北方領土対策委員会で質問しました

北方領土交渉は政府の専管事項ですが、北方四島を行政区域として抱える北海道の取り組みも欠かせません。世論の高まりがあって政府も粘り強い交渉ができるのですから。

北方領土問題原点の地である根室市はじめ隣接地域の皆様の思いをしっかりと受け止め、大胆かつ柔軟な考えで道としてできることをやるべきだと、強く質しました。

平成27年 北方領土対策特別委員会 開催状況【速報】

開催年月日 平成27年6月15日

質問者 北海道結志会 浅野 貴博 委員

北方領土の返還に係る取組について

(一)北方領土問題の解決について

1. 質問 : 北方領土の返還について

北方領土問題に係る北海道の取組について、いくつか質問させていただきたいと存じます。よろしくお願いします。

まず、北方領土の返還に係る交渉ですが、あくまで国家主権の問題であり、政府対政府の話であり、北海道として、直接関われないことは、理解をしてございますが、北方四島を行政区域にもつ北海道として、当然何もしないという訳にはまいりません。それで北海道としてこれまで北方領土返還実現を目指し、どんな取組をしてこられたのか、改めて教えていただければと思います。

答弁 : 参事

北方領土の返還に向けた取組についてでございますが、道におきましては、北方領土問題の解決に向けて、国民世論の結集を図り、国の外交交渉を後押しするため、署名活動をはじめ様々な啓発活動に取り組んできましたほか、8月の返還要求運動強調月間と2月7日の「北方領土の日」を中心といたしました特別啓発期間におきまして、関係団体と連携して、北方領土返還要求北海道・東北国民大会や北方領土フェスティバルなどを開催し、領土返還を訴えてきたところでございます。

さらに、広く国民の皆さんに北方領土問題に関心を持っていただけるよう、この運動のシンボルの花である「千島桜」を活用致しました啓発活動やインターネットによる情報発信にも努めますとともに、小中学校での北方領土学習を通じた特別啓発事業などにより、運動を継続するための後継者の育成に取り組むなど様々な返還要求運動を展開しているところでございます。

2. 質問 : 

小中学校での北方領土学習と今お話がありましたが、高等学校ではいかがですか。道立高校でそういうような教育はなされているのでしょうか。

答弁 : 参事

高等学校での教育でございますが、道立学校におきましても、当然私どもと道教委と連携を致しまして、北方領土に関する学習や、取組を進めているところでございます。

3. 質問 :

少し脇道にそれるかもしれませんが、北海道の高等学校、道立高等学校の入試問題の中で、北方領土問題に関する問題は設けられていましたでしょうか。

答弁 : 参事

道立高校における入試問題ということでございますが、昨年からですね、北方領土に関する問題を出題するということで、昨年、今年と出題をしているという状況にございます。

4. 質問 : 

ちなみにどのような問題内容ですか。

答弁 : 参事

問題の内容についてでございますが、昨年については、島の名前を答えてもらうということで、「択捉島」ということについて問う設問でござました。それが1問だったと記憶しております。今年につきましては、少し踏み込んでといいますか、島名に加え、もう少し踏み込んだ出題もあったと記憶しております。

5. 質問 : 

もし把握をされていたらで構いませんので、教えてください。道内の市町村179市町村の職員の採用試験が毎年行われていると思うのですが、そこで北方領土問題が設問に出てくることがありますでしょうか。

答弁 : 参事

市町村の採用試験などにおける北方領土問題に関する出題ということでございますが、市町村の採用試験の内容については、現時点において、特に把握はしておりませんが、私ども道職員の試験におきましては、毎年度北方領土問題に関する問題を出題することとしております。 

6. 質問 : 

ありがとうございます。今の質問ののちに道職員の採用試験はどうですかと聞こうと思ったところなんですが。これは非常に重要な事だと思うんですけど、人間が記憶に定着するには、やはり試験というある程度強制力をもった場所でですね勉強することがどうしても必要だと思うのです。小・中・高、それ以上の大学若しくは市町村の採用試験、道職員の採用試験そういったところで必ず出るから勉強する。それによって、知識が定着をしてくる。その都度北方領土問題の島名だけではなく、どういう経緯でこういう問題が生じて、今どんな状況にあるのか、先人先達がどんな取組を返還実現に向けてしてきたのかというのをそういう場で学ぶ機会は今後も必要であると思いますので、例えば、道職員の採用試験の中で北方領土問題がかなり大幅に出てですね、論述試験の1問を占めるだとか、それぐらいになればもっといいんじゃないかと思っております。私たち道議会議員一人一人がこの問題について、選出区域に関わらず、詳細な知識を持ってなければいけない。そういうことは当然として私は考えております。

