少子化対策に食料安全保障の確立、漁業資源の変化への対応等について一般質問を行いました(2022年6月22日)

 道議会第2回定例会は各会派による代表格質問を終え、一般質問が始まりました。
 その最終日の22日、私も質問に立つ機会を得ました。
 今回の項目は以下の通りです。
 (※会期日数の多い第1回、3回定例会は「代表質問」と言いますが、第2回、4回は「代表格」という言い方をします)

一 コロナと共生する社会の確立に向けて
二 本道の「守り」について
(一)   少子化対策について
  1 現状認識ついて
  2 こども家庭庁発足後の取組等について
  3 赤ちゃんポストについて
(二)   食料安全保障について
  1 現状認識について
  2 今後の取組について
(三)   漁業資源の変化について
  1 甘えびの歴史的不漁について
  2 イワシの資源量について
  3 ニシンについて
三 本道の「攻め」について
(一)   インバウンド回復を見据えた今後の本道観光について
(二)   洋上風力の推進と貴重な海鳥の保護について
(三)   森林認証制度について
四 学校の部活動について
(一)   地域移行について
(二)   部活動チームの維持について

 少子化問題への対応や食料安全保障体制の確立に向けた方策、また来年度から令和7年度までを集中改革期間として取組が始まる義務教育の部活動の地域移行への対応等、北海道全体の課題への取組をはじめ、日本海側が主産地である甘えびが本年歴史的不漁に見舞われたことや、国内では天売島が唯一の繁殖地となっているウミガラス等の希少動物に対する洋上風力の影響の有無に対する調査等、地元留萌管内の課題への取組についても道の見解を質しました。
 

 課題のみならず、ニシンの資源量が増大していることや、留萌管内が道内8つ目の森林認証制度取得流域となれる見通しであること等、明るい前向きなチャンスについても取り上げました。

 ぜひご一読頂き、ご意見などを寄せて頂けますと幸いです。

(質問) 
一 コロナと共生する社会の確立に向けて  
 本年は、コロナ禍が始まってから初となる、国民への行動制限要請がなされない中で5月大型連休を迎えることとなりました。その反動が懸念されましたが、3回目のワクチン接種や道民一人一人による日常的な感染防止対策の徹底等の効果によって、そのような事態は避けられ、日々の新規感染者数も今度は確かな減少傾向を見せています。
 このような流れを受け、道内各地では従来行われてきた各地域のイベントを再開する動きが見られます。札幌市では初夏の風物詩とも言うべきよさこいソーラン祭りが3年ぶりに開催されました。私の地元留萌市でも夏の最大のイベントである留萌まつりが、今年は再開される見通しであります。
 道民が前向きな気持ちを持って、活動を再開しようとする機運が高まってきたことは、非常に良いことであり、各種イベントの開催を決定する際の感染防止対策等について頼りにされることの多い道としても再び感染拡大局面を招くことのないよう必要な感染防止策について指導、助言をしつつ、各地域の取組を後押し、コロナと共生する社会づくりに向けて尽力すべきと考えます。  道として、道内各地で様々な地域活動が再開されようとしている現状をどう認識し、どのような取組をしていくのかをまず伺います。                                
(答弁)
  【知事】  イベントなど地域での活動についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響により中止となっていたイベントの開催など、地域で多くの方々が参加する様々な活動を再開していくことは、社会経済活動の回復に向けて重要なものであると認識してます。  
 一方で、こうした活動が、感染の急拡大につながることがないよう、道民の皆様には、引き続き、感染防止行動の実践にご協力いただくことが必要であります。
