道議会本会議で一般質問を行いました。(2022年3月9日)

質問のポイント

 来年度の当初予算を決める、一年の中で最も重要な定例会が第一回定例会です。

 今回は「安全保障」をテーマに質問を組み立てました。

 安全保障の意味は、現実的な防衛力や外交交渉をもって国家間の武力紛争を防ぐことを意味しますが、幅広く国民の生命を守るという意味では、生命の根源である食料を安定的に確保していくことが、安全保障の基礎であると私は考えています。

 与党自民党、また農水省の中でも食料安全保障の議論が始まりました。2030年に道内食料自給率268%達成を目指している北海道が、この議論をけん引しなくてはなりません。

 このことに対する道の認識と取り組みについて質問しました。

 他にも、岸田内閣が謳う経済安全保障に対する道の対応やゼロカーボン推進のための体制強化、苫前商業高校はじめ地域連携特例校存続に向けた取組、旧留萌高校校舎などの遊休化した教育施設の活用等についても質問しました。

○質問項目

一 積極的疫学調査の重点化によって生じた影響について

二 経済安全保障について

三 本道農業の持続的発展について

  • 食料安全保障について
  • コスト上昇への対応について
  • 需要減少への対応について
  • 新規就農者について

四 密漁対策について

五 ゼロカーボン北海道について

  • 道庁の組織体制について
  • 建設業におけるゼロカーボンの取組について

六 難病対策について

七 本道教育の課題について

  • 地域連携特例校について
  • 遊休化している教育施設への対応について

質問のやり取り

(浅野)

目次

一 積極的疫学調査の重点化によって生じた影響について

 感染力の強い変異株オミクロンによって本道は過去最大の感染拡大局面に入ったことを受け、道は国の方針に基づき、従来の積極的疫学調査の対象を感染者本人、家族等の同居者に限定し、基本的に感染者本人が濃厚接触者とみられる方に連絡する等の重点化措置を講じています。

 これにより、以下の新たな課題が今回浮き彫りになったと考えます。

 まずは道民の不安、負担が増したことです。道のHPを見ても状況が良く把握できず、どのように対応すべきか迷う道民が出て、また、医療・介護以外の事業所において、自身の判断で濃厚接触者の範囲を決めること等が求められる企業の担当者等が判断に困ることも多くあったものと思われます。

 また、重点化措置により感染者を拾いきれなくなったことや、道が道内各地に設置した無料検査所においても、希望者が殺到したため数週間待たされる事例も起き、市販の検査キットも入手が困難となったこと等により、感染拡大に繋がってしまったことも否めないと考えます。

 他には感染の不安がある道民がかけつけたことで、発熱外来等を担う地域の医療機関の負担が増したこと、これにより発熱外来とともに、救急外来等の医療を提供する医療機関においては、それらが提供できなくなる恐れが増したものもあったものと考えます。

 コロナ禍が始まって以来、多大な負担を担い、道民の健康、生命を守ってきた保健所職員の負担を減らし、保健所機能そのものを維持して重症化リスクの高い方を優先して守るためにはやむを得ない措置であることは、多くの道民が理解していると考えますが、今後を見据えて以下の対応が求められると考えます。

 まずは検査機関、感染症に対応できる医療機関等が乏しいところもある、道内の二次医療圏ごとの地域事情に沿った、全道一律ではない対応が求められると考えます。また、今後も同様の事態が生じることを想定し、道と各市町村はもちろん、各商工会議所や商工会等の経済団体と綿密な打ち合わせをし、各事業所における理解促進に努めることも重要です。他には、道の無料PCR検査所を道内179全市町村であまねく設置されるよう、市町村に強く協力を依頼すること、そして発熱外来等、コロナに対応できる医療機関を増やすことも重要です。

 道はこの度の重点化措置をいつまで継続する考えでいるのかを伺う共に、これにより生じた課題についてどのように認識し、今後どのような対応を取る考えでいるのか伺います。

(新型コロナウイルス感染症対策監)

