外国企業または外国人による防衛施設等周辺の土地取得問題について質問しました!(2021年3月24日総務委員会)

 外国企業または外国人による防衛施設等により森林や農地が取得されることは以前から問題視され、道としても然るべき措置を講ずるよう、政府に要望を積み重ねてきました。

 この度ようやく政府においても、防衛施設等の特に国防に関わる重要施設の周辺における土地取得を規制する具体的な動きが出て、3月26日に関連法案の閣議決定がなされましたhttps://www.jiji.com/jc/article?k=2021032600203&g=pol

 2014年の道議会議論で、当時北海道においても外国企業または外国人による防衛施設等周辺土地の取得が確認されていました。

 具体的な規制手段が作られつつある今、道の現状並びに認識を改めて確認し、今後の取組を質しました。

 

 

(浅野)

一 防衛施設等周辺の土地取得に対する規制等について

(一)本道における土地取得の現状について

  今日も北海道新聞などで報道されておりますが、2008年に長崎県対馬市で韓国資本による土地取得が相次いだと、また、本道においては201412月に航空自衛隊千歳基地や新千歳空港に移設する苫小牧市内の山林を、中国資本が取得する事例は相次ぎました。これらについては我が会派の議員である梅尾要一議員、もしくは冨原議員が代表質問などで質問を積み重ねてこられまして、当時の高橋はるみ知事の認識についても、答弁いただいているところであります。そこで2014620日の道議会本会議において、梅尾議員の質問に対する答弁の中で、20146月時点では道内の森林における外国企業または外国人による防衛施設等周辺の土地取得は、9件であり、約67㌶であるとの答弁がなされていました。直近ではどのように推移しているのかまず伺います。

 

(危機対策課長)

 本道の状況についてでありますが、防衛施設等周辺の森林の土地で、外国企業または外国人により取得されている状況は、直近では、令和元年12月末時点で把握をしておりまして、その時点で、道内では、総計で、35件、約218ヘクタールの森林土地が所有されていることが確認されたところであります。

 

(浅野)

(二)本道の現状に対する認識について

 この7年弱で件数にして約4倍、面積にしても3倍以上、外国資本による本道における防衛施設等の国家の根幹にかかわる施設周辺の土地取得がここまで拡大していることに対して、道はどの様な認識を有しているのか伺います。

 

(危機対策課長)

 本道の現状に対する認識についてでございますが、現行法制度の下では、防衛施設等周辺の土地取引に係る実態をすべて把握し得るものではございませんが、道で把握し得た件数だけを見ても、ただ今、お答えしたとおり、防衛施設等周辺の森林の外国資本等による取得状況は、この7年弱の間で、件数で約4倍、面積で3倍強増加しているところであります。また、こうした土地取得に関しましては、その取得目的の詳細な把握についても、おのずと限界があり、その利用状況次第では、水源や環境の保全はもとより、交通や産業、防衛関係施設や発電施設の機能などに支障が生じる可能性も否定し切れない面があるものと認識しております。道としても、土地取得により、道内でこうした不測の事態が生じることを懸念しているところでございます。

 

(浅野)

(三)国の動きに対する認識について

  今、道の認識を示していただきました。不測の事態、様々な不測の事態が生じることへの懸念を表していただきました。今政府としても重要土地等調査法案など言われておりますが、安全保障上の観点からこうした重要な土地の不適切な利用や所有を防ぐための関連法案の成立を目指していると報道されています。その内容はまだ、閣議決定されてはいないものの、報道を確認する限りでは、防衛関係施設や原発、空港等の重要インフラを「注視区域」とし、その中で司令部機能を持つ自衛隊駐屯地等の特に重要性が高いとされる施設の周辺は「特別注視区域」とするとのことであります。前者については所有者の氏名や住所、国籍、利用状況等を調査する権限を政府に与え、後者については、売買に際して売り手買い手双方に事前届け出を義務付けると。それぞれの利用に不適切なものが見られた場合には、罰則を伴う措置を政府が講ずることができるようにするものと、その内容であるものと報道されております。

 国益を守る観点から、重要施設周辺の土地が不適切に売買、利用されないようにルールを構築する動きに対して、私としては大いに賛同するものでありますし、道としても先ほど答弁にあったように、何等かの手段を講じるべきだということを政府に対してもこれまで要望されてきているものと承知します。そこで伺いますが、現在の政府の動きに対して、道はどのように評価しているのか伺います。

 

(危機対策局長)

