北方領土対策委員会で質問しました!

政府間の交渉が進まない中、世論喚起という道の役割をしっかりとこなしていくことが必要です。返還要求運動に積極的に関わって戴いている方々や、根室の高校生の方々の取り組みに対してもっと支援ができないのか、道の見解を質しました。この質問について、根室新聞が取り上げてくれています

平成27年北方領土対策特別委員会開催状況

開催年月日 平成27年12月9日(水)
質問者 北海道結志会 浅野 貴博 委員
答弁者 北方領土対策局長、参事

北方領土返還要求運動の後継者育成について

1.質問:

先般行われました北方領土返還要求アピール行進に関しましては、角谷委員長、中司委員そして篠原局長等の皆さまご参加いただき、お疲れ様でした。以前私もこのアピール行進に参加したことがあるんですが、残念ながら行進に参加する人よりも、例えば銀座界隈で宝くじ売り場に並んでいる人の方が多いなとそういう世論の高まりが十分でないことを痛感したことがございました。本年は、聞くところによりますと、閣僚経験者の方だとか国会議員の方の参加も増えたということも伺っておりますし、皆様の地道な取組がこれからも重要になってくると思いますので、本当にお疲れ様でした。まずは、一道民として感謝申し上げたいと思います。そこで世論喚起に向けて、その中で一番重要な北方領土返還要求運動後継者の育成について、以下数点伺って参りたいと思います。

領土交渉は政府同士で行われることですが、その早期返還を実現させるためには、やはり日本国民の返還に対する熱い思いを世論を喚起してその領土交渉を後押しすることが重要であることは、何度も指摘をさせていただきました。その領土交渉を後押しするための世論喚起に向けては、笠置本部長をはじめ皆様、日ごろ大変なご努力を重ねていただいているところだと存じます。先般、根室市内を訪問した時に領土返還要求運動の方々から聞いた話なのですが、例えば、自分で会社を経営している方ならまだしも、会社に勤めている方が、平日に行われる返還要求運動に参加したりだとか、また、有給を取っていくだとか、根室管内の方から東京に出るとすれば、やはり移動だけで日にちがかかる。2泊、3泊、4泊と時間を取らなくちゃいけない。こうした返還運動に参加したいけども、なかなか職場の理解も得られないんだと。そうした悩みも聞かされたところでおります。返還運動を盛り上げていくためには、仕事をしている世代の方々が運動に参加しやすい職場環境を整備していくことも欠かせないと考えます。元島民の2世3世のみならず、幅広い道民がこうした北方領土返還要求運動へ参加できるようにするには、それぞれの職場の理解が欠かせませんが、道として、これまで一般道民その中でも特に企業経営者など道民を雇用する側の方々に対して、北方領土問題、返還要求運動への関心・意識等について、調査を行ってますでしょうか。

答弁:宗万参事

企業などへの意識調査についてでございますが、内閣府におきまして、平成25年度に、全国約2千2百社の企業を対象に「民間企業と連携した国民世論の啓発に関する調査」を実施したところでございまして、その中で、「北方領土問題の啓発活動に取り組むのが難しい理由」としては

  • ・政治色の強いテーマであり社会貢献活動のテーマには馴染まないから
  • ・企業イメージ、事業に合わないから
  • ・取り組めるほど社員、スタッフの北方領土問題への理解が進んでいないから

などが主な回答でございました。 

2.質問:

ただ今ご答弁いただいた全国約2,200社の企業を対象に行った内閣府の調査ですけれど、2,200社のうちどれ位の企業が実際回答してくれたのか、今、3点あげていただいたそれぞれの取り組むのが難しい理由をあげた企業の割合はそれぞれどれ位だったのか改めて確認をしたいと思います。

答弁:宗万参事

内閣府の調査結果についてでございますが、この調査は、全国の上場企業などを対象に、北方領土問題の啓発活動への協力の可能性とその内容を明らかにすることを目的として行われたもので、約21%、474社からの回答結果でございました。また、啓発活動に取り組むのが難しいとした主な理由の割合は、複数回答ではございますが、政治色をあげた企業が64.4%、企業イメージをあげた企業が38.9%、社員、スタッフの理解をあげた企業が36.3%でございました。

