一 平成29年度政策評価の結果について
(一) 基本評価について
1 施策評価の評価結果について
ただいまご報告を頂きました29年度の施策評価の結果について、以下4点伺ってまいりたいと思います。 まず施策評価の結果についてですが、ただ今いただいた報告によると、今回基本評価の対象となった、0801から0807の7項目に渡る建設部所管の各施策に関しまして、0802の「大規模自然災害対策の推進」と0803の「道路交通ネットワークの形成」の二項目のみが「課題はあるが引き続き推進」という評価が下されているとのことでした。この二項目は他の項目と比較しても、道民の命、生命財産に直結するきわめて重要な施策を含むものなのだろうと理解をいたします。それらに対してこのような評価が下された理由は何か、またそれに対して建設部としてどのような認識を有しているのか伺います。 (政策調整担当課長 縄田健志) 施策評価の評価結果についてでございますが、施策評価では、成果指標と、その達成目標を設定して、施策の達成度合を評価しているところでございます。 「大規模自然災害対策の推進」と「道路交通ネットワークの形成」につきましては、「緊急輸送道路上等の橋梁の耐震化率」や、「防雪に関する道路の要対策箇所の対策率」などを成果指標としておりますが、目標に達していなかったことから、「課題等はあるが引き続き推進」という、評価結果であったところでございます。 これらの施策は、人や物の交流拡大を図る道路網の整備や、道民の命と財産を守るなどといった社会資本整備の重要な施策であり、着実に推進するべきものと認識しているところでございます。 以上でございます。 (浅野) ただいま、耐震化率や対策率などの成果目標が目標に達することができなかったとのご答弁がありましたが、道民の命と財産を守るという重要な施策ですので、予算の制約などもあると思いますが、引き続き進めていただきたいと思います。
2 今後の取組について
続けて伺いますが、今月11日から12日にかけて、私の地元の留萌管内は発達した低気圧と前線の影響で台風並みの強風に見舞われました。6名が重軽傷を負ったほか、各商業施設の看板が飛ぶ、特に北海道銀行の支店の看板が飛んだりとか、そのような大変な被害が出ました。また風力発電用大型風車の羽が折れて落下する、民家や車庫、倉庫などが壊される、大量のゴミが漁港にたまる、停電が生じるなどの被害も出ております。 また留萌市が国から管理指定を受けている国指定史跡の「旧留萌佐賀家漁場」の屋根が飛ぶ等の文化面での被害も生じております。 更には留萌管内の大動脈ともいうべき国道232号が各地で通行止めとなる事態も生じ、管内住民は非常な不便でかつ不安に耐えざるを得ない状況に置かれたわけであります。 このような事態に鑑みても、建設部の今後大きな使命である「大規模自然災害対策の推進」並びに「道路交通ネットワークの形成」、これは「概ね順調に展開」という評価がなされるように、しっかりと進めて頂きたいと考えますが、今後の取り組みについて伺います。 (土木局長 清水文彦) 今後の取り組みなどについてでありますが、近年は、気候変動などによる異常気象が頻発しており、特に昨年の一連の台風による災害は昭和56年災以来の甚大なものとなり、現在も各地で復旧工事が進められているところでございます。 また、留萌管内におきましても昨年8月の集中豪雨では、苫前町の古丹別川が氾濫し、農地などに大きな被害が生じたほか、国道239号において路面冠水などによる通行止めが発生しております。 道といたしましては、「大規模自然災害対策の推進」や、災害時における代替路としても機能する「道路交通ネットワークの形成」といった施策を進めることは防災・減災に資する社会資本を整備する上で大変重要であると認識しており、必要な予算の確保に努め、成果指標で示した目標を達成していけますよう、着実な推進を図ってまいります。 (浅野)
(二)公共事業評価について
1 予算配分について
