6月15日の総務委員会で、
一 新型コロナウイルス感染症対応に関連した道職員の勤務体制について
二 消防機関における新型コロナウイルス感染症への感染防止対策等について
の二項目について、道総務部の取組を質しました。
(浅野)
一 新型コロナウイルス感染症対応に関連した道職員の勤務体制について
道職員の皆様の勤務体制についてですが、5月12日 に山根議員が質問されたことを踏まえて、以下、質問させていただきます。道としても、道職員の皆様が感染しないようにとの観点から、この間、分散勤務や在宅勤務をはじめとするリモートワークを推進してきたことと存じます。このことを踏まえ、まずお聞きします。
(一)この間の取組に対する評価について
これまで、道職員の方が実際に感染してしまった例は1件あったかと承知していますが、勤務体制のあり方を変えたことは、道職員の皆様が、働く上で様々な不便もあったかと思いますが、道職員の中で感染拡大を防ぐ上では、相当の効果があったものと私は考えますが、これまでの取組について道自身はどのように評価しているのかを伺います。
(職員活躍担当課長)
これまでの取組についてでございますが、道では、4月16日の新型インフルエンザ等特別措置法に基づく国の緊急事態宣言などを踏まえ、職員の出勤時や庁内での感染防止のため、感染症対策や道民生活の維持等に必要な業務を考慮しつつ、各所属において、在宅勤務や休暇取得などにより、職員の5割を目標とした出勤抑制や、早出や遅出を行い概ね3分の1に分けて出勤する分散出勤に取り組んできたところでございます。 また、各所属や職員に対しましては、手洗いやマスク着用の励行をはじめ、日々の健康管理の徹底や不要 不急の外出の自粛を促すとともに、会議や打合せ時には、「3つの密」を避ける工夫を講じるなど、感染拡大防止に向けた取組を進めてきたところでございます。 これまでのところ、道職員の新型コロナウイルス感染事例は1件のみとなっており、こうした出勤抑制などの取組につきましては、一定の効果があったものと考えております。
(浅野)
(二)出勤者の抑制について
ただいまの答弁の中で一定の効果があったというお話でありますが、5月12日の山根議員の質問に対する答弁の中で、4月30日の時点で全職員の約35%出勤抑制が実現できているとのことでありましたが、直近の抑制率はどの程度になっているのか、道として今後、この目標をどの程度に定めて取り組んでいこうと考えているのか伺います。
(職員活躍担当課長)
職員の出勤抑制についてでございますが、国の緊急事態宣言などを踏まえ、4月21日から5月末までの間、職員の5割を目標に出勤抑制に取り組んできており、感染症対策業務等のため出勤抑制が難しい所属もあるなど、部局によって取組状況は異なっているが、各週とも概ね2割から3割で推移し、取組期間全体では、23.5%の出勤抑制となっております。
先月25日に緊急事態宣言は解除されたものの、道では、感染症に強い北海道の構築に向けて、「新型コロナウイルス感染症対策に関する基本方針」を策定し、オール北海道で感染症対策に取り組むこととしており、道職員自らも率先して、「新北海道スタイル」や、国の「新しい生活様式」を実践していくことが必要と考えております。このため、今後は、これまでの5割とした数値目標は掲げないものの、人との接触機会を低減することによる感染拡大防止といった観点から、引き続き、在宅勤務などの活用による出勤抑制と分散出勤を積極的に推進していくこととしております。
(浅野)
引き続き、出勤抑制と分散出勤を積極的に推進するというような神田課長の答弁をいただきましたが、数値は掲げないとのことでありました。実際に5割の目標を掲げながら23.5%という数値に至ったのには、様々な事情があったことと思います。今後も、道職員の方々が感染しないように道行政をしっかり担っていただく核となる存在ですから感染しないよう出勤抑制など、積極的に推進するのであれば、最低限何割の数値を実現に向けて頑張ろうと、数対策の基本的対処方針」で示されている事業者への出値目標を掲げるのが必要でないかと思うのですが、この点に関しもう一度認識を伺います。
(職員活躍担当課長)
