道庁男性職員の育児休業取得率等について質問しました。(2023年2月16日総務委員会)

 道職員の子育て支援と女性職員の活躍推進を目指すための具体的な取り組みや目標を定めたものに「北海道特定事業主行動計画」があります。令和6年度で計画の最終年度を迎えるにあたり、この度改定作業が進められ、男性職員の育児休業取得率の目標率などが示されました。
 道職員が子育てをしやすくなり、女性職員が活躍するための環境づくりに今後どのように取り組むのか、これまでの実績を踏まえ、総務部人事局に質問しました。

(浅野)
 子育て支援と女性職員の活躍推進を目指す北海道特定事業主行動計画について数点質疑させていただきます。
 

(一)男性職員の育児休業取得率につい
1 現状認識について 
 まず、男性職員の育児休業取得率についてですが、ご報告にありましたように令和3年度は育児休業取得率は23.8%と、令和元年度の8.1%と比較して大きく向上しております。後述しますが、全国都道府県の男性職員の育児休業取得率の平均値には、まだ及ばないなど不十分な点はありますけども道庁内で男性職員の育児休業取得率が向上したことは人事局はじめ道職員の皆様の担当部局の努力のたまものであります。私は高く評価をすべきだと思っています。このように取得率が向上した背景に道のどのような取組が功を奏したのか、その背景についてまず認識を伺います。

 (給与服務担当課長)
 道の取組についてでありますが、道では、行動計画に基づき、サポートブックの配付や、庁内イントラネットを活用した情報発信により、子育て支援に係る様々な制度の周知徹底を図るとともに、管理職員が、配偶者の出産を控えた男性職員との面談を通じて、「育児計画チェックシート」を作成し、育児のための休暇や休業の取得を奨励するなどの取組を進めてきたところです。
 男性職員の育児休業取得率の向上には、こうした取組の積み重ねが一定の役割を果たしたものと考えておりますが、内閣府が令和元年度に実施いたしました男女共同参画に関する世論調査では、家庭における男女の役割に関する意識の変化も認められるところであり、様々な要因があるものと考えているところです。

(浅野)
 2 他の都府県との比較について
 冒頭申し上げましたように、大きく向上したことは評価する一方で、やはり全国の都道府県平均は40.7%と伺っておりますので、それに比較すれば、まだ、かなりの開きがあることと、最上位が岐阜県の男性職員の育児休業取得率は70.7%に及んでいると聞いています。それに比べれば、まだまだ本道は後塵を拝していると言わざるを得ないと承知します。
 23.8%に向上したとは言え、全国的に最下層に、たしか39位と伺っていますけども、このように最下層に留まっている背景にどのような要因があるのか、道の認識を伺います。

(給与服務担当課長) 
 男性職員の育児休業についてでありますが、道では、これまでの取組の積み重ねにより、男性職員の育児休業取得率は向上してきたところでありますが、全国平均と差があるなど、相対的に低い取得率にあるところでございます。
 道といたしましては、今後、取得率の高い自治体における取組の詳細などを把握するとともに、引き続き、人事課の職員が振興局を訪問する機会などを通じまして、育児休業を取得しなかった理由を確認するなどしながら、分析を進めてまいります。

(浅野)
 人事課の職員の方が各振興局を訪問して、取得しなかった男性職員に対して様々な理由などをこれから聴取され、それを踏まえて分析を進めるとのご答弁をいただきました。できる限り、今年度の後半になろうと思いますけども、なるべく早く分析結果を踏まえて、さらなる育児休業取得率向上に向けて、取り組んでいただきたいと思います。
3 本庁と振興局等出先機関との差につい
 北海道は広域分散の地域であり、各地域に振興局をはじめとした出先機関を置いております。振興局と本庁の出先機関における男性職員の育児休業取得率に違いはあるのかどうか。あるならば、その要因は何であるのか伺います。

(給与服務担当課長)
 本庁と振興局の育児休業取得率についてでありますが、令和3年度の実績は、各種委員会を含む本庁が29.0%、振興局が17.7%と、本庁の取得率が高くなっております。一方で、過去には、振興局の取得率が高い年度もあり、サンプル数が少なく、出生数や取得率は年度によって変化していることなどから、特徴的な傾向は見られないところでございます。

(浅野)
 サンプル数が少なくて特徴的な傾向が見られないとのご答弁でした。例えば、振興局の方が、家族連れで赴任されている方、私の地元の留萌振興局にもいらっしゃいますけれども、子育て世代の方で男性職員が育児休業を取れないのは、出先機関ならではの人数の少なさなどの要因が1つでもあるのであれば、改善しなくてはなりません。
 先ほどのご答弁であったように今後、人事課の職員の方が振興局に出向いて事情を聴かれるとのことですので、しっかりとその状況を把握していただきたいと思います。
(二)子の出生時の5日以上の休暇取得率について
  次に、子の出生時の5日以上の休暇取得率について伺います。現状77.9%であるとの報告がありました。子どもが産まれて5日間というのは、私も経験ありますけど、母親ももちろんですけど、家庭が本当に慌ただしくなりますので、理想としては現状でも100%であるべきと考えますが、そのようになっていない背景には何があるのか伺います。

