令和元年7月5日 予算特別委員会(道立病院局)

留萌市立病院と並び、留萌二次医療圏の中核医療機関として重要な役割を果たしている羽幌病院の各種取り組みについて質しました。健康状態と要介護状態の中間に位置する「フレイル」状態にある患者さんを早期に治療して健康寿命を延ばす、同病院の「フレイル外来」は、今後若手医師を地域に集め、地域医療を守っていく上で大きな役割を果たすことが期待されます。

目次

1.羽幌病院について

1.羽幌病院の重要性について

浅野:私の地元、留萌管内の二次医療圏においては、急病患者、急性医療を担う留萌市立病院と主に回復期を担うとされている道立羽幌病院、この二つの医療機関として役割分担しながら医療体制を維持していただいておりますけれども、市立病院の経営も年々厳しさを増しております。その中で私たちの地元の二次医療圏内を充実させる上で、羽幌病院の果たす役割は今後、更に重要となると思うのですが、この点についての認識を伺います。

道立病院部長:羽幌病院についてでございますが、羽幌病院は、留萌第二次医療圏の地域センター病院として、同一圏域の地域センター病院でございます留萌市立病院や他の医療機関と連携を図りながら診療体制の確保に努めているところでございます。
 こうした中で、留萌市立病院の経営が厳しいことは聞き及んでおりまして、留萌第二次医療圏におきまして、必要とされる医療を将来にわたり安定的に提供をしていくためには、より一層、留萌市立病院と羽幌病院が医師の研修や患者紹介などの面で連携・協力していくことが重要であると認識をしてございます。

2.羽幌病院の体制について

1.総合診療について

浅野:ただ今、市立病院の経営の厳しさについても認識を示していただきましたが、羽幌病院においてはご案内のとおり総合診療医を配置をしていただいております。総合診療医というのは申すまでもなく、幅広い診療科の分野においてオールマイティーの医者を目指すというものと承知しておりますけれども、
羽幌病院は総合診療を学びたいとする若手医師の方々の教育研修の場としても今後期待が高まりますし、その役割も果たしていると承知をします。総合診療の意義を今後更に地域住民の方々に周知することによって、羽幌病院への評価が高まるものと私は考えているのですが、この点に対する認識と病院局の取組について伺います。

道立病院局次長:総合診療の地域住民への周知についてでございますが、羽幌病院では、予防医療から急性期、回復期、在宅医療など、住民の健康管理に幅広く対応できる総合診療医の拠点化を目指し、特色ある病院づくりに努めてきたところでございます。

また、地元の住民に、こうした病院の目指す方向をご理解いただくとともに、より一層、病院を利用していただけるよう医師の保持資格や病院で実施できる検査などについて、ホームページや町の広報誌への掲載、住民向けの出前講座の実施などによって、広報活動に取り組んできたところでございます。

今後も、羽幌病院について様々な機会を通じて住民に周知を図り、さらに理解を深め、利用していただけるよう取り組んでいく考えでございます。

2.フレイル外来について

浅野:羽幌病院で研修されている若手医師の方々のブログとかですね、フェイスブックでもページを作っていただいているので、私も拝見してますけど、もっと総合診療の意義の周知が今後もされていくことを期待しているものです。

そこで一つ、昨年11月より、健康状態と要介護状態の中間に位置するいわゆる「フレイル」という状態にある患者さんを早期に治療して、健康寿命を延ばすための取組であるフレイル外来が羽幌病院で始められております。まだ一年も経過していない状況ではありますけれども、このフレイル外来が羽幌病院の経営改善や医師の確保、並びに地域住民の健康増進にどのような効果をもたらしているか、現時点で評価できるものがあればお示しいただきたいと思います。

道立病院局次長:フレイル外来についてでありますが、フレイル外来は、主に高齢者に対し、栄養状態や運動・認知機能などの評価を行い、機能の低下がみられた方に早期から医療介入をすることで、少しでも健康な状態を長く維持していただくことを目指し、昨年11月から開始をしたところでございます。

平成30年度におきましては、フレイル外来に延べ43名が受診するなど、少しずつではございますが、地元自治体の広報誌などを活用した広報活動の効果もあり、羽幌病院における新たな取組が住民に浸透し、ご自身の健康維持に取り組むきっかけとなっているものと認識しており、また、羽幌病院が、総合診療医や地域医療を志す医師の人材育成機能を強化する上でも、有効な取組と考えているところでございます。

再質問.フレイル外来について

浅野:もし目標があれば教えていただきたいんですけど。30年度において43名が受診したと。今年度において何名の受診を目指しているのか、目標を定めているのであれば教えていただきたいんですけど。

