保健福祉部委員会で質問しました!

〜北海道周産期医療緊急確保対策2016について〜

現在深川市、滝川市、遠軽町、小樽市の北海道周産期医療センターに指定されている医療機関において、分娩対応ができない状況となっております。これら医療機関における分娩取り扱いの再開を急ぐと共に、産婦人科医等の人数が劇的に増えることが難しい状況に鑑みた時に、今後道として選択と集中を考えなくてはならない局面が来ると認識しているのか否か等、道の見解を問いました。

平成28年5月 保健福祉委員会 開催状況

開催年月日 平成28年5月10日(火)
質問者 北海道結志会 浅野貴博 委員
答弁者 保健福祉部長 村木一行
    地域医療推進局長 粟井是臣
    地域医療課医療参事 竹内德男

「北海道周産期医療緊急確保対策2016」について

1.質問 : 「緊急確保対策」の位置づけについて

船橋委員の質問と若干重複する部分もございますが、端的に何点か質問していきたいと思います。

周産期母子医療センターの分娩休止の状況でございますが、事前に道の担当者の方から説明いただいた状況をいいますと、総合母子医療センターが道内に6カ所、地域母子医療センターが30カ所、整備されているなかで、滝川、深川、小樽、遠軽の4カ所の地域母子医療センターにおいて分娩の取り扱いが、現在、産科医師等の不在により休止がなされているという非常に危機的な状況にあることを私も承知をしております。

それを打開するために、この度、この「北海道周産期医療緊急確保対策2016」をとりまとめいただいたものと考えておりますが、この対策は「緊急」という文言が入っております。この文言からして分娩が休止された地域において一日も早く分娩の再開ができるように、緊急性を要する事態を打開するためのものであると考えますが、そのような理解で良いのか、そもそものところの確認を求めます。

答弁 : 地域医療課医療参事

緊急確保対策についてでございますが、一部の地域周産期母子医療センターで分娩の取扱を休止するなど地域の周産期医療体制は極めて厳しい状況にあることから、北海道周産期医療体制整備計画を推進するための緊急対策として、現時点で優先的に取り組む施策を整理し、医師確保のための勤務環境の改善、消防機関への妊産婦情報の登録、救急隊員への教育、助産師の活用など可能なものから速やかに実行することとしたところでございます。

道といたしましては、休止中の周産期母子医療センターにおける分娩の再開についても、地域の関係者と協力しながら医師確保等について取り組んでまいる考えでございます。

2.質問 : 具体的なタイムスケジュールについて

現時点で優先的に取り組むべきものを整理して、可能なもの、できることから速やかにやっていくということですが、今回取りまとめいただいた資料、大変見やすく整理していただいたと思いますが、「人材の確保」「関係機関の連携強化」「地域住民への働きかけ」の大きな3つの中に、新規のものと既存の事業の継続と整理をいただいております。

新規のものの中で、たとえば人材の確保の一番上の勤務環境の改善事業の活用についても、最後「検討する」と、その他にも「検討を進める」「検討する」「検討を行う」「検討を行う」という文言がございます。新規の事業ですから、直ぐに着手とならないのは解るのですが、これは、緊急確保対策でありますので、「検討を進める」「検討を行う」にしても、いつまでに検討を終えて、実際にそれぞれの事業を着手するというタイムスケジュールを持った取り組み、検討が求められると思うのですが、具体的にいつまでに検討を終えて、事業を開始するのか、現時点における道の具体的な見解を教えてください。

答弁 : 地域医療推進局長

取組の実施時期についてでございますが、道におきましては、極めて厳しい地域の周産期医療の状況を踏まえ、緊急確保対策については、可能なものから速やかに実施することとしており、前年度から継続して実施する取組については、より効果的な事業となるよう適宜見直しを行うとともに、新規の取組につきましても、医育大学などと連携して、救急救命士等を対象としたBLSO研修を本年秋頃を目途に開催いたしますほか、二次医療圏ごとに毎年開催をしております保健医療福祉圏域連携推進会議等を活用して、消防機関への妊産婦情報登録の普及を図っていくこととしております。