   このため、道としては、感染状況等のモニタリングを行いながら、三密の回避や、マスクの着用をはじめ、飲食の際の行動など、基本的な感染防止対策の徹底に向けた3つの行動の実践について、広く道民の皆様に呼びかけをしていくほか、市町村と連携し、イベントの主催者の方々に対し、飛沫の抑制や参加者の把握といった感染防止対策等を改めて周知するとともに、丁寧な助言に努めるなど、適切な感染対策のもとで、地域の活動が展開されるよう取り組んでまいります。                                              
二 本道の「守り」について
(一)少子化対策について
  1 現状認識について 
    厚生労働省が6月3日に公表した人口動態統計月報年計によると、全国の出生数は前年より2万9,231人少ない81万1,604人となり、1899年の調査開始以来過去最少を更新したことが明らかになりました。道内の出生数は初めて3万人を割り込んだ前年より762人少ない2万8,761人となりました。
 国立社会保障人口問題研究所が2017年に公表した推計では、出生数が81万人台前半まで減るのは2027年としており、少子化の進行が6年ほど早いことが明らかになっています。これは間違いなくコロナ禍によって拍車がかけられたものと思われます。道はこれまでの議会答弁にあるように、北の大地子ども未来づくり北海道計画に基づき、コロナ対策も含めた各般の施策の推進に努めてきていると承知をします。
 また、昨年6月3日に出生直後の男性の育児休業の柔軟な取得を可能とする改正育児・介護休業法が成立したことを受け、道としても相談支援の展開やセミナー、フォーラムの開催などの取組を行ってきていると承知しますが、現時点までどのような効果が得られたと認識をしているのかをまず伺います。
  また、このような取組が進められている中でも、本道の少子化は更に加速をしています。令和4年度、知事は本道の守りと攻めの主に二つの視点に立って各般の政策を展開していますが、本道の守りの最重 要課題に少子化の加速が掲げられるべきと考えます。少子化のこれらの現状を道はどのように認識しているかを伺います。  
    【知事】  
 少子化関連施策などに関する認識についてでありますが、道では、本年4月1日施行の育児・介護休業法の改正を踏まえ、地域でのセミナーのほか、講演会やパネルディスカッションからなる「男性育休と働き方改革北海道みらいフォーラム」を開催し、参加者からは、男性育休制度について理解できた等の意見があり、意識醸成に向け、一定の成果が得られていると認識をしております。
 少子化が進行する背景には、仕事と子育ての両立や家事・育児への負担感、子育てや教育に要する費用負担、年齢や健康上の理由など、様々な背景や要因が複雑に絡み合っているものと考えられるところであります。
 加えて、新型コロナウイルス感染症の流行も、結婚や妊娠、出産などに少なからず影響を及ぼしていることや、近年、本道の妊娠届出件数や出生数の減少傾向が続いており、合計特殊出生率も依然として低い状況にありますことから、少子化対策の推進は、今後の道政上の最重要課題であると認識をしております。          
2 こども家庭庁発足後の取組等について
 子ども政策を一元的に担うこども家庭庁の設置法案が6月15日の参議院本会議で成立、可決をいたしました。
 道としても、同庁の発足を見据え、本庁、各振興局ともに各組織を再編整備し、連携していくことを検討しているものと承知しますが、単に組織の改編に留まらない、真に子ども政策の充実、少子化の是正につながるものとする必要があります。組織再編を含めたこども家庭庁発足を受けた今後の道の取組について伺います。      
【少子高齢化対策監】
 こども家庭庁への対応についてでございますが、国では、子ども政策を更に強力に進めていくため、常に子どもの視点に立ち、子どもの最善の利益を第一に考え、自立した個人として等しく健やかに成長することができる社会の実現に向けて、こども家庭庁を創設することとしたところでございます。
