活動報告

9月第三定例会予算特別委員会(教育委員会)

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道内を含め、近年全国各地で悲惨な事例が相次いでいる児童虐待の未然防止を図る上で重要である家庭教育の充実に向けた道教委の取組について質しました。また、今年6月に発足した、道庁横断的組織である幼児教育推進センターの果たす役割についても質問しました。

元年10月1日 第三定例会予算特別委員会 教育委員会

一 児童虐待の未然防止について

浅野:教育委員会に対しまして、日頃、特に私の地元留萌管内の高校の存続などについて質問させていただいておりますが、佐藤教育長をはじめ道教委の皆様方におかれましては、道内広い各地域の実情に沿った教育の推進に尽力していただいておりますことに、冒頭感謝申し上げまして、質問に入らせていただきます。

まず、児童虐待の未然防止についてですが、先ほど小岩委員の質問にもありましたとおり、児童虐待をなぜ我々は防止していかなければいけないのかの必要については、述べるまでもないかと思います。

国では、今年3月に、関係閣僚会議において「児童虐待防止対策の抜本的強化」を決定し、児童虐待防止のための更なる対策に取り組んできており、家庭教育が充実していなければならないという流れが今、強化されていると承知します。

そこで伺ってまいります。

(一)家庭教育カウンセラー相談事業について

浅野:道教委では、子育てに悩みや不安を抱える保護者などに対して、家庭教育カウンセラーによる相談事業を実施していると承知しますが、相談の状況はどのようになっているのか、虐待に関する相談の状況についても併せて伺います。

生涯学習課長:カウンセラーによる相談状況についてでありますが、本事業は、子育てに関する相談全般について、臨床心理士の資格を持つカウンセラーが面接や電話でカウンセリングを行うものであり、平成30年度は、育児や家族関係に関する悩みをはじめ、子どもの発育や学業・進路に関することなど、58人から466件の相談が寄せられたところです。

このうち虐待に関しては、身体的虐待が1件あったほか、子育てが上手くいかないストレスなどから、子どもへの怒りを抑えられないなどの、虐待にも発展しかねない相談が、2人から14件あり、継続的にカウンセリングを行ってきたところでございます。

(一)再 家庭教育カウンセラー相談事業について

浅野:ただいま、身体的虐待の相談が1件、虐待に発展しかねない相談が2人から14件あったと伺いました。これらの相談の案件については、その後のフォローはどのようになっているのでしょうか。虐待があった件については落ち着いているのか、発展しかねない相談については、実際に発展しないように何らかの対応をとられているのかを伺います。

生涯学習課長:その後の対応状況についてでありますが、身体的虐待の1件については、児童相談所と連携し解決が図られたところです。

また、虐待にも発展しかねない2人からの相談については、継続してカウンセリングを行い、事態の悪化を防いでいる状況でございます。

浅野:昨今、社会的な問題になっている案件も児相の皆様方の人手不足という問題もあるのでしょうが、アフターフォーローがしっかりなされていなく幼い命が失われたという事案がありますので、今答弁をいただいた件に関しては、しっかりと対応いただいているということで安心いたしました。今後も継続的にカウンセリングを行っている方々に対してもフォローをしっかりお願いしたいと思います。

(二)家庭教育ナビゲーターについて

浅野:道教委では、地域の様々な場面で保護者同士が気楽に子育ての悩みなどを話したり交流や学びあいができる、そのようにサポートする家庭教育ナビゲーターという家庭教育支援員を養成していると承知します。これまで、どのように支援の養成に取り組み、どれだけの支援員が誕生してきたのか、また、ナビゲーターはそれぞれの市町村で具体的にどのような活動を行っているのか伺います。

生涯学習課長:家庭教育ナビゲーターについてでございますが、道教委では、子育ての悩みや不安を抱えた保護者の方が地域における身近な人間関係の中で、気軽に学びや相談ができるよう、平成27年度から、その環境づくりを担う家庭教育ナビゲーターを市町村ごとに養成することとしています。