7. 質問 : 日ロ間の返還交渉について

現在の日ロ間における北方領土交渉の状況について、道の見解を伺いたいと思います。この度、先程ご説明いただいた自由訪問に関して、天候の関係で上陸できなかったということで、出航はできたので問題はないかと思うのですが、その前の5月のビザなし交流は、ロシア側の事情で実現できませんでした。ウクライナ問題を端に発して、なかなか日ロ間もぎくしゃくしている部分もあるのかなと私は感じているのですが、この点に関して、道の率直な見解を教えてください。

答弁 : 参事

北方領土問題の現状についてでありますが、平成25年4月に安倍総理が日本の総理としては10年振りにロシアを公式訪問し、日ロ首脳会談が開催されたのをはじめ、それ以降、6回にわたって首脳会談が開催されており、昨年、平成26年11月に北京で開催されましたAPEC首脳会議における日ロ首脳会談では、今年、平成27年のプーチン大統領訪日を実現するための準備を具体的に開始することで一致したところでございます。

硬直化したウクライナ情勢の影響などがあるものの、先般、安倍総理とロシア下院議会のナルイシキン議長との会談が実現したのをはじめ、今月7日と8日の両日に開催されましたドイツG7サミットの記者会見の場で、安倍総理が「プーチン大統領の年内訪日」を明言したところであり、道といたしましては、今後も精力的に外交交渉が進められ、プーチン大統領の年内訪日が実現し、北方領土問題の解決に向けて具体的な進展が図られることを期待しております。

8. 質問 : 

今後とも日ロ間で精力的に領土交渉が進められて、プーチン大統領の年内の訪日が実現をして、北方領土問題の解決により進んでいく流れをつくるために、道としてはどんなことをされますか。

答弁 : 参事

道の取組についてでございますが、北海道といたしましては、国の外交交渉を支え、後押しをするという立場で様々な啓発活動等によりまして、外交交渉を支える活動を続けていきたいと考えております。

(二)道と外務省の人事交流について

9. 質問 : 人事交流の状況について

北海道と外務省の人事交流について伺いたいと思います。

北海道と外務省の人事交流、長い歴史があるかと思うのですが、道から外務省のどういった部局に過去始まってから現在まで何名が行かれて、どんなことを経験されて戻ってきているのか若しくは外務省から北海道に過去何名出向で来られてどんな部署を経て経験をされているのか詳細に教えてください。

答弁 : 参事

道と外務省の人事交流についてでございますが、道では、外務省との行政運営の円滑化や職員の資質の向上などを目的と致しまして、昭和48年から道職員を外務省に派遣しており、過去20年間で、現在派遣中の職員を含めますと合計30名を数えております。

このうち欧州局ロシア課へは、平成4年からこれまでに13名の職員を派遣しておりまして、それぞれ4年間の派遣期間で、前半の2年を外務省本省で勤務し、後半の2年は在ロシア大使館に勤務するなどしたのち、道に復帰をしております。もう一つロシア課以外は外務省の経済局総務課参事官室これは平成2年当時のセクション名でございまして、現在、平成23年から派遣されている者は、経済局政策課と聞いておりますが、そこに派遣をされて、その後、在カナダ大使館に所属をして、道に復帰しております。

外務省に派遣中におきましては、地方自治体である道庁では経験できないそういった国際的な業務あるいは、在外公館勤務を経て、道庁に戻ってきているということでございます。

10. 質問 : 

2年間外務省本省で勤務してその後ロシア大使館に行かれると日ロ外交の最前線を経験されて道に戻ってこられた方々は、その後道庁内でどんな部署につかれているんでしょうか。

答弁 : 参事

外務省に派遣されました道職員の復帰後の勤務先でございますけれども、例えばですね、総合政策部の当時の国際交流課、今の国際課、国際交流を担当するセクション、あるいは、現在の経済部の国際経済室、経済関係のロシア交流を担当するセクションそういったところなどに戻ってきて勤務をしております。

11. 質問 : 

今日、いらっしゃる説明員の皆様の中でロシア大使館、外務省に出向を経験された方いらっしゃいますか。

答弁 : 参事

今日いる説明員の中にはおりません。

12. 質問 : 

