活動報告

平成30年12月12日 北方領土対策委員会

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今後の啓発活動等について 

(浅野)11月14日にシンガポールで行われた日露首脳会談を受けて、道として今後どのように啓発活動に取り組んでいくのか、いくつか伺って参ります。

(一)11月14日の首脳会談について

(浅野)この日の首脳会談では、1956年の日ソ共同宣言を、従来は「出発点」とするという文言から「基礎」とするという言い方がされておりました。

それを受けて新聞報道のベースでありますけれども四島返還ではなく2島返還、それにプラスアルファだと様々な見方が報じられております。

政府としては、「従来の方針に何ら変わりはない」との説明をされておりますが、いずれにしても、日露の北方領土交渉は新たな局面に入ったものと思われます。

昨日も河野外務大臣が記者さんからの質問に対して、徹底して答えを避けていたということもニュースで報じられておりますが、徹底した情報管理のもとで着実に交渉が進められているものと思われます。11月14日の会談を機に新たな局面に入った北方領土交渉、このことについて道はどのように認識をしているのか伺います。

(平塚局長)北方領土交渉についてでございますが、先月14日の首脳会談において、日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることで合意し、安倍総理が「次の世代に課題を先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つ強い意志を共有した」というふうに述べられたことは、両首脳が解決に向けた一歩を踏み出したものと認識しております。

さらに、今月1日の首脳会談では、平和条約交渉を進める枠組みを創設し、さらに交渉を加速させることが確認されましたことから、今後、来年にかけて予定される首脳会談において、「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」との我が国の基本方針のもと、一日も早い北方領土の返還に向け、外交交渉が進展していくことを強く期待しているところでございます。

(二)11月14日の会談を受けての世論について

(浅野)11月14日の会談後、翌日15日に千島歯舞諸島居住者連盟の河田弘登志副理事長、宮谷内亮一根室支部長が記者会見を行われています。その様子を北海道新聞が報じておりますが、「少し希望が見えてきた。今後の交渉に期待したい」、「日ソ共同宣言を出発点として段階的に返還を求める選択肢もあるのかなと思った」、「四島返還という最終着地点に何ら変わりはない。苦しい胸の内ではあるが、一歩でも半歩でも島を動かすことが元島民の求めていることではないか」との発言をされたと新聞で報じられております。

また、11月23日から25日に日本経済新聞、26日に読売新聞社が行った全国世論調査でも、11月14日の首脳会談を評価して、四島一括返還ではなく2島をまず先に返還すべきだとする声が最も多く上がっているという結果も出ております。世論の受け止めも変わってきているのかなという印象を受けますが、道はどのように認識してますでしょうか。

(平塚局長)国民世論に対する受け止めについてでございますが、各報道機関が実施する世論調査においては、領土交渉に関する様々な声が上がっていることは承知しております。また、千島連盟においては、最終的に自分たちの住んでいた島を返してほしいという強い思いのほか、元島民の高齢化が進む中で、少しでも早く現状を動かしてほしい、などといった声があるところでございます。
 道といたしましては、「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」とのこれまでの我が国の基本方針に基づきまして、外交交渉が進展していくことを強く期待しているところでございます。

(三)道の対応について

1. 新たな世論調査について

(浅野)先の前日委員会の時に平成30年度道民意識調査の実施結果についてご報告をいただきました。今年の8月に道内に居住する18歳以上の個人1500人に対して行っていただいた調査の結果ですが、11月14日の首脳会談を受けて、領土交渉の局面も、それに対する世論の受け止めも様々変化していることを受けて、あらためて北方領土を行政区域として抱える道としても、現時点での世論の認識・受け止めというものを、また調査することも意義があるのではないかと思いますが、道として今後新たな調査を行う考えはありますでしょうか。

(中島課長)世論に関する調査についてでありますが、道では、北方領土問題に関する現状の認知度や関心、普及啓発活動へのニーズを把握し、特に次世代を担う若年層の意識向上につながる効果的な啓発活動を検討する基礎資料とするため、本年8月に道民意識調査を実施したところでございます。

今後、道といたしましては、日露首脳会談による状況の変化を踏まえまして、1月から2月の「北方領土の日」特別啓発期間内に行う署名活動や各種の啓発活動の機会を捉えまして、アンケート調査を実施するとともに、来年度以降実施する道民意識調査の中で、北方領土に関する調査を実施することが可能かどうか、今後、所管部と調整してまいりたいと考えています。

(浅野)今、1月から2月の特別啓発期間に行う署名活動など啓発活動の一端で、アンケート調査を実施すると、また、来年度以降の道民意識調査の中で北方領土問題に関する調査を行うかどうか、協議をするとご答弁いただきましたが、アンケート調査で具体的にどのような質問事項を想定されておりますでしょうか。
 各新聞社が行っているような「2島先行返還」が望ましいかどうか、そうした文言・質問項目も道の調査の中に含む考えなのか伺います。

