北方領土対策員会で質問しました!

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北方領土における共同経済活動の意義の周知等について

昨年12月の日ロ首脳会談で合意された北方領土における共同経済活動について、高橋はるみ北海道知事は3月15日と16日に上京し、担当大臣や国会議員等に要請活動を行っています。元島民、根室市はじめ北方領土隣接地域の思いを汲んだ内容となるよう、国に求めたものですが、その要請のあり方など、見直すべきことはあると思います。また共同経済活動に参画できる者の範囲についても、適切なものとなるよう定めていかなくてはなりません。または前回の委員会でも触れたその意義の周知等について具体的にどのような方法を考えているのか、道の認識を質しました。

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平成29年北方領土対策特別委員会開催状況

開催年月日 平成29年3月22日(水)
質問者 北海道結志会   浅野貴博 委員
答弁者 北方領土対策本部 本部長、局長、参事

北方領土における共同経済活動実施に向けた道の対応等について

1.質問:要望内容の取りまとめについて

3月15日に高橋知事が上京されて、各担当大臣、国会議員の方々に要望された内容について伺います。これは言うまでもなく1月に設置された北方四島連絡調整会議等の場で議論されたものを中心に、元島民の方々、隣接地域の方々の思いを主に取りまとめられたものと思いますが、改めてどのような経緯で作られたものであるのか伺います。

答弁:山田参事

要望内容の取りまとめについてでございますが、この度の国への要望につきましては、北方四島連絡調整会議の場で出されたご意見や北隣協及び千島連盟から道への要請内容などを踏まえながら庁内ワーキングチームなどで検討を行い、共同経済活動や北方墓参に関する道としての考え方を取りまとめたものでございます。

2.質問:共同経済活動に参画できる地域の範囲について

要望書の中には「北方領土隣接地域を中心とし、道内企業等の多彩な技術、経験を活かした共同経済活動への参入」と書かれています。共同経済活動が北方領土隣接地域を中心に行われるべきであることは論を俟ちませんが、要望内容に盛り込まれている様々な事業に対して貢献ができる企業等は道内に幅広くあり、それぞれ活動しています。 一方で、道外の大手企業が参画してくることに対して、隣接地域を中心に警戒を持っている方々があるとも伺っております。要望書の文言にあるように、隣接地域を中心とした道内企業という形で共同経済活動への参入者の範囲を私は定めるべきではないかと考えるのですが、この点について道はどのような認識を持ち、今後政府とどのような協議をしていく考えでいるのか伺います。

答弁:山田参事

共同経済活動への参画についてでありますが、北方四島における共同経済活動の条件や形態などにつきましては、今後の協議の中で示されていくものと考えるところでありますが、道といたしましては、共同経済活動の実施にあたりまして、隣接地域を中心に、道内企業などの技術や経験が、四島側の社会的課題の解決に活かされるとともに、両地域の経済の活性化を図るプロジェクトにビジネスとして参入できることが望ましいと考えており、日露間の協議の進捗を注視しながら隣接地域などとも連携し、国に働きかけるなど、可能な取組を進めてまいる考えでございます。

指摘:

今の時点で、道外企業は一切参入できないという枠組みを作ることも得策ではないと思うのですが、隣接地域を中心に、北海道が中心となる形となるように、政府としっかり協議をしていただきたいと思います。

3.質問:要望先について

高橋知事はじめ道関係者は、3月15日、16日に上京され、国会議員に対して要望をされていると承知しております。具体的にどの議員に対して要望がなされたのか、また各議員に対して事前にアポなどを取った上で要望をされたのか伺います。

答弁:篠原局長

国への要請先についてでございますが、この度の要請は、経済産業省や外務省、内閣府などの関係省庁のほか、道内選出国会議員や衆参両院の沖縄及び北方問題に関する特別委員会に所属する国会議員など約40名の皆様に対し、千島連盟とともに要望活動を行ったところであり、国会の審議が流動的であったことや要望先が多数でありましたことなどから、国会議員の皆様には、アポイントの申し入れを行わず、事務所にお伺いし、要望を行ったところでございます。

指摘:

なぜこのようなことをお聞きするかというと、今回の共同経済活動というのは、世界で類を見ない、難しい取組であり、ロシア側との協議を進めるのが勝負所でありますが、それ以前に日本国内の思いをまとめることこそが非常に重要であり、困難であると考えるからです。国内の省庁間でもいろいろな意見の違いも出てくるでしょう。そうしたことを乗り越えていくには、やはり最後には政治の力が求められると思います。

