活動報告

平成29年9月22日開催 北海道議会第三定例議会一般質問

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(浅野)

一 北朝鮮による弾道ミサイル発射について

8月29日と9月15日早朝、北朝鮮が発射した弾道ミサイルが本道上空を通過するという事態が生じました。
今定例会では冒頭、道議会としても北朝鮮の暴挙を厳しく非難する意見書を採択し、政府の更に緊張感を持った強い対応を求めているところであります。一方で、今後の事態を想定し、道民の安心安全のために道としてとるべき対応策を充実させていくことが重要であります。

防災行政無線などが自動起動しなかった自治体があったことや、多くの道民がどこに避難すべきかわからなかったこと等、多くの課題が見えましたが、私からは、政府との迅速な連絡体制の構築について、以下、伺ってまいります。

(一)国との連携について

昨年9月5日に発射されたミサイルは、奥尻島から約250kmという、本道の漁業者が活動する区域に含まれる場所に落下をしました。領土からの距離だけ見れば今回の事態よりもより深刻なものでありましたが、政府からは総務省、防衛省、水産庁と複数の省庁から道の各部へそれぞれ情報提供がなされ、必ずしもきめ細やかかつ集約されたものではありませんでした。また本年7月28日に発射されたミサイルは、奥尻島の北西約150kmと、より至近距離に落下しています。

道として昨年9月6日、総務省消防庁、内閣官房に対して、改めてきめ細やかな情報提供を申し入れていると承知しております。

昨年の事態と今回の事態では、Jアラートが鳴らなかった、鳴ったという違いはありますが、今日まで、政府と道との間で一元化した連絡体制の構築は十分にできており、8月29日と9月15日の事態に対して、それは十分に機能したのか、また道庁内の情報共有は十分であったのか、道の認識を伺います。

(危機管理監)

北朝鮮のミサイル発射に関し、情報の共有などについてでありますが、ミサイルが我が国の領土、領海に落下又は通過する可能性がある場合には、Jアラートが作動し、国から関係する都道府県及び市町村に、直接情報が伝達されることとなっており、今回も、消防庁と水産庁から、それぞれ道の所管部局に情報が提供され、道では、庁内の関係部局で構成をする緊急会議におきまして、こうした情報を速やかに共有したところでございます。

道といたしましては、今後とも国をはじめ関係機関と緊密に連携をして、情報の共有に努めていくとともに、道内自治体向けの研修会を国の協力のもと開催することなどにより、本道における危機対応能力のさらなる強化を図ってまいります。

(浅野)

(二)事前の注意喚起等について

今回の事態では、Jアラートが鳴った直後に、ミサイルは既に落下していたことが明らかになっております。Jアラートが鳴ってからどのような避難行動をとれば良いのかを調べている時間的な猶予はなく、道民にあらかじめ避難行動を十分理解してもらうことが重要と考えますが、道の認識並びに今後の取り組みについて伺います。

(知事)

北朝鮮のミサイル発射に関し、避難行動の周知などについてでありますが、ミサイルは発射後短時間で飛来する可能性が高いことから、弾道ミサイルが落下する可能性がある場合にとるべき行動について、道民の皆様に事前に十分な周知を行い、理解をいただいておくことが重要であります。

道では、国が示した避難行動をホームページに掲載するとともに、今月初め、国、道が滝川市、岩見沢市と共同で住民避難訓練を実施するなどして、道民の皆様への避難行動の周知に努めるほか、国に対し、周知方法の改善などを求めてきたところであります。

今後、実態に即した、きめ細やかな避難行動の例示をわかりやすくお示しする資料を作成するなどして、道民の皆様方の理解がより一層深まるよう、努めてまいります。

(浅野)

(三)漁業者の保護について

次に、漁業者保護についてですが、北朝鮮からのミサイル発射に関し、真っ先に脅威にさらされる可能性が高いのは操業している漁業者であります。また同国との地理的関係上、日本海側漁業者が最初の脅威にさらされることになります。

