北方領土対策委員会で質問しました!

3月26日に開業を控えた北海道新幹線。この機を、北方領土問題の啓発に活かさない手はありません。現時点では、新函館北斗駅構内での啓発は予定されていないようですので、駅構内での取り組みに向けた検討を強く求めました。

平成28年北方領土対策特別委員会開催状況

開催年月日 平成28年2月3日(水)
質問者 北海道結志会 浅野貴博 委員
答弁者 北方領土対策本部参事

北方領土問題を巡る国内外の情勢について

1.質問 : 領土問題に係るラブロフ外相の発言について

2月7日の北方領土の日を控えまして、数点、質問させていただきたいと存じます。まず、先日1月27日付け北海道新聞に掲載されたロシアのラブロフ外相の年頭記者会見における発言について、道の見解を伺いたいのですが、この記事によりますと、ラブロフ外相は日本との平和条約締結について「領土問題の解決と同意語とは思わない」と述べたとの報道があります。この発言に対して、道はどのような見解を持っているのか、お示しください。

答弁 : 宗万参事

領土問題に係るラブロフ外相の発言についてでございますが、報道だけでは、どのような意図をもって発言をされたのか、なかなか伺い知ることはできませんが、元島民の方々の不安な心情などを考えますと、極めて遺憾であると考えております。

報道直後の萩生田官房副長官の記者会見では、「ラブロフ外相の発言は受け入れられない」「平和条約締結交渉の中核は北方四島の帰属の問題、すなわち領土問題そのもの」と発言をされており、政府におきましては、一層毅然とした態度で領土問題の早期解決に向けた外交交渉を進めていただくことを望んでおります。 

2.質問 : 共同事業に係るラブロフ外相の発言について

またラブロフ外相は、この年頭記者会見の中で、今年でちょうど60周年となります1956年の日ソ共同宣言について、「大戦の結果に基づいている。」と、「大戦の結果を認めることなしに前進は不可能。」このような指摘をしつつ、また、日本に対して、日本企業の北方領土開発への進出を促すために、特別な自由経済ゾーンの創設を提案しているとの報道もありました。「平和条約問題の完全解決を待たずに、島で日ロが、共同事業を行う方策がいくつもある」と述べたとの報道がありますが、このようなラブロフ外相の発言、こうした提案について、道は政府から何らかの説明を受けてますでしょうか。

答弁 : 宗万参事

日ロ共同事業に係る発言についてでございますが、政府におきましては、北方四島における経済交流については、領土問題に関する我が国の法的立場を害さないことを前提としているところでございます。

今回のラブロフ外相の発言内容につきまして、外務省に照会いたしましたところ、「お伝えできることはない」との回答でございました。

北方領土の日特別啓発期間における取組について

3.質問 : 特別啓発期間における取組について

政府としても相手側の発言の真意を、まだ、探りかねているところなのかなと思いますが、ロシア側がいろいろな癖玉を投げている中ですけれども、北海道としては、ぶれることなく世論喚起に努めていくことが、本年こそ、求められているのだと思います。

そこで伺いますが、現在、2月7日の「北方領土の日」にちなんだ特別啓発期間でございますが、道として、本庁をはじめ各振興局において、さまざまな啓発事業を行っていただいていると思いますが、それらの概要を改めて説明いただきたいと思います。

答弁 : 宗万参事

特別啓発期間における取組についてでございますが、期間中は、道内各地の観光施設やイベント会場などにおきまして、街頭啓発や署名活動を実施いたしますほか、札幌雪まつりの開催に合わせて、大通会場に署名コーナーを設け、来場者に広く署名を呼びかけますとともに、2月7日の「北方領土の日」には、道議会から遠藤議長、角谷委員長はじめ委員の皆様にご出席をいただきまして、北方領土フェスティバルを開催し、領土返還を強く訴えることとしております。このような取組に加えまして、2月6日に札幌コンサートホール・キタラにおきまして、北方領土の早期返還を願う中高生による合唱コンサートを開催いたしますほか、映画「ジョバンニの島」の地域上映会や啓発パネル展を道内各地で開催することとしております。

