一 平成30年建設業担い手対策推進事業案について
(浅野)今定例会で提示されています,建設部に関わる30年度予算案について,以下,数点伺いたいと思います。
(一)予算額について
(浅野)平成30年度建設業担い手対策推進事業についてですが,今定例会において示されている来年度予算案において,この建設業担い手対策推進事業では,どの部も建設部に限らず,全体の予算の中でシーリングが毎年度かけられて,潤沢な資金があるわけでない中で,大変苦慮して予算案を組まれていると,そのことは承知いたしますが,建設産業において最も深刻なことは建設業を担ってくださる担い手,働き手をいかに確保していくか,そのために今,働き方改革などいろいろ道庁としても建設部としても知恵を絞っていただいているところと承知をしますが,来年度予算案の中で30年度の建設業担い手対策推進事業費は,今年度と同じ1,000万円が計上されています。
できることならば,大胆に予算案を拡充して,大胆な担い手不足対策を打っていただきたいと思うのですが,今年度と同じ額が計上されているその考え方について,まず伺います。
(板谷悟建設業担当局長)担い手対策推進事業についてでございますが,道では,平成27年度から建設産業の担い手確保・育成を図るため,
「建設業担い手対策推進事業」といたしまして,建設産業の役割等の発信やイメージアップのほか,建設業団体等が行う担い手の確保・育成の取組に対する支援を行ってきたところでございます。
新年度の予算につきましては,現在策定しております「(仮称)北海道建設産業支援プラン2018」におきまして,目標として掲げております「技術をつなぐ担い手確保・育成の強化」を達成するため,道財政が厳しい状況にある中,新たに,高校生を対象とするICT体験講習会や,企業を対象といたします入職者募集に向けた効果的な情報発信,さらに担い手育成方法の習得のための研修会などに必要な所要額を積み上げまして,今年度と同額の予算を計上したところでございます。
(二)各事業について
(浅野)本当に厳しい財政状況の中,かろうじて同額を計上していただく,その中でめりはりをつけていただいていることは承知しております。
予算の資料を見ましても,事業費補助金は同額の700万としておいて,イベントの開催や各種セミナーを若干絞り,そして講習会,研修会に新たに約109万円をつけていただいていると,大変苦慮した中で知恵を絞っていただいていることは承知をしております。
1 魅力発信セミナーについて
(1) 今年度の実施状況等について
(浅野)その上で,以下伺いますが,魅力発信セミナーについて,今年度は札幌,函館,北見,帯広,そして旭川の5カ所で開催をしていただいていると承知をします。
それぞれの来場者の人数,セミナーへの来場した方々の感想等,それぞれのセミナーの開催結果について建設部としてどのような効果が得られたと認識しているのか伺います。
(京田隆一建設業担当課長)魅力発信セミナーの効果についてでありますが,道では,建設産業の魅力を発信するため,ICTを活用した建設工事などの紹介や地元の若手技術者の体験談などを内容とするセミナーを今年度,道内5カ所で開催したところでございます。
参加者の合計は287人であり,会場で実施したアンケートには,「ICTを使って仕事をしたいと思った」,「3Kのイメージが変わった」,「若手技術者の体験談は良かった」などといった意見が出ていますほか,本セミナーの開催をきっかけとして,講師の所属する団体が開催地の工業高校の依頼を受けて,ICTに関する研修を実施するなどの効果があったところでございます。
(2) 来年度の実施について
(浅野)延べ287名が参加されたこのセミナーですが,来年度は2カ所に絞って開催される予定ときいております。 室蘭と釧路の2カ所のみと。
それに伴い予算案も約半額の70万余りとなっておりますが,開催場所,開催回数を減らすことによって,当然,魅力発信の機会も減ることになると思うのですけれど,それらについて,どのようにカバーをして対応をしていく考えなのか伺います。
(建設業担当課長)来年度のセミナー開催についてでありますが,本セミナーは,広く道民の方々を対象にしておりますが,担い手確保の視点から,建設系の学科で学ぶ高校生等が多く参加することを期待しているところでございます。
このため,来年度は引き続き,建設系の学科を有する学校の所在地である室蘭,釧路地域で開催し,残りの地域については,次年度に開催を予定しているところでございます。
道としては,本セミナーに加え,地元の建設業団体などと連携した出前講座や来年度新たに実施する高校生を対象としたICT体験講習会などの取組と併せまして,建設産業の魅力発信に,より一層努めてまいります。
2 女性活躍推進セミナーについて
(浅野)次に,女性活躍推進セミナーについて伺います。
今年度は札幌でこのセミナーが開催されていると思います。