更には、漁期によっては各機関の業務が終了している深夜未明に漁に出る漁業者がいることもあります。今回の事態を受け、道として水産林務部を通じ道内の各漁業関係者に迅速な連絡を行っていると聞いておりますが、出漁中の漁業者への24時間体制での、より迅速な連絡手段の確立等、課題はまだ残されていると考えます。今後の道の取り組みについて伺います。

(水産林務部長)

北朝鮮のミサイル発射に関し、漁業者への連絡体制の確立などについてでありますが、道では、これまで、水産庁から提供のあったミサイルの発射情報を、各漁業協同組合を通じて、速やかに漁船へ通報しており、さらに本年3月からは、道を経由する方法に加えまして、水産庁から全ての漁協に対し、直接、電子メールにより通報する方法を導入し、情報伝達の迅速化に努めてきたところであります。

しかしながら、通報を受けた多くの漁協では、職員が24時間常駐していないため、夜間や休日においては、漁船への無線連絡に、ある程度の時間を要するケースも生じているところでございます。

このような状況を踏まえ、国においては、各地の漁業無線局を通じ、漁船へ自動的に発射情報を通報するシステムの検討を進めており、道としては、引き続き、より迅速な連絡体制の確立を図るため、国と連携し、本道漁船の安全確保に向けて、適切に対処してまいる考えであります。

(浅野)

二 農業振興について

(一)本道農業に対する認識について

次に、本道の農業振興について伺いします。
日本国の食料基地である北海道農業が果たす役割は、EUとのEPA等、新たな課題に直面している今、より重くなるものと考えます。

一方で、農協はじめ農業全般に対する改革案の中には、専業・兼業農家の割合や、大消費地との距離等、本道農業と府県の農業が置かれている環境の違い等を考慮していないものもあります。

このような全国一律の動きがある中で、知事として、本道の特性に鑑みた本道農業の持続的発展を強い意志をもって進め、守っていく断固たる気概を示すべきと考えますが、見解を伺います。

(知事)

次に、農業振興に関し、まず本道農業の持続的な発展についてでありますが、本道農業は我が国最大の食料供給地域として、安全・安心で良質な農畜産物を安定的に供給するとともに、食品加工や観光などの関連産業とも深く結び付き、地域の経済と社会を支える重要な役割を担っております。

しかしながら、今日(こんにち)、日EU・EPAの大枠合意など経済のグローバル化の急速な進展をはじめ、農業者の高齢化や担い手不足など、様々な課題に直面をしております。

このため、私といたしましては、都府県とは異なり、生産性の高い大規模で専業的な農業経営を主体とする北海道農業が、その強みを活かして、持続的に発展していけるよう、国に対し、本道の実情に即した施策を積極的に提案するとともに、担い手の育成・確保や生産基盤の整備、新技術の開発・普及、さらには、6次産業化や輸出の促進などに全力で取り組んでまいります。

(浅野)

(二)農協改革について

昨年4月に改正農協法が施行され、中央会制度の廃止や監査制度の見直しが行われるとともに、准組合員の事業利用に関して調査を実施し、結論を得ることとされています。

農協改革に関して言えば、大規模で専業の農家が多い本道と規模が小さく兼業的な農家が多い都府県を同じ土俵にのせた議論がなされております。

農協改革のメニューの一環として、各地域農協が行っている信用事業を切り離し、農林中金に集約させ、地域農協は販売や営農指導等に専念すべきとの意見が出されていますが、本道においては農村地域における農協の役割は大きく、信用事業が農林中金等へ譲渡されたり、地域のライフラインとして大きな役割を果たしている生活店舗やガソリンスタンドなどが無くなれば、地域コミュニティが維持されなくなり、地域社会が益々衰退するのではないかとの大きな懸念があります。