せっかくロシアでそういう語学も含めて、さまざまな人脈構築をされた道職員の方々であるならば、総合政策部国際課、経済そうした幅広い北海道の地域外交と申しますかそういう部署に関わっていただくのも勿論有意義なことではあるとは思うのですが、外交交渉は何をおいても人間関係が一番大事だと思いますので、今後もこれまでも十分配慮がなされていると思いますが、北方領土問題という北海道が抱える極めて重要な問題の解決に資する方々、できれば、その後も引き続きそうした部署に継続して関わっていただいて、政府の強力な外交後押しする力を北海道の中から作り出す、そうした人事配置が今後も必要じゃないかと思うんですけど、それについてどうお考えでしょうか。

答弁 : 参事

ただ今の委員のご発言を、ご意見として拝聴させていただきたいと思います。

13. 質問 : 

ぜひ、実際のこれからの道の人員の配置のあり方の中で、そうした視点もぜひ盛り込んでいただきたいと思います。

14. 質問 : 外務省職員の根室地域への配置について

それに関連いたしまして、質問を続けさせてもらいますが、道から外務省への職員の出向はあったとしても、外務省から道に職員が派遣されることは余りない、改めて外務省から道に出向された方、過去何名いて、どんな部署につかれているのか教えてください。

答弁 : 参事

外務省職員の道への出向についてございますが、過去20年におきまして、道には、外務省から3名の職員が出向しております。道庁での所属等につきましては、国際課の参事ですとか、国際課長ですとか、あるいは北海道洞爺湖サミット推進局主幹に出向となっております。

15. 質問 : 

ということは、北方領土問題に直接関わる道の部署に外務省職員が出向で来られたことはないと理解していいのでしょうか。

答弁 : 参事

はい、ございません。

16. 質問 : 

過去3名しか政府外務省から職員が来ていない中で、道として北方領土問題、道の取組を外務省に理解していただくという意味でですね、今、今日説明に来ていただいている皆様の部署にぜひ人を配置してもらうだとかそうしたことを求めたことはありませんでしたか。

答弁 : 参事

お問い合わせの件につきましては、道として求めたという事例はありませんが、例えば、日々の仕事を通じまして、外務省ロシア課との緊密な情報提供ですとか、連携ですとか、そういった形で共に協力しながら仕事を進めていくというところでございます。

17. 質問 : 外務省職員の配置等の要望について

例えば、北方領土問題、北海道全体、日本国家全体の問題とはいえどもですね、四島を抱える根室市の皆さん一番切実感、切迫感、焦燥感をもっておられると思うのです。その根室市にある根室振興局に外務省ロシア課の方が、常時常在をして、島が帰ってこないことで、日々辛い思いをされている、その領土問題の進展しないことに直接被害を受けている方々の思いを直接触れ合う、それを交渉の場に活かされるように外務省本省に持って帰るそうした人事交流、今のご答弁でしたら、これまでなかったとのことですけど、今後、そうした取組をすることは私は必要なんじゃないかと思うんですが、一案ですけど、根室振興局に外務省職員に常駐してもらうそうしたことを今後、外務省との話し合いの中で求めていく考えはありますか。

答弁 : 参事

外務省職員の配置などについてでございますが、外務省におきましては、主に北方領土隣接地域との連絡調整に当たるためロシア課内に北海道連携推進室というものを設置をいたしまして、地元住民の声などの情報収集に積極的に取り組んでいるほか、四島交流事業への同行などの際に、関係者と意見交換を行うことなどにより、地域の情報把握に努めているところでございまして、外務省職員の出向などにつきましては、今後、隣接地域などの意向も把握してまいりたいと考えております。

18. 質問 : 

私は根室市選出の道議ではなく、松浦道議の前で申し訳ないかなと思いますけど、私が聞いた中では、そうした形で外務省より根室、原点の地、最前線の地の思いを把握してもらいたいという声を私は伺ったことがございます。今後道として、今おっしゃったように隣接地域の意向も把握して、根室市や北方領土隣接地域として、外務省職員に常駐して欲しいそういう意向が確認できた際には、その実現に向けて積極的に動く考えはありますか。

