明日からの道議会第四回定例会開会を控え、前日の今日は各常任・特別委員会が開催されました。午前10時からの農政委員会では、明日正式提案される道の補正予算案のうち農政部所管に関わるものの説明の他、国(農水省関連)の補正予算の説明がなされました。
そしてお昼近い午前11時半、農政委員会恒例の新米試食会が行われました。
お米を提供して下さったのは、ご自身が米農家であり、農政全般に精通されている白川祥二委員(空知地域選出)です。上の写真にあるように、ご自身が栽培されたおぼろづきとゆめぴりかが提供されました。
今年は全国的に猛暑となり、お米のみならず農業全般、産業全体に影響が及んでいます。
試食会の場で農政部よりなされた説明によると、11月10日に公表された令和5年産水稲の予想収穫量は子実用で716万5,000トン(対前年比10万4,000トンの減少)、主食用で661万トン(対前年比9万1,000トンの減少)と見込まれており、作況指数は101となるとのことです。
北海道の予想収穫量は、子実用で54万200トン、主食用で47万5,900トン、作況指数は104となるようです。
ちなみに、農業政策上お米の種類を分類すると、主に以下の通りになります。番号はあくまで私が便宜的に付けたものです。
①主食用米
②加工用米
③新規需要米
③-1 新市場開拓用米(輸出用米等)
③-2 米粉幼米
③-3 飼料用米
③-4 WCS(稲発行粗飼料)用稲
④備蓄米
子実用とは、上記の内③-3と③-4の二つ(人ではなく家畜向けのお米)を除いたものとされています。米と一言で言っても、様々な用途に分かれるのですね。
猛暑の影響は全国に及びましたが、本道の水稲農家の皆様方の懸命なご努力により、高い作況を維持して下さいました。
この度の政府の補正予算でも、畑地化支援のために750億円という大きな額がつけられました。50年くらい前は日本人一人当たり年間約120キログラムの米を食べていましたが、今はその半分以下と言われています。食べ物の嗜好は政治や行政が共生できるものではありませんが、日本の食料安全保障確立の観点からも、伝統文化を形作る上で大きな役割を果たしてきた稲作を振興していくことは非常に重要です。
特に北海道米は、かつては「やっかい米」や「猫またぎ米」と揶揄されるくらい、寒冷地の厳しさから品種改良に苦労された時代がありました。1692年に初めて渡島地域で米が作られ、「北海道稲作の父」と呼ばれる中山久蔵氏が「赤毛」という品種をつくることに成功したのが1873年。
1980年代に北海道で良質米を早期開発することが始まり、「きらら397」が出来たのが1988年。
後志管内の蘭越町で今年12回目の開催を数えた「米1グランプリ」のように、今や北海道は新潟県と並び、日本で最もおいしいお米が生産され、全国各地の米どころと競うまでに至りました。
先人のたゆまぬ努力と、今年一年、稲作農家の方々が猛暑に負けずお米を懸命に育ててくれたことに感謝し、特に今日は白川議員に感謝し、一粒一粒をかみしめながら新米を頂きました。
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