活動報告

水田活用の直接支払い交付金、生乳生産、有機農業推進計画等について質問しました。(予算特別委員会・農政部 2021年12月10日)

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質問の概要

 12月10日の予算特別委員会で農政部に対し、以下の項目について質問致しました。

一 水田活用の直接支払い交付金の見直し案について

水田活用の直接支払い交付金の見直し案が11月末に農水省から示されました。北海道は他府県よりも積極的に政府による稲作から他の農作物への転作に応じてきており、これまでの累積の転作率は北海道で58%、他府県は40%となっています。転作に応じることは経営の在り方が変わるということであり、それに対する助成の一つとして、この交付金が支払われてきました。

 どんな制度も時間の経過に沿って見直しの必要性が生じてくるものです。しかし今回の見直し案は、政府の方針に応じてきた北海道にとっては、そのこと自体が間違いだったのかと感じる非常に厳しいものです。

 北海道がしっかり声を挙げなくてはなりません。宮田大農政部長からは、「年内を目途に本道への影響を検証し、政府に必要な施策を求めて参る」旨の答弁がありました。

 

二 生乳生産について

 生乳生産対策も喫緊の課題です。コロナ禍で需要が減り、これから小中学校の冬休みを迎え、学校給食もお休みになることから、一層の需要減が見込まれます。米の在庫量がかつてない規模で積み上がっていますが、生乳は長期間そのままで保存することはできず、大量廃棄せざるを得なくなる可能性も否定できません。生産者の不安に寄り添う対応を求めました。

 

三 北海道有機農業推進計画について

 現計画が今年度で期間を終えることになっています。道は生産目標で2030年に取組面積を2020年度の4,817haから11,000haに、有機農業に取り組む農家戸数を471戸から600戸に、消費面では有機農産物への理解度を33%から50%にするとの大きな目標を掲げており、その実現に向けてどのように取り組むのか質問しました。

 

四 多様な人材について

 オミクロン株流行により深刻化し得る担い手不足への対応と、「地域づくり事業協同組合」を設立し、担い手を融通し合うという初山別村で進められている新たな取り組みに対する認識を問いました。

 

質問と答弁

一 水田活用の直接支払い交付金の見直しについて

(浅野)

 国から示された水活交付金の来年度以降の運用見直しについては、非常に地域で不安が広がっています。最終的に政府が決定することでありますけれど、日本一の米どころを目指す北海道としても、しっかりと生産者の思いを受け止めて、国に発信をしていただきたい、そんな思いから以下質問させていただきますので、よろしくお願いします。

 まず、4年産米について、冒頭伺います。

 

(一)4年産米について

 一般質問でも触れましたが、本道においても水張面積の7%、約6,900㌶の主食用米を飼料用米に転換したものの、かつてない在庫が積み上がっている状況にございます。国では、来年度の主食用米の需要見通しについて、初めて全国で700万トンを下回る692万トンになるとの見通しを示し、4年産米の作付面積は今年産よりも約4万㌶削減する必要があると試算しております。道内においても、これまで、今年は3月の緊急深掘り対策をはじめ、生産者の皆様も作付転換に応じていますが、おそらく今年産以上の作付転換が必要になるだろうと考えます。4年産米の生産について、道としてどのような考え方で取組を進めていくのか伺います。

 

(生産振興局長)

 4年産米の生産についてですが、先月、国が示した主食用米等の需給見通しによると、4年産米は、今年産に比べ、全国で26万トン、面積にして3万9,000ヘクタールの作付転換が必要と示されたところでございます。道では、これまで関係機関・団体と一体となって、国の需給見通しや、地域の作付意向、農業団体の販売計画を踏まえ、毎年度、「生産の目安」を設定し、需要に応じた米生産に取り組んできたところであり、今月、定めることとしている4年産米の「生産の目安」においては、新たに、北海道米の民間在庫量も算定要素に加えることとしており、引き続き、オール北海道で必要な作付転換を進め、北海道米の需給と価格の安定に努めてまいります。

 

(二)本道の転作状況について

(浅野)

