日本政府が検討を進めている東京電力福島第一原発処理水を海洋放出する考えに対し、中国が嫌がらせとも言うべき措置を取っていることが明らかになりました。今日の北海道新聞の記事によると、中国の税関当局が日本から輸入する水産物に対し、全面的な放射性物質検査を始めた結果、日系企業が輸入した鮮魚などが税関で留め置かれているとのことです。
百歩譲り、実際に処理水が放出された後に念のために検査をするというのならまだしも、放出が行われる前の段階でこのような行為をすること自体、日本に対する風評被害を意図的に作り出していることに他なりません。外務省をはじめ日本政府がどのような対応をしているのかが気になります。科学的根拠に基づいた行動をとるよう、強く抗議してほしいものです。
財務省の貿易統計を基に北海道農政事務所が作成した資料によると、2023年1月から4月における北海道における農林水産物・食品の輸出額を国・地域別にみると、以下のようになっています。
1位 中国 162.1億円(うち水産物が147.4億円)
2位 香港 25.9億円(うち水産物が18.4億円)
3位 ベトナム 25.2億円(うち水産物が21・8億円)
1位の中国と他国とに大きな開きがあります。また中国向け147.4億円の水産物のうち、ホタテ貝が約7割を占めているとのことです。
留萌振興局に確認したところ、留萌管内はホタテ稚貝の一大産地ですが、活ホタテの海外輸出は韓国がほとんどであり、今回の中国当局の措置による影響は現時点でないとのことです。しかし、他の道内の地域にとって、何らかの影響が出ることは避けられないと思われます。
現在留め置かれている生鮮物の鮮度維持を誰がどのようにしているのか、品質が落ちて損害が出た場合は中国当局が補償してくれるのか。現時点で日本政府がどれだけ実務的な交渉が出来ているのか不明です。
中国の嫌がらせに対して日本政府が断固たる抗議をし、いち早く過剰反応を止めさせてほしいものです。同時に、中国に大きく集中している農林水産物・食品の輸出構造を、北海道としても多角化していくことを検討しなくてはならない時期に来たのかもしれません。
コメント
コメント一覧 (1件)
中国に輸出なんかしたくていい。
バーケージの裏側みて、中国産なら絶対に買いません。中国が売って欲しいと頭下げてくるなで、売る必要がないです。