平成30年6月21日 北海道地方路線問題調査特別委員会

一 JR北海道の事業範囲見直しに関する関係者会議について

(浅野)17日に行われたいわゆる6者会議において、既に三好委員からも菅原委員からもお話がありましたけれども、島田社長が記者会見でこのような話をされています。「輸送密度200人未満の線区は他の交通手段に転換とあるが、根室線、留萌線、札沼線、日高線は廃止ということで良いか」というHTBさんの質問に対して、「輸送密度200人未満の路線は、我々は5路線を対象として考えている。これらの線区は鉄道として維持いしていくためには莫大なコストがかかり、そのために国や地域に負担をお願いしていくより、他のより効率的で利便性の高い輸送手段の方が望ましいと提案していくつもり」と。

5路線のうち、廃線が決まっている地域もありますし、バス転換という流れができつつある地域もあるのかもしれませんが、今後、国と道の支援を求める路線と求めない路線を明示するかのような発言によって、私の地元留萌市も含め、関係自治体の方々は大きな不安を感じております。このことを踏まえて、以下質問します。

(一)島田社長の発言について

(浅野)島田社長が今申し上げた発言にあるような、線区に対する支援の求め方について差をつけるような協議は、6者協議の中でなされていないと承知をしているのですが、この発言内容に対して道はどのように認識しているのか改めて伺います。

(鉄道支援担当課長)JR北海道の考え方についてでありますが、JRは、一昨年11月に発表いたしました事業範囲の見直しにおいて、輸送密度200人未満の線区については、バス等への転換について地域と相談を行う考えを示したところであり、この度の経営再生の見通しでも、同様の考え方が示されたところでございます。

また、輸送密度200人以上2,000人未満の線区については、定期的な検証のもと、国や道、市町村に支援を求めていくという考え方が示されたものと認識してございます。

現在、道においては、本年3月に策定いたしました交通政策総合指針の考え方に基づきまして、地域の実情を踏まえた最適な公共交通体系のあり方について、地域の皆様と検討を進めているところであり、今後も、引き続き、十分な議論を尽くし、理解を得ながら対応していく必要があると考えているところでございます。

(二)道の認識並びに発言について

(浅野)今、佐々木課長がご答弁いただいたように、200人未満の線区と200人以上の線区について、JRがそれぞれ考え方を示したというのは、資料を見ても承知をしております。これは新聞報道なんですけれど、18日月曜日の北海道新聞に「JR5区間、国の支援なし、6社協議、深川、留萌など、JR8区間の存廃に言及」という大きな見出しの記事があり、表が作られているんですね。国の財政支援の対象外として、札沼線、根室線、留萌線、夕張支線、日高線が示されていると。国の財政支援を求めるが、定期的な検証で利用促進や収支改善が進まなければ、廃止もとされたものに、200人以上の8路線が示されております。

新聞報道の内容がすべてではないと思うのですが、この新聞を読んだ人は、留萌線は国の支援がもらえないんだ、JR北海道が言うだけではなくて、6者協議の中でそういう方向付けがされたんだと、受け止めている人が多いと思うんです。私ども議会議員はこういう場面で道の皆さんに対して質問して確認することができますが、一般の方はそうはいきません。

改めて端的に伺いますけども、道も含めた6者協議として、国の支援を求める線区と求めない線区を明確に分けて決定したということではないと理解してよろしいのですよね。

(交通企画監)今回の6者会議の設置についてでありまけれども、今後、この問題を解決していく上で、関係機関それぞれ情報を持ち寄って、情報を共有する。またスケジュール感を合わせながら取組をしていくということで、開催をしているところでございます。そういった中で、今回、まずは1回目の6者会議で求めたJRの経営再生に向けた見通しというものが、出てきたというところで、これに対しても、その場で色々と指摘もされ、さらに改善をする余地があると、色々な指摘が知事をはじめ、あるいは町村会、市長会の会長さんからもしたということでありまして、それをもって、決定したということではございません。

今、浅野委員からご指摘をいただきましたいわゆる維持困難線区の中で、輸送密度が200人以下の線区については、これまでもJRとしては、そういった提案はあったわけなんですが、あくまで、3月に策定をしました指針というものを材料に、これを持って地域に入って、大事なところは、地域の皆様方と地域の交通のあり方をどうするか、そこを徹底して議論するというのが、ポイントでございますので、そういったことは、これからも引き続き、継続してまいりたいと考えてございます。以上でございます。

(浅野)もう一度、端的にお聞きします。5路線について、国の支援は求めないという認識を道は今、有している訳ではない、ということですよね。端的にお答えください。

(交通企画監)ただいまの繰り返しの質問ということでございます。何度も申し上げますが、指針に基づいて、地域のあり方、支援も含めてということになりますけども、地域の皆様方とお話をしながら、今後の方向性については、議論を尽くしていくことに尽きるということでございます。

(浅野)確かに指針の中では、バス転換も含め、地域にとって最適な交通のあり方をみんなで議論すべきと、私の地元の留萌線についても指摘されています。

地域で協議した結果、こういう形で利用促進策を講じて地域活性化を図り、それでもどうしても地域の力だけでは及ばざる部分は、国の支援を求めていくという議論が今後できるように、今、地元自治体でも一生懸命努力しているところであります。