 ただ今、新たに北海道米の民間在庫量も算定要因に加えた上で、北海道米の需要と価格の安定に努めると答弁いただきました。その矢先ですが、冒頭申し上げたように、水田活用の直接支払交付金が従来の内容と大きく異なる、令和4年度以降の見直し案がこの度農林水産省から示されました。昭和45年、1970年から、いわゆる減反政策が始まりまして、米余りを打開するために、他の作物に転作することが政府の方針として進められました。それ以来、北海道は他府県よりも積極的に転作に応じ、転作率は高く推移していると承知しております。改めて、本道における転作状況はどのようになっているのか伺います。

 

(水田担当課長)

 本道における作付転換の状況についてでございますが、令和3年における水田面積21万300ヘクタールのうち、主食用米の作付面積は8万8,400ヘクタールであり、主食用米以外の作付面積は12万1,900ヘクタール、率にして、58パーセントとなっております。また、都府県については、水田面積202万5,700ヘクタールのうち、主食用米の作付面積は121万4,600ヘクタールであり、主食用米以外の作付面積は81万1,100ヘクタール、率にして、40パーセントとなっております。

 

(三)政府の見直し案について

(浅野)

 ご答弁いただいたように、他府県と比較して18ポイントも高い率の転作率を北海道は実績として積み上げてきた訳でありますが、これに対して、何度も申し上げているように、農水省が来年度以降の見直し案を1125日に与党自民党の会議で示して、その後、様々な協議を経て若干の見直しを加えた案を30日に提示し、概ね了解を得ているとの報道がなされています。その主な内容は、まず交付対象として、

・今後5年間、2022年度から向こう5年間、水張を一度もしなかった農地は交付対象外とする。

・ 戦略作物助成について、多年生牧草は収穫のみを行う年の助成を10㌃あたり1.0万円とする。

・ 産地交付金については「転換作物拡大加算」、「高収益作物等加算」、「飼料用米・米粉用米の複数年契約」の内容を見直す。

と、様々言われております。改めて、現時点で道が把握している見直し内容について伺います。

 

(水田担当課長)

 水田活用の直接支払交付金の見直し案についてでございますが、国では、本年12月2日、都道府県や農業団体等を対象に、水田農業に関する全国会議を開催し、水田活用の直接支払交付金の見直しの方向について、説明を行ったところでございます。国から示された見直し案は、交付対象水田について、現場の課題を検証しつつ、今後、5年間で一度も水張りが行われない農地は交付対象としない方針であることや、牧草については、収穫のみを行う年の助成単価の減額、転換作物拡大加算と、高収益作物等拡大加算の廃止、飼料用米等の新たな複数年契約への加算の廃止、新市場開拓用米の複数年契約加算の新設、高収益作物以外の作物による畑地化への支援助成単価に差を設けることとされております。

 

(四)本道への影響等について

(浅野)

 示された見直し案が本当に来年度始まるのであれば、経営が成り立たないんじゃないかと、つい先日の北海道新聞も報じておりましたけれども、ある地域の市町村や農協によっては、どれくらい影響が出るか具体的な数字を出しているところもあります。私の地元のJAるもいでも今影響額を試算しているところと伺っております。ある生産者に言わせれば、これが本当に出されるのであれば、我が町の稲作農家は皆いなくなってしまうと、懸念の声が寄せられております。

 もし、この交付金の対象外となった農地が増えた場合、農地の資産価値が下落し、耕作放棄地が増えることも懸念されます。耕作放棄地が増えれば、今でも話題になっておりますけれども、ヒグマなどの有害鳥獣がもっと人里に近いところに出てくることを誘発することにもつながりかねないと考えます。また最近5年間水張りをしていないことを条件に交付対象外となるといいますが、誰がこの水張の有無をチェックすることになるのでしょうか。振興局の皆さんが行うのか、市町村が行うのか、農協の職員がそれを行うのか、そうした問題もあると考えます。

 また、見直し案の影響は、積極的に転作を進めた地域と、そうでない地域、転作よりも水張りの維持に努めてきた地域、また、農水省が言うブロックローテーションが可能な地域、地域的にそれがなかなか難しい地域とで異なることから、今回の見直し案の受け止めが、北海道の農業者の中でも、北海道の水稲の農家の中でも異なってくるものだとは思います。そもそも今回の見直し案は、政府による離農促進策だと、耕作放棄促進策であるという極めて厳しい声も私の元に寄せられているところでありますが、今回の見直し案の内容並びに本道への影響に関し、道としてどのような認識を有しているのか、ここでしっかり伺いたいと思います。

