主な質問内容
11月11日に発生した道道岩見沢桂沢線の陥没事故への対応について質問しました。
車両が一台転落し、重軽傷を負われるという大変痛ましい事故が繰り返されることのないよう、一日も早い原因の特定と復旧、そして他の道道における同様事故発生の未然防止と、道には重要な役割を果たして頂かなくてはなりません。
現状の対応と今後の取組について質問したところ、原因の特定にはまだ至っておらず、復旧の見通しもついていないものの、作業を急ぐと共に、同様事例の発生防止に取り組む旨の答弁がありました。
質問と答弁
(浅野)
一 道道岩見沢桂沢線の陥没事故について
私からは、道道岩見沢桂沢線の陥没事故について、以下数点伺って参ります。11月11日の午前3時頃、この道道において大きな穴があき、そこに走行されていた方、車両1台が転落をして、重軽傷を負われる方が出るという大変痛ましい事故が発生いたしました。怪我をされた方にはお見舞いを申し上げますとともに、心から一日も早いご回復をご祈念申し上げたく存じます。道は、今回の道路陥没事故を受けて、学識経験者等からなる意見を聞く場を設けるなどして、着実に対応を進めているものと承知しますが、このことを踏まえて、以下伺って参ります。
(一)道路パトロールの実施状況について
まず、道路パトロールの実施状況について伺います。道路の陥没など日常的なパトロールを業者の方にしていただいて、異常を発見し、速やかに補修することが事故の未然防止につながると考えますが、この区間のパトロールは、通常どのように行われており、道路陥没前の実施状況はどのようになっていたのかをまず伺います。
(管理担当課長)
陥没箇所における道路パトロールについてでありますが、今回、陥没が発生した区間については、公物管理パトロールの業務範囲と実施事項を定めた「北海道公物管理業務実施要綱」に基づき、平常時の道路状況などを把握するための通常パトロールを週3回、道路照明等の点検を行うための夜間パトロールを月1回のほか、降雨等により交通障害や災害発生のおそれがある場合には、異常時パトロールを行っております。なお、この区間は点検の対象となる主要構造物がないことから、年1回の定期パトロールは実施していないところでございます。
また、陥没発生前の実施状況は、2日前の11月9日、午前に通常パトロール、前日の10日、早朝には大雨に伴う異常時パトロールを実施、同じく10日、夕方には夜間パトロールを実施し、いずれも「異常なし」の報告であったところでございます。
(浅野)
(二)道路陥没発生後の重点パトロールの結果について
異常なしの中で、このような事態が生じたとのことですが、今回の陥没事故発生の後に、道は、過去に同じような陥没があった箇所などについても重点的なパトロールを実施したと聞いておりますが、その結果がどうだったのかを伺います。
(維持担当課長)
重点パトロールの結果についてでありますが、平成22年度以降に道道で道路陥没の発生した56箇所のうち、のちに歩道撤去、廃道となった2箇所を除く、54箇所について重点パトロールを実施し、異常が確認された箇所は無かったところであります。また、沢地形や横断管の埋設箇所などで、舗装補修を繰り返している174箇所についても確認し、170箇所において異常の確認は無く、舗装面に軽微な損傷のあった4箇所について、路面下に異常の無いことを確認のうえ、順次補修を行っているところでございます。
(浅野)
(三)道路陥没の原因について
迅速に他の陥没があった箇所についてもパトロールをしたとのことですが、今回の道路陥没の原因について、伺います。報道では、道が過去に道道の改良工事や排水パイプの設置、路面沈下の補修を行っていたこと、また、掘削調査の結果、陥没箇所周辺の地下では炭鉱時代のものとみられる排水管が破損していることを確認したといったことなどが報じられておりますが、今回の道路陥没の原因が既に特定されているのでしょうか。
(維持担当課長)
道路陥没の原因についてでありますが、陥没発生後から、原因究明のため、掘削調査を行うとともに、学識経験者からなる「令和3年度道路陥没原因調査に関する技術検討会」を開催し、道路陥没のメカニズム等についての意見聴取を行っているところでございます。現地においては、道道認定以前に造られた排水横断管の破損が確認されていることや、これまでの改良や補修履歴について、11月25日の技術検討会でも報告しておりますが、現時点では原因の特定には至っていないところでございます。