これまで、子育ての経験者などを対象として、子育てに関する知識の習得や保護者との対話の進め方などコミュニケーション能力の向上について14管内でそれぞれ年2回研修を実施し、昨年度までに175市町村において、1,937人を養成したところでありまして、今年度中に札幌市を除く、全市町村で養成することとしております。これらの家庭教育ナビゲーターは、乳幼児健診や家庭教育に関する研修会等でしつけや生活習慣など子育てに関する講義や情報提供を行ったり、不安や悩みの相談に応じるなど、それぞれの市町村で活動しているところです。

浅野:ほぼ全市町村で養成されていると。2,000人弱の方々が養成されているということで、非常に心強い限りだと思いますが、私自身子育て世代でありますが、私自身も不勉強ながらナビゲーターの方々がいるということは、今回質問するまで知らずにおりましたので、まだまだ周知、これからこういう人たちがいるということを、幅広く知っていただくということにもお力を入れていただきたいと思います。

(三)家庭教育サポート企業等制度について

浅野:道教委では、家庭教育サポート企業等制度として、道内の約2,400の企業等と協定を結び、相互に協力して家庭教育の一層の推進を図るための取組を進めていると承知します。それが、どのような内容のものなのか、これまでの取組の成果や課題、今後、どのように展開していく考えなのか伺います。

生涯学習推進局長:家庭教育サポート企業等についてでありますが、道教委では、家庭教育を支援するための職場環境づくりに取り組む企業等と協定を締結し、これらの企業等は、職場の子育て環境づくりや職場体験の実施、地域や学校行事への協力・参加、「道民家庭の日」等の普及などに取り組んでいるところでございます。こうした取組の成果として、企業等が地域住民と一体となって、子どもたちを見守り育てる環境が醸成されてきているところでありますが、複数の企業が連携した取組が少ない状況にあります。道教委では、企業相互の情報を共有・交換する場を新たに設けるなど企業間のネットワーク化を促進し、家庭教育サポート企業等による支援がより活発に展開されるよう積極的に取り組んでまいるところでございます。

(四)家庭教育支援チームについて

浅野:昨年6月に策定された国の第3期家庭教育振興基本計画では、家庭・地域の教育力の向上を目標の1つに掲げております家庭教育支援員となる人材の育成、又は家庭教育支援チーム等による相談対応を推進するとしております。文科省でも、虐待防止のための家庭教育の支援方策の一つとして、家庭教育支援チームの設置を進めていますが、道内での設置は充分に進んでいないと聞いております。道内における家庭教育支援チームの状況はどのようになっているのか、課題と併せて伺います。

生涯学習推進局長:家庭教育支援チームの設置状況についてでありますが、このチームは、子育ての経験者や教員OB、臨床心理士など地域の多様な人材で構成された組織でございまして、家庭教育や子どもの放課後活動に関する相談に応じたり、講座などの学習機会や地域の情報などの提供を行っているところでございます。現在、全国では、230チームが家庭教育支援チームとして文部科学省に登録されておりますが、本道におけるチーム数は7チームにとどまっているところでございます。この要因といたしましては、自治体によっては家庭教育支援に関わる人材不足や、子育て支援関係機関が独自に取り組みを進めているなどの課題があげられているところであります。

道教委としては、市町村教育委員会に対し、組織的に家庭教育を支援する体制づくりの必要性や虐待の未然防止につながるなどといった期待できる効果などを積極的に周知するなどしまして、家庭教育支援チームの設置に向けた働きかけを行ってまいります。

浅野:今の答弁でありましたが、先ほどのサポート企業等制度についてもそうですが、様々な複数にまたがる関係機関を教育委員会の皆様にまとめていただくという大変なご苦労もあるかと思いますが、その力を発揮していただくことが、今後さらなる施策の充実につながるんだと思います。

(五)今後の取組について

浅野:児童虐待の未然防止に向けて最後に伺いますが、今まで述べたとおり家庭内での虐待が近年増加していると、家庭教育というものをしっかりと充実させていかなければなりません。日々日常的なニュースのように児童虐待によって小さい子どもが命を奪われて失ってしまったニュースが相次いでおります。それを一日も早く止めるために、今後、道教委として児童虐待の未然防止について、どのように取り組んでいく考えなのか、伺います。