4.質問 : 啓発事業について

このように、道が様々な啓発事業をやっていただいているのに先んじて、1月22日、安倍内閣総理大臣が施政方針演説において、日ロ関係に関して「ロシアとは、世界が直面する様々な課題に共に立ち向かう関係を築きたい。あらゆる機会を見つけて対話を重ねてまいります」と、これまで見られなかった新しい表現で、日露関係の発展に対する強い意欲を示されていました。先ほど申し上げましたが、今年は、1956年の日ソ共同宣言締結から60年となる節目の年でもありまして、今、行っていただいている啓発事業に加えて、何らかの新たな取組も求められると思うのですが、このことについての道の見解をお示し願います。

答弁 : 宗万参事

啓発事業についてでございますが、道では、これまでも、北方領土の早期返還に向け、国の外交交渉を後押しするため、署名活動や街頭啓発などに取り組んできましたほか、今年度は特に、戦後70年の節目の年であり、8月には千島桜の植樹や全道一斉の啓発活動、特別啓発期間内には合唱コンサートなどに取り組んできたところでございます。今後とも、北対協や千島連盟、北方同盟など、関係団体と一層の連携を図りながら、若い世代に向けた取組など、様々な啓発活動に努めてまいります。

北海道新幹線開業に伴う啓発について

5.質問 : 

今年度は、戦後70年の節目であり、日ソ共同宣言から60年の節目でありまして、更に北海道にとっては、今、多くの道民の皆様が、心待ちにしている事業として、3月26日の北海道新幹線開業というビックイベントが、今年ございます。これには多くの道内外から注目が集まっておりますし、本州、特に東北の方から多くの方が新幹線に乗って、新函館北斗駅に来られる、まさに大きな注目を集める一大イベントになるかと思いますが、こうした北海道新幹線の開業という節目をうまく活用して、例えば新函館北斗駅の構内に北方領土問題を啓発するパネルを設置したりだとか、そうした啓発事業を行うということが大事になってくると思うのですが、このことについての、道の今の考えをお示しください。

答弁 : 宗万参事

北海道新幹線開業に伴う啓発についてでございますが、特別啓発期間に併せまして、明後日5日から、函館市の金森赤レンガ倉庫におきまして、啓発パネル展や署名活動を実施いたしますほか、3月中旬まで、隣接いたします「金森洋物館」の赤レンガギャラリーに、啓発パネルや横断幕、のぼりなどを設置し、道南地域を訪れる観光客などに呼びかけていくこととしており、今後とも、北海道新幹線開業を北方領土問題をアピールするチャンスととらえ、様々な啓発活動を検討してまいります。

6.再質問 : 

函館市の金森赤レンガ倉庫並びに金森洋物館において、啓発事業を行っていただくとのことですけれども、新函館北斗駅とどれくらいの距離があるのかなと。新幹線で駅に降りた方々のすぐ目につく位置にはおそらくないのではないかなと思います。これは1月7日の道新の記事にあるのですけれど、新幹線、新函館北斗駅に、道がアイヌ文化を発信する資料展示を行うと記事がございました。アイヌ民族問題も北方領土問題も日本全体の問題でありますけれども、北海道が率先して、日本全国を引っ張って行かなければならない問題だと私は考えておりますので、是非とも、スペースにも限りはあるかと思うのですが、新函館駅、多くの人が、来客がピークを迎える開業時並びに開業した後も継続して北方領土問題の解決の重要性並びにいたずらにロシアを敵視するような展示ではなく、日露関係の発展がこれから北海道、日本の発展に必要なんだと、そうした展示を是非行うことを検討していただきたいと思うのですがいかがでしょうか。

答弁 : 宗万参事

新幹線開業にあわせた啓発についてでございますが、北方領土問題を幅広く周知するためには、様々な場を活用いたしまして、啓発活動に取り組んでいく必要があると考えておりまして、道外からも多くの観光客などが訪れる機会となる新幹線開業時におきましても、開業ブームに乗り遅れることなく、関係部局などと相談しながら啓発に努めてまいります。

指摘 : 

様々な検討を是非、3月26日まで行っていただき、この機会を逃すことのない取組をしていただきたいと思います。特に函館、道南は根室と並んで北海道におけるロシアとの交流の拠点のはじまりの場所でもありますので、是非、この機会をとらえていただきたいと思います。

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