昨年12月の委員会で質問したことの確認です。
北方領土問 題の啓発を部活動として行ってくれている根室の高校生の取り組みに対して、道としてももっとバックアップしていくべきです。
平成28年北方領土対策特別委員会開催状況
開催年月日 平成28年12月14日(水)
質問者 北海道結志会 浅野 貴博 委員
答弁者 北方領土対策本部 局長、参事
世論啓発のあり方について
1.質問 : 根室市の高校生の取組について
昨年12月9日の当委員会において、根室高校、根室西高校の生徒が、部活動として行っている北方領土問題に関する研究や啓発活動について、質問させていただきました。
明日から行われる首脳会談を控えて、この北方領土問題がいよいよ最終的な解決に向けて動き出すのではないかという期待は高まってはおりますが、今日、新聞報道ありますように相手側のプーチン大統領は非常に厳しい姿勢を鮮明にしていることなども踏まえれば、一朝一夕にこの問題がすぐ解決するのも難しいのかなと思っております。
今後も粘り強い政府間の交渉を求められると思いますが、その交渉を支えるのは何よりも私たちの力強い世論の後押しだと思っております。
今後も世論啓発を図っていくことは非常に一助になると思います。
その上で北方領土問題、運動原点の地である根室市の若い方々、高校生の取組が、今後もさらに重要性を増していくものと考えます。このことに対する道の所見をまず伺います。
答弁 : 東田参事
根室市の高校生の取組についてでありますが、根室市内には、根室高校と根室西高校があり、それぞれ部活動の一環として、北方領土返還要求運動に取り組んでおりまして、これまで北対協や北隣協などが主催する研修会等での講演や四島交流事業への参加のほか、さっぽろ雪まつりなど道内のイベント会場などでの署名・啓発活動などを行っているところであります。
こうした地元の高校生は、返還要求運動の後継者として期待されており、また、彼らの熱心な取組は、同世代の若者の関心を高めるうえでも有効であると考えており、道教委や関係団体などと連携を図りながら、道といたしましてもこうした活動を支援しているところであります。
2.質問 : 高校生の活動に当たっての課題について
昨年の委員会で、これら高校生の方々の非常に意義の深い活動について、また、道内の他の高校生とさらに交流をするようなことはできないかと、領対本部としても道教委と協議をして、何かそうした新しい取組を模索したらどうかということを昨年の委員会で提案させていただきました。同時に高校生の皆さんに活動の場を広げる上では、何よりも学業が最優先ですから、そうした学業とのバランスをどうするか、体力的、時間的な負担をどう軽減していくか、授業への影響をどう考慮するか、そうした課題も確かにあったかと思います。現在に至るまで、これら課題の解決も含め、道教委との協議の中で何らかの高校生さんの活動、新しい形はできているのか、道の所見を伺います。
答弁 : 東田参事
高校生の活動についてでありますが、根室市内の高校生が北方領土返還要求運動などを行う場合には、授業への影響なども懸念されますことから、道教委や関係団体などと連携を密にして、学校が休みとなる土日の開催や航空機の利用などを検討し、来年2月に予定されている合唱コンサートの講演に根室市内の高校の協力をいただくこととしたところであります。
3.質問 : 今後の協力について
来年2月の合唱コンサートで、根室市内の高校生にご協力をいただくという新しい取組を決めていただいたとのことですが、これら以外にご協力をいただくイベント等、現時点で決まっているものはありますでしょうか。
答弁 : 東田参事
今後の予定についてでありますが、今年度は、根室市内の高校生が管外に出掛けて同世代の子どもたちに直接、北方領土問題を話す啓発活動は、2月の札幌での合唱コンサートを予定しているところでありますが、道といたしましては、生徒や先生の意向を尊重すること、特定の高校や生徒に集中しないよう心がけること、出席を要請するに当たっては、十分時間をとり、生徒の希望をできるだけ取り入れることなどについて十分配慮しながら、今後とも高校生に啓発活動などの協力を求めてまいりたいと考えております。
指摘 :
ただいま、ご答弁いただいたとおり、何よりも高校生は学業が最優先ですから、それに世論啓発の主たる役割を高校生にだけ求めるというものではないのは十分承知した上で、若い世代の方々に今後も熱心な粘り強い取組が求められる北方領土問題の解決に向けた世論啓発を担っていただくことは、非常に意義深いと思いますので、理想を言えば、根室の2高校の生徒だけでなく道内の幅広い高校の生徒が同様の取組が広がっていくということも望ましいと思いますので、この点も考慮に入れて、今後とも領対本部としても取組を進めていただきたいとお願いを申し上げます。
4.質問 : 領土問題への関心について
次に2点伺ってまいりますが、明日の日露首脳会談、これまで数ヶ月振り返れば今月の15日、16日の首脳会談で領土問題が最終的に決着に向かうのではないか、戦後70年以上ずっと待ち続けてきた元島民の方々の思いなどが叶えられるのではないかと、ものすごく期待が高まったと思うのですが、先ほど申し上げたようにプーチン大統領は非常に厳しい見方をしていると。安倍総理もことあるごとに一朝一夕に解決できるものではないという厳しい認識を示されておられますが、期待値が高かった分、仮定の話ですけれども、明日以降の領土問題で具体的な進展の話が、もし出なかったとしたら、そうならないようにしなくてはいけないのですが、この期待値が高かった分、領土問題に対する国民の関心が逆に薄れてしまうのではないかと、落胆が関心を薄れることに繋がってしまうのではないかと私は危惧しているのですが、このことについて道はどのような見解を持っているのかを伺います。
答弁 : 東田参事
領土問題への関心についてでありますが、最近、記者からの質問に対し、安倍総理は「残念ながら70年解決してこなかった困難な課題である。一歩一歩着実に前進させていくため全力を挙げたい。」と発言されており、今後の領土交渉の行方は予断を許さない状況にあるものと認識しております。
このたびの一連の報道等により、北方領土問題への関心も高まり、中には今回初めて北方領土問題を認知した方々もおられると思いますが、関心が薄れることがないよう、国や関係団体等とも連携して、引き続き、国民世論の喚起を図っていくことが重要と考えております。
5.質問 : 今後の取組について
ただいま、東田参事がおっしゃったように、この日露首脳会談の報道を通じて、はじめて北方領土問題、こういう問題があったのだと認知した方々が少なからずいるのではないかと私も同様の認識を持っております。そこで、仮に明日、明後日の首脳会談で私たちが期待したような結果がでれば良いのですが、そうではなく、今後も粘り強い交渉をしていくというような状況となったときに、世論の高まりが下がってしまうことのないような今後も道としての世論啓発、さらなる力を入れた取組が求められると思うのですが、世論の解決に向けた望む灯を消さないために、道として今後どのような取組をしていくのか、最後に伺います。
答弁 : 篠原局長
今後の取組についてでございますが、明日、明後日に山口県と東京都内で開催されます日露首脳会談の結果などを見すえつつ、世論を喚起していく必要があると考えております。
道といたしましては来月1月21日から2月20日までの「北方領土の日特別啓発期間」において、市町村や関係団体と連携して、さっぽろ雪まつり会場での北方領土フェスティバルの実施をはじめ、高校生弁論大会、合唱コンサートの開催、ポスターコンテスト応募作品の展示など、道内各地で様々な啓発活動を実施することとしておりますが、今後、国や関係団体と連携した啓発はもとより、新たに日本青年会議所などの全国的な組織との連携を検討するなど一層の世論喚起に努めてまいる考えでございます。