道立病院局次長:フレイル外来における目標でございますけれども、特段定めているものはございません。

浅野:私も地元をまわる際に少しでもフレイル外来の意義を周知して1人でも多くの方がかかっていただけるように皆さんとともに取り組んで参りたいと思います。

3.医師確保に向けた環境整備について 

浅野:次に医師確保に向けた環境整備なのですが、道立羽幌病院に勤務していただいているお医者さん御家族、お子さんも一緒に来ている方もいらっしゃいます。一方で、その皆さん方に住んでいただく住宅がちょっと狭くて、また、老朽化して、決して道立羽幌病院に勤務する医師の方は不平不満を仰ることはないのですが、地元の我々から見てもちょっと気の毒ではないかなと思うところもあるわけであります。今後、若手医師の方、小さなお子さんもいらっしゃる若手医師の方が御家族で来られる際にもう少し住宅の整備をしてあげないと申し訳ないという気持ちがあるのですが、ハード面での整備における医師確保の取組について、病院局としてどのような認識でいらっしゃるのか伺います。

道立病院局次長:医師の居住環境の整備についてでございますが、医師確保に当たりましては、勤務環境の改善や研修体制の充実とともに、居住環境の整備が大変重要であると認識をしておりまして、これまで適宜、公宅等の修繕を行うなどいたしまして、環境整備に努めてきたところでございます。

こうした中、羽幌病院におきましては、総合診療専門研修プログラムの専攻医の応募や初期臨床研修医、医学生の臨床実習の受入れなどが増加傾向にある一方で、公宅等の一部で老朽化が進行しておりますほか、民間の賃貸住宅が少ない地域事情もありますことから、医師の居住環境の整備は喫緊の課題であるというふうに考えてございます。

このため、道立病院局といたしましては、地元自治体等の協力を得て、物件情報の収集に一層努めますとともに、今後、整備が必要な公宅の規模や民間活力の活用も含めた、適切な整備の手法につきまして、鋭意検討してまいります。以上でございます。

浅野:先ほど申し上げましたように、勤務していただいている医師の方々からは、私は一切、不平不満は聞いたことはありません。それだけに、羽幌町を含め、地元の我々も取り組みしなければいけないと思いますので、要望などは率直に地元の皆さま方からも伝えていただければと思います。

4.羽幌病院の今後の対応について

浅野:最後に伺います。今後の対応についてなんですが、羽幌病院が所在する羽幌町には天売島、焼尻島の二つの離島を抱えております。ご案内のとおり天売島には今年の4月から常勤医が不在となっておりまして、5月に残念ながら急病患者の方が十分なケアができないまま命を落とされるという事態も発生しておりますし、焼尻島でも、長年勤務していただいた看護師の方が健康上の事情から退職されるとも聞いております。

離島における医療提供体制を整備するのは非常にご苦労されているのですが、羽幌病院に勤務されているお医者さんを例えば数か月の単位でローテーションを組んでいただいて、天売島・焼尻島をまわっていただく、こういう体制をとっていただければ非常に安心できるという声を長年聞いております。

羽幌病院ですら十分な医師の皆様が定員を満たしていない、確保できていない状況がありますのでこのローテンション体制をとっていただくことは非常に難しいかとは思うのですが、お医者さんの負担が過重となることが十分懸念に対しても留意しなくてはいけないと思うんですが、実現に向けた課題は多いんですけど、離島支援も含めた羽幌病院の在り方について病院局としてどのように認識をされて、今後どのように対応していただけるのか最後に考えを伺います。

病院事業管理者:羽幌病院のあり方についてでありますけれども、羽幌病院は、留萌第二次医療圏の地域センター病院として、圏域の他の医療機関と機能分担を図り、地域に必要な診療体制を確保し、へき地医療や離島診療支援を担っているところであります。

平成30年度は天売島、焼尻島の診療所から計22名の紹介患者を受け入れるなど、両島の診療所に対しては、これまでも必要な医療支援を行ってきており、本年4月からは天売島の医師が不在となったことから、島民の健康を守るため、隔週で医師の派遣を行い、5月までの2ヶ月間に延べ154名の患者の診療を行っております。

羽幌病院では、医師が欠員となっている状況の中で、総合診療を中心とする医療を提供するとともに、可能な限り離島の医療支援も行っているところでありますけれども、今後、地元からの期待に一層応えることができるよう、道立病院局としては、保健福祉部との連携のもと、地元自治体の協力も得ながら、医師確保をはじめとする羽幌病院の医療機能の充実を図ってまいる考えであります。

浅野:地元が求めるローテーションによる恒常的な両島における診察の医療供給体制の確保は現時点では難しいことは十分わかっております。
今、鈴木管理者から医師の充足をより満たして両島の医療にも羽幌病院がしっかりと保健福祉部との連携のもと、関わっていただけるという言葉がありましたので、私たち地元の人間も同じように努力をしながら地域の医療供給体制を満たすために頑張ってまいりたいと思いますので今後ともご尽力をよろしくお願い申し上げます。

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