職員の出勤抑制についてでございますが、国の緊急事態宣言などに伴い、事業者に対して、時差出勤や在宅勤務などを働きかけていたことなどを踏まえ、道自らも数値目標を掲げ、職員の出勤抑制に可能な限り取り組んできたところでございます。道といたしましては、この度、緊急事態宣言が解除されたことを受け、国の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」で示されている事業者への出勤の対応も参考としながら、これまでの5割といった目標は掲げないものの、感染拡大防止のため、引き続き、各所属で職員の健康管理の徹底や「3つの密」を避ける工夫を講じるとともに、出勤抑制などに積極的に取り組んでいくこととしたところでございます。
(浅野)
現時点で数値目標を掲げられる程の体制がもしかしたら道庁全体の中で整っていないというのもあるかもしれませんが、今後もある程度、なによりも実際勤務をされる職員の皆様の意向を踏まえた中で適切な在宅勤務・出勤抑制のあり方というのを不断に模索していただきたいと思います。
(三)新型コロナウイルス感染症対策担当者の勤務状況について
この間、新型コロナウイルス感染症対策に直接従事される部署につかれていた方々は出勤抑制するわけにもいかない、分散出勤などそうした在宅勤務もできない、休日も出勤せざるを得ない、そういう大変ハードな条件に置かれた方々もいらっしゃったと思いますが、そのような職員の方々が心身の健康を害されたりすることがないように、適切なケアはきちんと図られているものと思いますが、このあたりがどのようになっているのか、道の取組を伺います。
(職員活躍担当課長)
職員の健康管理等についてでありますが保健福祉部や各保健所をはじめ、全庁を挙げて新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に取り組んできている中、業務の緊急性や重要性などから、時間外勤務等を行わざるを得ない職員もいるところでございます。このため、こうした業務に従事している職員につきましては、管理職員等が声かけや目配りをし、体調の変化などを日常的に把握するとともに、職員厚生課におきましても、毎月、各所属からの職員の過重労働の状況報告をもとに、産業医による面接指導を行うなど、健康管理に努めているところでございます。道としましては、感染症対策が長期化していることから、特定の職員に過度な負担がかかることのないよう、庁内各部局等からの応援体制を構築するとともに、時間外勤務の状況やストレスチェックなどを通じた健康状況の把握に努めながら、職員の健康管理を適切に行ってまいります。
(浅野)
道職員の方もそうですが、市町村の方も国の方も民間の事業者の方もみんな大変な思いをして、この間、対応にあたっていますから、すべての市町村、国をつなぐような役割を求められている道の皆様が業務にあたられないような状況になったら、北海道、本当に大変なことになりますので、引き続き職員の皆様のケアに万全を期していただきたいと思います。
(四)在宅勤務について
次に在宅勤務について伺いますが、5月12日の委員会、山根議員の質問に対しては「多様な働き方や業務効率化といった観点はもとより、非常時における出勤抑制や業務継続といった危機管理の面からも有効だ」との答弁がなされ、効果的な在宅勤務に向けて必要な検討を進めていく旨の答弁がなされていました。また、ハードディスクを暗号化した職場パソコンの自宅への持ち帰りや使用を認める等の特例的な在宅勤務も始めたとのことでありましたが、現時点でさらにどのような効率化が図られているのか伺います。
(職員活躍担当課長)
在宅勤務についてでございますが、出勤抑制のため、在宅勤務をより活用できるよう、3月に、職員300人が自宅パソコンで庁内ネットワークにアクセスできる環境整備を応急的に行ったほか、職員が職場で使用しているパソコンを、セキュリティ対策を講じた上で自宅へ持ち帰ることも可能とするとともに、資料分析や整理などテレワークによらない在宅勤務につきましても特例的に実施しているところでございます。さらに、自宅から庁内ネットワークへアクセスできる、テレワーク環境の充実を図るとともに、こうした回線数の増設に伴って、これまで、原則として、テレワーク環境の利用を通勤に公共交通機関を利用する職員や妊娠中の職員などとしていた取扱いを、その他の職員にも拡大し、より多くの職員が在宅勤務を可能としたところでございます。