 積極的疫学調査の重点化等についてでございますがデルタ株に比べ、感染力が高く、潜伏期間が短いといった特性を持つ、オミクロン株による感染が拡大し、新規感染者数がこれまでにない高い水準となる中、従前の積極的疫学調査により感染拡大を抑制する手法には、限界があると考えているところでございます。このため、道では、重症化リスクの高い患者の方を迅速に探知し、治療が必要な方を確実に医療に繋げることができるよう、積極的疫学調査を重点化したところであり、引き続き、事業者や道民の皆様にお願いする事項をまとめたリーフレットの内容や周知方法を工夫するなどし、事業者団体や各職場において、主体的な対策が進められるよう取り組みますとともに、現行の取扱いについては、今後の流行の主体となる変異株の特性や地域の感染状況はもとより、新たな知見などを踏まえた国の動向も注視しながら、適切に対応していく考えでございます。

 また、医療機関の負担や検査ニーズの増大に対応するため、新たな診療・検査医療機関の指定などの働きかけや、受診前に自ら検査を行う取組のほか、無料検査事業の登録事業所の拡充などを図ってきた中で、一部地域において受診や検査までに一定の時間を要する場合もありましたが、今後も、抗原検査キットの流通状況を確認しながら、医療や検査を必要とする方々に適切に保健・医療サービスが提供できるよう、その体制の更なる充実・強化に向けて取り組んでまいります。

(浅野)

二 経済安全保障について

 次に、経済安全保障について伺います。岸田文雄内閣の肝いり政策の一つである、「経済施策を一体的に講じることによる安全保障の確保の推進に関する法律」案が2月25日に閣議決定されました。政府の目指す経済安全保障とは、国民生活・経済活動に必要不可欠な重要物資の安定的な供給確保、我が国の国益に直結し得る電気、放送、鉄道などの14分野にわたる基幹インフラ役務の安定的な提供の確保。これらに加え、先端技術への開発支援、特許出願の非公開と、主に4つの項目にわたり、政府と民間事業者の責務などを定めるものと承知をしております。

 広域分散かつ積雪寒冷地である本道においては、特に基幹インフラに指定された14分野が道民生活を守る上で果たす役割は他都府県と比較してより重みを持つと思われることから、経済安全保障を進めることは重要であると、私は考えます。同法案の内容については未だ詳細が決められていないものもありますが、各地域における実情把握等に際しては都道府県、市町村に役割が求められることも想定されること、また罰則の内容によっては事業者に過大な負担を強いるものとなり得ることから、道としても同法案の内容を注視しているものと承知します。

 道として、閣議決定された経済安全保障のあり方に対し、現時点でどのような認識を有しているのかを伺うと共に、法案の成立を見据え、今後どのように対応する考えでいるのか伺います。

(知事)

 最初に、国の経済安全保障についてでありますが、国は、サプライチェーンの脆弱性が国民の皆様の生命・生活を脅かすリスクや基幹インフラの安全性・信頼性の確保、資源・原材料や重要物資をめぐる国家間の獲得競争の激化など、国際情勢の複雑化や社会経済構造の変化等を背景として、事業者の方々が講ずるべき措置を規定した、いわゆる経済安全保障推進法案を、先月閣議決定したところでございます。

 法案は、現在、国会審議中と承知しておりますが、道といたしましても、国が示している、規制によって達成しようとする国家及び国民の皆様の安全と、事業者の方々の経済活動の自由とのバランスがとれた制度となることは重要であると考えており、今後、議論の行方を注視するとともに、必要に応じ、道民の皆様の生活や産業活動への影響に関する制度の詳細や事業者の方々に対する支援措置について国に求めるなど、適切に対応してまいります。

(浅野)

三 本道農業の持続的発展について

(一)食料安全保障について

 224日、与党自民党の中に「食料安全保障に関する検討委員会」が発足し、農水省の中にも検討チームが発足したとのことであります。2021年度より始まった道の第6期農業農村振興推進計画において、2030年における本道農業に関し、食料自給率を268%とするなどの目標が掲げられており、我が国の農業に占める本道の位置づけは極めて重く、我が国の食料安全保障は本道農業を抜きには語ることはできないと考えます。

 一方で、昨年来、水田活用の直接支払交付金の運用見直しが提示され、来年度からの様々な変更を見据え、生産の現場では不安が広がっています。このことへの対応は、今後5年の中で現場の課題を検証しながら、道が中心になって進められると承知しますが、道は道内118の地域協議会をはじめ地域ごとの課題を精査し、関係団体と連携しながら、本道農業者の意欲を守り、本道農業を持続可能なものとするための政策を打っていくべきと考えます。