 

(農政部次長)

 見直し案による本道への影響についてでございますが、本道の水田農業経営は、長年にわたり「水田活用の直接支払い交付金」による支援を受けてきたことから、今回の制度の見直しは、交付金額だけの影響にとどまらず、地域によって様々な影響があるのも事実でございます。例えば、当初計画を超えて非主食用米の作付が増加することによる用水不足への懸念や、畑への転換が進み、水田面積が減少した場合には、土地改良区が徴収する賦課金の減少による将来的な施設の維持管理への支障や他の組合員の負担増加、さらには、農地の資産価格の低下による借入金の担保評価額の低下や地方自治体の固定資産税収入の減少、土地売買の停滞などが考えられるところでございます。

 

(五)輸出米促進の取り組みについて

(浅野)

 今回の見直し案で一つプラスに着目するとすれば、輸出米促進の交付金が創設されるという見通しが立っていることだと思います。今回新たに新市場開拓用米、つまり海外向けに輸出する米について、10アールあたり1万円の複数年契約加算を設定することが謳われておりますが、北海道米の輸出は、国内需要が先細りする中で、どうしても考えなくてはいけない、避けては通れない課題であると考えておりますし、知事の言葉をお借りするわけではないですけれども、ピンチをチャンスに変える一つの方策であると思っております。一方で米の輸出については、流通経費が大きな足かせとなっていること、また効率的な輸出物流構築が必要であるとの声が強く寄せられております。道として、北海道米の海外輸出に関し、現状の課題をどう認識し、その振興に向けて今後どのように取り組むのか伺います。

 

(食の安全推進局長)

 北海道米の輸出についてでありますが、今後とも北海道米の安定した需要を確保していくためには、国内はもとより、海外に販路を求めていくことが重要です。一方で、輸出拡大に向けては、国内外の流通経費等に伴い、例えば中国では、現地産米の約7倍の販売価格になることに加え、世界の米生産量の約2割にとどまるジャポニカ米に適した炊き方も含め、美味しい食べ方が十分に浸透していないことなどが課題と認識しております。このため道では、本年10月に生産者団体や港湾・物流事業者などと連携して輸出物流の効率化を検討する協議会を新たに設置したほか、輸出業者との複数年契約を支援する水田活用の直接支払交付金や、輸出など新市場開拓用米の生産拡大に取り組む農業者を支援する水田リノベーション事業など、国の制度を最大限に活用するとともに、産地が行う海外での市場調査や販路開拓などへの支援、輸出先国における小売業者やネット通販関係者などを対象とした試食商談会の開催、さらには、料理教室での家庭食向けのPRなどを行い、北海道米の一層の輸出拡大につなげてまいりたいと考えております。

 

(六)道の対応について

(浅野)

 最後に、水活交付金について伺います。今回の見直し案は、タイミングがあまりにも唐突すぎると、衆議院総選挙の終わった直後に出してくる。もちろん与党の政府公約の中にもこういうもの一切含まれておりませんでしたし、これが最終的に決定したものではないと思いますが、11月に示して来年4月から始めますと、あまりにも性急すぎると、とても対応できるものではないと考えますし、何よりも政府の方針に従って転作を積極的に進めてきた水稲農家にとっては、裏切られた気持ちが強くあると思います。

 道は北海道農業再生協議会を担当していますし、米の生産目安の設定をはじめ、本道稲作の政策決定に大きな権限を持つものであります。各市町村、農業団体、生産者等の関係プレーヤーと一致結束をして、稲作をはじめとする本道農業が持続的に発展するように努めていく責務を負っているものと考えます。今回の見直し案に対し、道はどのように対応していくのか伺います。

 

(農政部長)