 道といたしましても、子どもたちの年齢や発達の過程に応じ、子どもを取り巻くあらゆる環境を視野に入れつつ、その権利を保障し、制度や組織、年齢の壁を越えた切れ目のない包括的な支援に向けた取組を展開することが重要と考えており、今後、こども家庭庁が担う業務や機能に関する検討状況のほか、新年度施策に関する情報収集を進めながら、子どもや家庭が抱える様々な課題に的確かつ迅速に対応できますよう、教育庁をはじめ庁内関係部で構成する検討委員会で具体的な対応方向について必要な検討を行ってまいります。
  3 赤ちゃんポストについて  
 本年5月、石狩管内当別町の児童相談施設内にいわゆる赤ちゃんポストが設置されるとの報道がなされたことを受け、道は、当別町や児童相談所等の関係機関とともに現地を訪問し、実態調査を行っていると伺っています。
 当該施設では、遺棄された赤ちゃんを受け入れる場所の温度管理や施設の施錠がなされておらず、赤ちゃんの安全確保ができないおそれがあること、また医療の専門家が配置されておらず、保健所や児童相談所、道警等の関係機関との事前協議も一切なされていないこと等の課題があり、道としては現在に至るまで、少なくともこれらの課題が解決されない限りは、赤ちゃんの受入れを行わないよう、当該施設に強く要請しているものと承知します。  
  いわゆる赤ちゃんポストについては、設置基準などを定めた法的根拠が今日まで明確に定められておりません。鈴木知事も6月14日の記者会見で、そもそもそこに預けなければならない状況になる前の対応が重要である旨述べているとおり、このような施設を増やすよりも、このような施設が必要とされないよう、新生児の育児に悩む親をサポートする体制の強化などにも、国も道もこれまで力を入れてきたものと承知をします。
 その考えに私も賛同いたしますが、大変残念なことに、新生児の遺棄事案はゼロとなってはおりません。このような施設の設置を積極的に促すという観点ではなく、十分な体制が取られていないままで赤ちゃんの受入れが行われ、赤ちゃんの安全が損なわれる状況が生じることを断じて許してはならないという観点から、明確なルールを定める必要があるのではないかと考えます。   道は国に対し、設置基準を設けることを要請していると承知しますが、国との協議はどのようになっているのかを伺うとともに、当該施設に対し今後どのような対応を取る考えでいるのかを伺います。
 また既に述べたように、本道においても新生児遺棄の事案が発生していますが、このような事態を発生させないために今後どのように取り組むのかを伺います。        
  【少子高齢化対策監】
 いわゆる赤ちゃんポストについてでございますが、当別町の施設については、現地調査の結果、適切な保護と医療等必要なケアが提供できる体制にないことから、道といたしましては、安全確保上問題があると判断しており、引き続き、事業者に受入れを控えるよう繰り返し求めるとともに、先般、国に対し、当別町の事例に関する問題を提起し、今後の考え方を検討するよう要請してきているところでございます。
 また、道内で続いた幼い子どもが命を落とす事案が繰り返されることのないよう、先日、児童相談所など関係職員による緊急連絡会議を開催し、児相職員が市町村に直接出向き、支援を要する家庭の状況把握や支援内容へ積極的に助言することなどを指示するとともに、市町村や関係団体に対し、改めて、住民の皆様からの相談にきめ細かに対応いただくよう要請したところであり、今後とも、道民の皆様と一丸となって地域の見守り機能を十分に発揮し、授かった命が大切に育まれ、健やかに成長できる環境整備に努めてまいります。                            
(二)食料安全保障について
 1 現状認識について
 本年の第一定例会においても、国における食料安全保障確立に向けて具体的な動きが出てきたことを踏まえ、道の認識を質しました。あれからわずか三か月ほどの間ですが、様々な要因が重なり、燃油、飼料、肥料等の食料生産に必要な物資の価格が高騰し、農業経営が著しく更に圧迫される状況が生じております。
 本道農業を取り巻く現在の状況の厳しさ並びに今後の趨勢に対し、道はどのように認識をしているのかをまず伺います。  






