保健福祉委員会で質問しました!

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私の地元羽幌町にあるものを含め全道に6つある道立病院全体の経営を預かる事業管理者が、来年度より新たに設置されます。日にちが刻一刻と迫る中、人選は進んでいるのか、またそもそも新たな措置により羽幌町はじめ留萌管内中部のように、人口減少と広域分散化が著しい医療不採算地域の医療をどのように充実させることができるのか、道の認識を改めて問いました。

平成29年第1回北海道議会定例会 保健福祉委員会(前日)開催状況 

開催年月日 平成29年2月23日(木)
質問者 北海道結志会    浅野貴博 委員
答弁者 保健福祉部長    村木 一行
    ​道立病院室長    山中  博
    道立病院室次長   三瓶  徹
    道立病院室医療参事 福島  亨
    道立病院室参事   佐藤 充孝
    道立病院室参事   竹澤 孝夫

道立病院の経営形態見直し等について

地方公営企業法全部適用に向けた進捗状況等について

1.質問:進捗状況について

来年度から地方公営企業法の全部適用で道立病院に事業管理者が置かれる見通しとなっております。

現時点まで道においては、道立病院室に新たに設けた全部適用の移行作業を担当するグループを中心に作業を進めてきているものと承知をしますが、事業管理者となる方の人選をはじめ、全部適用に向けた作業の進捗状況はどのようになっているのか、まず伺います。

答弁:竹澤参事

全部適用移行に向けた進捗状況についてでございますが、新年度からの地方公営企業法の全部適用への移行に向けまして、昨年、第4回定例会で北海道病院事業条例を改正し、病院事業管理者の選任を進めますとともに、今定例会に、病院事業職員の定数や給与に関する条例など4つの条例案を提案することとしております。

また、移行までに、病院事業の組織や事務処理などに関する運営上の取扱いを企業管理規程として定めることとしておりまして、必要な手続については、予定どおり作業を進めているところであります。

2.質問:事業管理者の人選について

道としては、事業管理者となる方については、医師資格を持つ方がふさわしいとの認識を以前から示していると承知しますが、現時点でもその認識に変わりはないのか、確認させていただきたいと思います。

答弁:竹澤参事

病院事業管理者の選任についてでございますが、管理者には、病院ごとの患者数や収益状況に応じまして診療体制及び病床機能の在り方の検討、効果的な診療報酬加算取得に向けた人員配置、費用縮減の取組など経営責任者としての的確な経営判断などが求められるものと考えております。

このため、管理者には、医師資格を有する者が望ましいと考えており、全部適用移行までに選任する予定となっております。

3.質問:全部適用と地域医療の充実との関連について

今回報告していただいた北海道病院事業改革推進プランの「経営形態の見直し」の項目の中には、「医療環境の変化や医療需要の減少が想定される中で、収益を確保していくためには経営の自由度を高めることが必要です」と記述をされております。

全部適用によって経営の自由度が高まれば、道立病院の経営状況を今示していただいた具体的な数値目標のとおり改善していくことが求められ、またそれが期待されているところですけれども、道立病院が果たすべき役割、6つの病院の中で特に私の地元の羽幌病院のように、地域として広域分散化し、人口も今後減少するとみられており、そもそも医療機関として採算をとることが非常に難しい、そういう地域としての事情を抱えている一方で、採算をとるのが難しいからといって医療機関がなくなれば地域医療が崩壊してしまうという非常に難しい事情を抱える地域にとっては、経営の自由度が高まることが、地域医療の充実にどのようにつながるのか、そうした視点がまだ十分に理解されていない現状があると私は考えております。

全部適用が地域医療の充実にどのようにつながるか、この点に対する道の認識を改めてお示しいただきたいと思います。

答弁:道立病院室次長

全部適用移行後の病院運営についてでございますが、人口減少や高齢化が進む圏域で、広域的な医療を担う羽幌病院や江差病院につきましては、今後、医療需要が減少することや医師などをはじめとする医療従事者の確保が困難となることも予想されるところでございます。

新年度以降も、各病院の機能を維持しながら周辺医療機関と連携強化を図るとともに、経営の自由度が高まる利点を活かしまして、従事者確保に向けた更なる対策や診療体制、病床機能の在り方を検討するなどし、道立病院を巡る環境の変化に的確に対応しながら、引き続き地域に必要な医療を提供していく考えでございます。

4.質問:事業管理者となる人物の認識について

事業管理者の人選を今進めていただいていると思います。

是非とも人選に当たっては、病院経営の効率化等の観点は勿論でありますけれども、今述べた私の地元のように、それぞれの地域が抱える特殊な医療事情に十分認識のある方、理解のある方、そうした方かどうかも選定に当たっては重きが置かれるべきと考えますが、道の認識をお聞きします。

答弁:道立病院室長

病院事業管理者についてでございますが、道立病院の経営改革に当たりましては、病院事業への地方公営企業法の全部適用により、管理者の経営の自由度を高めた運営体制を構築することとしておりまして、新たな管理者には、こうした経営の枠組みや新たな改革プランの取組を十分にご説明し、ご理解をいただいた上で、選任することとしております。

新年度以降は、管理者自らが各地域に出向き、道立病院周辺の首長をはじめとする関係者の方々との意見交換や病院長との定期的な会議、病院職員との対話などを通じて、各病院の状況を把握した上で、運営にあたっていただく考えでございます。