これらを踏まえ、信用事業の切り離しをはじめ現在進められている農協改革に対して知事はどのように受け止めているのか見解を伺います。

また農協改革については、平成31年度までを目途に、各地域農協自身が信用事業のあり方等について検証し、今後のあり方を決めることとなっております。本道の農協にとって信用事業は必要不可欠なものであることを、規制改革ワーキンググループ等がどれほど把握しているか不明であります。

知事として、各農協の自己検証が今後適切に評価され、適切な形で農協改革が進められるよう努めるべきと考えますが、知事の認識と今後の取組について伺います。

(知事)

次に、農協改革に対する認識などについてでありますが、大規模で専業的な農業を展開している本道において、農協は、農産物の安定生産や組合員の所得向上はもとより、地域の暮らしを支える重要な機能を担っているところであり、道と致しましては、農協改革に当たっては、地域の実情に応じ、こうした機能がより一層発揮されるような自己改革が行われることが重要と考えます。

現在、本道においては、JAグループ北海道としての自己改革の指針に基づき、各農協等が、収益の向上や生産資材のコスト削減などの取組を行っているところであり、道と致しましては、こうした取組が着実に実行され、農業者の皆さんの所得向上と農村地域の活性化に寄与するよう関係機関等と連携して取り組んでまいる考えであります。

(浅野)

(三)生産目標廃止への対応について

次に生産目標廃止への対応についてであります。

来年度以降、40年以上に渡り続けられてきた、国による米生産調整政策が廃止されます。

来年度以降の新たな制度については、農家の生産意欲や経営マインドの強化につながるといった利点が強調されていますが、全国で需要に応じた米生産への取り組みがなされなければ、米価が下落する懸念もあります。「いくら自分たちが需給動向を適切に踏まえ、適切な量の生産を行ったとしても、他県が増産に踏み切れば意味がない」という不安の声が、私の地元留萌管内の若手米農家からも聞こえてまいります。

道として、これら生産者の不安をどのように認識し、不安払しょくに向けて今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

(農政部長)

農業振興に関し、米政策の見直しへの対応についてでございますが、平成30年産からの米政策の見直しに伴い生産数量目標の配分が廃止されるため、稲作農家の中には、全国的に生産過剰となった場合の米価下落のおそれなど、今後の米生産に不安を感じる方も多いものと認識しております。

このため、道では、米の需給や価格の安定に向けて、全国段階の需給調整が必要と考えており、国に対して、その仕組みの構築や水田活用の直接支払交付金の充実などを提案してきたところでございます。

道といたしましては、引き続き、必要な対策を国に求めるとともに、本年7月、北海道農業再生協議会に設置した水田部会を通じ、生産数量目標に替わる本道独自の「生産の目安」を設定するなど、所得確保に向けて、需要に応じた米生産の取組を推進し、本道における稲作の持続的発展と経営の安定に取り組んでまいります。

(浅野)

三 漁業振興について

(一)担い手対策について

次に、漁業振興について伺います。
本道漁業が直面している深刻な問題のひとつに、担い手不足があります。この問題解決に向けた各種施策に対する道の取り組みについて、以下伺ってまいります。

1 青年就業準備給付金事業について

まず、青年就業準備給付金事業についてであります。

平成25年度に45歳未満で新たに漁業に就く方を支援する給付金事業として国は「青年就業準備給付金事業」を創設しています。この事業については、3親等以内の親族のところに就業する場合は対象とならない等、本道漁業の実情に合わない点が以前から道議会で指摘をされております。

これについて道は、このような実情を踏まえ、就業準備金要件の見直しや、農業では制度化されている新規就業後の所得を確保する給付金の創設を国に対して求めてきていると承知をしておりますが、この取り組みは現在に至るまでどのような進捗状況にあるのか伺います。

(水産林務部長)