答弁 : 参事

外務省職員の配置などについてでございますが、外務省におきましては、主に北方領土隣接地域との連絡調整に当たるためロシア課内に北海道連携推進室というものを設置したしまして、地元住民の声などの情報収集に積極的に取り組んでいるほか、四島交流事業への同行などの際に、関係者と意見交換を行うことなどによりまして、地域の情報把握に努めているところでございまして、外務省職員の出向などにつきましては、今後、隣接地域などの意向も把握してまいりたいと考えております。

19. 質問 : 

今の答弁は、先程と全く同じ答弁でございまして、隣接地域の意向も把握してとおっしゃいますけど、いつそれを把握されますか。

答弁 : 本部長

外務省職員の出向ということでございますが、外務省としてみますと、省内のロシア課の方に連携推進室といったものを設置して、地元住民の声などの収集に取り組んでいる、併せて、交流事業の際には、現地の実情といったものを見ているということでございますが、一方で、現地の根室市をはじめ、根室管内の市町におきましては、現在の対応に加えて、地元に外務省の職員がいてくれると、いいということがあれば、私もこれから早い時期に根室の方に行ってきたいと思っており、そうした中で首長さんなり、団体の方々からお話を聞きながら、そういった意向があれば、外務省等とも意見交換をして、人の出向となりますと相手がある話しでございますので、要望があったから直ちということにはなりませんが、そういったご意見があるのであれば、外務省と意見交換をしていきたいと思います。

20. 質問 : 

北海道連携推進室があるのは承知しておりますが、あくまで外務省内、霞ヶ関にあるんですね。豪勢なビルが建ち並んで、徒歩10分で赤坂だ銀座だとある地域において、北海道の問題、北海道と連携を推進するというのも無駄とは思いませんけれども、やはり、現場にいて一年でも、二年でもいて、元島民の方、若い方々、いろんな方と直にふれあって、本当に困っているんだ、苦しんでいるんだという声を直接聴くのとではやはり重みが違うと思います。

道のみなさんが何もしてこなかったとか外務省の職員の人が、領土問題が解決しないことで困っている人の想いを全然わかっていないだとか、そういうことを言うつもりはないですが、より切実な生の声を、身が引き裂かれるような思いをしている方々の気持ちを少しでも我がことのように感じられるには、やはり北海道の中でも北方領土問題の原点の地である根室市、根室管内、そこの振興局があるわけですから、そこに行っていただくとか、ぜひこれから北海道として求めていただきたい。求めるべきだと思います。

高橋知事も今回4期目の就任にあたりまして前例にとらわれない大胆な発想でいろんなことにあたっていくと、そんな話をされております。

ぜひこれは、近々根室に入られたらそういう意向もご確認していただけると答弁いただけましたので、この委員会の場、私の質問を切り抜けるための答弁ではなく、実際に実現していただくためのお話として承りますので、それは動いていただけるようにと要請をしたいと思います。

(三)北方領土に対する道民の意識について

21. 質問 : 道民意識調査について

最後にですね、北方領土問題の道民の意識について伺いたいと思いますが、私は根室のとなりの釧路のもともと生まれなんですけれど、根室から120キロほど離れた釧路でも、根室の方々に比べれば領土問題に対する意識というのは、かなり開きがあるんじゃないかと思っております。

今、選出地域は日本海側の留萌から私、出ておりますけれど、日常生活、人々と会話する中で、北方領土問題って出てくることはまずございません。

北海道の行政区域といっても道内各地でずいぶん意識の開き、問題に対する関心の開きがあると思うんですが、道として過去に道民の意向調査などを行ったものがあり、具体的な数字があれば、それを教えていただければと思います。

答弁 : 参事

北方領土問題に対する道民意識についてでございますが、平成25年度に実施いたしました道民意識調査によりますと、北方領土問題に関する認知度は、「よくわかっている」「大まかにわかっている」「島の名前がわかる」を合わせますと全体で9割に達しており、圏域別では道南圏がやや低いものの、6圏域とも9割前後で推移しております。

また、大都市ほど認知度が高く、女性よりも男性が高く、年代別では20歳代が7割台と著しく低く、それ以外の年代は9割台と高い状況となっております。

一方、関心度の度合いにつきましては、「とても関心がある」「少し関心がある」を合わせますと78.8%に達しております。

圏域別では、道央圏と釧路・根室圏が約8割と高く、他の4つの圏域は7割台で推移しております。男女別、年代別では、先ほどの認知度とほぼ同じ傾向となっております。 

以上でございます。

22. 質問 : 具体的な取組について

はい。ありがとうございます。

4つの圏域でちょっと意識が低いということですけれども、たぶん私の選出地域の道北も含まれているんだろうなと思います。

これは、道庁の皆様に押しつける問題じゃなくて、生意気言うようですけれど、今日、出席の委員、私たち一人一人がそれぞれの選挙区でこの問題に対する気運を高める運動をしてかなければいけないものだと思います。