(給与服務担当課長)
 子の出生時の休暇取得についてでありますが、昨年、人事委員会が実施した職員アンケートの結果によりますと、5日以上の休暇を取得できなかった理由として、複数回答で、「仕事が忙しかったから」が最も多く、次いで、「職場に迷惑がかかるから」、さらには、残念な回答ではございますが、「取得しづらい雰囲気だったから」と回答する者もいたところでございます。
 道といたしましては、こうした職員の回答を踏まえ、引き続き、管理職員への研修や趣旨の徹底を行うとともに、職場全体のワークライフバランスの確立を図り、休暇の取得しやすい職場づくりを進めて行く必要があると考えているところです。

(浅野)
 取得をしようとする人、個人の思いとして、仕事が忙しかった、職場に迷惑がかかる、加えて、取得しづらい雰囲気だったからというのは、これ非常に重要だと思います。
 よく民間企業などでも言われるのが、男性社員が、育児休業を上司に取りたいと言ったところ、出世を望まないのかだとか、戻ってきても、今と同じ仕事ができるとは限らないぞだとか、そういったことを言われて、結果取りづらく、取れなかったというような声があるとも聞いております。よもや、道庁内でもそういった認識を持っている管理職員がいるとは思いたくないのですけれど、ご自身が出産、育児を迎える頃に男性、男の側が育児休業を取るという社会的な習慣がまだなかった時代にそういう時期を過ごした方の中には、もしかしたら道職員の中にもですね、男が休むなんて、という考えを持っている人がもしかしたらいるかもしれないので、今答弁にあったように管理職員への研修や趣旨の徹底をより強化していただきたいと思います。
 管理職員の側から子どもが産まれた職員がいたら、5日間休め、育児休業をとれと、促すくらいの道庁であってほしいと思いますので、今後の取組みに期待したいと思います。

(三)新規の取組内容について
1 不妊治療を受けやすい職場環境の醸成について
 次に伺います。新規の取組みについて、まず、不妊治療を受けやすい職場環境の醸成についてですが、不妊治療は治療を受けるタイミングが重要であって、職場の状況、職場の忙しいときだとか、そういう状況よりもその治療のタイミングを優先してこそ十分な効果が挙げられるものだと伺っております。それゆえに、不妊治療を受けている職員の方がいるならば、一層職場の理解、特に管理職員、上司の理解が求められるものと考えます。道においてこれまでどのような反省点があったと認識し、それを今後の職場改善にどのように結びつける考えでいるのか伺います。

(給与服務担当課長)
 不妊治療に係る両立支援についてでありますが、令和2年5月に閣議決定されました「少子化社会対策大綱」におきまして、不妊治療と仕事の両立のための職場環境整備の推進が掲げられるなどの状況を踏まえ、国は、令和4年1月に、職員の不妊治療のための有給の特別休暇を新たに設けたところでございます。
 道におきましても、これまでは病気休暇や年休などにより対応せざるを得ない状況でございましたが、国と同様の制度を、出生サポート休暇として導入したところです。
 道といたしましては、この休暇の積極的な活用を促すとともに、管理職員を含む幅広い層の職員を対象として、本制度の周知や啓発を行うことなどにより、希望する職員が、いつでも治療を受けることのできる職場環境の整備を図ってまいります。

(浅野)
 管理職員は、もちろんですが、同僚職員、幅広い職場の理解が必要だと思いますので、職場環境の整備、今後も進めていただきたいと思います。
2 結婚や子育て等の事情で退職した職員の復職支援について
 次に、結婚や子育て等の事情で退職した職員の復職支援について伺いますが、これは2021年度に、私もこの総務委員会で質問させていただきましたけど、過去に正職員として勤務したものの、結婚や育児、介護等のやむを得ない理由によって退職した方を再び正職員として勤務させる「ジョブ・リターン」が創設されています。
 これは令和3年の11月17日より申込み受付を開始したものと承知しております。その職種は看護師、保健師、獣医師など専門的な職種の方を対象にしたものだと伺っております。この度の取組はこの制度とどのようにリンクするものなのか伺います。

