保健福祉委員会で質問しました

精神障害を抱えた方々の生活や社会復帰の支援のための相談援助を行う専門家として、『精神保健福祉士』という資格が平成9年、精神保健福祉法に基づき創設されています。これを養成するため、厚生労働省から都道府県知事に対し、実習生の受け入れの要請がなされています。札幌市のとある施設では、虐待事案が発生した施設が、その事実を明らかにすることなく、発生後も変わらず実習生を受け入れていたことが明らかになりました。この点に関する道の見解を問い、同様の事例が札幌市を除く他地域ではないか、確認を致しました。

平成29年5月 保健福祉委員会 開催状況

開催年月日  平成29年5月16日(火)
質問者 北海道結志会   浅野貴博 委員
答弁者 保健福祉部長   佐藤敏
    地域福祉課長   岡本收司
    施設運営指導課長 篁俊彦

精神保健福祉士の養成等について

精神保健福祉士の養成に対する道の取組について、主に五点伺ってまいります。精神障がいを抱えた方々の生活や社会復帰の支援のための相談援助を行う専門家として、精神保健福祉士という立場が、平成9年、精神保健福祉法に基づき創設されていると承知します。この精神保健福祉士を養成するために、厚生労働省より各都道府県知事に対し、実習生の受け入れへの教育がなされているものと承知します。このことを踏まえ、以下質問してまいります。

1.質問 : 精神保健福祉士の養成に対する道の取組について

本道において、精神保健福祉士養成のために実習生を受け入れる施設はどのような経緯で選定されているのか、またこれまで受け入れた施設数並びに実習生の人数はどのくらいにのぼっているのか、本道における精神保健福祉士の養成実績についてまず伺います。

答弁 : 地域福祉課長

実習先の選定などについてでありますが、精神保健福祉士養成施設は、国の基準に定めるところによりまして、実習指導者が配置され、教員による巡回指導が可能な実習受入施設を障害福祉施設等の中から選定し、所管庁に届け出ることとなっておりまして、実習は、その都度、養成施設と受入施設との間で学生数や時期などを協議し、実施されているところでございます。

また、実習を受け入れた道内の施設は直近の平成28年度で30施設、実習生は54人でありまして、道内の養成施設を卒業し、精神保健福祉士国家試験に合格された方は、実習を免除された方及び道外の施設で実習された方を含め、159名となっております。

2.質問 : 障害者への虐待防止について

ただいま、道内の養成実績について御説明いただきましたが、2012年10月に障害者虐待防止法、そして2015年4月から障害者差別解消法が施行されておりますが、これらの法律が始まってから、またそれ以前から、道として保健福祉部の皆様を中心として、障害を抱える方々に対する差別の根絶並びに虐待の防止に尽力されてきたものと承知します。しかし残念なことに、それにも関わらず虐待が発生していたことが、本年の1月4日の道新記事はじめ、各新聞記事等で報道されております。昨年12月下旬までに道内の各福祉施設において58件にも上る施設職員による障害者への虐待事案があったことが報じられております。障害者施設において、精神保健福祉士はどのような役割を果たすことが求められているのか伺います。

答弁 : 施設運営指導課長

精神保健福祉士の役割についてでございますが、精神保健福祉士は、精神障がい者を支援する専門職として社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこととされております。

また、精神保健福祉士を含めて、障害福祉施設等の職員は、利用者の意思及び人格を尊重して、常に利用者の立場に立ったサービスの提供や虐待の防止に努める必要があり、虐待を発見した場合は、市町村へ速やかに通報する義務があるところでございます。

3.質問 : 虐待事案が発生した施設における実習生受入について

4月25日付けの読売新聞記事で出ていた話ですが、2016年2月に札幌市内のある就労支援施設で働く精神保健福祉士の男性職員が施設利用者に対して虐待を行うという事案が発生しております。