(浅野)
300の在宅勤務のアクセス回線をさらに増やす取組も今なされているとのことでありましたので、公共交通機関を使う方、また妊娠中の方だとか、そういう方々に加えて、幅広く職員の方が在宅勤務できるような環境整備、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
(五)これまでに見えた課題について
次にこれまでに見えてきた課題について伺います。在宅勤務等による出勤抑制は、冒頭述べたように感染拡大防止に大きな効果があったと思いますが、これを実施する中でそれぞれ課題も見えたのではないかと思います。例えば国がある補助事業を行うとして、その募集や希望の受付を市町村に対して道が中間的な窓口となって行うということがあると思います。この間、道庁の各部ともに新型コロナウイルスの対策に追われておりましたし、政府においても各省庁では在宅勤務等があって大変なこともあったと思うんですが、担当職員が今日出勤抑制でいない、在宅勤務でいない、事情がよくわからない、そうしたやり取りがうまくつながらなくて、市町村、振興局、道の本庁、さらには国、そしてまた振興局を通じて市町村につながる。こうしたやり取りが一部うまくいかなかった。そうした点もきっとあったのではないかと思います。これは、これまで日本として経験したことのないウイルスとの戦いの中でもありましたし、4月、5月は大型連休もあったので、非常に様々な事務手続きの日程もタイトであったと、いろんな事情が重なったこともあったと思いますが、在宅勤務、出勤抑制、これまでにない働き方を推進した中で見えてきた課題がどのようなものがあったのか。またその是正について、今後どのように図っていく考えでいるのか伺います。
(人事局長)
在宅勤務の課題についてでありますが、在宅勤務の実施に当たりましては、職員が自宅において職場と同等の業務ができるよう、テレワーク環境のより一層の拡充や、個人情報の管理などセキュリティ面での対策を適切に講じていくとともに、文書の電子化など業務の効率化や省力化なども併せて進めていく必要がございます。また、在宅勤務時の勤務時間や休憩時間などの職員の勤怠管理や、業務スケジュールや進捗状況の共有、職員間のコミュニケーション機会の確保、さらには、市町村などの関係機関との連絡方法など、各所属の業務マネジメントにつきましても、さらに整理が必要であると考えているところでございます。このため、道といたしましては、各所属や職員へのアンケート調査を行い、この度の在宅勤務を通じて得られた効果や課題を把握し、今後の在宅勤務の実施に向けて、必要な検討を行っていくこととしております。
(浅野)
ただいま職員の皆様へのアンケート調査を行うとの答弁をいただきました。これは近々に行われるものと思いますけれども、実際にそれを経験した職員の皆様方だからこそ、利点も含めて課題も見えていると思いますので、それをしっかり把握して、私としては在宅勤務などの柔軟な働き方は大いにこれからも進めるべきとの考えの下に、今あえて課題について、触れさせていただいたのですが、しっかり課題の解決を図っていただきたいと思います。
(六)今後の取組について
このことについて、最後に伺いますが、5月25日に全国的に緊急事態宣言は解除されました。しかし完全に新型コロナウイルスが収束した訳ではなく、主に札幌圏での感染拡大がまだ続いております。職場環境で道職員の皆様方の感染のリスクを下げること、引き続き努める必要がありますし、同時に今申し上げたように、市町村と国をつなぐだとか、広域自治体としての道の行政が滞ることがないようにしっかり対応していただかなくてはいけないと思います。今後、道として分散出勤や在宅勤務等について、どのくらいのスパンを見据えて実施していく考えでいるのか、最後に認識並びに取組を伺います。
(職員監)