国の青年就業準備給付金事業についてでありますが、本事業は、新たに漁業へ就業を希望する若者が公立の漁業研修所等で基礎的な知識や技術を学ぶ期間中、給付金を支給する制度でありますが、本道においては、漁家子弟は親元に就業するケースが多く、事業の対象外となっているほか、新規就業後の収入が不安定な期間の給付金による支援の仕組みが無いことから、意欲ある若者が安心して就業できるよう事業の拡充強化が必要となっております。
このため、道では、これまで給付条件の緩和や就業後の新たな給付金制度の創設などを国へ要請してきた結果、新規就業者の自立・定着を支援する漁船リース事業が創設されたものの、給付金事業の見直しは行われていないことから、引き続き、漁業団体と連携し、粘り強く国に働きかけてまいる考えであります。

(浅野)

2 地域協議会の設置について

次に、地域協議会の設置についてであります。

漁業者や市町村、漁協が担い手対策を進めるため設置する地域協議会について、道としては研修を終えた新たな漁業者の住宅確保等の受け入れ体制の整備に大きな役割を果たしていることに鑑み、市町村などに協議会の設置を強く働きかけ、新規就業者の更なる確保に努める意向を示されていると承知しております。

既に設置されている留萌管内の小平町や宗谷管内の利尻町なども含め、現時点までの設置状況はどのようになっているのか伺います。

(水産林務部長)

次に、「漁業就業者対策協議会」の設置についてでありますが、道では、漁業経験のない方を含め、広く漁業就業者を確保するとともに、地域への定着を図るため、それぞれの地域毎に市町村や漁協、振興局などで構成する「漁業就業者対策協議会」いわゆる「地域協議会」の設置を促進し、住居の確保や生活の支援、漁業就業に当たっての相談窓口の設置など、受入体制の整備を進めてきたところでございます。

これまで、小平町や利尻町などの日本海側を中心とした道内の10地域に、協議会が設置されたところであり、道としては、漁業就業者の減少・高齢化が大きな課題となっている日本海や道南太平洋地域を重点に、協議会の設置を進めており、本年度は石狩や白老・登別地域など、新たに5地域において、設立に向けた協議を行っているところでございます。

(浅野)

3 水産技術普及指導所の今後の体制について

漁業の担い手を確保し、また定着させていく上で大きな役割を果たしているのが、道内に24カ所設置されている水産技術普及指導所であると考えます。これについては、過去2回の再編を経て、平成27年度から現行の体制になっていると聞いております。担い手の確保など、普及指導所が今後果たすべき役割は大変重要であると考えますが、体制を含め、どのような認識をお持ちか伺います。

(知事)

水産技術普及指導所の体制についてでありますが、道では、地域からのニーズの高度化・多様化に対応するため、本道を6海域に区分し、海域全体を総括する指導所と各地域の課題に対応する指導所を配置しており、資源管理や増養殖技術の普及、経営の改善、後継者への技術指導など、様々な業務を行う指導所の役割は大変重要であります。

道としては、ホタテやナマコなどの資源管理や増養殖技術の普及はもとより、担い手の育成など多様なニーズに的確に対応するため、今後とも、指導所の機能を十分に生かし、試験研究機関や漁協などとの連携を強化しながら、地域に密着した普及業務を進め、本道漁業の振興と地域の活性化に取り組んでまいります。

(浅野)

4 外国人技能実習制度について

次に、外国人技能実習制度についてであります。

深刻な担い手不足への対応として、水産加工場等のみならず、漁業の現場でも外国人技能実習制度により来日している外国人研修生を採用する企業が増えております。

同制度はあくまで日本の技術を発展途上国に伝え、人づくりに協力することで、途上国の経済発展に貢献するというのが目的であります。しかし、現場の担い手不足を埋めるためには、貴重な人材となっていることも事実であります。

一方で、研修生を受け入れている企業には、住宅整備や言語、生活習慣等による摩擦の回避等、ソフト・ハード両面で課題を抱えていると聞いております。

道として、外国人技能実習制度が果たしている役割をどのように評価しているのか、また同制度を活用する漁業者等に対してどのような助言・協力を行う考えでいるのか伺います。

(水産林務部長)

