来季から始められる第8期北方領土隣接地域振興計画の素案が示されました。共同経済活動の重要性が盛り込まれていることは評価できます。あとはJR花咲線の存続問題など、地域が抱える個別の課題にどう対応していくかが今後問われます。
平成29年北方領土対策特別委員会開催状況
開催年月日 平成29年9月11日(月)
質問者 北海道結志会 浅野貴博 委員
答弁者 北方領土対策本部 局長、課長
「第8期北方領土隣接地域の振興及び住民の生 活の安定に関する計画」について
今、ご説明いただいた計画骨子案について、2点ほど伺わせていただきたいと思います。
1.質問:策定にあたっての道の認識について
7月の委員会では、方向性ということで第8期計画をお示しいただきました。その際に第8期計画の対象期間となる来年度以降の5年間は、領土問題が本当に解決できるかどうか、極めて重要な期間であるという認識をこの第8期計画にどのように盛り込む考えでいるかという質問をさせていただきました。
計画骨子案には具体的な文言としてこのようなものは、お示しいただいた資料の中では見受けられませんが、新たな計画策定に当たり、道としてどのような認識の下、今後作業を進めていくのか改めて伺います。
答弁:由川局長
隣接地域振興計画についてでございますが、先日の日露首脳会談におきまして、共同経済活動に関し、早期に取り組むプロジェクトが合意されるなど、両国間の協議が進む中、北方領土問題の解決に繋げていくためには、隣接地域が引き続き、返還要求運動を牽引する全国の拠点としての重要な役割とともに、共同経済活動に関しまして、中心的な役割を担っていくことが期待されているところでございます。
道といたしましては、第8期計画におきましては、隣接地域がこうした役割を果たしていくことができますように、その振興に取り組んでいく考えでございまして、今回お示しいたしました施策推進の方向性に沿って、対応が求められる施策などについて、地域の関係者とさらに協議を行いながら、より具体的な内容を盛り込んだ、計画のたたき台となります計画素案の作成作業を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
2.質問:新計画の内容について
新計画の中ではご説明いただいたとおり「施策の基本的な方向」として、「活力ある地域経済の展開」や「地域の資源を活かした観光の開発」など六つの目標が挙げられております。主な関連分野と今後の方向性等がそれぞれ示されております。共同経済活動については、前回の委員会では「第8期計画への位置付けなどの検討が必要」とされていたと言いながらも、計画骨子では六つの方向性全てに横断的に関わる重要施策として位置付けられています。このことは大いに評価されるべきだと考えます。
一方で、前回の委員会で聞かせていただいた話ですが、例えばJR花咲線の存続問題のように、最近新たに地域の課題として生じているものへの対応に対しても、新計画の中で認識を持ち、領対本部として道の他の関係部署と協議をする考えはあるかと質問させていただきました。骨子の中には個別具体的な問題についての明記はないようですけれども、こうした問題を新計画の中に今後具体的に盛り込んでいくのか、どのように対応していくのか、道庁内での連携はどのように進めていくのか最後に伺います。
答弁:東田課長
地域課題への対応などについてでありますが、今回の計画骨子案は、次期計画の基本的事項や施策の基本的な方向などをお示しするものであり、隣接地域の置かれている現状・課題やその解決のための施策などにつきましては、今後、骨子案に沿って作成作業を進める計画素案に具体的な内容を盛り込んでいく考えであります。
計画素案の作成に当たりましては、隣接地域の関係者と十分に協議を行うとともに、庁内関係部局と連携して対応していく必要があり、緊密に情報共有や意見交換を行ってまいります。