教育部長:家庭教育の充実・支援についてでありますが、児童虐待は、地域からの孤立やサポートの薄さ、育児ストレスなどの様々な要因が複雑に絡み合って起こると考えられていることから、道教委としては、地域全体で子どもたちを育む体制づくりや、保護者が安心して子育てできる環境づくりを進めることが重要であると考えているところでございます。

このため、今後は、家庭教育ナビゲーターやサポート企業に対する研修等で児童虐待について取り扱い、虐待の未然防止に向けた対応を充実させるとともに、知事部局や関係機関と連携し家庭教育支援や放課後対策等の活動に関わる関係者が、様々な相談等に地域全体で対応するなど、保護者の方が子育ての悩みや不安を抱えたまま孤立しないよう、家庭教育支援の充実に努めてまいります。

是非しっかりと取り組みを加速していただきたいと思います。

二 幼児教育推進センターについて

浅野:続いて、幼児教育推進センターについて伺います。

昨年の第4回定例会での我が会派から、幼児教育の質の向上に向けて、知事部局と道教委が一体となって取り組むための体制づくりについて伺いましたところ、知事と教育長からは、幼児教育センターなど拠点となる体制整備に取り組む旨の答弁いただいております。

それを受けて、本年6月に待望の幼児教育推進センターが道教委に設置されたとのことです。以下、このことを踏まえて伺ってまいります。

(一)センターの役割について

浅野:まず、センターの役割としてどのようなものが期待されるのか、改めて伺います。

幼児教育推進センター長:センターの役割についてございますが、本年6月に開設したセンターは、昨年策定した「北海道幼児教育振興基本方針」に基づき、幼稚園教諭や保育士などへの研修の実施、幼児教育に関する知識・経験豊富な相談員の派遣、小学校への引継ぎなど幼小連携・接続の成果の普及などに取り組み、本道のすべての幼児教育施設が質の高い教育を提供できるよう、幼児教育の充実、推進を図るための拠点として設置したものでございます。

公立・私立、または幼稚園、保育所、認定こども園など施設の種別を超え、知事部局と一体となって質の高い教育を提供できるよう、道内幼児教育振興の拠点としての役割を担うものでございます。

浅野:これまで、幼稚園1つとっても、私立か公立か、もしくは保育園か、それらによって道の中でも、総務部、総合政策部、保健福祉部と様々に担当部局がまたがっていたものを、道教委のもとで1つにとりまとめるのは、非常に意義がある取組だと思います。

(二)センターの効果について

浅野:そこで伺いますが、公立幼稚園の教職員を主な対象として研修や指導などを道教委としては行ってきておりますけど、センターが設置されたことで、私立の幼稚園のほか、ゼロ歳から2歳までの乳幼児を預かる保育所や認定こども園なども含めて、各施設の職員にとって学ぶ機会が充実するものと考えられます。

どのような効果がセンターによって期待されるのか、伺います。

幼児教育推進センター長:センターの効果についてでございますが、センターでは、幼児教育施設と小学校がそれぞれの教育活動について相互理解を深める「幼児教育を語る会」の実施や、園内の課題解決のため、幼児教育相談員を派遣するほか、新たに、幼児虐待の未然防止や特別な支援を要する幼児への対応の仕方を学ぶ「教育課題研修」を実施するなど各種の取組を進めているところでございます。

道教委としては、こうした各般の施策を市町村や各幼児教育施設と一体となって推進することにより、施設における質の高い教育が提供できるよう支援してまいります。

(三)研修機会等の充実について

浅野:先ほど質問した児童虐待の防止も含め、様々な新たな取り組みを進めていただいていることを、私も親の一人として期待をしているのですが、今、幼児教育の現場では、多くの施設で保育士が不足しております。非常に忙しくて、研修を受けたくても職場を離れられないという実情を抱えている保育所なども多いのではないかと思います。

そのような状況にあったとしても、センターには、研修等の機会の拡大、内容の充実が求められているところでありますが、受講しやすい研修等の提供などに、どのように対応していくのか、伺います。

幼児教育推進センター長:研修機会等の充実についてでございますが、保育ニーズの高まりなどにより研修時間の確保が難しくなる中、道教委では、保育者の研修機会を拡充することができるよう、研修の開催時間の工夫のほか、ビデオ会議システムを活用することにより、これまで1つだった研修会場を道内14会場に拡充するなどの取組を進めているところでございます。