(浅野)
(四)原因調査に関する技術検討会の意見について
原因特定はまだできていないとのことですが、技術検討会の意見について伺いたいと思います。今回の陥没原因を究明するために、学識経験者等から構成される技術検討会を設置していると承知します。先月25日に開催されたこの検討会においては、破損した横断管なども含め、学識経験者等から意見を聴いていると、どのようなご意見があったのか伺います。
(維持担当課長)
技術検討会での意見についてでありますが、技術検討会において、陥没箇所の下に埋設されていた排水横断管が破損し、土砂が流出したことで、道路盛土内に空洞ができ、陥没に至った可能性があるとの意見がありましたことから、破損箇所から色の着いた水を流し、横断管出口から流出するかの確認や、道路の盛土材と横断管出口付近の堆積土砂との同一性の確認を求められたところでございます。
(浅野)
(五)通行止めの状況について
次に、通行止めの状況について伺います。この道道岩見沢桂沢線は、桂沢から岩見沢方面に向かう主要ルートであり、今回の陥没に伴う通行止めで、地域の住民の方々の生活の中でも不便な状況が出ていると思いますし、地域経済などに大きな影響が生じる懸念があります。現在、通行止めに伴い迂回路を道は設けていると承知しますが、どのような迂回路となっているのか伺います。
(管理担当課長)
通行止めに伴う迂回路についてでありますが、道道岩見沢桂沢線については、陥没箇所の前後、2.5km区間におきまして、全面通行止めとしており、道道岩見沢三笠線、三笠栗沢線及び三笠市道の3.9kmを迂回路として設定しているところでございます。
(浅野)
(六)復旧の見通しについて
次に、復旧の見通しについて伺います。一日も早く復旧されることが重要かと考えますが、地域からも通行止めの早期解消を求める声も出ていると承知します。今後の復旧の見通しについて伺います。
(維持担当課長)
復旧の見通しについてでありますが、当該陥没箇所の復旧については、陥没原因の特定はもとより、工法の選定や関係機関との協議などが必要でありますから、復旧には時間を要することが見込まれております。
(浅野)
(七)再発防止について
道路は、申すまでもなく通勤や通学といった地域にとって必要な生活の道路でありますし、観光、物流といった経済活動を支える重要なインフラでもありますし、万が一の時の防災・消防活動、救急搬送などを可能とするなど多様な役割を担う非常に重要な命の社会基盤であるといっても過言でないと考えます。今回の陥没のような事態は、規模の大小はあるものの、今月に入ってですけど、私の地元の名寄遠別線でも一つ発見されたとも聞いておりますし、全道的に発生しているものでありまして、二度と発生させることなく、道路交通の安全性を持続的に確保するには、より一層適切な維持管理が求められると承知します。
道は、学識経験者の皆様の意見を踏まえ陥没原因をしっかりと究明し、同じような陥没事故が発生しないように万全の対策を講じる必要がありますと考えます。今後どのように取り組むのか、最後に伺います。
(建設部長)
今後の取組についてでありますが、道路は、道民の暮らしや経済活動を支える重要な社会基盤であり、安全で円滑な道路交通を支える上で、道路の適切な維持管理は大変重要であると認識しているところであります。このため、道では、学識経験者からなる技術検討会を設置し、今回の道路陥没のメカニズムなどについて、意見聴取を行っており、来週15日には、第2回目の技術検討会を開催することとしております。道といたしましては、引き続き、現地調査を進めながら、技術検討会のご意見を踏まえた上で、現地の早期復旧はもとより、名寄遠別線など、同様の事象に適切に対処できるよう、必要な維持管理手法の検討を行うなどして、安全・安心な道路交通の確保に努めてまいります。
(浅野)
部長から安全・安心な道路交通の確保に努めるとのお言葉をいただきました。是非しっかり進めていただきたいと思います。今回大きな陥没が生じた岩見沢桂沢線は、この地域の幹線の一つであり、一日も早い復旧が求められます。こうした点について、改めて知事のお考えをお聞きしたいと思いますので、委員長におかれましては、お取り計らいのほど、よろしくお願い申し上げます。