その中でもですね、北海道として戦後70年目の節目に、もういつまでも先延ばしにできないこの問題を最終的なゴール、解決に向けて近づけるために、道としてどんな取り組みを考えているのか説明してください。

答弁 : 参事

返還要求運動の今後の取組についてでありますが、道では、これまで取り組んできました署名活動など様々な啓発活動をはじめ、インターネットを活用した情報発信、北方領土返還要求北海道・東北国民大会や北方領土フェスティバルに加えまして、今年度、領土問題が70年の節目の年にあたりますことから、新たに8月には、領土の早期返還を願っての「千島桜」の植樹を実施するのをはじめといたしまして、北方四島交流センターの展示リニューアル、「北方領土の日」ポスターコンテストの募集対象の小中学生への拡大、さらには、来年2月に予定をしております北方領土返還祈念コンサートなどの事業を通じまして、道民や国民の皆さんに北方領土問題を改めて強く訴えるとともに、運動を若い世代に引き継いでいく取組を実施してまいりたいと考えております。以上でございます。

23. 質問 : 

道としていろんな取り組みを過去にされてきて、これからも、新しいものやいろんなアイディアを出してやっていただけるということがわかりました。

あえて伺いますけれども、私たち道議会議員に対しても、こんなことやって欲しいという思い、道庁の皆さん、おありでしょうか。この北方領土問題の気運を盛り上げるために。

答弁 : 本部長

先ほど参事のほうから、道のこれまでの取組でありますとか、答弁申し上げましたが、特に、本年は70年という大きな節目の年でございます。従いまして、そうした小中学生が参加できるようなポスターコンテストといったこともやっていくということでございまして、これまでも、理事者側と議会、北方特別委員会の先生方と一緒になって、国の方への要請でありますとか、各種大会へもご参加いただいておりますし、外交交渉は国の専管事項でございますけれども、それをどう後押しするかというのが道なり地方自治体ができることだろうと思います。従いまして、世論をさらに高めていくような取り組みといったことを議会の皆様と一緒になってやっていきたいと思いますので、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

24. 質問 : 

はい、ありがとうございます。

今、北口委員から、現地で委員会をというお声もありましたけれども、そういう取組を私たちの側から提言をして、私たちそれぞれ有権者があって、この場に来ているわけですから、有権者、支持者にこの問題の話を随時していくということが、まず必要なんだろうと思っております。

答えずらい質問だったかと思いますけれども、ありがとうございました。

(四)北方四島との経済交流について

25. 質問 : 経済交流について

先ほど最後と申しましたけれども、これが本当の最後の質問をさせていただきます。北方四島との経済交流について最後に伺わせていただきます。

平成18年だったと思うんですが、北方領土隣接地域で創られている組織、北方領土隣接地域、1市4町で構成しております北隣協と呼ばれる組織から要望があったと思います。今、ビザなし交流、自由訪問、北方墓参、いろんな枠組みございますけど、四島で暮らしている人たちの基本的な生活物資を北海道本島側と申しますか、あえて「日本側」という言い方はこの場でしますけれども、北海道側、日本側からティッシュペーパーにしろ、洗剤にしろ、いろんな生活的な、基礎的な物資、まだまだ向こうは十分じゃございません。

そうしたものをこちらから供給をして、今四島でどんどん進んでいるロシア化を少しでもくい止めて、基本的な生活物資を、北海道側、日本側に依存をする、せざるを得ない状況をつくりロシア化をくい止めて、日本化を少しでも図っていく。北方領土四島実現に向けたちょっとした変化球みたいなもので、時と場合によっては、非常に有効であると思うんですけれども。こうした北隣協の皆さんが求められておられる経済交流などの要望、近年、道として正式に受けてはおられますでしょうか。

答弁 : 参事

経済交流に関する要望についてでございますが、例年6月頃に委員のお話にもございました北隣協、北隣協から北方領土隣接地域振興対策の推進に関する要請を受けており、本年は、6月3日に知事に対して行われておりますが、経済活動に関する要望はなかったところでございます。