留萌線を含め、5路線については、地域がどんなに積極的な前向きな議論をしたとしても、どんなに懸命な努力をしたとしても、一切国の支援は求めないと、そういうことを道が決めたものではないというのは、黒田監の答弁の中でもっと端的にお答えいただきたいのですけれど、そういうものだと理解をして、次の質問に進みます。

(三)関係者への対応について

(浅野)島田社長のこの発言を受けて、道として社長の発言並びにJR北海道に対してどのような対応を取って、今、私が度々申し上げたような支援を求めないとされたと報じられた地域に対して、首長はじめ自治体関係者に対して、どのような対応をされているのか伺います。

(交通政策局長)JRの発言を受けての対応についてでありますが、JRは、一昨年11月に発表した事業範囲の見直しにおきまして、輸送密度200人未満の線区については、バス等への転換について地域と相談を行う考え方を示したことから、昨日、経営の見通しでも示した内容について、島田社長から改めて確認したところ、維持困難線区については、より丁寧な説明を行い、地域の声に耳を傾ける方針で臨んでおり、地域の皆様との合意形成の上で問題を解決する方針に変わりはないとの発言があったところであり、最適な公共交通体系のあり方について、地域において議論を尽くしていくことが、何より重要との道の考え方が改めて確認されたと考えております。以上です。

(浅野)沿線自治体の首長をはじめ、関係者に皆様方から連絡を取って、「そういうことは無いんだ」という説明をされているんでしょうか。

(交通政策局次長)振興局を通じまして、今後、情報提供させていただきたいと思っておりまして、一部、既に振興局の方からは、ご説明に上がっているところがございます。以上でございます。

(浅野)振興局長から、留萌線に関して言えば、留萌市長、沼田町長、秩父別町長、深川市長にそれぞれ説明があったのかどうか、今、把握されていますか。

(交通政策局次長)今あるデータにつきましては、昨夜までに振興局にすべて配っております。振興局が各市町村長様のスケジュールを確認した上で、ご説明に伺うよう、我々として対応してまいりたいと考えております。

(四)今後の取り組みについて

(浅野)JR北海道が単独では維持できないとした13路線にまたがる57の自治体の中で、線区の存廃について唯一意向を明確にしてこなかったのが、実は私の地元の留萌市だったのですが、今年2月、新たに選出された中西俊司市長がこれまでの市の対応を変えて、沿線自治体としっかり協議をして、連携をして、路線の存続に向けて取り組み、地域の活性化を図ろうと、ご努力を頂いているところであります。

こうした中で、島田社長が一方的に5路線の廃止を印象づけるかのような発言をしたというのは、私たち地域にとっては、青天の霹靂であり、大変ショックなことでした。地域の取組に水を差して、意欲を削ぐものであって、断じて容認はできないんですね。

昨日の高橋知事と島田社長のやりとりを私もちょっと見ましたけども、お互いペーパーを用意して、わずか10分にもならない短時間の中でをさらっとされた。そして、8区間についての島田社長の発言に対して、高橋知事は、「ほっとしました」とおっしゃっていました。しかし、私たちの地元はとてもほっとできる状況にはないのです。

道として、路線の活用並びに維持に向けて努力する地域に寄り添った、より丁寧な対応を望むところでありますし、島田社長はじめ、JR北海道の皆様方が、一生懸命積み上げてきた流れを一瞬にして壊すかのような不用意な発言には十分に気をつけていただきたいと、強く対応を望むところでありますが、今後のこのことについての道の認識並びに今後の取組について、最後伺います。

(交通企画監)今後の取組についてでございます。留萌線沿線地域におかれましては、今年5月に、持続可能で利便性の高い最適な公共交通体系のあり方につきまして検討するため「JR留萌本線沿線自治体会議」が設置されたところでございます。ただいま、浅野先生からもご指摘ありましたけれども、中西留萌市長さんをはじめ、各沿線の首長さん方も相互に私どもと会っていただいて、色々な話をさせていただいている状況でございます。今後につきましては、国や道とも連携をしながら、市町の実務者の方々により、地域交通の課題等の整理を行うなどして、検討を進めていくこととしたところでございます。

道いたしましては、今年3月に策定いたしました、交通政策総合指針の考え方に基づきまして、地域の皆様にとって、より便利で快適な交通体系を確立し、活力ある地域づくりや観光振興など、地域の皆様方が目指す将来像を実現するための取組が着実に進むよう、様々な情報を提供しながら、沿線地域の皆様方とともに検討・協議の議論が尽くされるよう、引き続き、道として取り組んでまいる考えでございます。以上でございます。

(浅野)黒田監をはじめ、道の担当者の皆様が一生懸命、昼夜なく対応されていることは、私も十分に理解しております。感謝をしております。遅きに失したかもしれませんが、留萌線にもようやく足並みが揃う流れができてきたところです。今後、一生懸命地域としても努力してまいりますので、是非、道にはその努力を後押ししていただきたい、そのことを申し上げて、質問を終わります。

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