 今回の見直し案に対する道の対応についてですが、道では、これまで、「生産の目安」の設定や「産地交付金」の使途の検討、「水田リノベーション事業」の執行など、関係機関・団体と一体となって、需要に応じた米生産と必要な作付転換に取り組んできたところであります。こうした中、今回の制度の見直しは、農家の方々の経営はもとより、地域の水田農業に様々な影響を及ぼすものと認識しております。このため、道としては、現在、年内を目途に今回の見直しに伴い懸念される影響を検証しているところであり、今後速やかに地域協議会や農業団体をはじめ、関係機関・団体と連携しながら、課題を共有し、継続的に対応策等の検討を進めますとともに、本道水田農業の活性化や体質強化に向けて、地域の実情を踏まえた必要な対応を国に求めるなど、生産者の皆様が将来に向かって意欲を持って水田農業に取り組むことができるよう、努めてまいります。

 

(浅野)

 ただいまの部長のご答弁は非常に希望が持てるものであります。年内を目途に影響を検証して関係団体と一致結束して必要な政策を国に求めていくとご答弁いただきました。是非部長をはじめ農政部が一体となって、地域のため頑張っていただきたいと思います。

 その際にキーパーソンとなるのが農水省から出向していただいている新井健一生産振興局長だと思います。今現住所は北海道ですから、本籍地は農水省であっても、道の農業のために、地域への影響をしっかり本省に伝えていただくよう、キープレイヤーとしての活躍を期待しておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 

(※11月25日、石狩地域選出選出の佐々木大介道議とJAしんしのつを訪問。早川仁史組合長からコメの輸出についてお話を伺わせて頂きました) 

 

二 生乳生産について

 全国的に生乳の増産が進んでまいりましたが、コロナ禍の影響で需要が減少しまして、家庭用需要も低調となっていることから、生乳の需給が緩和しており、農業団体では、来年度の生乳生産の増産を抑える方針を示したとの報道がなされました。これまで、国や道では、畜産クラスター事業などを通じて規模拡大を支援しており、生乳の増産を抑制するような事態は、酪農経営に大きな影響が及ぶことが懸念されております。代表格質問では、知事から「生産と消費の両面からの取組により需給の安定化を図り、持続的に発展する本道酪農の確立に取り組む」旨の答弁がありましたので、今後の具体的な対応などについて、以下、数点、伺ってまいります。

(一)乳製品の在庫量について

 まず、乳製品の在庫量についてです。

 脱脂粉乳やバターなどの乳製品の生産が増加しているとのことであります、生乳需要が減少していることに伴い、現在の在庫の状況はどのようになっているのか、前年との比較及び増減の要因などについても併せて伺います。

 

(畜産振興課長)

 乳製品の在庫状況についてでございますが、本道の生乳生産は、昨年度、過去最高の416万トンとなるとともに他府県でも増産傾向にあることから、全国の生乳生産量は743万トンとなっております。一方、コロナ禍の影響により、業務用を中心とした牛乳乳製品の消費の低迷に加え、昨年度の学校給食の一斉停止や、本年度の府県は冷夏となり、飲用消費が減少していることから、本道で生産された生乳は、長期保存が可能なバターと脱脂粉乳に加工され、その在庫が積み上がっているところでございます。脱脂粉乳の在庫につきましては、コロナ禍前の昨年2月末現在の7万4千トンから、直近の本年10月末現在では、9万トンに、バターの在庫につきましては、2万9千トンから、4万1千トンに、それぞれ大幅に積み上がっているところでございます。

 

(二)生乳生産量について

(浅野)

 今年の道内の生乳生産量は、昨年に比べて、3%程度の伸びで推移していると伺っております。今後の生乳生産量について、道は、どのような見通しを持っているのか、伺います。

 

(畜産振興課長)

 生乳生産量の今後の見通しについてでございますが本道の生乳生産量は、畜産クラスター事業の活用による畜舎や機械の整備、乳牛改良の進歩などによって、生乳生産基盤が充実し、11月末時点の今年度のホクレン受託乳量では、過去最高であった前年を約3%上回って推移しております。こうした中、コロナ禍の影響が長期化しており、牛乳乳製品の消費の速やかな回復が見込めないことから、生産者団体では、令和4年度の生乳生産目標数量を今年度の目標対比で101%にすることを決定したところでございます。道といたしましては、今後の社会経済活動の回復を見据え、生乳生産基盤を毀損することなく、本道の生乳生産を維持していくことが重要と考えてございます。

 

(三)生産目標数量について

(浅野)

