選挙管理委員会について、コロナ禍における選挙管理のあり方について質問しました。
これまで各級選挙が行われてきましたが、衆議院解散総選挙の実施が近づいていると言われている中、不要不急のものでは断じてなく、民主主義の最も重要な手続きである選挙での投票が不安なく行われるための取組について、道選管の考えを質しました。
コロナ禍で指摘されたのは、あらゆる行政分野における電子化の遅れです。選挙に関しても、これを機会に電子投票のあり方を真剣に検討しなくてはならないと考えます。
(浅野)
一 新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた選挙実施体制について
それでは、新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた選挙実施体制について、叶野事務局長を始め道選管の皆様に取組みなどを伺ってまいりたいと思います。コロナ禍が続いておりますけれども、この間静岡4区の衆議院補欠選挙だとか、沖縄県議会議員選挙も行われましたし、今まさに東京都知事選挙が行われております。 報道などでは、今年中にも、もしかしたら衆議院解散総選挙が行われるのではないか、などと言われております。解散総選挙は内閣総理大臣の専権事項ですから、私を含め誰もがその正確な時期を予測することができないわけでありますけれども、少なくとも来年の10月までは必ず衆議院解散総選挙が行わなくてはいけない。これまでは特定の地域の選挙でしたけど、衆議院解散総選挙となれば日本国中が選挙に入るっていうことですので、北海道においても皆様方にご尽力いただいて、感染拡大防止を図りながら、不要不急の外出では決してない、民主主義の根幹をなす選挙の、安心して実施できる体制に取り組んでいただきたい。そのことを踏まえて、以下質問いたします。
(一)安心安全の確保について
今述べましたけども、道内ではこれまで木古内の町長選挙、置戸町長選挙、別海の町長選挙など行われてきています。
候補者はじめ、選挙運動員、スタッフの方々、投票に臨む有権者の皆様、投票開票等の実務を担う実務担当者の方々、選挙に関わる方々の安全安心を確保すべく、道選管はこれまでどの様な取組みをされてきたのか伺います。
(八柳事務局次長)
感染防止の取組についてでございますけども、総務省から本年2月以降、投票所などにおけます新型コロナウイルス感染防止対策などが記載されました「選挙の管理執行における新型コロナウイルス感染症への対応について」の通知が6回にわたりなされたところであり、全道14支所を通じまして各市町村選管へ周知を図ってきたところでございます。このような中におきまして、選挙を行う市町村選管に対しまして、所管の支所から直接、新型コロナウイルス感染防止対策に万全を期すように注意喚起を行ったところでございます。これらの選挙管理委員会におきましては、選挙人の安全・安心に配慮し、投票所や開票所の定期的な換気、それから記載台や鉛筆などのアルコール消毒、選挙事務従事者のマスク、手袋の着用、ソーシャルディスタンスの確保など感染症防止対策を徹底して行ったところでございます。以上でございます。
(浅野)
(二)投票率低下の防止について
冒頭申し上げましたように選挙は決して不要不急の外出ではなくて、大事な大事な民主主義の手続きでありますし、私ども道議会議員も選挙というものをなくして今この場にいることはできない、大事な行事と言いますか、ほんとに、手続きでありますけども、コロナ禍においては、なかなか外出が抑制されてきましたし、いざ、この状況で、これから長くコロナの状況が続く中で、選挙を実施と言うことになったときには、近年下がってきている投票率がさらに低下すること、これが一番懸念されるわけであります。投票率が低下しないような防止のための取り組みとして道選管はどのようなことを考えていらっしゃるのか伺います。
(叶野事務局長)
投票率についてでありますが、選挙は、住民の代表を決める民主主義の根幹をなすものであり、決められたルールの下で次の代表を選ぶというのが民主主義の大原則で、不要不急の外出には当たらないものと認識しているところでございます。このため、市町村選管には、選挙を実施する場合、3密を避けるなど、投票所に人が集中することを避ける取組を行うよう期日前投票の積極的な利用など新型コロナウイルス感染防止対策の徹底について周知しているところであります。これらの取組をしっかりと行い、多く有権者が投票に参加することが大切であると考えているところであります。道選管といたしましては、引き続き、新型コロナウイルス感染症の動向に注意しつつ、選挙が滞りなく執行できるよう市町村選管と情報共有するなど連携して取り組んでまいります。
(浅野)
(三)コロナ対策のガイドラインの作成について
市町村選管と情報共有して連携して取り組むとの御答弁いただきましたが、現在のところ、道内におけるコロナ禍の選挙は、各自治体の対応に委ねられている状況にあると承知をします。東京都は知事選挙、今行われていますけれども、それに向けて投票所や開票所の設営、有権者への対応などをまとめたガイドラインを示して、選挙における各市町村に向けてのコロナ対策に必要な方針を示していると承知をします。道選管としても、このような選挙におけるコロナ対策のガイドラインを作成して、市町村選管に提示していく考えはあるのか伺います。
(八柳事務局次長)
コロナ対策のガイドラインなどの作成についてでございますけれども、市町村選管が選挙を執行する際には、投票所や開票所におけます新型コロナウイルス感染防止対策に、総務省の通知や先進の取組事例などを参考に工夫しながら対応しているものと承知しているところでございます。 このため、道選管といたしましては、投票所や開票所を運営する市町村の選管の参考となるよう道におけます「新北海道スタイル」を踏まえまして、他県などの取組みを参考に新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインの作成について検討してまいります。
(浅野)
(四)電子投票について
新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインの作成を検討するとご答弁いただきました。それを踏まえて最後に伺います。現在、公職選挙法では「インターネット投票」、いわゆる電子投票は認められておりません。コロナ禍の選挙について、これまで縷々質問してまいりましたけれども、有権者、また選挙実務を担う方々の安心安全を確保する観点から、その実現を求める声が今まで以上に大きくなるのではないかと考えます。これからも長期に渡る、続くと思われる「ウィズコロナ」のこれからの社会のあり方を見据えた時に、道選管としても市町村選管と連携して、必要な法の改正等を国に求めていくことも重要と考えますけど、この点についての道選管の認識と取り組みを最後に伺います。
(八柳事務局次長)
電子投票についてでございますけれども、道選管では、このたびの新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から電子投票は有効な方法であると考えているところでございます。電子投票につきましては、公職選挙法の定めではなく、「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法の特例に関する法律」によりまして、地方選挙に限って条例の定めによりまして行うことができることとなってございますけれども、国政選挙への未導入、技術的信頼性への不安、コスト面などにより導入が進んでいない現状にあるものと考えているところでございます。現在、国では、平成30年の「投票環境の向上方策に関する研究会」から、在外選挙におけますインターネット投票の導入の提言を受けまして、早期導入に向けた調査・実証実験が行われていることからですね、道選管といたしましては、これら国の電子投票導入の動きに注視するとともに都道府県選挙管理委員会連合会を通じまして情報収集に努めてまいります。
(浅野)
今、電子投票は有効な投票であると認識を示していただきました。また、現在、地方選挙に関しては、電子投票を行える法制度になっているとも伺いました。次の衆議院解散総選挙まで、北海道において電子投票が行われるという状況にはたぶんならないのだろうと思いますけれども、将来的な実施に向けて準備をしながら、それ以外の面で感染拡大防止に努めて、いつ来るかわからない総選挙でありますけれども、安心して有権者が投票に行けるような環境整備に努めていただきたい、そのことを申し上げて質問を終わります。