以上でございます。

26. 質問 : 

本年6月に要望がなかった。ということでございますけれども、経済交流、地元の北隣協の皆さんも、実現を諦めていると、それは目指していないと、道として今、お考えですか。

答弁 : 参事

経済交流の要望につきましては、現在は要望を差し控えるというふうにお聞きをしているところでございます。

以上でございます。

27. 質問 : 地域からの要望について

今、参事がおっしゃったように平成25年の12月、国会で北隣協の会長さんですね、根室市長の長谷川市長がですね、この経済交流については、差し控える、自重する旨の答弁をされてますけれども、これも私が伺う限りでは、あの頃はまだ、安倍内閣、発足して間もないころ、プーチン大統領と頻繁な首脳会談が行われて、領土交渉はむしろ良好な形で進んでいると、あえて今変化球を投げる必要はない。ストレートに返還交渉一本でいくべきだという思いで、自重しているという認識であると私はいろんな方から伺っております。

ひるがえって今は、なかなかストレート一本では打ち返されるだけの状況でございますので、いろんな、多面的なアプローチが必要だと思うんです。

そこで、北隣協の皆さんとしても、この実現を諦めていないということでありますから、今後正式な要望がまた、道や国にあげられた際には、最終的に実現に向けて交渉するのは国、政府の責任でありますけど、実現に向けて北隣協の皆さんと一緒になって、道も国に力強い要請をしていく、そのお考えはありますでしょうか。

答弁 : 参事

地域からの要望についてでございますが、北方四島との経済交流につきましては、日本の法的立場を害さないということが前提となっておりますことから慎重に対応していかなければならないものと認識をしております。

今後、北隣協から、経済交流について要望があった場合におきましては、日ロ両政府の交渉の動きなどを見極めながら適切に対処してまいります。以上でございます。

28. 質問 : 

適切に対処ということは、実現に向けて一緒になって、歩んでもらえるものと理解してよろしいでしょうか。

答弁 : 参事

北方四島との経済交流についてでございますが、北方四島との経済交流につきましては、領土問題に関する我が国の法的立場を害さないことが前提となるため、慎重な対応が必要であり、委員のお話にもございましたとおり、隣接地域におきましては、現在は経済交流の要望を自重していると承知をしているところでございます。

このため道といたしましては、日ロ両政府の交渉の動きや北隣協など隣接地域における意向などをまずは見極めていく必要があると考えております。以上でございます。

29. 質問 : 

それはおっしゃるとおりです。

日本の立場、法的立場を害してまで、向こうにビジネスに出るとか、例えば向こうで税金を納めるだとか、さまざまな検疫、ロシアの手続きに服してまでやるってことではもちろんありません。ただビザなし交流が、そもそも、お互いの国家主権を主張しない、いわば曖昧な形で交流を目的に進められたという経緯がございます。

そうした法的立場を害さないで行うということも、いろんな知恵を出せば私は実現可能じゃないかと思っているんです。

そもそも、平成25年の2月に当時の外務大臣の前原さんがこういうことをやりたいと、いろんなことができないか、ロシア側と詰めてまいりたいと、日本の事務方にも知恵を出すようにと指示を出しましたけど、その後、いろんな政治の流れでこれは交渉にすら至っていない状況でございます。今後、もちろん道の側から法的立場を害してもいいからやらしてくれってことを言えといっているのではなく、その前提を守った上で、それでもできることはないか、ちゃんと日本政府はロシア側に交渉するように、北隣協の皆様と一緒になって要望が正式にきたならば、国に働きかけてほしいということを申し上げてございます。

そうした意味で適切に対処していただけると理解して良いでしょうか。 

答弁 : 参事

ただいまの委員のお問い合わせでございますが、適切に対処してまいりたいと考えております。

以上でございます。

30. 質問 : 

はい、ありがとうございます。

北方領土問題に関しては、重ねて申し上げますけれども、最終的に交渉して取り戻すのが政府の役割です。

その過程でいろんな国内の環境を整える、その役割は、根室側の皆様よりも、より広域な行政を担う北海道が行わなくちゃいけない。道議会議員も一人一人その責務を負っておると思いますので、今後とも道庁も道議会も一体となってそういう動きができるように私も道議の一人として汗をかいてまいりますので、ぜひとも道庁のみなさんも、さまざまなアイディア出していただきますように、北隣協の皆様と一緒になって活動していただきますことを、最後に再度お願いをして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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