それにもかかわらず、その施設はその後も福祉士を養成する各種学校からの実習生を受け入れており、また実習生を送り出す学校に対して自分の施設で虐待事案が発生したことを明かしていなかったという事実があったとのことであります。これは政令指定都市である札幌市での出来事でありますが、道として、これに関し詳細を把握していますでしょうか。

答弁 : 地域福祉課長

札幌市の虐待事案についてでありますが、本事案は、札幌市が平成28年10月に虐待の認定を行い、道に対し報告があったものでございます。

今般、改めてこの事案の詳細につきまして養成施設に確認したところ、昨年2月に受入施設から暴力行為があった旨、養成施設に連絡がございましたが、その後3月に、平成28年度の実習受入について、養成施設と当該施設が協議し、予定どおり3名の実習が行われたところであります。

なお、本年3月、平成29年度の実習受入について協議した際、受入施設から札幌市による虐待の認定がなされた旨が伝えられまして、実習受入については行われないこととなったものでございます。

4.質問 : 虐待発生後の実習生の受入について

この札幌市の施設の実態について、今、御説明をいただきましたが、この札幌市の施設を除く、道内各地で虐待が確認された施設の中で、虐待発生後も変わらず精神保健福祉士の実習生の受入を行っていた施設はありますでしょうか。そのことについて道として把握しているかどうか、仮にそうした施設があったのなら、やはりそれは不適切であると考えるのですが、道としてそれら施設に対してどのような指導を行っているのか伺います。

答弁 : 地域福祉課長

虐待事案が発生した施設におけます実習の受入状況についてでありますが、養成施設が精神保健福祉実習を行う施設として選定し、届け出た実習の受入施設は全道で86施設ございまして、このうち、直近の2年間で市町村が虐待と認定した事案が発生した施設は、先程の札幌市の事案を除きますと1施設となっておりまして、この施設での実習は行われてございません。

5.質問 : 今後の精神保健福祉士の適切な養成のあり方について

86施設のうち1施設で虐待があったが、そこは実習生をそもそも受け入れていないとのことでした。

養成施設の指定規則では、虐待を行った経験のある者が実習生への指導や教育を行うことを禁じているものはないとのことでありますが、常識的に考えて、理由の如何によらず、虐待を行った人間が実習生の指導に当たることは、やはりあってはならない、不適切なことだと考えます。札幌市の事案を除き、道内の他の施設ではそうしたことはなかったとのことですが、今後虐待を行った職員が十分に反省して、なぜそのようなことをしてしまったのか原因を明らかにし、今後の再発防止が徹底される措置が十分に取られたと、道としても認められない限りは、そうした施設で実習生を受け入れることは控えるべきで、そうした措置を徹底させるべきと考えるのですが、道の認識を伺います。

答弁 : 保健福祉部長

精神保健福祉士養成のための実習についてでございますが、障害福祉施設等での実習につきましては、精神保健福祉士に求められる資質や技能などを習得する上で、大きな意義を持っているものでございまして、実習指導者には、国が定める実習指導者講習会の修了が義務付けられるなど、高い専門性や指導者としての資質が求められております。

道といたしましては、今後とも、障害福祉施設等を対象とした集団指導や施設の役職員を対象とした研修を通じまして、虐待防止に取り組みますとともに、市町村との連携を一層強化をし、関係者間の速やかな情報共有に務めまして、実習施設において虐待事案が発生した際には、受入施設側に対し、その後の実習予定等を確認するなど、精神保健福祉士の養成が適切に進められるよう努めてまいる考えでございます。

意見 : 

札幌市の事案に関して、私は、一般市民の方からメールをいただき、「これは不適切ではないか」とご指摘をいただきまして初めて知ったところです。今「関係者間の速やかな情報共有に務める」と御答弁をいただきました。

表に出づらい問題かと思いますが、障がいを持つ方々の社会復帰が適切に指導できる精神保健福祉士が養成されるために、道としても指導力を発揮していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。