北方領土対策員会で質問しました!

2017.2.23北方㈰_thumb.jpg首脳会談から約二か月、共同経済活動の具体的な形はまだ明らかになっていませんが、その意義の周知が今後の課題となります。各振興局などでも不断に署名活動が行われていますが、そこと同じくして共同経済活動の意義を伝える、更には各市町村とタイアップする等、新たな取り組みが必要となります。また、四島の現状をまず知るべく、各分野の専門家を派遣し、現地調査をする必要もあるでしょう。更には、1998年から始まっているいわゆる安全操業の現状維持、拡大を図るチャンスでもあります。これらの点に関する道の認識を質しました。

平成29年北方領土対策特別委員会開催状況

開催年月日 平成29年2月23日(木)
質問者 北海道結志会 浅野貴博 委員
答弁者 北方領土対策本部 参事
    水産林務部 国際漁業担当課長

北方領土における共同経済活動実施に向けた道の対応等について

共同経済活動、まだ具体的な制度設計はこれからということで、具体的にどのようなものかがわかっていない状況でございますが、これから先に設置された北方四島連絡調整会議とも連携して、道が主導権を握る形で、道民、元島民、領土関係者の皆様の思いがきちんと反映された制度設計に向けて、国に働きかけることをしっかりとやっていただきたい。その思いを込めて質問をさせていただきます。

1.質問:共同経済活動について

先月の委員会でも、道としても平和条約の締結に向けた足掛かりになるとのことでしたが、未だ多くの道民又は国民の皆様が、その意義について十分に理解するには残念ながらまだ至っていないと思います。先ほど申し上げたように、具体像が見えてない中で致し方ないと思う点もあるのですが、この共同経済活動の実施が平和条約の締結につながるとする理由について、道の見解を改めてお示しいただきたいと思います。

答弁:山田参事

北方四島における共同経済活動についてでありますが、今月7日の「北方領土返還要求全国大会」において、「この問題を解決するためには、歴史的経緯などにばかりとらわれるのではなく、北方四島の未来像を描き、その中から解決策を探し出す未来志向の発想が必要」と総理が述べられているとおり、特別な制度のもとでの共同経済活動などを通じて、相互理解と信頼関係を高めることにより、平和条約締結につなげていくことが重要と考えております。

2.質問:意義の周知について

共同経済活動の意義の周知についてですが、先月の委員会で道は、共同経済活動に対して様々な不安を抱いている方もいらっしゃると。そして元島民の方々の不安、懸念を払しょくするため、政府と歩調をあわせながら、領土問題における共同経済活動の意義や政府間の協議結果などについて、幅広く周知を図ることが必要と考えているとの答弁がありました。現時点に至るまで、政府と歩調をあわせたものもしくは道独自の取組としての共同経済活動の意義に関する幅広い周知、どのようなものを行ってきているのか説明を願います。

答弁:山田参事

これまでの周知についてでありますが、1月25日に根室市で開催した「北方四島連絡調整会議」におきまして、共同経済活動の協議開始に関する合意内容などにつきまして、道から説明をしたところでございます。

また、今月7日の北方領土の日に開催された「北方領土フェスティバル」におきまして、外務省や北海道知事の挨拶の中で、北方四島における共同経済活動の重要性なども訴えかけたほか、北海道議会議長におかれましても挨拶の中で述べられたところであります。

3.質問:署名活動の利用について

今、ご答弁いただいた北方領土フェスティバルに私も出席しましたが、知事、遠藤議長もその意義をお話をいただいておりました。道本庁のみならず、道内各地の総合振興局、また振興局、そうした地域、道の機関において、北方領土問題の早期解決を目指す署名活動の場も私は活用すべきではないかと思っております。現時点において、各総合振興局、振興局をはじめ道の本庁以外の機関における取組状況はどのようになっているか伺います。

答弁:山田参事

署名活動の場などの利用についてでございますが、総合振興局や振興局、赤れんが北方領土館、ニ・ホ・ロなどの署名コーナーや広報コーナーなどに、この度の日露首脳会談の概要を記載した北方領土のパンフレットを備え付けるなど、北方四島における共同経済活動などにつきまして周知を図ってまいります。

4.質問:市町村などへの協力について

道の機関のみならず、私の地元の留萌市の市役所の庁舎にも、署名のコーナーが置かれていますし、また、様々なイベント会場においても、北方領土問題の早期解決を目指す署名活動は行われていると承知をします。また、場所によっては道の駅などでもそういうコーナーが設けられているところもございます。各市町村や各イベント団体等の民間団体に対しても、署名活動に加えて、共同経済活動の意義について周知を行うよう、道として協力を求める考えはあるのか伺います。