今後は、保育者がいつでも学ぶことが出来るよう、インターネットを通じて視聴できる研修用のオンディマンド教材を新たに作成するなどしまして、多忙な保育者が身近に研修を受講できるよう、研修機会の拡大に向け、取組を進めてまいります。

浅野:道内14会場に拡充するという答弁いただきましたが、振興局単位での開催かと思うのですが、私の地元留萌管内も、1市6町1村ございますが、面積で言えば、鳥取県と同じぐらい非常に広い地域でもありますので、より幅広い開催会場の確保なども今後検討していただきたいと思います。

(四)幼小の円滑な接続について

浅野:次に伺いますが、幼小の円滑な接続について、昨年度、幼稚園教育要領や保育所保育指針等が改訂され、来年度からは、小学校においても新しい学習指導要領が実施されます。

新たな要領等では、幼稚園や保育所などの幼児教育施設と小学校との接続を重要視しておりまして、幼児教育施設側だけでなく、小学校においても幼児教育への理解を深める必要があると考えます。

先の定例会でも、我が会派の同僚議員の質問に対して、幼児教育と小学校教育の円滑な接続を一層強化するとの答弁がありました。

新たなモデル事業が始まっていると承知しておりますが、モデル事業の概要と、どのような取組を進められることになるのか、伺います。

幼児教育推進局長:幼児教育と小学校教育の接続の円滑化モデル事業についてでございますが、道教委では、今年度から幼児教育施設と小学校との円滑な接続を目指しまして、登別市、富良野市、枝幸町、芽室町、別海町の道内5市町を指定地域として、モデル事業を実施しております。

各地域におきましては、どの子どもも安心して小学校生活を送ることが出来ますよう、保育者と小学校教諭が対面して情報共有する場を設定し、子ども一人一人の状況等に関する引継ぎを充実させますほか、幼小接続を見通した教育課程の編成によりまして、幼児教育施設で遊びを通して育まれてきた資質能力を小学校以降の学びに生きる学習活動に発展させる取組について、保育者と小学校教諭とともに研究を行っているところでございます。

今後は、モデル事業の研究成果につきまして、各種会議で指定地域から取組状況を発表いただきますほか、ホームページ等を活用して全道に普及し、幼小の円滑な接続の推進を促してまいる考えでございます。

浅野:今、モデル事業の対象となる5つの市町村をあげられました。

登別、富良野、枝幸、芽室、別海ということですから、道東、道北、道央、道南、様々配慮されてのことだと思います。

個人的な話ですが、私の息子も来年小学校にあがりますので、早く留萌でも実施していただきたいと思います。全道に素晴らしいモデル事業をしていただいた結果、全道の小学校にお子さんが上がるという保護者の方が安心して子どもを送り出せるような環境整備に引き続き取り組んでいただきたいと思います。

(五)今後の取組について

浅野:最後に今後の取組について伺ってまいります。

昨年11月に策定された「北海道幼児教育振興基本方針」では、「道内の全ての幼児教育施設、並びに家庭・地域における質の高い教育の提供」を目標に掲げ取組を進めることとしており、幼児教育推進センターに求められる役割も非常に大きいものになると考えます。

道教委は、本道幼児教育の振興に向けて、センターの機能をどのように活用して、今後、どのように取り組んでいくのか最後に伺いまして、私の質問を終わります。

教育長:幼児教育の充実についてでありますが、幼児期は、感情や行動のコントロール、粘り強さ、そういったもののいわゆる非認知的能力が育成される大切な時期であります。

ゼロ歳児から小学校就学前までのすべての子どもに質の高い幼児教育を提供することは大変重要というふうに考えております。

こうした中、本年6月に設置いたしました幼児教育の拠点であります、センターの研修、助言、幼小連携、情報提供といった機能を市町村や幼児教育施設と連携し、より多くの方々に活用していただくとともに、関係団体や学識経験者等有識者の知見をいただいて、引き続き充実を図るなど幼児教育の質の向上に向けた取組を着実に行い、本道の幼児教育の一層の充実を図ってまいります。