 食料安全保障に対する道の認識と共に、これらの課題をどのように解決し、本道農業が我が国の食料安全保障をけん引する産業として発展させていく考えでいるのか、道の認識並びに今後の取組について伺います。

(知事)

 食料安全保障についてでありますが、世界的な人口増加や頻発する自然災害、資材価格の高騰、さらには海外での紛争等により、食料の安定供給のリスクが高まる中、本道の農業が、我が国の食料自給率の向上に寄与し、持続的に発展していくことは、食料安全保障の確立につながるものであり、道としては、水田をはじめ、畑作や酪農など地域の特色を活かした農業を生産力と競争力を高めながら展開していくことが重要であると考えております。

 このため、「第6期北海道農業・農村振興推進計画」に掲げる目標の実現に向け、生産基盤の強化やスマート農業の加速化、多様な担い手の育成や確保、環境保全型農業の推進などの取組を総合的に展開するとともに、水田活用の直接支払交付金に関しては、関係機関・団体の方々で構成する連絡会議において、地域課題の把握やその対応策について検討し、本道の実情に即した制度の運用や必要な予算をオール北海道で国に求めることとしており、今後とも若手農業者の皆様が意欲を持って取り組み、我が国の食料安全保障の確立に貢献していけるよう、力強い本道の農業や農村づくりに努めてまいります。

(浅野)

(二)コスト上昇への対応について

 原油価格の上昇、コロナ禍による需要減少に、そして豪雪と、農業を取り巻く環境は幾つもの重荷に見舞われております。225日に農水省が公表した本年1月の農業物価指数を見ても、生産資材等の様々な分野の指数が上がっており、これにロシアによるウクライナ侵略によって生じた世界的な混乱が今後さらに上昇圧力が加えるものと考えます。

 また今冬の豪雪がコスト増にさらに拍車をかけました。特に広大な敷地を抱える酪農家は、行政による除排雪サービスとは別に自ら敷地内を除排雪しなくてはならず、燃料費用が特に嵩み、どれだけ頑張ってもクミカンが赤字を更新するのみで、このままでは営農が続けられないという悲痛な声が寄せられています。道として、農業におけるコスト上昇の現状をどのように把握し、今後どのような対応を取る考えでいるのか伺います。

(農政部長)

 農業の生産コスト上昇への対応についてでありますが、肥料や飼料の世界的な需要の高まりやコロナ禍からの経済再開などにより、農業生産資材価格は高騰が続いており、農林水産省の農業物価統計調査によると、本年1月現在の価格は、基準年の平成27年に比較して、肥料は1割、配合飼料は2割、重油は3割上昇していることに加え、海外紛争など予断を許さない状況から、農業経営への影響を懸念しているところです。

 このため、道では、生産資材の価格高騰に対する経営への影響を注視するとともに、肥料については、国の事業を活用し、農地の土壌診断により使用量の低減を進めるほか、燃油や飼料については、国と生産者の拠出で積み立てた基金から価格高騰分を補てんする制度の活用を促すとともに、自給飼料の活用拡大を図るなど、営農への影響が最小限にとどまるよう取り組んでまいります。

(浅野)

(三)需要減少への対応について

 コロナ禍による需要減少を受け、昨年来、かつてない量の米の在庫が積み上がり、また生乳に関しては学校給食による消費がなくなる年度末を控え、再度大量廃棄の危機に瀕しています。

 道は昨年来、米に関しては「ご炊こうチャレンジ」、生乳に関しては「牛乳チャレンジ」と銘打った動画配信等の意味深い事業を行っております。

 米と牛乳の需要減少の背景にはコロナ禍による飲食店の休業等があることはもちろんですが、ダイエットに関連する一部の企業の宣伝等により、米は糖質を牛乳は脂肪を多く含んでおり、痩せるにはこれらを制限しなくてはならないとの認識が社会に広く広がっていることも背景にあるものと考えます。米と生乳の需要喚起に関しては、これらを摂れば必ず太るというわけではないということ、またこれらは健康を維持する上で欠かせない、非常に優れた栄養を含んだものであることを広く周知しなくてはならないと考えます。