 ただ今、ご答弁いただいたように、101%と数字がありますが、農業団体では、来年度の生乳の生産目標数量を、今年度と同等の枠内で収める方針を打ち出していると聞いています。酪農家にはどのような影響があると考えているのか、現場からの声や、道の受け止めも併せて認識を伺います。

 

(生産振興局長)

 生産目標数量の影響についてでございますがコロナ禍の影響が長期化する中、生乳需給の速やかな改善が見込めないことから、道内の生産者団体においては、やむを得ず来年度、計画生産に取り組むこととしておりますが、生産現場では、今後の生乳生産や営農に不安を抱いているものと認識しております。こうした生乳の計画生産に向けては、今年度のうちから、早期の搾乳停止や治療効果が期待できない搾乳牛の淘汰などに取り組むこととされており、道といたしましては、これまで酪農家の皆さんが作り上げてきた生産基盤を維持することが重要であることから、それらを毀損させないための技術対策を発出し、周知するほか、営農継続に向けた金融対策について国に要望するなど、計画生産の下であっても、安定的に酪農経営が継続できるよう取り組んでまいります。

 

(浅野)

 「生産基盤を維持することが重要である」とのご答弁いただきました。酪農は牛という生き物を相手にしておりますので、機械を調整するような形で数量を簡単に変えられるものではないということは十分、社会全体でご認識いただいていると思いますが、酪農家の現場の不安に今後も寄り添っていただきたいと思います。

 

(四)需給調整機能について

 我が会派の代表格質問で、「道が求めてきた全国的な需給調整機能の構築に向けた検討が国において進められている」との答弁がありました、検討されている全国的な需給調整機能とはどのようなものなのか、その概要と今後の見通しについて伺います。

 

(畜産振興課長)

 全国的な需給調整機能の概要についてでございますが、生乳の需給は、長期保存が可能なバターや脱脂粉乳などへの加工によって調整され、国内の生乳生産の約6割を占める本道が夏場の需要期には本州に飲用乳として移出し、冬場の不需要期には道内の乳製品工場で加工に仕向け、その生乳需給の調整を担わざるを得ない状況の下、コロナ禍で積み上がったバターや脱脂粉乳の在庫についても、道内の生産者団体の負担により対応しているところでございます。こうした中、これまで道としても国に対して全国的な需給調整機能の構築を強く求めてきたところでございまして、今般、国が中心となって、全国の生産者団体と乳業メーカーが議論し、現在、積み上がっている脱脂粉乳の在庫対策について、全国の生産者団体と乳業メーカーが一体となって取り組むことが妥当と整理されていると聞いてございます。

 

(五)今後の対応について

(浅野)

 気温が下がるにつれ、飲用乳の需給が低下してくると、一般にいわれております。特に、これから学校が冬休みを迎えますので、学校給食において、年末年始にかけて、まず需要が減るということと、処理できずに余剰となる生乳の発生が危惧されますが、これ以上、既に他の乳製品に振り分けることは難しく、早急な対応が求められているところであります。道としてどのように対応していくのか、持続的な酪農の確立に向けて、安定的な生乳需給にどのように取り組んでいくのか、最後に伺います。

 

(農政部長)

 生乳需給の安定に向けた対応についてでありますが、本道酪農は全国の生乳生産の約6割を占めており、今後ともその役割と責任を果たすとともに、地域を支える基幹産業として安定的に発展していくためには、生産力の強化と併せ、安心して生産できる環境が必要と考えます。このため、道では酪農生産基盤の確保に向けて、畜舎や省力機械の計画的な整備に加え、営農支援組織の育成、良質な自給飼料生産に向けた草地整備の推進、多様な担い手の育成・確保を進めるとともに、計画生産に向けては、生乳生産基盤を毀損させないための技術指導の周知、農業団体及び乳業メーカーとも連携した需要の拡大や輸出の促進に取り組み、さらには、これまで道が国に強く求めてきた全国での需給調整機能の確実な実施を引き続き求めるなど、生産力の強化と収益力の一層の向上を図り、本道酪農が将来にわたって、地域の基幹産業として持続的に発展するよう、力を尽くしてまいります。

 

(浅野)

 先ほどの水田活用交付金に引き続き、力強い部長の決意をいただきました。私も酪農の家の生まれでございますので、しっかりと取組をしていただくことを期待します。

 