次に、外国人技能実習制度の役割などについてでありますが、道が実施した平成28年の外国人技能実習生の受入状況調査によりますと、漁業分野では、ほたて養殖業など、111人を受け入れており、受入人数は、近年増加傾向にあります。

道といたしましては、本制度の活用により、高い漁業技術等を移転し、その国の経済発展を担う人づくりに貢献することはもとより、本道の漁村地域の活性化に寄与しているものと考えているところであります。

道では、これまで、漁業団体や全日本海員組合などで構成される地域監理委員会に参画をし、漁業分野での受け入れが適切かつ円滑に行われるよう、受入側の団体や漁協に対し、制度の仕組みなどについて指導を行ってきたところであり、本年11月から、受入期間の延長など、制度の拡充が図られる一方、実習生の保護や監理団体の責務が厳格化されることから、引き続き、関係機関と連携し、技能実習制度の適切な運用が図られるよう、取り組んでまいる考えであります。

以上でございます。

(浅野)

四 商工会に対する支援について

本道の中小企業または小規模零細企業にとって、最も身近な支援団体として商工会があります。

道としては、商工会の事務局長設置基準を定め、「小規模事業指導推進費補助金」により毎年度人件費の補助等、商工会に対する助成措置を講じています。

地方においては、全国を上回るペースで進行する人口減少や高齢化の進展、さらには札幌市などへの一極集中の加速により、人材不足等の深刻な課題に直面しています。

そのような中、道の事務局長設置に関して、「地区内小規模事業者が300人以下については、原則として会員数が101人以上であること」と特例が定められておりますが、地域が置かれている状況に鑑み、この特例の緩和を求める声が特に強いと承知をしております。

この基準の緩和を検討し、地域の商工業を守り、地域経済を下支えする姿勢を道が示すことは、今後非常に重要であると考えますが、道の認識並びに今後の取り組みについて伺います。

(経済部長)

商工会は、地域の総合的経済団体として、中小・小規模事業者の振興・発展に大きく寄与しているところであり、道では、事務局長等の人件費や研修事業などに対して支援を行ってきているところでございます。

一方、急速に進行する人口減少等により、小規模事業者をはじめ、会員も減少するなど、取り巻く環境が厳しさを増す中、商工会が多様化、高度化する企業ニーズに的確に対応するなど、今後とも地域の中小・小規模事業者を支援する中核機関として、その役割を果たしていくためには、財政基盤の強化や組織運営の効率化が課題となっているものと認識をいたしております。

このため、道といたしましては、小規模事業者や会員の減少など地域の実情を把握するとともに、関係者の意見等もお聞きしながら、今後も関係機関と連携のもと、商工会が地域の中小・小規模事業者に対する支援機能を十分発揮できるよう、適切な対応に努めてまいる考えでございます。

(浅野)

五 道民の医療・福祉の向上について

(一) 新たな国民健康保険制度への対応について

1 保険料水準の統一について

来年度以降の新たな国保制度に関し、道は、将来的に医療費水準の差を納付金算定に反映しない保険料水準の統一を目指していると承知しております。

国保制度に先立ち、地域の医療費を反映させず、加入者の所得のみで保険料を統一する制度が実施されている後期高齢者医療制度と比較してみると、本道における一人当たり年齢調整後医療費及び地域差指数は、国保よりも後期高齢者医療制度の方が、全国平均からの広がりが大きく、高くなっております。このような状況を見ると、保険料水準の統一を進めることが国保の医療費に影響を与えるものと懸念されますが、道はどのように認識をされているのか、伺います。

(保健福祉部長)

国保の医療費と納付金算定についてでございますが、今般策定した国保運営方針において、当面は、激変緩和などのために医療費水準を納付金算定に一定割合反映させることといたしておりますが、医療費の増減が保険料に与える影響が大きい小規模市町村が多いことから、将来的には、医療費水準を反映させずに、市町村の保険料の安定化を目指すことといたしております。