 それとともに、道民一人当たり追加的にどれだけのお米を食べ、牛乳を飲むことで、生産者を助けることにもつながるのかというわかりやすい数値目標を発信することも重要ではないでしょうか。

 例えば米に関しては、ホクレンの試算によれば在庫水準は6万トンとされています。6万トンを道内人口約520万人で割って算出される約11,483gを、365日で割ると約31gとなります。お茶碗のごはん一杯が約65gであることを考えれば、全道民が一日に通常食べる分に加え、お茶碗半分だけのお米を追加的に食べれば1年のうちに在庫が解消されることになります。

 牛乳に関しては、学校給食向け消費量が一日あたり全国で約1,800トンと言われており、それをコップ一杯分約200㏄で割れば、コップ900万杯分になります。この900万杯は日本の総人口に対して約7%の割合となることから、国民の10人に1人がコップ一杯分の牛乳を春休みの期間中に追加的に飲むことで、学校給食分の消費を賄うことができることになります。

 これらはあくまで留萌振興局の担当者と私が行った様々な前提条件をカットした、極めてシンプルな試算でしかありませんが、道としてもこのような具体的な数字を示した発信をすることが、道民の需要を喚起する上で効果的だと考えます。これらを踏まえ、道として今後米と生乳の需要減少にどの様に対応するのか伺います。

(農政部長)

 米と牛乳の需要喚起についてでありますが、人口減少や高齢化による消費量の減少に加え、コロナ禍での業務用需要の低迷などから、全国的に米や牛乳乳製品の需給が緩和するなど、厳しい状況を踏まえ、道では、農業団体などと連携したななつぼしの新米増量キャンペーンなどの北海道米プロモーションや、食品企業との連携による甘酒などの新商品開発を進めているほか、牛乳を朝のルーティーンにすることを広く呼びかけるなど、その消費拡大に向けて取り組んでいるところです。

 今後とも、高校や大学、専門学校の学生を対象としたごはん食を推進するセミナーの開催や高齢者向けの食育講座を実施するとともに、生乳生産の理解を醸成するための「紙芝居」の動画を来週から配信するなど、具体的な数字も示しながら、ごはんや牛乳のわかりやすい情報を発信して、道民の皆様の理解を推進し、北海道米と生乳の需給環境の改善につなげてまいります。

(浅野)

(四)新規就農者について

 令和2年度の新規就農者実態調査によると、同年における道内の新規就農者総数は474名であり、概ね600名で推移していた近年と比較すると少ない結果となりました。道は新規就農者を【新規学卒】、【Uターン】、【新規参入】の三つに区分していますが、それぞれの就農者が道外から来るのか、また道内のある地域から道内の他の地域に行くのか、または道内の既に居住している地域内で転職して新規に就農するのか、実態は様々であり、道としても詳細は把握していないと承知します。

 これらのうち道外から来るケース、道内を移動するケースは、農業技術の習得のみならず住宅の確保をはじめとする移住定住促進策が充実している市町村で大きな効果を出していることに鑑みれば、道の新規就農を促す政策は、市町村の移住定住政策とセットである必要があると考えます。他にも、営農の基本となる農地の取得についても、農業委員会はじめ市町村との連携が欠かせません。

 道として、これらの点を踏まえ、本道における新規就農者を増やすため、今後どのように市町村と連携していく考えでいるのか伺います。

(知事)

 担い手の育成・確保についてでありますが、本道の農業や農村が、将来にわたり持続的に発展していくためには、農業生産はもとより、地域社会も支える担い手を地域ぐるみで受け入れ、育成や確保していくことが重要であります。このため道では、市町村やJAなどと連携しながら、就農相談会の開催や地域おこし協力隊に関する情報の発信、住宅確保や家賃助成に関する情報の提供、就農後の農地や機械導入の支援など、就農準備から経営開始後までの各段階に応じた取組を実施しているところであります。

 こうした中、地域の受入体制や支援策の濃淡により、その成果の差も明らかになっていることから、道としては、この度、地域の優良事例を取りまとめ、全道に情報発信し、各種施策の活用方法などを振興局や普及センターを通じて波及させているところであり、今後、横展開を図っていくことにより、市町村やJAなど地域のみなさまと一体となって担い手の育成・確保対策に取り組んでまいります。