三 北海道有機農業推進計画について

 平成18年に有機農業推進法が制定され、道ではこれを踏まえて、平成20年に北海道の有機農業推進計画を策定し、現在は第3期計画の下で取組を進めていると承知をしております。現計画が今年度で計画期限を迎えるために、先の食と観光対策特別委員会で次期計画の素案が示されました。一般質問で、我が会派の議員から計画の方向性などについて伺ったところであります。食の安全推進監からは、「新たな数値目標の実現に向けて、地域の協力体制の構築や、販路の拡大などに取り組む」旨の答弁がありました。具体的にどのように計画に反映させていくのか、今後の取組などについて、以下、数点伺ってまいります。

 

(一)現計画の検証について

 まず、現計画の検証についてであります。

 現計画に基づくこれまでの取組をどのように検証し、道としてどのように評価をしているのか、課題などについても併せて伺います。

 

(食品政策課長)

 第3期有機農業推進計画の検証等についてでありますが、道では、これまで、全道各地域において、有機農業者や関係機関・団体などと意見交換を行い、取組状況の検証などを進めてきたところでありますが、昨年度までの実績を踏まえますと、取組面積は増加傾向にあるものの、数値目標の達成には至っておらず、消費者からの認知度もまだ低い状況にあります。化学的に合成された肥料や農薬を使用しないことを基本とする有機農業は、慣行栽培に比べ、除草などの栽培管理に多くの労働力が必要なほか、収量を確保するための栽培技術の習得が難しい中、技術開発や普及体制が不足していること、また、独自に販路を開拓する必要があるが新規参入者には難しく、さらには、有機農産物の価格に見合う価値が消費者に十分に理解されていないなど、生産から流通、消費までの各段階における課題があるものと認識しているところです。

 

(二)地域からの意見について

(浅野)

 いまある課題についてもご答弁いただきました。次期計画の策定に当たっては、道では、8月以降4か所で地域意見交換会を開催していると承知しております。それぞれの地域から、どのような意見が出ているのか、4か所の会場を設定したねらい、また、意見など、新たな計画にどう反映させていくのか、伺います。

 

(食品政策課長)

 地域意見交換会についてでありますが、道では、第4期計画の策定にあたり、有機農業者の自主的な研修会や、交流イベントなどに取り組んでいるネットワーク組織のある4つの振興局に出向き、地域意見交換会を行ったところです。意見交換会では、除草機械や品種の開発、奨励金などの支援制度による有機農業への新規参入や転換の促進、市町村や農協、慣行栽培の農業者に有機農業への理解を広げるための取組、さらには、有機農業の環境面での価値について、消費者に対し、積極的に情報発信やPRを行うことが必要などの意見があったことから、道としては、これらの意見も踏まえ、施策の推進方針と展開方向として、計画素案に盛り込んだところです。

 

(三)計画素案のポイントについて

(浅野)

 今、ゼロカーボンが全国的に、全世界的に求められておりますし、SDGsが策定されて、もう数年が経ちます。持続可能な社会に対する関心の高まりや、みどりの食料システム戦略で目指す姿に掲げられているのが有機農業でありまして、次期計画に注目が集まっていると承知をします。今回示された素案にはこれまでの計画と比べてどのような特徴があるのか、計画素案のポイントについて伺います。

 

(食の安全推進局長)

  計画素案についてでありますが、今回の特徴としましては、SDGsやゼロカーボンなど、持続可能な社会に対する関心の高まりや、国における「みどりの食料システム戦略」の策定など、新たな動きを踏まえるとともに、国が昨年改定をした基本方針との整合性を図り、計画期間より先となる2030年における数値目標を設定することとし、目標には新たに有機農家戸数を加えたところです。また、ポイントとしましては、推進方針の中に、農業団体や慣行栽培を行っている農業者への理解促進、有機農業のICT化や機械化の推進、様々な販売チャンネルへのアプローチ、有機農業の環境面の価値への理解醸成など、新たな視点を取り入れるとともに、具体の施策の展開方向としまして、「参入・転換を促進するための地域の協力体制の構築」や、「高性能除草機の開発など省力化技術の開発」、「オンラインマルシェなどネット販売による販路の拡大」、「給食での利用促進」といった施策を新たに提示したところであります。

 

(四)目標指標について

(浅野)