 2 今後の取組について
 先の定例会で道は食料安全保障について、道として第6期北海道農業・農村振興推進計画に掲げる目標の実現に向け、生産基盤の強化やスマート農業の加速化、多様な担い手の育成や確保等の各般の施策を進める旨の答弁をしています。
 例えば水田活用の直接支払い交付金に関しては、食料自給率の向上に寄与する営農を進める農業者に対する交付金を新設する等の措置を講じ、不安に駆られている生産者の意欲を守らなくてはなりません。同時に、現在国でも議論されているように、食料自給率向上の為の別枠の予算を道としても確保する等の大胆な政策を打つことも必要ではないでしょうか。更に、農業経営を守ることは決して農業という特定の産業を優遇するものではなく、国民の生命並びに地域経済を守ることに繋がる、このことを幅広く道民に周知していくことも求められます。
 これらの施策が本道において一体化して進められてこそ、我が国の食料安全保障が確立していくものと考えます。
 極めて厳しい状況下にあっても、本道農業が今後も持続可能となり、生産者の意欲が増し増産体制が強化され、我が国の食料安全保障の確立をけん引する産業となるよう、今後道はどのように取り組むのかを伺います。              
(農政部長)  
 本道農業を取り巻く状況についてでありますが、世界的な人口増加や経済発展に伴う穀物需要の増大に加え、 新型コロナウイルス感染症からの経済再開やロシアによるウクライナ侵略などにより、燃油や肥料、飼料などの生産資材価格が高騰し、予断を許さない状況にある中、 生産環境の厳しさは、近年に例がないほど高まっていると認識しております。
 このため、道といたしましては、この度の緊急経済対策において、施設園芸でのエネルギー転換や道産飼料の生産拡大、肥料代への支援金の交付などに取り組むほか、国の生産資材価格高騰対策なども効果的に活用し、外的要因の影響を受けにくい、足腰の強い本道農業を確立してまいります。


    (知事)
 食料安全保障に向けた本道の取組についてでありますが、世界の食料需給をめぐるリスクが顕在化する中、本道の農業・農村が今後とも国民の食料を安定的に供給し、地域の社会経済を支える基幹産業として持続的に発展をしていくためには、国民、道民の皆様の理解に支えられながら、農業者の皆様が意欲と希望を持って農業に取り組めるよう、道産農産物の需要を拡大し、それに応じた生産体制を構築していくことが重要であります。
  このため、道としては、国に対して本道の実情に即した水田活用の直接支払交付金の運用や生産力強化に向けた予算の確保などを求めるとともに、多様な担い手の育成・確保や農地の集積・集約化、スマート農業による生産性の向上に加え、クリーン農業や有機農業の取組拡大などに取り組むほか、農業・農村に対する国民の皆様の理解を促進する食育や地産地消などの取組を総合的に展開し、我が国の食料安全保障に最大限寄与していけるよう力強い本道農業を確立をしてまいります。             
(三) 漁業資源の変化について
 1 甘えびの歴史的不漁について
 次に漁業資源の変化について伺います。最初に甘えびの歴史的不漁についてであります。
 日本海側を主な生産地とする甘えびの資源量は近年減少傾向にありましたが、本年3月以降、前年比9割減という歴史的な不漁に見舞われました。
 甘えびは本道の食産業を彩る重要な魚介類であり、今後本道において消費需要の回復が期待される中、このような歴史的な不漁は大きな痛手であります。不漁の原因を究明し、今後の趨勢が明らかにならなければ、生産者は漁業経営を見通すことができず、地域経済に大きな影響が出ることは必至であります。
 道として日本海側における甘えびの歴史的な不漁に対し、この間どの様な対応を取ってきたのかを伺うと共に、漁業経営、地域経済への影響を最小限とすべく、どのような取組をする考えでいるのか伺います。      
  水産林務部長  