また、本道は、全国と比べ一人当たり医療費が高いことから、将来にわたって安定的に国保事業を運営するため、今後とも市町村のご意見を伺いながら、健康づくりの取組などの医療費適正化に努めていくことが必要と考えております。

(浅野)

2 市町村による健康づくりの取組の促進について

新制度の下で、市町村独自の健康づくりを評価する指標の一つに、国の保険者努力支援制度があげられますが、平成28年度に前倒しで実施された同制度の各都道府県への評価では、道は275点満点中116.69点、全国36位と下位に位置しております。一方で、収納率については14.13点と、全国6位と上位に位置しております。

これは、健康づくりへの行政の取組は必ずしも十分とはいえない中、保険料の徴収はしっかり行われている、という状況を表しているものであり、取組の改善はされることなく、上昇する保険料はしっかりと徴収されるという事態になれば、道民にとって非常に過酷なものとなり、新たな制度の安定的な運営並びに医療費の抑制は困難であると考えます。

市町村独自の健康づくりへの取組をより充実させることが、国民健康保険制度の安定的運営に大きく影響するものと考えます。6月の保健福祉委員会においては、医療費水準の差を納付金に反映させ、市町村の取組を直接評価する仕組みを残すべきとする各市町村担当職員等の意見があると述べたことに対し、「今後の保険料の状況や加入者への影響などを踏まえ、運営方針の見直しの中で検討していく考えである」旨の答弁がありましたが、市町村の健康づくりの取組の促進に向けた現在までの検討状況並び今後の改善に向けた道の取組について伺います。

(知事)

健康づくりの取組の促進についてでありますが、国保制度の安定的な運営のためには医療費適正化への取組が不可欠であり、このたび決定した国保運営方針では、市町村の健康づくりの取組に対する効果的な支援に努めることといたしているところであります。

国においては、市町村の取組などを客観的に評価し、財政支援する保険者努力支援制度を平成30年度から本格的に実施することとしているところであり、道といたしましては、この制度を十分に活用するとともに道の調整交付金においても、地域性を考慮した支援となるよう検討しており、市町村の取組を促すことにより新たな国保制度の安定的な運営に努めてまいる考えであります。

(浅野)

(二)道の自殺対策について

5月30日に策定された政府の2017年版自殺対策白書によると、2011年まで14年連続で年間3万人を超えていた日本における自殺者は、2016年は2万1897人、人口10万人当たりの自殺率は17.3%と、前年より改善されていることが示されておりますが、本道の自殺率は常に全国平均を上回り、また15歳から29歳までの世代の死亡要因に占める自殺の割合が40%を超えるなど、若者世代が自殺に走る率は特に高いという深刻な状況が続いております。

本年第二定例会における予算特別委員会で、我が会派の同僚議員が、道内各保健所に設置されている自殺対策地域連絡会議の活用状況について質問したところ、平成28年度は、年二回以上の開催が6保健所、年一回が17保健所、開催なしが3保健所と、開催頻度にばらつきがあることが示されました。

保健所ごとの開催のあり方について、それぞれ理由は様々であり、開催すること自体が目的ではないことは理解をいたしますが、定期的に構成員が参集し、意見を交わし、情報交換を行うことは、自殺防止を図る上で基本となる重要な活動であると考えます。

先の定例会から現在に至るまで、どの様な改善が図られてきているのか伺います。

(保健福祉部長)

自殺対策についてでございますが、道では、各保健所に設置をいたしております、地元の関係者で構成する「自殺対策地域連絡会議」の取組の重要性や、市町村の自殺対策に対する支援方策について改めて、周知徹底を図ったところであり、今年度は、全ての保健所で会議を開催する予定となっております。

また、本庁からも担当者が地域に出向き、地域の実態や連携状況などの課題について、関係者の方々と直接意見交換や助言などを新たに行っているところでございます。

現在、来年度からの第3期「自殺対策行動計画」を策定しているところであり、連絡会議での意見交換を通じて把握した課題などを踏まえ、より効果的な取組について検討し、実効性のある自殺対策を進めてまいります。