道民意見手続(パブリックコメント)の実施結果の概要について

5.質問:再編・ネットワーク化について

全国32名の方から86件のパブリックコメントが寄せられていると報告をいただきました。 その中で「江差、羽幌病院は、中長期的には近隣医療機関との再編議論は避けて通れない。地域実情や将来的な動向を見据えて検討が必要」との意見があったとのことであります。

これは、将来的には病院の存続について、続けるべきかそうではない道を選ぶべきかを議論すべきだと私は受け止めておりますが、この意見は改革推進プランの原案作成の中では、どのような扱いとなっているのか、改めて伺います。

答弁:竹澤参事

江差、羽幌病院に関する意見への対応についてでございますが、江差、羽幌両病院につきましては、「再編・ネットワーク化」の項目の中で、高度急性期の機能を確保することが困難なことから、他圏域の高度医療機関との連携強化を図ることとしております。

また、今後の圏域の医療提供体制の在り方につきましては、地域医療構想実現に向けた圏域での病床数の調整状況、各医療機関の病床利用率や経営状況、医師等人材確保の状況などを見極めながら、病床機能の転換、医療機関の再編などの可能性も含めて検討を進めていく必要があります。

今後とも、地域の医療を確保する観点に立ち、地域医療構想調整会議などを活用しながら、地元市町村や関係者の方々と協議を進めていく考えであります。

6.質問:羽幌病院について

羽幌病院については、留萌二次医療圏の中のセンター病院である留萌市立病院との役割分担、連携を進めながら、今後も地域にとって欠かせない医療機関として存続をさせていくことを道としても考えていただいているものと承知をしますけれども、今回寄せられた再編議論を促す意見に対して、道はどのような認識を有しているのか、所見を伺います。

答弁:竹澤参事

羽幌病院の役割についてでございますが、羽幌病院につきましては、現在の稼働病床数を確保しまして、その一部を圏域で不足が見込まれている回復期病床に転換し、引き続き、地域に必要な役割を果たしていく考えであります。

一方で、救急患者への対応など一部の機能について、留萌市立病院との役割分担を進めますとともに、留萌中部地域における将来の医療提供体制の在り方につきましては、羽幌病院が中心となって、地域の関係者の皆様と十分な協議を重ねていくことが必要だと考えております。

地方の医療従事者確保について

事業管理者の設置と医療従事者確保について

7.質問:今後の医師確保について

改革推進プランの中でも「大学や養成施設などへの要請強化」がうたわれており、道内3医育大学への積極的な要請、道外勤務医師に対する募集活動などが指摘をされています。

こうした医師の招へい以外にどのような対応が必要だと考えているのか、道の所見を伺います。

答弁:医療参事

今後の医師確保についてでございますが、道立病院が、引き続き、経営の持続性を確保し、地域に必要な医療を提供していく上で、医師確保は最重要課題と考えてございます。

このため、医師の招へい活動はもとより、医師事務作業補助者を配置し、医師の業務負担の軽減や専門性の確保に努めるとともに、キャリアアップに向けて学会や各種研修等への参加機会を確保するなど、招へいした医師に、道立病院で長く勤務していただけるよう負荷軽減や勤務環境の整備に努めてまいります。

8.質問:研修医等の受入について

パブリックコメントの中では、「より大胆で具体的な対策を行い、必要な人材を確実に確保すべき」との指摘もなされています。

今述べていただいた対応に加えて、研修医などの研修の一環として、道立病院に医師を派遣してもらうという仕組みを構築することも必要になるのではないかと考えますが、この点に対する道の認識を示していただければと思います。

答弁:医療参事

道立病院における研修医等の受入れについてでございますが、道立病院では、平成30年度に導入が予定されております新しい専門医制度を見据え、指導医の確保を進めることとしております。

また、新たな専門医制度の下で、道立病院が専門医研修を実施いたします基幹研修施設の連携施設に位置付けられることや子ども総合医療・療育センターや緑ヶ丘病院におきまして、研修プログラムを整備し、基幹施設となることで、専門医を目指す医師の受入体制を整備しながら、 地域枠医師や自治医科大学卒業医師等も含め、研修医をはじめとする医師の確保に努めてまいります。

9.質問:医療従事者の確保について

改革推進プランの「医療従事者の確保対策」の中でもうたわれておりますが、医療従事者が地域ごと又は診療科ごとに偏在していること、それにより不足していることが本道の医療にとって非常に深刻な課題となっています。

来年度からの事業管理者の設置が、この課題の解決にどのように貢献することが見込めるのか、道の認識を伺います。

答弁:保健福祉部長

医療従事者確保の取組についてでございますが、道立病院が、地域に必要な医療機能を発揮をしていくためには、医師をはじめとする医療従事者を安定的に確保することが大変重要でございますが、全道的な医師不足や地域偏在の深刻化に加えまして、看護師、薬剤師につきましても、民間需要の高まりなどから、地方の医療機関での人材確保が益々困難になることが予想されます。

このため、今後の医療従事者確保に当たりましては、病院事業管理者が医育大学に対する医師派遣要請の先頭に立つとともに、本庁に人材確保を担当する部署を設けまして、道内外での募集活動を充実をいたしますほか、試験地の拡充など採用機会の更なる拡大や弾力化、業務内容に応じた諸手当の設定を検討するなど、あらゆる手立てを講じながら、人材確保対策の一層の強化を図ってまいる考えでございます。

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