(浅野)

四 密漁対策について

 私の地元留萌管内で、一昨年10月に道警も交えた密漁対策会議が開催され、この間、道も漁業取締船でこれまで以上に熱心に海域を回る措置を講じており、地元漁業者からも非常に感謝する声が多く聞かれます。国の対策をみれば、令和2年12月に改正漁業法、そして特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律が制定され、最大で3000万円の罰金が科される特定水産動植物の採捕禁止違反、密漁品流通の罪が新設され、他にも様々な厳罰化が図られています。

 このこと自体は評価する声が大きいが、これまでに摘発された事例を見ても、実際に上限の3000万円の罰金が科された例はなく、密漁を働いたとしても、よほどの悪質かつ大規模なものでない限り、数百万円の罰金で済むのであれば、法の実効性が今後どこまで高まるのかと疑問に思う声が、厳罰化されたことで密漁防止に相当な効果があると期待していた漁業者の中であるのも事実です。道は過去の議会答弁の中で、法制度や罰則規定などの周知と徹底を図る旨述べていた。期せずして昨日、伊達漁港近くの噴火湾でナマコ約350キロ密漁したとして、札幌市などの男10名が逮捕される事案が発生しています。

 罰則適用の現状並びにその効果について、道はどのような認識を有しているのか伺うとともに、このような漁業者の声を受け止め、来年度、道はどのように密漁防止に取り組むのか伺います。

(水産林務部長)

 密漁の防止に向けた取組みについてでありますが、令和2年12月に施行された改正漁業法では、ナマコなどの特定水産物の不法な採捕に関する罪と罰金の上限を3000万円とする新たな措置が規定され、本道では、組織的にナマコを密漁し、検挙に至った事案は、法改正前の令和2年と改正後の3年ともに4件でありますが、罰金の最高額は2年の650万円に対し、3年は2360万円となっており、法改正による措置は密漁の抑止につながるものと考えております。

 このため、道としては、全道の密漁防止対策協議会と連携をし、法改正の内容について、新聞広告やデジタルサイネージなどを活用し、引き続き周知を図るほか、警察や海上保安本部と緊密な連携を図りながら、夜間でも遠方まで確認が可能な高性能のカメラを搭載した新たな漁業取締船を重点的に配備し、海上、陸上の双方から監視体制を強化するなど、密漁の未然防止に取り組んでまいります。

(浅野)

五 ゼロカーボン北海道について

(一)道庁の組織体制について

 道は昨年8月にゼロカーボン推進監、ゼロカーボン推進局を設置しました。ゼロカーボン北海道実現の意義は、危機的状況に瀕している地球環境を持続可能なものへ改善し、後世に残していくことであることは言うまでもありませんが、その実現に向けた各種取り組みが、雇用の維持並びに創出、道民所得の向上等、本道経済の発展につながるものでなくてはなりません。また経済発展の切り口も、港湾の活用や水素等の先端技術の開発等多岐に渡り、道庁内においてそれらを担当する部署も複数に跨っている実情があると承知します。

 道はゼロカーボン北海道実現を、多様な観点からの本道経済発展にどの様に結び付ける考えでいるのか、またそのためにゼロカーボン推進局として、どのように各部を束ね、その先頭に立って推進していく考えでいるのか伺います。

(知事)

 ゼロカーボンの推進についてでありますが、脱炭素の取組は、世界的な気候変動問題への貢献のみならず、道内の経済や雇用への好循環につなげる視点に立ち、地域特性に応じた様々な脱炭素の取組を機動的かつ積極的に支援することが重要であると認識しております。施策の推進に当たっては、昨年設置したゼロカーボン推進局が、庁内各部や地域ゼロカーボン推進室はもとより、国のタスクフォース、市町村、関係機関の方々との結節点の役割を果たすとともに、庁内においては、道内外の脱炭素の動きなどの共有のほか、ゼロカーボンの視点を取り入れた国の施策や仕組みなどの各部局における活用を促してきたところでございます。

 道としては、今後とも産学官などの皆様と連携をし、分野横断的に地域の資源や技術、産業を活かした脱炭素の意欲的な取組をソフト・ハード両面で重層的に支援し、環境と経済や社会が調和しながら成長を続ける「ゼロカーボン北海道」の実現に取り組んでまいります。

