ホタテ稚貝のサイクル
留萌管内はホタテ稚貝の一大生産地です。
ホタテはサイズや成育期間によって主に成貝、半成貝、稚貝の三種類に分かれます。留萌管内はオホーツク海側で行われる地まき漁の基となる稚貝を生産している地域です。
ホタテ稚貝生産のサイクルは、一年を通じておおよそ以下の通りになっています。
◎4月頃 天然ホタテガイ幼生が誕生
◎5月中旬 ホタテガイ幼生を採苗器に設置し、海中に投下
◎7月中旬~8月上旬 育成籠に仮収容(いわゆる「仮分散」)
◎9月中旬~10月上旬 より大きめの目合いの育成籠(「ザブトン籠」と言われます)に入れ替え(いわゆる「本分散」)
◎翌年3月 出荷作業
本分散スタート
漁協区域等によって異なりますが、留萌管内は上記の通り、まさに今時期が本分散の開始時期です。
臼谷地区の岸良斉ホタテ部会長より、本日より本分散が始まると伺い、今朝は作業現場を視察させて頂きました。
岸良部会長は、今夏の高温により海水面が高くなった影響か、全体的に稚貝のサイズが小さく、へい死しているものが多いとおっしゃっていました。
臼谷地区には稲津久代議士と3月、6月に伺い、状況を伺って参りました。始まったばかりですが、今後の漁業者の経営への影響に注視していかねばなりません。
臼谷地区の作業場を回らせて頂きました。
小平町議会議員も務めていらっしゃる酒谷貢さんにもお会いできました。岸良部会長と同様の懸念を示され、技術面も含めた政治・行政の支援を要請されました。
臼谷地区の後は同じく小平町の鬼鹿地区へ。
鬼鹿地区は20日から本分散作業が始まっているとのことです。現状に関し、臼谷地区の皆様と同様の懸念があると、皆様から伺いました。
8月5日、6日と遠別町、羽幌町、小平町の浜を回った際、通常ならお盆時期に食い込むことのない仮分散作業が、海水温の上昇の為自粛せざるを得ず、その後のサイクルへの影響が心配だというお話を伺いました。
【岸良部会長と】
【遠別漁協の千葉光悦組合長と】
【鬼鹿地区の古枝部会長と】
その後何とか天候も持ち直し、今時期の本分散作業に間に合わせることができたのですが、貝の生育状況が今後どうなるか、予断を許しません。
留萌振興局水産課の『留萌の水産』によると、令和元年度の管内漁業生産高はトータルで106億9,600万円で、そのうちホタテ稚貝の生産高は全体の33%を占めます。
地元のみならずオホーツク海をはじめ他地域のホタテガイ生産を担っているのが留萌管内です。今後の推移、影響を注視して参ります。
秋サケ漁も始まっています
9月下旬、秋サケ漁も始まっています。
臼谷地区を回っていると、サケトバを外に干している情景を目にしました。
秋サケの来遊も昨年より少ないという印象を漁業者の皆様は感じていらっしゃるようです。
コロナ禍による需要減に海洋資源の変化による漁獲減少。浜の現場は大変な状況にあります。
しかし、白熱している自民党総裁選挙において、農業政策は各候補の考えの違いを際立たせる上でもクローズアップされることが多いのに比較して、同じ一次産業の中でも、漁業・水産業は表に出ることはありません。
中央政界に目を向けさせるのは地方の頑張りです。私が声を強く強くあげて参ります。
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