一 災害時の代替道路の整備等について
(浅野)私からは、先ほどご報告いただいた、この度の7月豪雨に際しての国道にかわる代替道路の整備等について伺って参りたいと存じます。
7月はじめに発生した集中豪雨の際、道建設部の皆様も大変な一日も早い復旧に向けて、情報収集など現地の状況把握に努められたこと心から感謝申し上げます。
その上で、以下伺って参りますが、私の地元留萌管内には231号線、232号線と海岸に面した国道がございます。7月3日、小平町の花岡という地域で法面が崩れまして通行止めが生じました。この間、国道ですから留萌開発建設部、国土交通省、そして不眠不休で復旧事業にあたっていただいた事業者の方々のおかげをもって、何とか3日以内に片側で通行することができまして、その後、今、全面開通に至っております。
この間ですね、様々な物資のやりとりができなくて不便な面もあったのですが、何より地域にとって不安だったのが、道立羽幌病院がある羽幌を含む留萌管内中北部から急病患者が出た際には、主に留萌市立病院に搬送されるのですけれども、この急病患者の搬送ができなかったと、できたとしても大変な迂回路を通らなくてはいけないという事態が生じました。このことについて大きな不安があったということを踏まえて伺って参りますが。
(一)国への要望について
(浅野)まず国の話しなのですけれども、国土交通省は国道231号線・232号線については、強靭化対策の基本方針案を策定してくれています。この国道、特に北部では吹雪、中央部では越波、南部では落石、全体では交通事故と様々なリスクを抱えている国道でありまして、区域ごとに起こり得る課題を整理して、災害時の地域孤立の解消や物流ルートとしての確実性の確保、観光資源の活用等の観点から強靭化のあり方を検討していただいていると承知をしますが、道としては、国道231号線・232号線をはじめとする国道の強靭化に関して、国にどのような要望をしているのか、まず伺います。
(信太一人道路課長)国への要望についてでありますが、安全で円滑な道路交通の確保は、地域経済の活性化はもとより、救急搬送、災害時の物資輸送など道民生活を支える上で大変重要であると認識しているところでございます。
このため、道では、市町村や関係団体と一体となり、様々な要請活動を通じ、国道における台風や地震などの「災害に備えた安全な道路交通環境の整備」について、国などへ働きかけを行ってきたところでございます。
(二)代替道路の整備について
(浅野)今回の大雨では、先ほども申し上げましたとおり国道が通行止めとなりまして、道立羽幌病院がある羽幌町から留萌市立病院がある留萌市は大体50㎞の距離なんですね。通常走れば一時間ほどで移動できる距離なんですけれども、ここが通行止めになったものですから、上川管内の方をぐるっと回る、通常50㎞の移動で良いところ約270㎞。札幌から例えば北に向かうとしたら、50㎞といいますと美唄市に入るくらい、三笠市と美唄市の間くらいの奈井江町くらいかと思いますが、270㎞といいますと、多分、吉田委員長の稚内くらいの距離になります。およそ迂回路、代替道路というにはほど遠い、ものすごい遠回りをしなくてはいけなかったのです。同じ小平町内に住んでいる方でも、南北に移動している方は自宅に帰れないという事態も生じました。
このような大幅な回り道をしなくてはならない事態があったわけですが、今回通行止めが生じた地点から見ますと、現在道として進めていただいている大椴線、苫前小平線、こうした道道の整備が完了していればですね、このような6倍近くの遠回りとはならず、せいぜいプラス30㎞に満たないくらいの回り道で済んだかと思います。これら現在進めていただいている道道の整備について、進捗状況はどのようになっているのか伺います。
(信太一人道路課長)代替道路の整備状況についてですが、災害時において、寸断された道路を補完する代替道路は、地域の孤立の防止や、物流など社会経済活動を支える上で、大変重要であると認識しているところでございます。
道では、この度の国道232号における通行止め区間の代替道路となる大椴線や苫前小平線で改良工事を進めており、大椴線につきましては、来年度、整備が完了する見込みであり、苫前小平線については、引き続き、必要な予算の確保に努めるなど整備の推進に取り組んでまいる考えでございます。
(三)通行止め時の迂回路の確保について
(浅野)今回通行止めが生じている3日間の間でも、急病患者の搬送は3件あったと伺っております。幸いにも回り道の結果、時間がプラスになった結果、命が失われたという事態は避けられたと聞いておりますが、一分一秒を争うケースの場合は、こうした状況の際に、守られるべきが守られないことも十分起こりうるわけであります。現実的な代替道路の整備、今進めていただいておりますけれども完了はしていない状況で、現時点でこのようなケースが生じた場合、迂回路の確保をどのようにするのか、道路して考えているところを伺います。
(天野俊哉土木局長)迂回路の確保についてでございますが、国道232号の羽幌町と留萌市間が通行止めの際、国道239号、道道霧立小平線、小平幌加内線が迂回路となっているところでございます。
これらの路線につきましては、災害時における代替性の観点からも、国に対して、国道239号の「霧立防災」事業の促進を要望するとともに、道道の安全で安心な道路機能の確保に努めているところでございます。
道といたしましては、国や市町村などの関係機関と連携しながら、災害時の救急救援活動を支える迂回路の確保に努めてまいる考えでございます。
(四)未着手区間の整備について
(浅野)今「霧立防災」の事業の促進の要望など、道としても、今は現時点で取り得る手段を取っていただいていることは承知をいたしましたが、まずは何よりも国道そのものをしっかり強くしていただくということ、国がダメなものを道が代わりにやってくれということにはならないというのはわかるんです。国道をしっかり強化していただく、国にしっかりやっていただくことが第一なのはわかるんですが、日本海、海に面しているという自然環境や、集中豪雨等の突発的な天候の変化が今後起こりうると、近年特に増えている、そういう地球環境の変化等に鑑みる時に、国、国道だけがしっかりしていれば良いということではなく、いざというときの代替道路としての道道の整備というのは、私の地元だけではなく全道的に非常に重要な政策課題になると考えます。
道として、先に述べた既に着手していただいている道道の整備を着実に進めていただきたいと思うんですが、それと同時に、事業着手の見通しがまだ立っていない、地元の話しをすると約9㎞にわたる苫前小平線、まだ事業着手がなされてない部分があります。これがつながれば、ほぼ現実的な迂回路、代替道路ができると、地域からも粘り強い要望が、この間ずっとあがっているわけですけれども、今回の事態を受けて改めて真摯にご検討いただきたいと思いますが、道の見解を伺います。
(天野俊哉土木局長)未着手区間の整備についてでございますが、苫前小平線の未着手となっている区間につきましては、険しい山地となっており、トンネルや雪崩対策などの防災施設が必要な大規模事業となることから、整備効果など、更なる検証が必要と考えているところでございます。
道といたしましては、国道の代替道路の確保に向けて、他路線を含めた未着手区間についても、地域からの要望などを踏まえ、防災、減災の観点も含め、整備の必要性について検討してまいる考えでございます。
(浅野)ぜひ、防災・減災、つまり命を守る観点から、しっかりとご検討いただきたいと存じます。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。