(中島課長)アンケート調査の質問項目についてのお尋ねでございますが、「北方領土の日」特別啓発期間内に実施いたしますアンケート調査につきましては、8月に実施した道民意識調査との比較・分析を行う必要がありますことから、基本的には道民意識調査と同じ設問を考えております。こうしたことから、具体的な質問項目といたしましては、今仰られた各報道機関が実施しているような、外交交渉の内容について問うものではなく、北方領土問題に対する認知度や関心度などに関する質問項目を予定しているところでございます。

2. 北方領土の日イベントについて

(浅野)2月の特別啓発期間中というお話がありましたが、2月7日の北方領土の日に合わせて道は各種イベントを実施していただいております。来年2月のイベントでは今回の首脳会談を受けて、新たな何か取組を考えているのか、伺います。

(中島課長)北方領土の日に合わせた取組についてでございますが、毎年、北方領土の日においては、「北方領土フェスティバル」を開催いたしまして、「元島民の訴え」や北方同盟によります「決意表明」を行いますほか、全道振興局におきましてパネル展や街頭啓発などを実施しているところでございます。

来年の「北方領土の日」を中心といたしました「北方領土の日」特別啓発期間においては、さっぽろ雪まつりつどーむ会場におきまして、ステージイベントを含む啓発活動を実施いたしますほか、新たに北海道遺産に登録されました「千島桜」を活用いたしました「千島桜満開プロジェクト」の推進を図るなど、効果的な啓発活動に向けた取組をさらに進めてまいります。

3. 道が使用する文言について

(浅野)毎年8月に、北海道知事が大会長となって北方領土返還要求北海道・東北国民大会が実施されています。来年の8月、本来こうした大会が毎年行うことを想定してやるよりも、1年でも早く返還要求大会が行われなくなること、つまり北方領土の返還が実現することが望ましいことではありますけれども、仮に来年、同様な大会を行う必要があったとして、北海道知事が大会長として行うこととなった際に、従来、大会決議で「四島一括返還」といった文言も使われたりしておりますけれども、現時点で来年8月の時にどうなっているか、なかなか読み切れない部分がありますが、現時点においても同じような大会の内容を考えているのか、それとも今回の首脳会談を受けて、新たな取り組みを考えているのか、あくまで現時点での道の認識を伺いたいと思います。

(平塚局長)返還要求運動についてでございますが、北方領土返還要求北海道・東北国民大会は、政府の外交交渉を強力に支援していくことを目的に、北海道・東北地域における、道県、市長会及び町村会、さらには経済団体や遺族会など44団体により毎年開催されているところでございます。

来年度における国民大会の開催のあり方などについては、今後、年明け及び6月に日露首脳会談が予定されておりますことから、道としては、今後の外交交渉の進展状況を注視しつつ、国民大会の事務局である北方領土復帰期成同盟をはじめとする関係団体と協議を行いながら、大会の決議文などを検討してまいりたいというふうに考えています。

(四)今後の取組について

(浅野)日ロの政府首脳間の交渉がどのように進むのかが、なかなか見えづらいですし、道としても直接関わるものでなくて、あくまで政府の専管事項として外交交渉が行われますので、推移が見えにくい中、しかし、道としては北方領土問題の解決に向けた、更なる世論喚起に努めていただかなければならない。

そのような中で、更に元島民の方々はじめ領土関係者の方々の意向もしっかりと汲んでいかなければならない。非常に道領対本部の皆様が果たされる役割・責任というものは、非常にこれからより重みを増してくると思いますけれども、今後どのように北方領土問題の解決に資する世論啓発に向けて取り組んでいくのか最後に伺います。

(中野本部長)今後の取組についてでありますが、先月の日露首脳会談において、日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることで合意がなされ、そして今月の首脳会談におきましては、領土交渉を進める枠組みを創設するということで合意がなされたことは、間違いなく両首脳が領土問題解決に向けた一歩を踏み出したものであると認識しているところでございまして、「四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」という我が国の基本方針のもとで、一日も早い北方領土の返還に向けて、外交交渉が進展することを強く期待しているところでございます。

今後、年明け1月と6月には、それぞれ日露首脳会談が行われる見通しでありますことから、道といたしましては、領土返還運動関係団体をはじめとした全道の多くの関係者の方々と連携しながら、国への要請活動でありますとか、気運を盛り上げるための啓発活動を展開するなど、両国間の外交交渉が進展するよう最大限の取組を行ってまいります。

(浅野)今、本部長が仰ったように、両首脳が領土問題の解決に向けて、一歩踏み出したという首脳会談を評価する答弁をいただきました。

私もそのとおりだと思っております。なかなか動かなかった問題を一歩でも二歩でも現実的に、具体的に動かしていくための新たな局面に入ったものと思われます。

世論啓発に関しては、領対本部の皆様だけではなく、我々議会議員も等しく責任を負うものと思っておりますので、情勢の見えない中、しっかり情報収集に努めていただきながら、領対本部の皆様が外務省と持っている人脈なども最大限活用して、一日も早い解決に向けた世論喚起を行っていただきたいと思います。そのことを申し上げて質問を終わります。