(浅野)

(二)公共工事におけるゼロカーボンの取組について

  道、国、札幌市は「北海道インフラゼロカーボン試行工事」を令和4年度より新設する予定であると承知をします。これは道内建設業におけるゼロカーボンの機運醸成を図り、具体的な取組を加速させる上で重要な意味をもつものと考えますが、建設業の現場からは、「具体的にどのような取組を行うべきかが定かでない」等の声が寄せられています。

 道はこれらの声を踏まえ、現場への丁寧な説明を行い、理解を得て、ゼロカーボン工事の試行が十分な効果を得られるものにすべきと考えますが、道の認識並びに今後の対応について伺います。

(建設部長)

 北海道インフラゼロカーボン試行工事についてでありますが、道では、新年度から実施する試行工事の取組概要を説明するため、本年1月に建設業団体と意見交換を行ったところでありますが、「脱炭素の取組事例を示してほしい」などの意見もあり、事例や経費の取扱いなど、改めて具体的な内容について周知する必要があると認識しております。

 道といたしましては、試行工事において、低燃費型の機械やバイオディーゼル燃料の使用など、脱炭素の取組が広く展開されることを期待しており、こうした事例を含め試行工事の取組内容について、ホームページを活用するなどして、広く周知するとともに、今後、北海道開発局や札幌市とも連携し、受注者の意欲的な取組事例を収集、発信するほか、建設業団体から課題や意見を伺うなどしながら、試行工事が、より効果的なものになるよう取り組んでまいります。

(浅野)

六 難病対策について

 難病対策についてであります。難病の患者に対する良質で適切な医療の確保と療養生活の維持向上を目的とした「難病患者に対する医療等に関する法律」いわゆる難病法が制定されて、7年が経過しました。道内には、指定難病や特定疾患として認定されている方々が多数おられますが、治療法が確立していない希少な疾病のため、長期にわたる療養が必要であり、患者やご家族の負担の軽減や医療体制の充実が課題となっています。このため、道ではこれまで、難病診療連携拠点病院を中心に地域の医療機関と連携した診療体制の整備を図るとともに、患者やご家族への相談・療養指導などの援助を行っている「一般財団法人北海道難病連」への支援や医療費助成の申請手続きの簡素化などに取り組んでいます。さらに、本年度は、かねて患者団体から要望のあった、受給者証などの関係書類を収納できるケースとして「難病手帳」を都道府県では初めて作成し、これまでお持ちでなかった方々に配布を行なっており、大変喜ばれていると伺っています。

 今後とも、難病手帳の作成・配布をはじめ、患者やご家族に寄り添ったきめ細やかな支援を継続していくことが必要と考えますが、道はどのように取り組んでいくのか、伺います。

(知事)

 難病患者の方々への支援についてでありますが、道では、難病患者の方々やそのご家族の皆様が抱える精神的な不安や医療費などの経済的な負担は大きいものと考えており、これまでも、医療費助成や難病センターにおける相談や支援などの事業を実施してきたほか、全ての二次医療圏において難病医療を提供する体制を整備してきたところでございます。今年度は、難病診療連携拠点病院に相談員を増員し支援体制を強化をするほか、患者の皆様や難病連のご意見を伺いながら、道独自の取組として、受給者証などを収納できる難病手帳を作成し、本年2月から受給者約4万人に配布を開始したところでございます。

 今後は、難病患者の方々のさらなる負担軽減に向け、医療費助成の対象となる疾病の拡充や、支給認定の期間延長を国に要望するなどし、患者の方々やご家族の皆様が、安心して地域で治療や療養を受けられるよう、難病対策に取り組んでまいります。

(浅野)

七 本道教育の課題について

(一)地域連携特例校について

 道教委は平成30年3月に「これからの高校づくりに関する指針」を策定し、地域連携特例校を導入しました。現在まで道教委は様々な方法により地域連携特例校の在り方を含めた指針の内容について見直しを進めているものと承知します。私の地元留萌管内苫前町に所在する苫前商業高校は、福士敦朗苫前町長をはじめとする地域の皆様の懸命な御努力により、令和4年度は前年を大きく上回る23名の新規入学希望者が集まり、再編整備の対象となることは避けられました。