今後の取組についてでございますけれども、緊急事態宣言の解除後におきましても、これまでと同じく基本的な感染防止対策の徹底を継続する必要がありまして、道職員につきましても、自らの健康管理はもとより、道民サービスの維持や感染症対策業務にも配慮しながら、人との接触機会を低減する観点から、各所属において、今後も在宅勤務などによる出勤抑制や分散出勤の徹底を図っていくこととしているところであります。新型コロナウイルス感染症拡大防止を機に実施をいたしました今回の在宅勤務や分散出勤につきましては、非常時における出勤抑制や業務継続といった危機管理の側面、さらには、職員一人ひとりのライフステージに合った多様な働き方の実現や業務の効率化といった観点からも引き続き、取り組んでいくことが重要であると私も考えているところでございまして、道とたしましては、この度の在宅勤務等を通じて得られた課題なども適切に把握しながら、必要な環境整備を行っていくなど、今後とも積極的な取組を進めてまいります。
(浅野)
今職員監がおっしゃったように、道職員一人ひとりのライフステージに合った多様な働き方が実現できることによって、道庁に優秀な人材が集まって、道行政がよりよくなって、道民の幸せ増進につながるものと思いますので、今後も状況を踏まえて、課題を見据えながら、適切に積極的に推進していただきたいと思います。
二 消防機関における新型コロナウイルス感染症への感染防止対策等について
消防職員並びに消防団員は、地域に身近な方々が入っていらっしゃいますが、消火や救急などの消防活動、更には各種の災害対応等、地域の安心安全確保のために大変重要な役割を果たしてくれています。新型コロナウイルス感染症が蔓延して、一時町中のドラッグストアなどを見ても、マスク等の感染防護資器材が全く手に入らない、不足が深刻化した時期がありました。その様な中で、医療従事者はもちろんですが、救急業務に従事する消防職員に対しても、これらの感染防護資器材は十分に充足されなくてはいけません。また、救急搬送における感染リスクは非常に高いと危惧されております。一旦、職員が感染してしまった場合には、人員の確保が非常に難しく、消防機能そのものがマヒしてしまう可能性も少なからず指摘されております。また、消防職員と共に地域の火災や各種の災害対応に従事する消防団員においては、感染防止の観点から、各種教育訓練の機会が損なわれている状況にあります。これらの状況を踏まえて、以下質問させていただきます。
(一)救急活動における感染防止に向けた取組について
新型コロナウイルス感染症が収束していない中、救急活動現場において消防職員が憂いなく活動に従事できるように、十分な量の感染防護資器材が確保される必要性については今述べましたが、現状では、道内各消防署においてこれらの資器材がどのような充足状況にあるのか、道が把握しているものを伺います。
(消防担当課長)
感染防護資器材の確保状況についてでございますが、国の感染防止資器材確保支援事業の実施にあたり、道内消防機関の確保状況につきまして、5月11日時点で行った調査によりますと、気管挿管や心肺蘇生を行う際に装着するN95マスクは、約8ヶ月分の使用量に相当する65,965枚、同じく感染防止のために上に着る上衣が、約7ヶ月分で63,119枚、また、下に履く下衣が、約5ヶ月分で41,405枚が確保されていると把握してございます。この調査につきましては、今後も定期的に行われ、不足が懸念される消防機関に対しましては、支援事業により、資器材が配置されるものと承知してございます。
(浅野)
(二)消防団の消防演習や訓練について
次に消防団の皆様の演習状況などについて伺ってまいります。北海道江別市に消防学校がございまして、道内各地域から選抜された消防団の方々が集い、4年に一度実施される自動車ポンプ操法や、毎年行われる小型動力ポンプによる消火技術を競う「北海道消防操法訓練大会」、それぞれ行われていますが、今年は残念ながら感染拡大防止の観点から中止されることが決まっております。道内各地、私の地元もそうですけれども、各地の消防団の春期の演習や日常の部分でも、今、中止をせざるを得ない状況となっております。これらは感染防止の観点からやむを得ない状況ではありますけれども、これから台風や集中豪雨等の自然災害が頻発する時期を迎えます。このことを鑑みると、訓練が出来ない現状が長く続くことは、消防団員の皆様の士気が低下すること、いざ訓練不足により、そのまま現場に出たときに、事故を起こしてしまうリスクが高まってしまう、これらのことが懸念されます。この点に対する道の認識並びに道としてどのような対応ができるのか、伺います。