 生産目標についてですが、国の基本方針に掲げる2030年の数値目標を踏まえ、生産面では取組面積を2020年度の4,817haから11,000haに、今、ご答弁にありましたが、有機農業に取り組む農家戸数を471戸から600戸に、消費面では有機農産物への理解度を33%から50%にするとの目標を掲げています。特に、取組面積は現在の約2.3倍と高い目標になっていると思います。先ほど、課長からご答弁いただいた中で、現計画の目標達成に至っていないとのことでありましたが、その中でもあえて、非常に高い野心的な目標を掲げた、これらの目標設定の考え方、及び取組面積についてはどのようなアプローチを考えているのか、併せて伺います。

 

(食の安全推進局長)

 目標設定の考え方等についてでありますが、我が国最大の食料供給地域である本道が、有機農業においても、その役割を着実に果たすため、既存技術の普及による裾野の拡大を図ることにより、酪農など土地利用型農業を中心に取組面積を現在の2倍強の11,000haに、また、戸数についても、有機JAS認定農家を中心に現在の3割増の600戸に、さらに、消費者からの認知度については、第3期計画の数値目標が未達であることを踏まえまして、前回同様、50%にまで拡大することといたしました。取組面積の拡大に向けては、新規参入や転換を促進するため、希望者が適切な相談対応や技術支援を受けられるよう、農業団体等の理解を得ながらネットワーク活動の強化を図るとともに、道総研などと連携して、経営規模の大規模化にも対応できる省力化技術の開発・普及を進め、さらには、品目別の需要の違いに着目した実需者とのマッチングや加工原料用途への供給を促すなど、販路拡大に努めてまいりたいと考えております。

 

(五)今後の取組について

(浅野)

 道では、有機農業を重要な農業形態の一つとして位置づけて積極的に推進すると、今の答弁にもありましたけれども、取組の拡大には安定的な販路の確保や、省力化の推進、消費者理解の一層の促進などが求められます。また、その中で農業・農村振興推進計画に掲げる2030年度の食料自給率268%の達成を目指すことは容易ではありません。それぞれの計画を実効性のあるものとするため、道として、今後どのように取り組んでいくのか、最後に伺います。

 

(食の安全推進監)

 有機農業の推進に関する今後の取組についてでございますが、本道の農業・農村が、今後とも我が国最大の食料供給地域として、国民に安全・安心な食料を安定的に供給していくためには、国内外の需要を取り込みながら、環境と調和した持続可能な農業を展開していくことが重要です。こうした中、農業の自然循環機能を大きく増進し、環境への負荷を低減する有機農業の取組拡大は、環境保全型農業の先導的な役割を担い、SDGsやゼロカーボンの達成に貢献するとともに、成長を続けるオーガニック市場での道産のシェア拡大を通じて、道産農産物のブランド化にも寄与するものです。このため、道といたしましては、この春に策定した第6期農業・農村振興推進計画において、有機農業をはじめとする環境保全型農業の推進を打ち出したところでありまして、今後は、現在策定中の第4期有機農業推進計画をその施策別計画として位置づけ、「取組拡大」、「技術の開発・普及」、「販路拡大」、「理解醸成」の4つの推進方針を掲げ、有機農業への取組の重要性を農業者をはじめ、市町村や農業団体にも広く啓発するとともに、道総研と連携して生産技術や品種の開発普及を進めるほか、補助事業や融資制度の活用促進に加え、国の事業も活用しながら学校給食での利用などの地域のモデル的な取組を促進するなど、本道の有機農業の拡大に向け、計画的に取り組んでまいる考えです。

 

(浅野)

学校給食での活用と言っておられましたが、子どもに、小さな子どもが理解を広げれば、その親御さんや家庭にも理解が広がりますので、非常に重要な視点だと思います。今後しっかりと進めていただきたいと思います。

 

四 多様な人材について

(一)変異株流行がもたらし得る担い手不足への対応について

 本道において、外国人技能実習生を雇用している農業者は多いと承知をします。オミクロン株、新たな変異株が流行しまして、1130日から向こう一か月間、政府は、原則として全世界からの外国人の入国を停止する措置を今講じております。この度の入国禁止が農業の現場にもたらす影響について道はどのような認識をしているのか、また、農業者の不安払拭に向けてどのように取り組むのか伺います。