続きまして、公共事業評価について伺います。まず予算配分についてですが、今頂いた報告の中での二次評価結果としては、公共事業それぞれ「継続」とされている、一安心した次第ですが、その中でも「『選択と集中』の視点に立った予算配分など必要な検討を行い、効率的・効果的な事業の執行に努めること」との評価もされております。評価対象となった32事業は、いずれも地元住民はじめ関係者からすれば、一日も早い事業の完成を待ち望んでいるものと思いますけれども、評価意見にある「『選択と集中』の視点に立った予算配分」により、今後事業間の進捗に温度差がつくような事態もどうなるのかそのような懸念があるのですが、道の認識を伺います。 (建設政策課長 天沼宇雄) 予算配分についてでございますが、道ではこれまでも、「社会資本整備の重点化方針」に沿って、限られた財源を必要性や優先性の高い施策・事業に重点化を図ることで、戦略的かつ効果的な社会資本整備の推進に取り組んできたところでございます。 今後とも、「物流ネットワーク形成のための道路網の整備」や「洪水や土砂災害などに備えた安全性の高い災害防止施設の整備」などといった本道の喫緊の課題に対応した施策や事業に重点化を図りますとともに 事業の進捗状況や地域の実情にも十分配慮しながら適切な予算配分に努めてまいる考えでございます。 (浅野)
2 道道名寄遠別線の事業の推進について
もう1点伺います。 今回の評価対象となった事業の中には「美唄富良野線」が含まれております。これは元々国により整備が進められていたものの、「道州制特別区域における広域行政に関する法律」に基づいて、平成22年度より北海道へ権限が委譲され、整備が進められている道路であります。これと加えて現在事業が継続されているものは、私の地元の「名寄遠別線」があると承知しております。名寄遠別線については、平成26年度に今回と同じような事業評価がなされているところであり、今年の10月26日に北工区、11月2日に地元の留萌建設管理部の方にご案内頂いて、私も事業の進捗状況など視察をさせていただきました。大変厳しい自然の中を切り開いていく、まさに難工事であることが窺い知れたと同時に、道北地域の有機的結合、発展に向けて、なんとしても1日も1年でも早い完成をしてほしいと感じました。同時に道職員のみなさま、工事関係者等、多くの方々が苦労に苦労を重ねて今日まで進捗をしていただいている事業だということもわかりました。一方でこれについて残念ながら道議会の中で事業の重要性だとか、一度立ち止まるべきだといった議論をしている方々がいるのも事実でありますけれども、この間そういった議論もありますが現時点で道として名寄遠別線の進捗状況並びに事業の必要性、そして今後の推進について、どのように認識をしているのか伺います。 (建設部長 渡邊直樹) 道道名寄遠別線についてでございますが、この路線は、開発道路として、平成21年度まで国により事業が進められてきたところでありますが、平成22年度に、延長7.8kmの区間が国から北海道へ移譲され、これまで4.9kmの改良工事が終了しており、現在、道において未改良となっている2.9kmについて工事を進めているところでございます。 道といたしましては、この区間の完成により、留萌北部と上川北部の両地域における高次医療機関へのアクセス向上や物流の効率化、災害時における孤立化の解消などが図られますことから、引き続き、国へ要望するなど必要な予算の確保に努め、着実な事業の推進に取り組んでまいる考えでございます。 (浅野) 10月に渡邊部長も留萌管内を訪問していただいて、名寄遠別線の進捗状況などをご視察いただいたとも伺っております。何よりも渡邊部長が道職員としてのスタートが遠別の事務所であると、そのようなご縁もあると伺っておりますので、この道路については特段のご理解を頂いているものと強く期待しております。 今ご答弁いただいたように、災害時における地域の孤立の阻止並びに解消、まさに命を守るために必要な道路であるということは申すまでもありませんが、建設部のみなさんも十二分に認識していただいていると思いますので、今後とも議会でいろんな議論があるかと思いますけれども、現場の苦労や地域の思いなどを理解していないような意見に対しては気にせずに、しっかりとこの事業を前に進めていただきたいとお願いいたします。 以上で質問を終わります。]]>