漁業資源の変化について、はじめに甘えびの不漁についてでありますが、甘えびは、日本海における重要な漁業資源であり、刺身や天ぷらなどに、幅広く利用されるなど、道民に馴染みの深い食材でありますが、本年3月以降、漁獲量が急激に減少し、前年との比較では、5月末現在の漁獲量で5割、金額では4割の減少と大変厳しい状況となっております。  
 このため道では、道総研水産試験場と連携し、漁業者の方々への操業状況の聞き取りや、水中カメラを用いた海底状況調査などを行っておりますが、現時点において、不漁の原因は明らかになっておりません。
 道といたしましては、水産試験場が7月に行う資源調査などを通じて、引き続き、漁業者の方々への情報提供や原因の究明に努めるとともに、漁業者や試験研究機関と一体となって、適切な資源管理による甘えび資源の増大を図るほか、漁業経営の安定に向けた漁獲共済の活用を促進するなど、漁業者の皆様が安心して操業ができるよう取り組んでまいります。
 
 2 イワシの資源量について   
 イワシの資源量について伺います。本年年初来、イワシの資源量が増大していることが見受けられ、道内各地で、例えば石狩市厚田でも、大量の死骸が打ち上げられている現象が各地で発生しています。道としてこの現象の原因を含めイワシの資源量の変化並びに回遊のメカニズムについて現時点でどのような認識を有しているのか伺うと共に、今後どのような調査を行う考えでいるのかを伺います。      







       
 3 ニシンについて
   近年漁獲量が順調に増えてきたニシンについては、本年も留萌管内はじめ各地で群来が見られ、前年をさらに上回る漁獲が見込まれております。これは道をはじめ関係者の取組の結果の賜物であり、今後もこの増加傾向が堅調に進むことが期待されております。
 北米等からニシンを輸入しカズノコを生産している留萌管内をはじめとする道内の水産加工会社にとってもコロナ禍等の要因により海外からの確保が難しくなっている現状に鑑みたとき、このような傾向は好ましいものであります。
 ニシンに関して、道は本年の漁獲状況をどのように認識しているかを伺うとともに、今後も増加傾向が安定的に継続し、他の漁業資源の減少を補い、漁業経営、地域経済へプラスの効果をもたらすものとするべく、今後どのように取り組むのか伺います。  
水産林務部長  
 イワシの資源量などについてですが、道内で漁獲されるマイワシは、日本海から太平洋まで広く分布し、夏から秋にかけて多く漁獲されますが、近年は資源量が増加傾向にあり、漁獲量は、平成25年に1万トンを超え、昨年は過去30年で最も多く、速報値では約25万トンとなっております。
 マイワシは、15度前後の水温帯を好み、餌を求め、または産卵のため、日本各地の海域を広く回遊しており、海水温の急激な変化に伴うへい死や、クジラなど捕食者からの逃避行動により、海岸に大量に打ち上げられる現象が見られております。
 道としては、引き続き、道総研水産試験場が行う水温や塩分濃度などの海洋環境や来遊時期、生息状況に関する各種調査を踏まえ、資源動向の解明などに努めてまいります。  

 知事  
 漁業資源の変化に関し、ニシン資源の有効活用などについてでありますが、道では、平成8年度から「日本海ニシン資源回復プロジェクト」に着手し、種苗の大量放流や漁業者の自主的な資源管理の取組を促してきた結果、資源が着実に増え、各地で群来も見られるようになり、本年の漁獲量は5千3百トンとプロジェクトが始まって以来、最高の水揚げを記録し、貴重な旬の鮮魚やカズノコなどの加工原料として利用され、漁業や水産加工業など地域の産業に貢献しているところであります。
  道としては、引き続き、資源増大への取組を推進するとともに消費拡大に向けた飲食店でのニシンフェアの開催や、道総研水産試験場で開発した骨まで食べられる加工品のPRのほか家庭でも手軽に調理できるレシピを配布するなど増加傾向にあるニシン資源の有効活用を促進し、漁業経営の安定を図ってまいります。

  三 本道の「攻め」について
(一)インバウンド回復を見据えた本道観光について    
 コロナ感染者が減少傾向を見せていることを受け、政府の水際対策も緩和され、入国者受け入れの上限が6月1日から1日2万人に増やされ、6月10日から観光目的の外国人の受け入れが再開されています。