私も国会の事務所に勤務をしていたことがあるのですが、日常的にいろいろな方々が要望に来られます。アポを取ってくる方もいれば、事務所を訪れて「要望書を見てください」と、ただ渡される方もいます。前者と後者では、やはり受け取る側が感じる重みというものが違ってくると思います。北海道、隣接地域、元島民の方々の思いを道がまとめてしっかり国に伝えるということでは、今後もこうした要望活動が行われると思います。国会の日程等もあり、事前に日程の確約をいただくのが難しいにしても、何月何日に事務所に伺わせていただきますので、できればご対応いただきたい、そうした一報を入れるだけでも政治家側の受け止めは違うかと思います。今後の対応のあり方として、是非一つ検討していただきたいと思います。

4.質問:協議に対する道の評価並びに認識について

3月18日、日露政府による共同経済活動に関する公式協議が行われました。協議結果については、18日に私の地元事務所にも領対本部でまとめたペーパーをFAX頂いております。 道の要望内容と照らしても一致する部分が多かったともいわれておりますが、改めて今回の協議結果に対する道の評価並びに認識を伺います。

答弁:篠原局長

日露次官級協議についてでございますが、その具体的な協議内容は明らかにされておりませんが、協議終了後の長谷川総理補佐官の発言によれば、「北海道や隣接地域の要望を踏まえたものなどでは、基本的な考え方でかなり一致した部分があった」とのことであり、道といたしましては、今後、地元からの提案が具体化されていくことを期待しているところでございます。

5.質問:今後の道の関与について

日露政府間における協議は、時期は明確になっておりませんが、次はモスクワで行われるとされております。これからも不断に回数が重ねられていくと思いますが、道として今後どのようにこの協議に関与をしていく考えなのか伺います。

答弁:笠置本部長

今後の取組ということでございます。20日の外相会談で、共同経済活動につきましては、今後、優先して作業するプロジェクトの絞り込みや必要となる法的基盤の検討も含めて議論を深めていくこと、また墓参につきましては、出入域手続箇所の複数化に向けた調整を進めることや航空機による四島への訪問の可能性について、実務的検討を進めることが確認されたところでございます。

そうしたことを受けまして、今後、委員お話のとおり、共同経済活動に係る両政府間の協議は今後も行われることになるわけでございますが、その中で、その取組内容や枠組みなどに係る動きもでてこようかと想定されます。そうした日露間の協議を注視しながら、両国間で検討される具体的案件につきまして、地元企業等の参画の可能性などについて国に働きかけるなどの可能な取組を進めてまいる考えであります。

指摘:

ただ今、笠置本部長からご答弁をいただきましたが、この委員会で答弁いただく最後の機会と思います。笠置部長の後任の方、また、領対本部の皆様、今後も、ご答弁いただいた国への働きかけ、しっかりと行っていただきたいと思います。

6.質問:隣接地域における日露政府協議の開催について

日露政府による公式協議は、今後、何度も日本側、ロシア側で行われることと思います。いずれまた日本側で行われることとなった際に、首都の東京で行われる可能性は高いと思いますが、もしできれば、北方四島を行政区域に抱える本道で、その中でも、領土問題原点の地であり、領土問題が解決しないことで疲弊することにずっと耐えてきた根室市をはじめ隣接地域で公式協議が開催され、元島民はじめ領土問題に向き合ってきた方々の思いをロシア側に感じて頂く機会とするということも重要ではないかと考えます。この点については道はどのような認識を現時点で持っているのか、また、このことを政府に今後求める考えはあるのか認識を伺います。

答弁:山田参事

日露政府協議についてでございますが、開催場所につきましては、アクセスや会場、日程の確保、警備体制、また開催場所としての合理的な理由など、様々な観点から両国間で協議のうえ決定されるものと承知しておりますが、今後の日露間の協議の状況を見守りながら、事務レベルにおいても確認してまいりたいと思います。

指摘:

委員会で提案するのは容易くとも、実際に北海道、根室で公式協議を行うことは、様々なハードルがあると思います。今、事務レベルにおいて確認してまいりたいとの答弁を頂きましたが、それが果たして可能かどうか、有益かどうか、その辺をじっくり探っていただきながら、進めて頂きたいと思います。

7.質問:今後のタイムスケジュールについて

ロシア側からこの18日の公式協議の場では、「実現の前提としてはロシアの法律に矛盾しないような条件に基づくべき」旨の発言があったとされているように、日本側が求める、日露双方の領土問題に関する法的立場を害さない特別な枠組みでの共同経済活動の実施というものは、一朝一夕に実現できるものではないと考えます。道として、共同経済活動の具体的な制度設計、そして実施に関して、今後どのようなタイムスケジュールで進んでいくものと想定しているのか、現時点での認識を伺います。