(浅野)

(三)離島医療の充実について

道として今年度より、地域医療介護総合確保基金を活用した道の遠隔医療促進事業により、離島に住む在宅患者を都市部の病院などから遠隔診療できるシステムの導入を支援することを目指しており、来月にもシステム導入を目指して名乗りを挙げた地域が一か所選定される見通しであると承知しております。

本道は5つの離島を抱え、中でも私の地元である羽幌町の天売島、焼尻島のように、それ自身で自治体を構成していない離島もあります。また天売島は現時点で島内の診療所に常勤医がいないという大変難しい事情を抱えております。道として、遠隔医療システム導入を補助するに当たり、離島それぞれの事情を十分に考慮し、特に厳しい環境に置かれている離島への配慮をし、来年度以降も予算面を含め当該事業の更なる拡充を図るべきと考えますが、道の認識並びに今後の取組について伺います。

(保健福祉部長)

離島における医療の充実についてでございますが、医療資源が限られており、また、地理的条件から地域の中核的病院を利用することが困難な離島におきましては、良質かつ適切な医療を効果的に提供する体制を確保するため、ICTを活用した遠隔医療の取組が有効と考えております。

このため、道では今年度から離島などを対象として、タブレット等を活用した遠隔医療システムの導入支援に取り組んでいるところでございまして、今後とも、離島地域の厳しい実情に応じた取組を支援するなどして、住民の方々が住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、医療提供体制の確保に努めてまいります。

(浅野)

六 道立高等学校の存続について

この度、道教委は「これからの高校づくりに関する指針」の素案を公表しました。その素案によりますと、地域キャンパス校については、「地域連携特例校」とした上で、再編基準は従来と変わらず第1学年の在籍者20人未満としつつも、20人を下回った場合においては、「地域における高校の教育機能の維持向上に向けた具体的取組とその効果を勘案し、再編を留保。ただし、第1学年の在籍者が2年連続して10人未満となった場合は、再編整備。」と新たに特例的取扱いが示されております。私としては、地域が高校の充実に向けてしっかりと取り組んでいる状況の中、実質的には10人を連続して下回らない限り、高校は存続されるものと考えております。

また、農業、看護に加え、水産、福祉の職業学科を持つ高校に対しても、同様の取扱いとされております。

これは、人口減少に悩みつつも、地域の高校を何とか存続させたいとして、私の地元の苫前商業高校に対する苫前町民、遠別農業高校に対する遠別町民をはじめとする、地域キャンパス校や職業学科高校を持つ町と議会、住民など、地域が一体となって存続に向け取り組んできた努力を、道が正当に評価したものであり、地域に大きな希望を与えてくれたものと大いに評価するものであります。

今後は、自治体、そして学校自身が、地域に求められる魅力ある学校づくりに向けて、更に努力をしていく必要がありますが、中学卒業を控えた生徒、保護者への情報提供をはじめ、様々な場面で道教委の取組も必要となってまいります。

今後、道教委として、地域連携特例校など、地方の小規模校の存続と教育活動の充実に向けてどのように取り組んでいくお考えなのか、教育長の所見を伺います。

(教育長)

地域連携特例校などの小規模校についてでございますが、道教委では、このたびお示しをした「これからの高校づくりに関する指針」の素案において、地域における取組等を勘案した上で、再編基準を緩和することとした地域連携特例校や農業、水産などの学科を置く小規模校につきましては、生徒の多様な進路選択や学習ニーズに対応するとともに、地域の担い手としての自覚や社会で求められる創造的な能力、実践的な態度などを身に付けることができるよう、ICTを活用した教育環境や小・中学校と連携したキャリア教育の充実を図るとともに、地元市町村や地域の関係団体等との連携のもとで、人材や自然、産業など、地域の教育資源を活用した特色ある教育活動を推進することなどにより、生徒や保護者はもとより、地域にとっても一層魅力ある高校となるよう取り組んでまいる考えでございます。