 コロナ後のインバウンド観光需要の回復は、国内の他都府県はもちろん、海外においても重要課題とされており、今後は回復する需要の獲得、および継続的な取り込みにむけて、各地域での取り組みが強化され、競争が激化すると考えられます。
 本道は、日本国内はもとより、主にアジア圏の方々からも観光地として高い人気を誇っていました。 例えば先進諸国では「エコ」や「ユニバーサル」という考えが、訪問先の決定要因の必須条件となりつつあり、それぞれへの本道の取り組み姿勢や環境整備が、今後継続的な需要獲得に向けた重要な案件となってくると思われます。 道としても、今後一層観光地としての本道の価値を高め、海外から継続的に選ばれ続けることが重要です。
 同時に、マスク着用などの日常的な感染防止策などを巡り、海外からの観光客と道民との間でトラブルが起きないよう対策を練る必要もあります。
 インバウンド回復を見据えた今後の本道観光のあり方について道はどのような認識を有し、今後どのような取組をする考えでいるのかを伺います。                                                        
      (知事)
 国では、今月1日から入国制限の緩和を行いインバウンドのツアーも開始となった中、道としては、足下の観光需要の回復に全力を注ぐとともに、北海道観光のPRを積極的に進め、海外の需要を取り込んでいくことが不可欠であると認識しています。
 道では、これまでも「HOKKAIDO LOVE」キャンペーンとして、コロナ後の来道を促す情報発信を行ってきたところでありますが、国の万全な感染防止対策を前提に、入国制限の一層の緩和を求めるとともに、その状況を注視しつつ、日本政府観光局と連携したプロモーションや、ウェブやSNSを通じた情報発信、イギリスの現地パートナーを活用した海外の旅行事業者に対するツアー造成の働きかけなどを、一層加速することとしているところであります。
 また、アドベンチャートラベルに代表される長期滞在型や富裕層向けの旅行商品づくりを進め、 道内観光の消費単価の向上を図ることにより、観光立国北海道の再構築に向けた取組を進めてまいります。                                                                    
 (二)洋上風力の推進と貴重な海鳥の保護について
 私の地元、留萌管内羽幌町の天売島は、世界有数の海鳥の繁殖地であります。その鳴き声からオロロン鳥とも言われるウミガラスは、1960年代、8千羽、国内での生息が確認されていましたが、日本国内で唯一、天売島でのみ繁殖しており、2000年台初頭には、13羽まで減少したと言われましたが、関係各位の懸命な努力によって、近年は、100羽まで回復してきたと言われております。
 他にも天売島には、ウトウ、ケイマフリなどの希少な海鳥が生息し、管内沿岸が採餌海域となっていることから、洋上風力誘致にあたっては特に海鳥や自然環境への影響を懸念する声があります。
 先日、羽幌町の海鳥センターで、陸上風力の風車により毎年バードストライクが発生し、傷ついたオジロワシ等の希少動物の保護に熱心に取り組んでいる方々と意見交換をする機会を得ました。そこで、洋上に風車ができた場合、どれくらいバードストライクが起こり得て、それを回避する方法はあるのか、また風車が、繁殖を阻害する要因とならないのか、バードストライクで傷ついた海鳥に対する事業者の責任はどうあるべきか等々、様々なご意見を頂きました。
 洋上風力に関し、漁業への影響が論じられることは多いものの、貴重な海鳥への影響等について議論されることはまだ少ないと感じます。全国で機運が高まっている海域と比較しても、貴重な海鳥の生息地が有るのは留萌管内のみであると思われます。
 道、振興局としても、この点に対する調査研究を行い、不安払しょくに努める必要があるのではないでしょうか。