3.質問 : 人材の確保について

今御答弁いただいたように、できる限り検討を加速化して、具体的な事業着手を進めていただきたいと思います。

そこで、人材の確保なんですが、今、冒頭申し上げた4カ所の周産期母子医療センターにおいて分娩が休止されている状況ですけど、周産期医療、出産に関わる医療の医師を確保していくことが、今、最も求められていることだと思うんですけど、人材確保について、今後、何年までにそうした医師の人数を何人確保するだとか、現在、道内にいらっしゃる分娩ができる産科医の数を何人まで増やすのか、そういった数値目標を定めていくのかどうか、道の見解を伺います。

答弁 : 地域医療推進局長

人材の確保についてでございますが、道では、平成23年度から29年度までを計画期間といたします周産期医療体制整備計画を策定し本道の周産期医療の確保に取り組む中、一部の地域周産期母子医療センターにおいて分娩の取扱を休止するなど、人材の確保が極めて厳しい状況にございます。

また、診療科ごとに今後の必要な医師数を定めることにつきましては、様々な要因があり、難しいものと考えているところでございます。

道といたしましては、周産期医療の確保に向けて、産婦人科を志望する医師を一人でも多く増やすよう、医育大学の学生が関連する学会等に参加する際の経費や、産婦人科講座が実施をいたしますセミナーの運営経費について助成するほか、産婦人科医師にできるだけ長く産科医療に携わっていただけるよう、医育大学や北海道医師会とも十分連携しながら、医師業務作業補助者、いわゆる医療クラークの導入によります負担軽減など、医師の勤務環境の改善に努めるとともに、短時間正規雇用制度等の導入への支援など、女性医師の復職等に取り組んでいく考えでございます。

4.質問 : 将来的な周産期医療のあり方について

最後に伺います。

この対策の冒頭「1目的」に「限られた資源を最大限に有効活用して妊産婦が安心して子どもを産み育てることができる体制確保のために」また、「2の対策の方向性」の「(3)住民への働きかけ」の中では「一定の医療水準を確保するために重点化が必要であることに理解を求めるとともに、分娩取扱医療機関へのアクセスの支援に取り組む」とかかれています。これは、分娩が休止されている4カ所の地域において分娩が再開できるように取り組むとしながらも、直ちには、なかなか医師が確保できない、再開されないことを前提とした中で、できることはないかと対応のあり方を考えたものと承知いたします。

今、御答弁いただいたように医師の確保についても具体的な目標数値を定めることはなかなか難しい。限られた医師数などを想定すれば、周産期母子医療センターの将来的な道内の配置のあり方についても議論することが避けられないんじゃないかと思います。平成29年度をもって実施期間が終わる「周産期医療計画」、この北海道の計画との兼ね合いも含めまして、将来的な本道における周産期医療のあり方について道はどのような見解を有しているのか最後に明らかにしていただきたいと思います。

答弁 : 保健福祉部長

周産期医療に係る今後の取組についてでございますが、道では、平成29年度までを期間とする計画に基づきまして、地域の周産期医療体制の確保に取り組んでいるところでございますが、現在、国では平成30年度からの新たな都道府県計画策定に向けた整備指針の検討が行われておりまして、本年夏頃に見直しの方向性が各都道府県に示される予定となっております。

道といたしましては、これを受けまして、緊急確保対策の中で検討することとしている課題を反映することを含めまして、医育大学や医師会などの関係者が参画をいたします周産期医療検討委員会での検討をはじめ、市町村等の関係者の御意見を十分お伺いをしながら、地域の実情を踏まえ、できるだけ身近な地域で出産ができますよう、平成30年度からの次期周産期医療体制整備計画の策定に向けた検討に早期に着手してまいる考えでございます。

指摘 : 

最後、部長に御答弁いただいたように、身近な地域で出産ができるように、特に冬になりますと吹雪などの厳しい自然環境の本道においては、できるだけ身近な地域で出産ができることは、本当に大事なことだとおもいます。

一方で、医師数も限られている、様々な資源が限られている中で、ある程度のさらに重点化、集約化も考えていかねばならないのかなと思いますが、いずれにしても、アクセルとブレーキを同時に踏むような難しい検討を道もこれから求められると思うのですが、何よりも本道の実情を踏まえたあり方を、国の指針の見直しを受けながらも、本道の他の都府県にない状況をしっかりと踏まえた検討を今後もしていただくことを求めて質問を終わります。

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