 

(農業経営課長)

 入国制限への対応についてでありますが、本道の農業が安定的に発展していくためには、担い手を支える雇用人材としての外国人技能実習生は重要となっており、新型コロナウイルス変異株の影響により、1130日から年内の新規入国が停止されたことは、農業現場に影響があるものと認識しております。道では、これまでコロナ禍における雇用人材の確保に向けて「北海道援農推進連絡会議」を活用した企業と農家とのマッチングに取り組んできたところであり、今後の外国人材の入国制限の状況を注視し、農業団体と連携して影響把握に努めますとともに、国の事業も活用しながら、来春の農作業に支障を来さないよう、雇用人材の確保に向けて取り組んでまいります。

 

(浅野)

 この問題は、一般質問の中で、漁業の現場についての影響について聞かせていただきました。農業も非常に懸念している方が多いと思います。ご答弁の中で来春の農作業に支障を来さないように、代替人材の確保に取り組むとのご答弁いただきましたので、今のうちから対応をぜひ求めたいと思います。

 

(二)初山別村における取り組みについて

 私の地元の取組を一つご紹介させていただいて、道の認識を伺いたいと思います。私の地元の初山別村では、2017年、4年前から初山別商工会の武田弘樹会長が中心となって、建設業から漁業、農業のそれぞれの繁忙期に人を派遣して作業を手伝うことによって、働き手を構築する仕組みが出来ています。外からなかなか人が来られないのであれば中にいる人達で、それぞれの繁忙期、閑散期をマッチングして担い手を融通し合おうというものです。実際に2018年4月から、村内にある建設会社からホタテ漁師さんに、また5月には稲作の現場に社員が派遣される実例が作られました。この取組に留萌振興局が着目をして、「留萌管内働き手対策検討会」が作られて、これまで累次にわたり議論がなされてきていると承知をしております。

 この取り組みをさらに発展させるものとして、留萌振興局がサポートをする中で、初山別村では特定地域づくり事業協同組合を設立する準備が進められております。年内に申請をして、諸準備を経て、来年度以降、農業のみならず漁業、また除排雪分野に限り建設業への派遣も今検討しているとのことであります。おそらく昨日、9日の村議会において予算措置を講ずることの議決を得られていると承知をします。こうした特定地域づくり事業協同組合を設立して、農業の担い手を確保する取り組みというのは、道内でも稀であると考えるのですが、道としてもこのような取り組みを他地域に参考事例として幅広く紹介をして、担い手確保の一助とすることは今後非常に有益ではないかと考えるのですが、道の認識並びに今後の取り組みについて伺います。

 

(農業経営局長)

 雇用人材の確保の取組についてでございますが、担い手の高齢化や経営規模の拡大などによります労働力不足が進む中、担い手を支える雇用人材の確保は一層重要となってきてごいざいまして、近年、各地域では、外国人材のほか、人材派遣会社や農協の無料職業紹介、マッチングアプリの活用、さらには農福連携など様々な取組が行われているところでございます。このため、道では、農業団体と連携いたしまして、雇用人材の受入れに関するガイドブックの作成やセミナーの開催などにより、アルバイトなど農作業経験の少ない方々にも働きやすい環境づくりを進めてきたところでございます。こうした中、留萌地域におけます農業をはじめ漁業や運輸業など地域の関係者が連携して労働力不足を補う仕組みは、効果的な取組と考えておりますことから、道といたしましては、本事例について調査研究いたしますとともに、他地域での人材の確保の参考となりますよう、広く情報発信をしてまいります。

 

(浅野)

 調査研究をするというご答弁をいただきました。ここで重要なことは、地元にある商工会長をはじめ、地元の人が結束してやろうとしたことを、振興局が、しっかりサポートしたということにあると思います。小さな自治体でしたら、そういうノウハウに対する知識だとか、他地域の事例についての情報が少なくなってしまうと思います。それを振興局がしっかりサポートして、こういう事例を作り上げようとしているということが非常に重要だと思います。地元の方も留萌振興局の方々が一生懸命助言をし、力を貸してくれて、ここまでこれたということを仰っていましたので、このような振興局の協力体制もしっかりと他地域に広く情報発信していただきたいと思います。