 経済部の事業として「洋上風力発電導入加速化事業」が実施されており、当該事業によって機運醸成に向けたセミナー、地域における合意形成のための勉強会が開催されていると承知をします。道として同事業の課題の一つに海鳥など希少動物への影響を加える考えがあるのかをまず伺います。
 また、洋上風力が貴重な海鳥にもたらす影響に関し、道がこれまで積み重ねてきた知見はどのようなものかを伺うと共に、海鳥への影響の回避や地域住民との合意形成に向けて今後どのように取り組むのかを伺います。  
      (知事)
 洋上風力による海鳥への影響などについてでありますが、これまで道内では大規模な洋上風力発電所が稼働していないことから、道としては、海鳥に対する影響について、陸上風力の環境影響評価などから判明している事例も含め、道内外の情報の収集に努めているところであります。
 国では、海鳥の集団繁殖地や洋上分布、保護区等の データをもとに、鳥類への影響が懸念される区域を地図に示し、風力発電の導入にあたって事業者に活用を求めており、道としては、洋上風力事業を検討する事業者の方々に対し配慮すべき事項について周知を図るとともに、環境影響評価手続きの中でも海鳥を含めた環境保全について適正な配慮を求めてまいります。   
 また、道の「洋上風力発電導入加速化事業」では、海鳥や環境への影響なども含め、地域の方々の関心が高いテーマを設定し、意見交換会や勉強会等を開催することとしており、こうした取組を通じて、地域で進められている合意形成を支援してまいります。                                          
(三)森林認証制度について
 持続可能な森林経営を支援する民間主体の制度である森林認証制度に関し、私の地元留萌管内でも、2020年に「るもい森林認証検討会」設立がされ、道の担当部局のサポートのおかげもあり、認証取得に取り組んできた結果、道内8つ目の取得となる見通しであります。  
 これにより留萌管内の森林に対する信頼度が高まることで、林業従事者の意欲も向上し、農業、漁業の環境改善に繋がり、ゼロカーボン北海道の実現に大きく貢献できることが期待されるのと同時に、いわゆるウッドショックにより木材価格が高騰し、道産木材への注目が高まっているように、認証制度の取得が実際の地域経済の活性化に繋がっていくことを切望する声があります。
 道として留萌管内で森林認証の取得が実現したことを受け、今後それが地域経済の発展に実際にリンクするよう、どのように取り組んでいく考えでいるのかを伺います。  
 知事  
 森林認証の取組についてでありますが、道内で認証を取得した森林面積は全国の約6割を占めており、道では、認証取得を契機として、環境に配慮した持続可能な森林づくりはもとより、認証材の高付加価値化や販路拡大を進め、地域の林業・木材産業の活性化につなげていくことが重要と考えております。
 このため、新たに留萌地域の道有林において、今年度中の認証取得を目指すほか、認証制度や活用事例に関する各地域のセミナーの開催に支援するとともに、認証材を安定的に供給できる本道の優位性を活かし、制度への関心が高い首都圏や台湾の展示会で効果的なプロモーションを行うなど、森林認証を取得した地域を核に、全道において、持続的な森林経営と木材の利用拡大が進むよう取り組んでまいります。       
  四 学校の部活動について
(一)地域移行について

 文部科学省は、義務教育の中学校における部活動に関し、土日祝日の休日は地域の民間人等による指導を行うといういわゆる部活動の地域移行を、令和5年度から7年度までを改革集中期間として始めるべく、現在検討を進めていると承知をします。
 これは教職員の皆様の負担を減らす観点からも重要な取組であると考えます。しかし、その実行の為には、部活の指導を行える人材の確保、並びに地域偏在の是正、地域移行に際し、発生しうる金銭的な費用や責任の負担の在り方などの課題があると考えます。
 道教委は部活動の地域移行についてどのような認識を有し、その実行に向けて各市町村教育委員会との連携など、今後どのような取組をしていく考えでいるのか伺います。      
    (教育長)  
