6月22日に開会し、各会派による代表質問や一般質問等の議論を経て進んできた道議会第2回定例会は、本日14日をもって総額2,772億円の補正予算が成立致しました。本補正予算は、3つのポイントから構成される鈴木直道知事二期目の想いが盛り込まれた政策予算です。主な内容を以下の通りご説明致します。
ポイント1 暮らしを守る~安全安心な環境づくり~
○やさしく温かい社会づくり 227億円
(主な内容)
・不妊治療の助成 6,178万3千円
→保険適用外となる不妊治療に要する経費等の一部を補助する
○命と生活を守る基盤づくり 85.4億円
(主な内容)
・津波における避難施設等整備への支援 3,300万円
→日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に備える非難タワー等の建設費用を一部支援
○持続可能な一次産業づくり 36.2億円
(主な内容)
・農業者の経営安定化に向けた支援 20億8,523万4千円
→道内農業者の肥料購入費の負担を軽減するため化学肥料購入支援金を給付
ポイント2 未来を創る~確かな成長を支える価値づくり~
○成長を牽引する産業づくり 108.6億円
(主な内容)
・次世代半導体関連産業の集積促進 1億2,099万円
→次世代半導体関連産業の整備に向けた支援等を行う
○世界に輝く魅力づくり 10.1億円
(主な内容)
・アドベンチャートラベル・ワールドサミット2023開催 3,975万円
→「アドベンチャートラベル・ワールドサミット北海道・日本」開催経費を負担
○未来を担う人づくり 6.1億円
(主な内容)
・移住促進プロモーションの展開 1,531万6千円
→首都圏の若年層を対象に北海道への移住促進を図る
ポイント3 地域と進める~共感と信頼の関係づくり~
○共に輝く地域づくり 43.3億円
(主な内容)
・地域おこし協力隊へのサポート強化 2,500万円
→地域おこし協力隊サポート推進室を設置し、スキルアップ研修会等を実施
○チャレンジする道庁づくり 7.8億円
(主な内容)
・道職員における政策開発力の向上 489万5千円
→政策検討チームを設置して同職員の政策開発を実施
これらの補正予算に加え、以下7つの意見書も同日に可決しました。
●意見書(国に求めるもの)
1.地方財政の充実・強化を求める意見書
⇒コロナ5類移行後においても財政措置を講ずること等をはじめとする地方財政の充実強化への支援を求めます。
2.薬剤耐性菌感染症の蔓延防止への取組体制の強化を求める意見書
⇒薬剤耐性を持つ菌の感染症蔓延を防ぐため、地域社会における感染予防や管理、研究開発並びに創薬等への取組の強化を求めます。
3.特別支援学校・学級等への教員等の適切な配置を求める意見書
⇒障がいのある児童生徒のケアを行う特別支援教育支援員や看護師、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士等の専門人材の適切な配置等を求めます。
4.ゼロカーボン北海道の実現に資するも森林・林業・木材産業施策の充実・強化を求める意見書
⇒二酸化炭素吸収等の森林の多面的機能を持続的に発揮させるために必要な予算の確保等を求めます。
5.国土強靭化に資する道路の整備等に関する意見書
⇒高速道路のミッシングリンクの解消や「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」終了後の財源確保等を求めます。
6.義務教育の機会均等の確保と教育予算の確保・充実を求める意見書
⇒義務教育費国庫負担制度の堅持や少人数学級の一層の充実等を求めます。
7.私学助成制度に係る財源措置の充実強化に関する意見書
⇒公私を区別しないJCT環境の整備促進や都道府県が実施する私学助成制度の財源措置の充実強化等の私学支援を求めます。
私が特に着眼したのは、1.2億円の次世代半導体関連産業育成事業と、1,531万円の北海道移住促進事業です。
前日の人口減少問題・地方分権構造改革等調査特別委員会で質問したように、ラピダス社の進出並びに北海道バレー構想が北海道の人口減少を食い止める上で非常に大きな力となり得ることに強く期待する一方、道央圏への一極集中を更に促し得るものとなることも懸念されます。
道は年度内に「仮称・北海道半導体産業振興ビジョン」を年内に策定し、ラピダスの効果を全道に波及させるための方策を練るとしています。人口減少が北海道にとって最重要課題です。どれだけ素晴らしい政策を練っても、それを実行する道民がいなくなれば、絵に描いた餅で終わってしまいます。
次なる9月の第三回定例会に向け、地域課題の聴取に努めて参ります。
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