3.質問:

そもそも2割ちょっとの企業のみからしか回答が得られなかったこと、その中から6割を超える方々が政治色が強いからやれないといった回答をされていることについて、道はどのようにとらえてますか。

答弁:宗万参事

道といたしましては、こうした調査結果も参考にしながら、今後とも幅広く啓発活動などを展開し、国民世論の高揚を図る中で、企業の意識を高めていくことが大切であると考えております。

4.質問:

お伺いしますが、道としては、道内の企業に対して同様の調査を今後行うお考えはありますでしょうか。

答弁:篠原局長

今回の調査は、全国の東証に上場している企業2,200社を対象とした調査でございます。その中に道内の札証の企業が19社入ってございます。道内の企業も入っておりますので、そういった面では道内企業の意向も今回の調査に反映されていると承知してございます。今回の調査を参考にしながら、全国的な企業の意向を把握した上で今後北方領土啓発の取組について取り組んで参りたいと考えております。

指摘:

道内企業も19社入っているということですが、おそらく道内の全体の意識調査をしたとしても根室市、根室管内とそれ以外の地域の企業とでおそらく意識度は明確な違いが出ると思うんです。
これは指摘としてぜひ時期をみて道内の企業に対する特に経営者の方々が北方領土問題をどうとらえているのか、自分の社員がそういう運動に参加することに対してどの程度の意識をもっておられるのか、そうした調査をしかるべき時期にしていただければと思います。これは指摘として述べさせていただきます。

5.質問:

このように残念ながら、全国の企業をみてもそもそもアンケートに回答する企業が2割という現状をみて、企業経営者の意識をより高めていただく取組が今後求められると思います。その点を含めて、道では、返還要求運動への職場における理解向上にこれまで取り組んでいるのか、また今後、何か新たな方策を講ずる考えがあるのか伺います。

答弁:宗万参事

返還要求運動への参加促進についてでございますが、道では、8月の強調月間を中心に、道内の市町村や団体、企業などに、職場単位での署名活動を呼びかける「署名キャンペーン」や返還要求運動のシンボルの花である千島桜をデザインしたステッカーなどを活用した普及啓発などを行い、企業などにおける理解促進や啓発活動に取り組んでおります。

また、金融機関などに対しましては、直接訪問するなどして返還要求運動に対する協力要請を行いますとともに、北方同盟におきましても、会員企業を中心に運動への参加協力を依頼しているところであり、今後とも様々な働き掛けの手法も検討しながら、企業や団体における理解促進に努めてまいります。

指摘:

これは、もちろん、道だけの取組ではなく、私たちそれぞれの地域から出ている道議会議員も同様に働きかけをしていかねばならないことだと思います。

様々な手法も今後検討していただくとのことですので引き続き、力を入れていただきたいと思います。

6.質問:

北方領土問題が長期化しております。元島民の方々の平均年齢も80代を超えている。残念ながら残された時間は、そう長くない。そういうことを考えた時に、元島民の皆様の想いをしっかりと若い世代の方々が引き継いでいくことが重要なんだろうと考えます。例えば、根室市内の高校、根室高校と根室西高校があるかと存じますが、部活動として北方領土問題に関する研究や啓発活動を行っている方々がいると伺っております。具体的にどのような活動が行われているのか、道として把握してますでしょうか。

答弁:宗万参事

根室市内の高校の取組についてでありますが、現在、部活動としては、根室高校に「北方領土根室研究同好会」、根室西高校に「北方領土研究会」があり、北方四島交流事業への参加をはじめ、「北方領土を考える高校生弁論大会」への出場や街頭での署名活動、北方領土関連の大会や研修会での発表活動などに取り組んでおります。

7.質問:

これらの2校以外に部活動として北方領土問題の研究や啓発活動などに生徒さんが取り組んでいる事例というのは、他の高校でありますでしょうか。

答弁:宗万参事

他の高校の取組についてでございますが、現在のところ、北方領土問題の研究や啓発活動を部活動として行っている高校は、根室市内の2つの高校と聞いております。

8.質問:

根室市内の2つの高校の部活動の取組のような、若い方々が自主的に意識を持って運動していく、活動していくということは非常に重要だと思うのです。
そこで道として、道内の高校生に向けた北方領土問題の啓発活動としては、どのような取組を行っているのか改めて伺います。

答弁:宗万参事

若い世代、特に高校生への啓発についてでございますが、道では、北方同盟や千島連盟、北対協など、関係団体と連携を図りながら、「北方領土の日」ポスターコンテストをはじめ、フェイスブックやブログによる情報発信、北方四島交流事業への高校生・大学生の参加促進、関係団体が実施をしております北方領土を考える高校生弁論大会などのほか、来年2月には、中・高校生による早期返還を願っての合唱コンサートを開催するなどして、高校生を含めた若い世代が関心を持って、返還要求運動に参加できるような啓発活動に取り組んでおります。

9.質問:

道として、道内の高校生に啓発を行っていただくのに加えて、道内の高校生同士が、互いに交流をしながら啓発をし合っていくとことも、重要になるのだと思うのです。

これも先般、根室を訪問したときに、元島民の二世、三世の方々が、懇談する中で、このような話をされていたのですが、例えば、「根室高校、根室西高校の部活動をされている生徒さんが、北方領土問題の歴史的経緯だとか、先人が味わった大変な御労苦だとか、そうしたことを語り部として、お話をすると。それが、なかなか聴く側にとっては、心に迫るすばらしいものがあると。そうした生徒さんの活動を部活動、もしくは授業の一環として、特に、道内の他の高校生の方に、高校生が高校生にそうした問題を教えると、そうした活動をできるようにならないか」と。そういう提案をいただいたところでございます。

道内の高校生同士の交流の場を、今後、設けていく、そうした取組みが、私はこの問題を風化させずに世論を若い世代から盛り上げていくということで、非常に重要で意義がある、効果的だと考えているのですが、こうした取組を北方領土対策本部として、今後、道教委とも連携をとりながら、こうした運動を行う考えはありませんでしょうか。

答弁:宗万参事

高校生同士の交流についてでございますが、北方領土問題に取り組んでいる根室管内の高校生と、他の地域の高校生が、北方領土をテーマに率直な意見交換などを行い、交流を深めることは、今後の北方領土返還要求運動の裾野を広げていく上でも有益なことと考えますので、道教委などとも連携を図りながら、高校生相互の交流促進について、検討してまいります。

10.質問:

ぜひ、まず道教委と連携をして、新しい取組ができるかできないか進めてほしいと思うのですが、やはり、現役の高校生が道内各地に出向いて、活動をすることも、様々な課題はあると思うのです。授業の時間を削る場合は、そのカバーをどうするかだとか、いろんな課題があると思うのですが、仮に根室の高校生、部活動として活動されている方に、道内すみずみの高校に行って、そうした啓発活動をやっていただいて、交流をするということは実現するにしても、どんな課題があると、現時点で道として認識しているものを教えてください。

答弁:宗万参事

今後の検討課題についてでございますが、現在、両校合わせまして20名ほどの部員が北方四島交流事業への参加や研修会等での講演など、さまざまな活動に取り組んでいると承知をしておりまして、更に他の高校と交流するにあたりましては、生徒の体力的・時間的な負担や学業への影響などが想定されるところでございまして、今後、高校や生徒たちの意見も聞きながら、道教委と連携して検討してまいりたいと考えております。

指摘:

そうした課題を一つ一つ解決していきながら、若い世代、次世代を担う世代が、交流して共に北方領土問題への意識を高めていって、それを受けて、私たち大人世代も改めて認識を強くする、そうした好循環が生まれるようにしっかりと検討を進めていただきたいと思います。

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