(消防担当課長)
消防団の消防演習や訓練についてでございますが、道では、新型コロナウイルスの感染防止の観点から、4月から6月にかけて予定しておりました消防学校が行う消防職員や消防団員を対象とした教育訓練を一部を除き中止しており、また、地域におきましても多人数が参加する訓練や行事が中止となっておりますことから、消防団員の士気や技術の低下を防ぐためにも、感染防止対策を講じた上で訓練が実施される必要があると認識しております。道におきましては、感染症に強い北海道の構築に向け、新北海道スタイルの実践を推進しているところでありまして、こうした状況を踏まえ、地域によりましては、消防本部の判断のもと、まずは小規模な訓練から再開した消防団もあるものと承知しております。
道といたしましても、今後、消防学校が10月から来年3月にかけて予定しております「消防団員現地教育訓練」につきまして、訓練を行う消防本部の意向を踏まえて実施することとしており、今後とも感染防止対策を徹底の上、訓練等を継続的に実施し、消防団員の士気の高揚と技術の向上が図られますよう取り組んでまいります。
(浅野)
(三)離島における備えについて
次に、離島における備えについて伺います。5月25日に緊急事態宣言が解除されまして、私の地元である羽幌町にも天売島、焼尻島と二つの島がありますが、それまでお願いしてきた来島の自粛も解除されることになりました。これから本格的な観光シーズンを迎えているところでありますけれども、本道側といつでも自由に行き来することが極めて難しい離島では、ひとたび感染が疑われる方が出た場合、感染者が出た場合には大変対応が難しくなるリスクを抱えておりまして、感染拡大防止のために必要な資器材というものが、本道側以上にしっかり確保される必要があると考えます。私が今述べた天売島と焼尻島にも消防組合の分遣所が置かれておりまして、特に天売島、常勤医がいないなかでは、地元に一人いらっしゃる消防職員の方が、いざ急病患者が出たときに、医師の代わりのような役割を果たさくてはいけない、看護師の方と、医師がいない中で急病人や怪我人に対応するという状況が続いております。
感染拡大の防止というのは、消防職員のみならず全ての島民の方に図られる必要がありますけれども、このような任務を負う消防職員に対しては、感染拡大防止のために、より万全な備えをすることが望まれるところであります。例えば、アイソレーターと言われる簡易陰圧装置等の備品、これは離島を抱える各保健所には数台、常備されていると伺いますが、それらを保健所だけではなく、島にもきちんと常備をして、いざ感染の疑いのある方が出た時に、さらにそれが島民の方に広がらないように、すぐ使えるような体制を整えてほしいとの声も島民の方から伺います。
常勤医のいない天売島をはじめ、離島における消防職員をはじめ救急搬送等の業務に当たる方々に対する感染防止対策はどのように措置がされているのか伺うと共に、道の今後の取組について伺います。
(危機対策局長)
離島からの搬送における感染防護対策についてでございますけれども、離島において新型コロナウイルス感染症患者等が発生した場合は、船やヘリコプターなどの海路や空路による閉鎖空間での搬送を余儀なくされることから、感染防護の徹底を図るため、離島を所管する江差、留萌、稚内の各保健所に陰圧機能を備えた感染症患者搬送用フードを配置しまして、搬送の際に活用するとともに、感染防護に精通した保健所職員が、医師とともに搬送に対応しているところでございます。道といたしましては、今後、離島からの新型コロナウイルス感染症患者等の搬送体制の強化と感染防護の徹底を図るため、これらの保健所にアイソレーター装置を1台ずつ追加配置するとともに、国の感染防止対策マニュアルなどを遵守し、搬送に携わる関係者の感染防護対策に万全を期するよう取り組んでまいる考えでございます。
(浅野)
