高橋知事がサハリン州を訪問し、現地のコジェミャコ知事と会談しています。政府間の北方領土交渉はなかなか進みそうにありませんが、こんな時こそ、地方同士が交流を深め、信頼関係を構築していくことが大事です。高橋知事には、今後4年の任期の中、しっかりと取り組んで戴きたいと思います。
平成27年北方領土対策特別委員会開催状況
開催年月日 平成27年11月5日(木)
質問者 北海道結志会 浅野 博 委員
答弁者 北方領土対策本部 参事
高橋知事によるサハリン州訪問について
高橋知事が先月の22日から25日にかけて、サハリンを訪問されたことにつきまして、北方領土問題に関して以下、質問させていただきます。
今回の高橋知事のサハリン州訪問、現地のコジェミャコ州知事との会談は主に経済交流を深めることが目的であったと伺っておりますが、その中で、知事も北方領土問題についても様々なお考えをもって訪問されたものと承知しております。
1.質問 :
新聞報道を読む限りでは、高橋知事としては、現地のコジェミャコ知事が北方領土問題についてどういうスタンスなのかを確認したい、もしくは、地域レベルでサハリン州と仲良くすることは大変重要であり、北方領土問題解決に向けた環境整備につながると、そのような意向をお持ちであったとも新聞で報じられております。
今回、現地のコジェミャコ知事と会談する中で、同知事は北方領土問題についてどのような考えを有し、どのようなスタンスの人物であったと、高橋知事として評価するに至っているのかをまずご説明いただきたいと思います。
答弁 : 宗万参事
コジェミャコ知事についてでございますが、今回のサハリン州訪問では、コジェミャコ知事の就任後初めての知事会談を行ったところでございまして、今回の訪問だけで、北方領土問題に対するコジェミャコ知事の具体的スタンスを評価することは難しいものと考えておりますが、両地域のトップ同士の会談によりまして、更なる相互理解や交流を深めていくことができるものと認識をしております。
2.質問 :
今回の訪問では、そうした当初知事が目指していたスタンスの確認はできなかったものということだと思うのですが、まずは、両者初めて面談されたものと思いますので、まず両者の信頼関係をつくることが大事だったのかなと、私も思います。
続いて、これも新聞記事を読む限りですけど、道新の記事ですね。高橋知事は、北方領土問題について、コジェミャコ知事に対し、「解決に向けた日ロ両政府間の協議に、北海道が重大な関心を持っている」と伝えたと報じられておりますが、高橋知事がこの話をしたあと、コジェミャコ知事からどのような返答があったのか教えてください。
答弁 : 宗万参事
コジェミャコ知事の返答についてでございますが、北方領土問題に関する知事の発言に対しましては、具体的にコジェミャコ知事からは返答はなかったと承知をしております。
3.質問 :
コジェミャコ知事のスタンスの確認も特段できずに、北方領土問題について高橋知事が述べたことに対して返答もなかったということですけど、今回のサハリン州訪問、北方領土問題の解決に向けた地ならしという観点では、意義のあるものだったのか、道としての認識を教えてください。
答弁 : 宗万参事
サハリン州訪問の意義についてでございますが、サハリン州とは隣接する地域であるとともに、領土問題を抱えていることも踏まえ、これまで友好・経済交流の発展に努めてきたところでございます。
領土問題につきましては国の専管事項ではございますが、この度の訪問で両地域の更なる相互理解と連携に向けたスタートを切ることができ、今後の北方領土問題の解決に向けた日露関係の環境整備にも寄与するものと考えております。
4.質問 :
今後、北方領土問題の解決に向けた日露関係の環境整備にも寄与するものであったとのことですけども、北方領土は、北海道の行政区域の中にあるものでして、この問題の解決に向けては、政府間はもちろんですけど、北海道のカウンターパートであるサハリン州と現地の州知事といろいろと関係を深めていくことも大事だと思うのですが、そうした関係構築に向けて、道として具体的に今後どのような事業を進めていくのか、特に北方領土問題解決に向けた環境整備を更に進めるためにどのようなことをしていく考えなのかを伺います。
答弁 : 宗万参事
サハリン州との今後の取組についてでございますが、今回のサハリン訪問を契機といたしまして、今後、これまで20年以上にわたり培ってきた実績を土台に、友好や経済など幅広い交流の拡大を目指し、この度、現地に竣工いたしましたオフィスビル「北海道センター」内に移転をいたします、北海道サハリン事務所や新たに設置する「北海道経済交流支援センター」を活用し、サハリン州との更なる交流促進を図ってまいる考えでございます。
指摘 :
残念ながら、今、領土交渉が政府間で進む可能性は極めて低いのではないかと私は思っております。
そういうときは、国レベルがうまくいかなければ、地方レベルで友好を深めていく、経済や経済環境を深めていく。その中で、お互い信頼関係を足下から固めていくしかないのだろうと思います。
是非とも、今ご答弁いただいた、友好や経済など幅広い交流の更なる拡大を目指して事業を進めていただき、実際に四島が日本に返ってくるとなったときに、具体的な詰めは、サハリン州と北海道でもしなければいけない場面も出てくると思いますので、積極的な将来を見据えた交流の拡大を進めてほしいと、そのことを最後に指摘して質問を終えます。