 関係者はこの結果に胸をなでおろしながらも、同校でしか得られない「とままえ学」なるカリキュラムの導入とともに、生徒自らの発案による事業展開などにより学びの価値をより磨き上げ、地元留萌管内はもちろん全道、全国にそれを発信し、子供たちの特性を引き出し、学校生活そのものが子どもたちにとって夢と希望に満ちたものとなる、教育の根幹ともいうべき生きる力を育む教育が継続されるよう、地域と高校が一丸となって更に努力を強化していこうと意を強くしているところであります。

 しかし昨年来、道教委は、地域連携特例校を抱える道内自治体に対し、これまで適用されてきた再編整備の留保が適用される期間を、留保開始年度を起点として5年間とする内々の案を示し、地域には困惑と反発が見られました。現時点でこの案に対して道教委はどのように認識しているのかを伺うとともに、高校を存続させるべく努力している道内各地の地域連携特例校並びに立地自治体の関係者に対し、どのような支援を行っていく考えでいるのか伺います。

(教育長)

 これからの地域連携特例校の在り方についてでありますが、道教委では、これまで、1学年1学級の高校のうち地理的状況から再編が困難であり、地元からの進学率が高い高校を特例校として存続を図ってまいりましたが、再編整備の留保に関し、一定の期間を設けることなどにつきましては、自治体の長を含めた有識者からなる検討会議で議論することなどを含め、慎重に検討を進めていく必要があると認識をいたしております。

 また、各特例校におきましては、地域の教育資源等を効果的に活用するなどして、地域課題の解決に向けた探究的な学びなど、創意工夫のある教育活動に取り組んでおり、道教委といたしましては、より一層の入学者の確保に向け、生徒の興味・関心や進路希望等に対応できるよう、T-baseにおける遠隔授業の配信機能を高めるとともに、地域と学校の連携・協働を推進するコミュニティ・スクールの導入のほか、地域の関係者の皆様が参画をするワークショップに職員を派遣をし、地域とともに、高校の魅力化に向けた新たな方策を検討するなど、学校や地域の実情に応じた、特色ある高校づくりに向けた支援に努めてまいります。

(浅野)

(二)遊休化している教育施設への対応について

 私の地元留萌市では、2018年より旧留萌高校と旧千望高校が合併し、旧千望高校の校舎に両校が入り、新生留萌高校としての歩みを始めています。しかし、旧留萌高校校舎については、2004年に新設されたものが現在までそのまま置かれ、夏の時期には草が茂り景観を損ねていることや、年々劣化する大きな建物がそのまま置かれていることなどに対し、地域住民から不安の声が寄せられています。これまでの間、地元の経済界や留萌市が有効活用の方策を模索してきましたが、既に建物が老朽化し、活用するにしても巨額の修繕費用がかかることが指摘されています。

 道教委では、廃校になった道立学校の校舎や未利用地について、利活用をホームページで呼びかけていると承知しますが、これまでどの様な反応があり、また、どの様な具体的な成果があるのか伺います。また、財産を管理している道教委としても、何らかの具体的な対策を講じるべきと考えますが、これまで行ってきた対策の経過も含め、道教委の認識と今後の対応について伺います。

(教育長)

 廃校となった校舎等の利活用についてでありますが、道教委では、道立学校が廃校となった際には、道や市町村における利活用を検討し、その見込みがない場合、学校法人や企業など民間事業者の方に広く購入希望を募っており、これまで事業者の方から、分譲住宅用敷地や、障がい者福祉施設として利活用したい、などの御照会を受け、施設図面の送付や現地案内などの対応をしてきているところです。現在、道教委が公表している廃校校舎は4件あり、このうち、事業者の方から購入希望がある1件について、売却に向けた準備を進めております。

 道教委といたしましては、廃校校舎等の維持管理コストを考慮いたしますと、未利用資産の利活用は大変重要と考えており、市町村による活用希望の確認やホームページでの周知などこれまでの取組に加えまして、民間需要を把握するためのサウンディング型市場調査を実施するなど、知事部局や地元市町村とも、より一層連携しながら、廃校校舎等の有効活用に努めてまいります。

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