1台ずつ追加配備していただけるという答弁をいただきましたけれども、先ほど申し上げたように、保健所に加えて、島にも置いてほしい声があります。このことについて、どのような認識をお持ちなのか再度伺いたいと思います。
(危機対策局長)
離島からの搬送体制についてでございますが、新型コロナウイルス感染症患者等が発生した場合は、感染症法に基づきまして保健所が移送を行うこととなりますが、離島においては、海路や空路による搬送を余儀なくされるという状況にございますことから、感染疑いの段階から、離島を所管する保健所に配置した搬送用アイソレーター装置を活用するということとしております。搬送にあたりましては、感染症に関する一定の知識を有し、あらかじめ訓練等を受け、対応に習熟した保健所職員が、医師とともに従事する必要がありまして、こうした体制のもと搬送に携わる関係者の感染防護対策に万全を期しながら、住民の皆様の不安軽減が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
(浅野)
アイソレーターも誰でも使えるものではない、使い方を習熟した方でないと難しいと伺っております。聞くところによりますと、今週近々に、私の地元でいうと、留萌保健所の方が島に入って、様々な防護用資機材の使い方について、消防職員の方を含め、講習をやっていただけるということで、十分島に対して、消防職員の方々を含め、島に対する配慮を道としても図っていただいていることは伺っておりますが、こうしたアイソレーターの使い方についても、講習をしっかり現地の方々にも受けさせて、やはり島にも置いてほしいという声もありますので、引き続き、検討していただきたいと思います。
(四)今後の取組について
医療従事者等と同様に、消防職員も我々が日常生活を維持する上で欠かせないエッセンシャルワーカーの一つであり、先ほど申し上げたように、これから台風等の自然災害が頻発する時期を迎える中、地域事情に精通した消防団員の方、道議会議員の中にも消防団に入られている方もいらっしゃると承知しておりますけれども、そうした方々も等しく重要な存在であります。新型コロナウイルス感染症が収束するまで長期戦を覚悟しなくてはいけない今、消防職員と消防団員がより一層連携を強化し、火災や救急活動などの様々な災害に対応出来る体制をとること、これは地域の安心安全の確保に繋がると考えます。
この点から、消防機関における感染防止対策が進められることが重要であると考えますが、今年の4月いっぱいまで、留萌振興局長を務めていただき、先ほど申し上げた離島の事情も十二分に配慮され、地域の消防団員、消防職員の果たす一生懸命な姿も見てこられた危機管理監に最後、答弁をお伺いします。
(危機管理監)
消防機関におきますコロナ対策の今後の取組に関してでございますが、消防機関における感染防止対策は、国の感染防止対策マニュアルを正確に把握された上で、これを活用しますとともに、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて示されました国の各種取扱を遵守され、着実に進められることが重要と認識しております。そしてこのことは、限られた人員など厳しい条件が課される離島の消防機関におきましては、ことさら重要なものと理解してございます。このため、道におきましては、いずれも欠くことのできない両輪でございます消防職員と消防団員が連携して地域の安全安心の確保を図るため、そういったこができますよう、様々な災害に対応し得る訓練の実施はもとより、消防機関における感染防止対策の円滑な実施に向けて、引き続き、国の支援事業を活用した資器材の確保に努めてまいります。また、今後におきましては、コロナ感染のリスクを一層低減できますよう、アイソレーター装置の追加配置による搬送体制の強化をはじめ、感染が疑われる傷病者への救命処置における注意事項の検討や救急隊員が使用する感染防護資器材に関する普及啓発など、消防機関の消防職員、消防団員の皆様の感染防止対策の推進に、適切に取り組んでまいる決意でございます。
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