答弁:山田参事

市町村などへの協力依頼についてでありますが、北方領土問題の啓発活動や署名活動につきましては、2月と8月の強調月間などで取り組む際に、市町村や民間企業に協力を呼びかけているところでございます。今後、こうした機会なども活用しながら共同経済活動に関する周知について検討してまいります。

意見:

先ほど何度も申し上げているように、具体的な形が定まっていない中の周知も難しいと思うのですが、少なくとも領土問題解決に資するものだ、貢献するものだという意義の周知をこれからしっかりお願いしたいと思います。

5.質問:財産権の取り扱いについて

その一方で、元島民の方々から示されている懸念の具体的な例の一つとして、財産権の問題があると思います。

先月25日、根室市で新たに設置された北方四島連絡調整会議の初会合が行われました。新聞記事などで見ましたが、その場で元島民の方々から、共同経済活動により元島民の皆様が島に残してきた土地などの財産がどのように扱われるのか、財産権が侵害されることはないかなどの意見が出されたと承知をしております。実際の制度設計にあたり、元島民の財産権はどのような扱いを受けるのか、またそれに対して道は国にどのような扱いを求めていく考えでいるのか所見を伺います。

答弁:山田参事

元島民の財産権についてでございますが、先日の北方四島連絡調整会議におきまして、千島連盟から共同経済活動を行うにあたり、土地などの元島民の財産権が侵害されないようにとのご意見をいただいたところでございます。

「特別な制度」のもとで元島民の財産権がどのように取り扱われるかは、今後検討されるものと考えておりますが、千島連盟などと連携をしながら情報収集に努めてまいります。

6.質問:専門家の派遣について

日露両政府は、具体的な制度設計は、これから協議をするにせよ、主な対象分野として、漁業、海面養殖、観光、医療、環境などとすることについては合意が既になされております。それぞれの分野に関して、例えば四島周辺海域にどれくらいの、どのような漁業資源があるのか、またそれらを取り巻く環境の状況はどうなのか、観光資源となるものはどのようなものがあるのか、四島に居住するロシア人住民の健康状況はどのようになっているのかなど、専門知識を持つ人達にそれぞれ対象となる分野に関する調査をまずは実施してもらい、四島の現状をつぶさに把握する必要があるのではないかと考えるのですが、日本側から各分野の専門家を、例えばビザなし交流の場などで四島に入っていただいて、現地調査にまずあたってもらうことを検討すべきと考えますが、この点に関する道の所見を伺います。

答弁:山田参事

専門家の派遣についてでありますが、北方四島における共同経済活動を検討していく上におきまして、四島側の課題やニーズなどを専門的な目で把握することは有益であると思われますことから、どのようなことが考えられるか、今後検討してまいる考えです。

意見:

しっかり検討していただきたいと思います。

7.質問:安全操業の今後のあり方について

平成10年2月21日、「日本国政府とロシア連邦政府との間の海洋生物資源についての操業の分野における協力の若干の事項に関する協定」、いわゆる安全操業に関する協定の合意がなされております。共同経済活動の主な対象分野の一つとして「漁業」が挙げられていることは先ほども申し上げましたが、共同経済活動の制度設計が今後、具体的に進められるにあたり、陸よりも先行して行われてきた、言わば海における共同経済活動ともいうべき安全操業の枠組みが、今後、縮小されることがないように配慮することはもちろんですが、むしろ、この枠組みを拡大する好機だと捉えて制度設計にあたるべきと考えるのですが、この点に関する道の認識と、このことを政府に求めていく考えがあるのか、最後に伺います。

答弁:中島課長

共同経済活動に関し安全操業への影響などについてでありますが、安全操業は、ロシアとの協定に基づき、
日ロ双方の政府の立場や見解を害さないという考え方のもと、平成10年から本道漁船が北方四島周辺水域において、スケトウダラやホッケ、タコを主な対象に操業しており、漁業をはじめ水産加工業など根室地域の経済に貢献しております。

これまでのところ、国からは、漁業分野における共同経済活動に関する具体的な情報はありませんが、道といたしましては、現行の安全操業の基本的な枠組みが堅持されることが、大前提であると認識しており、共同経済活動の検討にあたりましては、隣接地域が具体的な事業成果を得られることなど地元の意向が十分反映され、地域の漁業振興が図られるよう、関係団体と連携し、国に働きかけてまいる考えであります。