9月に入り、過去にない高温少雨に見舞われた夏も終わりが見えてきました。
この夏の異常気象により、農業、そして漁業への影響が懸念されます。このことへの対応は別の場でご報告させて頂きたいと思います。
この場では、主に8月25日に発生した留萌振興局職員によるクラスター(集団)感染事例について、地元道議として取り上げたいと思います。
若さゆえの不十分さ
各種報道でも伝えられている通り、留萌振興局の若手職員が夜遅くまで5名以上の人数で飲食をし、この度の事態に至りました。
コロナ禍が収束しない中、現在発令中のものを含めてこれまで3度、北海道に対し緊急事態宣言が発令されています。解除されていた中でも、道民の皆様は4名を超える人数での飲食は控えてほしい、不要不急の外出は避けてほしいという政府、道から要請を受けてきました。
今回の事例は、道民に数々の自粛をお願いしてきた道が、自らその要請内容を破ったことに他なりません。
クラスター感染の発生は、道庁の振興局単位では初となります。
5月には留萌市役所でも職員によるクラスター感染が発生しており、そのきっかけは職員による自宅での飲み会の開催でした。
「振興局は市役所の教訓を汲んでいないのか?」「留萌、大丈夫か?」という厳しい声が、留萌地域のみならず、多くの道民の方々から私の下にも寄せられました。
8月25日、宇野稔弘振興局長は記者会見の場で謝罪しました。それ以前に私のところにも宇野局長から謝罪と経過説明のお電話を頂きました。
私からは、
「皆が自粛疲れをしているのはわかるが、道民にお願いする側の道の職員がそれを破ったのでは、誰も道からの要請を聞いてくれなくなる。感染拡大防止は一層厳しくなった。二度と同じことが起きないよう、対応して頂きたい」
と、強く申し入れを致しました。
道の本庁と比較して、留萌をはじめ各地の振興局は職員数が少なく、職員の皆様は所属部署を超えて顔見知りになり、仲良くなりやすい環境があると思われます。本来このことはとても望ましいことです。道職員一人一人が自身の所属部署内だけでなく他部署の職員と連携し、仲間を増やし、スキルアップを図ることは、道民の為に良い仕事をして頂く上で、とても重要なことだと私は考えます。
道職員間のみならず、どんどん地域に溶け込み、地域の方々と人脈を深めていくことも、振興局に勤務する職員の皆様には大いに進めて頂きたいと思います。
特にこれからの道庁を担う若手職員が、組織内、地域内で多くの知己を得ることは、中長期で見て道民の利益につながるはずです。
その過程で、皆で食事をし、酒を飲み、大いに語り合うことも大切なことです。職務に関係なくプライベートの場でも、楽しい時間を過ごして頂きたいと思います。それがまた地域経済の活性化にもつながります。
今回クラスター感染につながった職員の行動は、コロナ禍でなければ、本来なら何ら責められるものではないのです。ただ今はその「本来」の時ではないことへの認識、キャリアの浅い・深いに関わらず、自分が道職員であるという自覚、これらが彼らに不十分だったことが残念でなりません。
北海道の新規感染者は昨日3日は251名と、一時の拡大局面は脱したと見られますが、明らかな減少局面に入ったとは言えません。今回の波の厳しさはまだ続きます。道民の皆様に協力をお願いしつつ、協力要請に応じて頂ける根拠となる支援策を更に充実させていかねばなりません。
これらの大前提となるのが信頼です。
当該職員には、何より大切な信頼を大きく傷つけたことをしっかり自覚して頂きたいと思います。
同時に、誰もが完全無欠な人間であるはずがない。経験の少ない若手に未熟さがあるのは、どの職業でも一緒です。当該職員が今後道民の為に一生懸命仕事をし、信頼回復のために頑張れるチャンスも与えられるべきと思います。
これらの経過について、来週7日の道議会総務委員会で質問し、道の今後の対応について質す予定です。
自民党総裁選挙への期待
昨年もそうでした。8月末、9月初めは政治が大きく動く時期なのでしょうか。
菅義偉総理が今月29日に行われる自民党総裁選挙に立候補しないことを表明しました。現下の政治情勢では自民党総裁イコール内閣総理大臣であり、新総理が近々選ばれることになります。
今日も新聞各紙はこのような事態に至る経過、要因等について分析した記事を掲載しています。
事の真相は私などにはわかりようがありませんが、菅総理のこの間の心労はどれほどだったのかと考えると、同情の念がまずわいてきます。
たたかれることはあっても褒められることはない、記事になるもののほとんどが批判。国内だけでなく世界に向けても非常に重い責任を負う総理の大変さは、想像もできません。
政局は次の総裁選びに移りました。出馬を明言されている方、取りざたされている方の中では、私は個人的に、岸田文雄氏に期待しています。
外務大臣を長く勤められ、外交防衛政策に精通されていること、また富の再配分に重点を置いた経済政策を考えておられることから、コロナ禍で傷ついた日本の立て直しには、ベストの方ではないかと考えます。
コロナ禍の中、衆院総選挙に先んじて行われる自民党総裁選挙が、自民党の活性化、信頼回復、そしてコロナ禍の克服、経済の立て直しにつながる大きなきっかけになることを願いつつ、各候補の方々の政策、人となり、信念を研究していきたいと思います。
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