 部活動の地域移行についてでありますが、部活動は、生徒の自主的な活動を通じて自己肯定感を高めるなど、大きな役割を担っておりますが、少子化に伴い、部活動数が減少している現状や、教員の長時間勤務を解消し教育活動の質の向上を目指す観点などから、地域の方々の御理解の下で持続可能で多様なスポーツ環境を整えることは、大変、重要と考えております。
 先に示されました国の有識者会議の提言では、休日の運動部活動から段階的に地域移行していくことを基本に、受け皿の整備や指導者の確保、大会や会費の在り方の方向性などが示されるとともに、都道府県及び市町村において、スケジュールを定めた推進計画を策定することなどが盛り込まれたところであります。
 道教委といたしましては、国の動きを注視しながら、道内はもとより全国の先進地域の好事例を収集し、今後行います道民アンケートの結果も参考としながら、各地域において、実情に応じた検討が、より多くの方々の参画を得て早期に開始され、移行が円滑に進むよう知事部局をはじめ、市町村教育委員会や関係団体と連携しながら取り組んでまいる。
  (二)部活動チームの維持について  
 少子化の進行に伴い、地域によっては高校の部活動に十分な部員数を確保できないところもあり、先程同僚の太田議員も質問されていましたが、このような課題が全道各地に見られると思います。例えば野球部に関しては、1チーム9名の人数を満たせない高校同士が合同でチームを組む事例も増えています。
 私の地元を例に出しますと、羽幌高校の野球部の部員数は現在5名で、単独でチームを組むことができないことから、上川管内富良野市、上富良野町の高校と合同チームを組み、各種大会に出場しています。生徒、保護者また学校としても、各種大会に出場できる機会を得られたことに喜びとやりがいを感じ、部活動に励んでいると伺っています。
 その一方で、羽幌町と富良野市、上富良野町を互いに行き来するにしても片道3時間ほどの時間を要することから、生徒、保護者はじめ関係者の身体的、金銭的な負担は決して小さくないと考えられます。
 高校野球を所管する高野連の規定によると、複数校で合同のチームをつくるには、互いに8名以下のチーム同士に限定するというものがあることから、同じ振興局管内で距離的に近い野球部のある高校があったとしても、それらの高校が9名以上の部員がいる場合は合同が認められないとのことであります。
 今後全国的に更に少子化が進行し、高校生の人数が減っていくことが予想されます。中長期の視点に立ち、高校生の部活動の機会を確保していく観点からも、他都府県と比較して広域分散化が著しい本道においては、生徒、保護者の選択肢の一つとして、最低部員数を満たしているチーム、満たしていないチームが組むことを認めるような柔軟な規定があっても良いのではないでしょうか。
 道教委は、このような野球に関する部活動の現状、高野連の規程についてどのように認識しているか伺うとともに、生徒、保護者の様々な負担軽減と部活動の維持に向けて、どのように今後取り組むのか伺います。
  (教育長)
 部活動の連合チームの取扱いについてでありますが、 日本高等学校野球連盟におきましては、少子化による部員不足を踏まえ、部員数が8人以下の高校を対象に、連合チームによる大会参加を特別措置として認めていると承知しておりますが、広域な本道では、遠方の高校と編成している実態もあることから、部員数に関わらず、近隣の高校との編成を期待する声もあるものと承知しており、多様な部活動の在り方を考えていくことが重要と考えております。  
 道教委としては、今後、高野連をはじめ、中体連や高体連、校長会やPTA等によって構成をいたします「部活動関係者会議」等において、連合チームの成果や課題等について議論を重ね、生徒や保護者の方々の意見も踏まえながら、より望ましい在り方を検討するとともに、必要に応じて、関係機関等に対し、連合チームの取扱いについて要請をしてまいります。                  

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