人事局長)
 退職者復職制度についてでございますが、道では、保健師や獣医師など採用が困難な職種を中心に、結婚や出産、子育て、介護などの事情で、やむを得ず退職した元職員を再び採用する退職者復職制度を令和3年度に導入しまして、令和4年度には、農業など技術系の職種にも制度を拡大したところでございます。
 道といたしましては、元職員として、知識・経験を持ち、即戦力となる人材を一人でも多く確保することは、道庁全体の組織力向上に寄与することはもとより、ライフステージに応じた多様な働き方ができる魅力ある職場として、職員の活躍推進にも繋がる制度と考えておりまして、今般、行動計画の取組の1つとして位置づけることにしたところでございます。

(浅野)
 この制度は令和3年度以降、令和3年、令和4年、数名の実際の復職にも繋がっていると伺っております。当時の委員会でも質問させていただきましたが、これを活用して戻ってもらう取組を進めると同時に、そもそも結婚や出産、育児、介護が離職に繋がらないような職場環境の醸成も必要だと思いますので、合わせての取組を今後期待したいと思います。

 (四)今後の取組について
 子育て支援と女性職員の活躍推進を社会全体で進めるには、やはり、民間企業が先行するよりも道をはじめ行政機関の取組が模範とされるのだろうと思いますし、道において率先して取組が進められてこそ道内の民間企業、また市町村もそれを倣って、より子育て支援の充実と女性職員の活躍推進に取り組むところが出てくると思います。社会全体の環境改善を進めるべく、道は今後どのように取り組むのか伺います。

 

(職員監)
今後の取組 についてでありますが、男性職員が積極的に子育てをすることは、本人やその家族はもとより、職場全体のワークライフバランスの確立や、女性の活躍推進の観点からも、大変重要であると考えております。
 このため、道では、男性職員の育児休業取得率の数値目標について、これまでの進捗状況などを踏まえまして、今般、国の第5次男女共同参画基本計画の目標でもあります30%に引き上げることとしたところでございます。  道といたしましては、令和6年度までの目標達成に向けまして、男性職員に対し、子育てに伴う休暇や休業の取得を一層奨励するとともに、引き続き、子育て支援に係る各種取組を継続して推進していくことにより、子育てに伴う休暇や休業を希望する職員が、気兼ねなく安心して取得できるよう、職員全体の意識改革や気運の醸成に努めてまいります。

(浅野)
 若原職員監から力強い答弁をいただきました、ただ、国の目標とはいえども、これほど色んな取り組みを進めるとおっしゃる一方で、現状の23.8%から30%という目標値はちょっと寂しい気がいたします。令和6年度までですから、あと2年度といえどもですね、せめて全国都道府県の男性職員の平均値40.7%を目指すだとか、飛び越えて半分以上の50%を目指すとか、少し大きめな力強い目標設定をしてもいいんじゃないかと思うんですけども、この点いかがでしょう。

(職員監)
育児休業取得率の目標値についてでありますが、このたびの行動計画の見直しは、これまでの進捗状況等を踏まえ、目標値の変更を行うものでありますが、先ほどもお答えしましたとおり、現状の取得率につきましては、年度による変化や所属によって、大きく増減することがありますことから、取得率の推移を今後も見極める必要があるものと考えております。
 このため、道といたしましては、現行計画の推進期間が残されておりますことから、令和6年の最終年度までの2か年度で、まずは国が示す目標値でもあります30%を、着実に、達成することを、目指したいと考えております。引き続き、管理職員への研修や趣旨の徹底など、休暇や休業等の取得しやすい職場環境づくりに向けまして各種取組をより一層推進しながら、次期計画策定の検討に繋げてまいる考えでございます。

(浅野)
 

 「着実に」という言葉がありました。控えめなんだなと思います。より高い目標を掲げてこそ実際の達成値も高くなるということは、全ての取組について言えることと思います。もちろん若原職員監の本音としては、30%達成できればいいというのではなくて、結果、蓋を開けてみたら50%だったというのを目指していらっしゃるんだと思います。
 また一方で、男性職員の側で家庭事情等が許せば、育児休業を取得せずにそのまま家族の理解のもと、仕事を続けたいという方もいると思いますし、そういう方に対して何が何でも休めと言えないものであるのも理解をいたします。
 声をあげたくてもあげづらい雰囲気が道庁内であるのであれば、それはもう一掃していただきたいと思います。今日いらっしゃる皆さんの中にも上司から嫌みの1つや2つ言われた職員がいらっしゃるかもしれません。そういうことが全くない道庁を目指していただきたいですし、例えば仕事が忙しいということであれば、私たち議会の側も、年に4回ある定例会の中で質問通告を早めにするだとか、そういう配慮も議会側からしないといけないと思っております。
 いずれにしても、令和6年以降、結果報告が30%ではない大幅な道職員が決まったという報告を受けられることを期待して、私の質問を終わります。

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