会で私が行った質問への答弁で明らかになっております。このことに対する指摘に対し、当時道は「消防庁からの情報入手ばかりではなく、各々で情報を把握した場合であっても危機対策部局と速やかに情報共有することとする」旨の答弁がなされていました。
 現時点でこのような状況を改善する措置は講じられているのか、道庁のいずれかの課が先んじて弾道ミサイルの情報を得たとしたら、危機対策部局と共有する体制はきちんとつくられているのか伺います。 

(危機対策課長)
 道庁内での情報共有についてでありますが、委員ご指摘の平成28年9月5日の弾道ミサイル事案を踏まえまして、危機対策局と水産林務部では、国から同種の連絡を受けた際には必ず速やかに情報の共有が図られるよう確認しているところでございます。

(三)弾道ミサイルを想定した避難訓練について

 「必ず共有なされるように確認している」との答弁を伺いました。危機対策部局以外にこのような情報を得ることができるのは、水産庁を通じた水産林務部が考えられますが、他の部局もあるかもしれませんので、今ご答弁いただいたような体制をしっかり執っていただきたい。

 松野官房長官が、今年の4月15日の閣議後の記者会見において、北朝鮮による弾道ミサイル発射の頻発化を受けて、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を4年振りに再開するとの方針を示されました。4年前の訓練の全国における実施状況と道内における実施状況について伺います。

(危機対策課長)
 平成29年の訓練の実施状況などについてでありますが、国では、弾道ミサイルが発射され、万が一、我が国に落下する可能性がある場合における情報伝達方式やその内容及び避難行動などを周知するため、地方公共団体と共同で「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練」を行うこととし、平成29年3月から平成30年6月までの間、25都道県29市区町で実施したものと承知しております。
 道内におきましては、平成29年8月29日に道庁地下1階危機管理センターにおきまして、道と市町村との情報伝達訓練や、北海道開発局や道警、自衛隊など関係機関が参集して初動対応等の確認を行う訓練を実施するとともに、9月1日には、滝川市で約200名、岩見沢市で約70名の住民の皆様の参加をいただき、模擬の緊急速報メール等によるミサイル発射情報を受けて、近隣の頑丈な建物に避難するなどの訓練を実施したところでございます。

(四)今後の取組について

 4年前の訓練の実施状況についてご答弁いただきましたが、4年ぶりに訓練を再開するとの政府の方針を受けて、今後、道としてどのように対応するのか伺います。

(危機管理監)
 今後の対応についてでございますが、道といたしましては、弾道ミサイルの発射は、道民の皆様の安全・安心に対する極めて深刻かつ重大な脅威でございまして、断じて容認することはできないものでございます。今年に入り、北朝鮮から弾道ミサイル等が高い頻度で発射をされておりまして、特に3月24日に、新型のICBM級の弾道ミサイルと考えられるものが渡島半島の西方約150kmの排他的経済水域内に落下したことは、これまでと次元の異なる深刻な脅威であると考えております。
 こうした状況等を踏まえまして、国が4年振りに地方公共団体と共同で弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を再開することとしておりますことから、道といたしましても、市町村や防災関係機関と連携をして、共同訓練の実施に取り組むことといたしまして、住民理解の促進や行政の対応能力の強化を図ってまいります。 

(浅野)
 古岡危機管理監から「これまでと次元の異なる深刻な脅威」であるというご答弁をいただきました。
 それを踏まえて、今後市町村や防災関係機関と連携して共同訓練の実施に取り組むとされております。その時期や実施場所については、目の前に差し迫った危機に十分対応できるものを今想定して進めてらっしゃると思いますので、議会としては準備を進めてできるだけ早くに実施していただきたい。
 そのことを申し上げて質問を終わります。

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