 国の動きに対する道の認識についてでございますけれども、道では、道民の生命や生存環境にも直結する水源や森林の取引状況に加えまして、道民の安全・安心な暮らしを確保する危機管理の観点から、自衛隊や警察など、国民保護に直結する機関の周辺に存在する森林に関して、土地取引の動向把握に努めてきたところでございます。また、道といたしましても、我が国の安全保障の観点から「重要な土地の区域」を定め、安全保障上重要な施設周辺等の土地取得・利用の規制に係る関係法令の整備を行うよう、国に対し、要望してきているところでございます。今回の法整備の意図や内容につきましては、今後、詳細が調整されていく部分もあるものと承知しておりますけれども、現時点におきまして、道としては、これまで取り組んできた土地取引の実態把握の目的と方向性を同じくするものと受けとめておりまして、国への要望内容も一定程度踏まえられたものであると評価するところであります。

 

 

 

(浅野)

(四)道警の認識について

 道の地道な国に対する要望が、ようやく形になったものと私も認識します。先ほど申し上げたように千歳基地など本道に係る重要な案件が、今回の政府の法の整備に向けての動き、きっかけであったと思います。そこで伺いますが、この法案では、注視区域、特別注視区域における活動、施設の機能を阻害するものと判断された場合には、中止を勧告または命令ができると、従わない場合は懲役刑などの罰則を科すことが検討されております。こうした区域における見回りや罰則の行使に際して、誰がそれをやるのかとなった時に取締機関としての道警の役割も求められる可能性もあると考えます。道警としては、現在の政府の動きをどのように評価するのか伺います。

 

(総務部参事官兼総務課長)

 道警察の認識についてでありますが、道警察では、これまでも、違法行為があれば、法令に基づき、必要な捜査を行なっているところであります。一方、防衛施設等の周辺の土地取得に対する規制等の検討が行われていることの報道がなされていることは承知をしておりますが、国において検討中の案件に対するお答えは差し控えさせていただきます。いずれにいたしましても、道警察といたしましては、違法行為については、引き続き、法令に基づき適切に対処してまいります。

 

(浅野)

(五)今後の取組について

 最後に伺います。この法案に対しては、様々な意見が出ていると、財産権を明記した憲法第29条に抵触するのではないかだとか、あまりにも強い私権制限はいかがなものかと、様々な意見も出ていると思いますが、これも報道ですが政府与党内での合意もなされたと、党の中での内容にだいたい了承されたとの動きもありますので、修正が加えられることは当然あるとは思いますけれども、法案そのものが、道として従来求めてきたしっかりとした制限、チェックできるような仕組みを構築する法案が成立する可能性が極めて高いと私も考えます。この法案が成立すれば、既に取得されている土地への扱いに対して、道としての役割が求められるものと考えます。また広域自治体として道が市町村を様々調整するような連携するような役割も求められるのではないかと考えます。道としては、例えば土地・水資源については、平成24年に全国に先駆けて適切に保全がなされる条例を作っておりますし、総合政策部政策局の中に土地水対策課が設けられ、適切な保全を進めていると承知します。法案成立を見据えて、道庁内に担当部局を新たに設置することなどや、条例制定も含め、現時点から様々なことを想定していくべきと考えますが、道の認識並びに今後の取組について伺います。

 

(危機管理監)

 今後の取組についてでございますが、国におきましては、国益を守る観点から、「骨太の方針2020」の中で、「安全保障等の観点から、関係府省による情報収集など土地所有の状況把握に努め、土地利用・管理のあり方について検討し、所要の措置を講ずる」旨の方針が示されたところでございます。これを受けて設置されました国の有識者会議は、昨年12月に法整備を求めるこうした提言が取りまとめておりまして、現在、国においては、鋭意作業が進められているものと承知してございます。議員のご指摘のとおり報道で、そういった状況については、紹介されているところでございます。法案につきましては、現在の閣議決定に向け最終的な調整の段階に入り、現時点では、規制と影響の比較衡量など、様々な観点から検討が加えられているものと伺っておりますけれども、今後、明らかとなる、国、道、市町村それぞれが担うべき役割や、権限の配分、対象となる取引の要件や関係者の責務、更には、今後のことになりますが、政令、省令等で規定されます細部、こうしたものにつきまして、道としましては、本道の実情に適ったものとなるかなど、引き続き、国の動向を注視いたしますとともに、情報収集に努め、その対応につきましては、様々な状況、こういったもの想像力を働かせながら、庁内関係部局と時期を失することなく、適時適切に協議して対応してまいりたいと考えてございます。

 

(浅野)

 今、野村聡危機管理監から本道の実情にかなったものになるかどうか、見据えながら想像力を働かせて様々想定を進めるとのご答弁をいただきました。外国企業または外国人による土地の取得については、様々研究されているかと思いますし、道議会でも活発に先輩議員が発言され、道の対応を促す取り組みを積み重ねてこられたと承知しております。北海道の土地が一番狙われているとも言われておりますし、国益国家を守る観点から道としてもしっかり今後、想像力を働かして然るべき備えをしていただきたい。このことを申し上げ、質問を終わります。

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