今お聞きした魅力発信セミナーと同様に,開催による効果についてどのように認識をしているのか,また併せて来年度は旭川市での開催を予定されていると伺っておりますが,今,このような効果などを踏まえて,何らかのさらなる,今年度の効果などを踏まえてさらなる工夫をするお考えでいるのか,併せて伺います。
(建設業担当課長)女性活躍推進セミナーの効果についてでありますが,本セミナーは,主に建設事業者の管理職などを対象に,女性の積極的な採用や女性が働き続けられる職場づくりに向けて,「建設産業での女性の活躍」と「経営戦略としてのワークライフバランス」をテーマとして昨年11月に,初めて開催したところでございます。
全道各地から事業者の役員や人事担当者など40人の参加があり,会場で実施したアンケートでは,「大変参考になった」又は「参考になった」とした回答が9割程度あったほか,本セミナーの開催をきっかけとして,日本建築仕上学会女性ネットワークの会と連携し,「建設産業ふれあい展」において,「女性が輝く職場」をテーマとするトークショーを実施するなど効果があったところでございます。
また,来年度の開催についてでありますが,アンケートの結果として,「もっと知りたかったこと」の問いに対しまして,「女性が抵抗なく働ける環境づくりの具体的な事例」,「女性登用の先進事例」,「女性技術者の具体的な体験談」などの意見がありましたほか,「参加しやすい開催時期」の問いに対しましては,10月と11月の開催が半数近くになっているところでございます。
このため,来年度の実施に当たっては,こうした意見などを踏まえて,建設業団体などと連携しながら,より身近でわかりやすい具体事例を紹介するなどの開催内容や参加しやすい開催時期について,検討してまいる考えでございます。
3 講習会・研修会について
(浅野)次に,来年度新たに予算が計上されている担い手対策の肝となるであろうと思われます講習会・研修会について伺います。
ICTの活用のPRによる建設産業の魅力発信を,高校生を対象に石狩・上川管内で開催されると,また企業の効果的なPR方法や若手社員育成方法の習得などについて,建設事業者等を対象に札幌市と函館市で,それぞれ開催する考えでいらっしゃると伺いますが,それぞれの事業の開催地として,このような地域がまず選定されている理由は何かと伺うとともに,他地域における対応は,できれば私の地元の留萌管内もですね,建設産業が大きな雇用確保,地域の経済を担う大きな産業として地位を占めているものですから,幅広く隅々道内各地で行っていただきたいと思うのですが,その考えについて伺います。
(建設業担当課長)新たな講習会や研修会の開催地についてでありますが,建設産業の魅力を発信するためのICT体験講習会につきましては,研修施設を有する地域が限られていますことから,まずは,施設近郊の建設系の学校を対象として石狩,上川管内での実施を予定しているところであり,また,入職者募集に向けた効果的な情報発信や担い手育成方法を習得するための研修会につきましては,参加対象が建設事業者等でありますため,事業者等が多い札幌市と函館市での実施を予定しているところでございます。
建設産業における担い手の確保・育成の取組は全道を対象に展開する必要があると考えており,今後は,建設業団体などと連携しながら,他地域における開催につきましても,検討してまいります。
(三)今後の取組について
(浅野)最後に伺います。
この始終伺った事業,担い手対策もあるのですが,東京オリンピックの開催まであと2年となりまして,今後,全国的に,全道ももちろん,全国的に建設産業に従事するかたがたの確保が難しくなると考えます。
そういうことを考えたときに,本道における担い手不足はよりまた深刻化すると。
この今,伺った来年度における担い手対策推進事業をはじめ,ありとあらゆる手を講じて担い手確保に努めていただきたいと,そのことは非常に,建設部の使命としても重要になると考えるのですが,建設部として今後どのように取り組んで行くのか最後に伺います。
(渡邊直樹建設部長)担い手の確保・育成についてでございますが,本道の建設産業は人材確保が依然として厳しい状況にありますことから,担い手の確保・育成などに取り組むことが必要と認識をしているところでございます。
このため,道では,今年度策定する「(仮称)北海道建設産業支援プラン2018」に沿って,引き続き,就業環境の改善や生産性の向上に取り組むほか,建設業担い手対策推進事業において,魅力発信や育成方法習得のため,新たに講習会や研修会などを実施するとともに,国,建設業団体,商工団体,教育機関,こういったところで構成をいたします「北海道建設産業担い手確保・育成推進協議会」,こちらにおいて,働き方改革などをテーマとして,就業環境の改善や生産性の向上などの取組を検討することといたしておりまして,担い手の確保・育成に努め,プランの基本方針である「地域の安全・安心に欠かせない建設産業の持続的発展」の実現に向けて取り組んでまいります。