防災等を担当する道総務部が、政府に対して来年度の国費要望を行うにあたり、道内各地の実情に合った防災体制の構築に資する要望となることを求めました。特に、道内に5つある離島の中で唯一焼尻島にのみ震度計が設置されていない状況の是正を求めました(写真は今年2月28日に焼尻島を視察した時のものです)。
1.令和2年度(2020年度)国の施策及び予算に関する提案・要望について
1.防災・減災対策の推進について
浅野:従前から言われております南海トラフ地震や日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に関する対応などに加えて、津波到達時間が短いと言われている私の地元留萌管内を含め、日本海沿岸などの地震・津波に対する防災対策の推進のため、観測体制等の強化を図る。その
ほかにも、積雪寒冷等の地域特性に配慮した施策に対する財政措置等を行うことを国に要望されるとのお話をいただきました。
1.観測体制等の強化について
浅野:私の地元に天売島、焼尻島の離島が二つありますが、道内5つの離島のうち、震度計が設置されていない離島は天売島だけです。それに関して、地元の開発期成会からも道に対して要望などもあげられているところです。天売島にのみ地震の観測計が置かれていない現状をどうとらえ、今後どのように対応をお考えなのか伺います。
危機対策課長:天売島の観測体制についてでありますが、我が国およびその周辺で発生した地震は、気象庁など国の機関が震度計を設置して観測を行っているところであります。羽幌町におきましては、焼尻島を含め、震度計が3カ所設置されておりますが、天売島には効率性の観点もあり、設置をされていないところであります。
天売島の観測体制については、気象庁など関係機関の考え方もお聞きしながら、国に要請するなど、しっかりと対応して参りたいと考えています。
浅野:今効率性の観点からとおっしゃいましたが、焼尻にある震度計で天売もカバーできるというお考えかも知れませんが、天売にお住まいの方に聞きましたら、例えば直下型の揺れがあった時に、両島はそんなに距離は離れていないのですが、焼尻の震度計ではキャッチされておらず、天売では「今の揺れは何だったんだろう」と不安に感じたことも過去多々あったと聞いています。また、防災体制と直接関係ないかも知れませんが、天売では今年の4月から、常勤のお医者さんが診療所にいない状況が続いていまして、様々な面で離島ということもあり、不安が高じている状況にあります。いつ来るかわからない地震に対しても、しっかり対応できて、少しでも島民の方の不安を減らしていただくような要望をこれからも国に行っていただきたいと思います。この認識をしっかり持って、要望に当たっていただきたいと思います。
2.避難体制整備への支援について
浅野:積雪寒冷等の地域特性に配慮した施策に対する財政措置等を行うことについて触れさせて頂きます。
2年前の第一定例会の中でも質問しましたが、私の地元留萌市でも、地震が起きて津波が来ることが予測されたら、「とにかく高台に逃げてください」と市として住民の方にお願いしているのですが、高台に逃げた先に住民センターがあるわけでもなく、高台に登るまでの道路も舗装されているわけでもなく、かなり急なところを逃げるのはお年寄りの方には大変厳しいという意見があります。逃げた先の避難所の整備だとか、食料などを備蓄する施設だとか、ハード面に対して市町村はなかなか税制が厳しくて踏み切れずにいる状況があると思います。
この度の国費要望では、その点も考慮していただいているとは思いますが、こうした市町村の大変厳しい財政状況なども踏まえて、具体的に国の支援、または道としての財政的な支援も含めて今後対応いただきたいのですが、このことに関する認識を伺います。
危機対策局長:津波避難対策についてでありますが、津波から身の安全を確保するためには、津波が発生、または発生するおそれがある場合におきまて、高台などへ迅速かつ的確に避難することが何よりも重要でありますので、道では、市町村における津波避難タワーや避難路などの整備につきまして、各種制度に関するアドバイスや事例紹介を行いますほか、住民の皆様の防災意識の醸成に向けた取組みなどに対しまして、職員を派遣するなど支援を行っているところであります。
道といたしましては、国への提案・要望におきまして、避難施設の整備に係る交付金の補助率の嵩上げや緊急防災・減災事業債の恒久化など、財政支援の充実強化を要請していきますほか、市町村が行います、住民参加型の避難訓練や、小学校などの授業に防災教育のカリキュラムを盛り込みました「1日防災学校」の市町村へのサポートなどを通じまして、津波防災対策の充実を図ってまいる考えであります。
浅野:逃げた先の体制整備は一義的に市町村がやるべきことということもわかりますが、市町村になかなかできない事情もありますので、国の力を借りて、その上で道の力も借りたいという思いがあると思います。是非とも、いつ来るかわからない地震に対する市町村の備えを、道としても支援していただきたいと思います。このことを申し上げて、私の質問を終わります。
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