答弁:山田参事

今後のスケジュールについてでございますが、今月20日の外相会談におきましては、緊密な話し合いを通じて、成果を上げていくことが確認され、共同経済活動につきましては、今後、優先して作業するプロジェクトの絞り込みや必要となる法的基盤の検討も含めて議論を深めていくことが確認されたところでございます。

今後は、次回の次官級協議はモスクワで行われると承知しており、また、4月及び9月に予定されている総理の訪露をはじめ日露両国間の協議の状況等を注視してまいります。

8.質問:政府からの情報について

共同経済活動の枠組みづくりはあくまで両国間政府によってなされるものでありますが、北方四島を行政区域に抱えるのは北海道ですので、道としても、可能な限り枠組みづくりに関われるようになるのが望ましいと考えます。せめて、両国間で協議がなされた内容について、協議の内容や進捗状況等について、政府から道、連絡調整会議等を経て、隣接地域等、こうしたラインでタイムリーに情報提供がなされる体制をつくるべく、政府に今後も道側から不断に要望していく必要があると考えるのですが、この点に関して、今後道は政府とどのような連絡体制作りに努めていく考えなのか伺います。

答弁:篠原局長

政府からの情報についてでございますが、昨年末の日露首脳会談後、道では、直ちに、共同経済活動を担当する参事を配置し、外務省や隣接地域と連携を図りつつ、情報収集などに努めながら、この度の国への要請活動に取り組んできたところでございます。

政府間の外交交渉や協議の状況につきましては、具体的な内容を把握することはなかなか難しい面もございますが、今後とも、様々な機会を通じて、情報収集などに努め、政府や隣接地域との連携を図ってまいる考えであります。

9.質問:共同経済活動の意義の周知について

先ほども申し上げたように、ロシア側から「共同経済活動実施の前提としてはロシアの法律に矛盾しない、つまりロシアの法律に従うべき」と受け止められるような発言があり、今後も様々なハードルを乗り越えなくてはなりません。その道のりは極めて厳しいものと思われますが、それだけに共同経済活動の意義について、道は、幅広く周知をして、領土返還の機運を高めていく取組が今後も欠かせないと考えます。

来年度予算案の中で、領対本部として北方領土問題の啓発活動のための予算を大幅に増額しておりますが、従来の署名活動に加えて、共同経済活動の意義の周知にも今後力を入れて頂きたいと思いますが、この点に関する来年度以降の道の取り組みについて伺います。

答弁:東田参事

共同経済活動についてでありますが、道では、共同経済活動の意義などの周知を図るため、道が設置している署名コーナーに、首脳会談の合意事項を記載したパンフレットを備え付けたほか、今後、市町村などに対しても同様の協力を呼びかけることとしております。

共同経済活動について、幅広く周知を行うことで、企業やビジネス関係者などの北方領土問題への関心が高まることにもつながることから、新年度においては、さらに充実を図ることとしている啓発事業の中で、共同経済活動に関する協議概要や展示イベントでのパネル掲示のほか、SNSの活用など、積極的な周知に努めてまいります。

指摘:

首脳会談の合意事項を記載したパンフレットというのは、北対協でつくられたものかと思います。私も拝見しましたが、数ページの中の1ページに共同経済活動が日露首脳会談で合意されましたと書かれているのみにとどまっております。ペラペラめくっても、意義が十分に伝わるものかというと、まだまだ改善の余地があると思います。共同経済活動の具体的な形についてはまだ手探りの中ではありますが、今後、公式協議の中で姿形が見えてきたら、その都度情報を更新していく、タイムリーに発信していく、そうした不断の取組をぜひ道には主導していただきたいと思います。

10.質問:セミナー開催について

来年度予算案の中で、領対本部は共同経済活動の意義等を周知するためのセミナー等の開催費用として400万円を計上しておられます。このセミナーはいつ、どこで、誰を対象に何度行われ、どの様な内容のものとなるのか、現時点での道の認識をお示しください。

答弁:山田参事

共同経済活動に係るセミナーについてでございますが、道といたしましては、共同経済活動の実施は、平和条約の締結、領土返還に向けた重要な一歩となり得るものと認識しております。

新年度におきましては、共同経済活動を巡る国などの動向や日露関係全般についての道内の理解と関心を深めるためのセミナーを開催することとしておりますが、その内容や開催の場所、時期などにつきましては、日露両国間の協議の状況などを踏まえながら今後、検討してまいります。

指摘:

具体的な内容が決まりましたら、北方領土を眼前に臨むことのできない日本海側の私ども留萌ですとか、道北地域でも、ぜひセミナーを開いていただいて、機運を高めることにご尽力いただきたいと思います。

最後に、笠置本部長、来年度以降、東京にお戻りになると伺っております。引き続き、領対本部、道と中央省庁とのつなぎ役としてご活躍いただきたいと、このことを申し上げて質問を終わります。