保健福祉委員会で質問しました!

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障害者差別解消法が施行された2012年から2016年末まで、北海道において深刻な虐待事案が発生していたことが1月4日付北海道新聞が報じています。虐待はいかなるものであっても認められませんが、福祉施設職員の人手不足等から来る多忙によるストレスやキャリア不足など、行政の対応によっては解消できるものもあれば、お金を盗んだりわいせつ行為をしたりと、一切の同情の余地もないものと様々あります。道としてもこの間、虐待をなくすべく取り組んできたことは間違いありませんが、今後の更なる取り組みのあり方について質問しました。

平成29年1月 保健福祉委員会 開催状況

開催年月日 平成29年1月11日(水)
質問者 北海道結志会 浅野貴博 委員
答弁者 保健福祉部長 村木一行
    福祉局長 長野幹広
    施設運営指導課長 大平幸治
    障がい者保健福祉課長 植村豊

施設従事者による障がい者に対する虐待について

1月4日の北海道新聞一面記事に大きく出ておりました。障害者虐待防止法が始まった2012年から昨年12月までで、道内で寄せられた障がい者に対する施設従事者などによる虐待事案が58件報告をされていたと。記事を読む限りでは、中には利用者さんのお金を盗んだりだとか、非常に悪質な性的な虐待事案などもあったとも言われております。

このことを踏まえて、以下、質問してまいります。

1.質問 : 新聞報道による虐待事案について

道新記事にある58件の虐待事案は、いつ、どの地域で発生して、具体的にどのような虐待がなされていたのか、またそれらはどのような経緯で道に報告が寄せられて、道として把握するに至ったのか、それら経緯をまず説明いただきたいと思います。

答弁 : 障がい者保健福祉課長

障がい者に対する虐待事案についてでございますが、障害者虐待防止法では、施設従事者等による虐待について、関係者などからの通報に基づき、市町村が事実確認を行い、道に報告することとなっているところでございます。  

新聞報道された事案は、法律が施行された平成24年10月から昨年11月までに市町村から報告のあったものであり、各年度ごとの件数は、平成24年度が4件、25年度が17件、26年度が14件、27年度が11件、28年度が12件の計58件で、地域別では、空知管内が3件、石狩管内が20件、後志管内が8件、渡島管内が4件、檜山管内が1件、胆振管内が2件、上川管内が4件、オホーツク管内が2件、十勝管内が2件、釧路管内が7件、根室管内が4件、道外が1件となっているところでございます。

また、虐待類型別では、複数に該当する事案もございますが、身体的なものが36件、性的なものが5件、心理的なものが16件、放棄・放置が1件、経済的なものが8件の計66件となっております。

2.質問:障がい者虐待に対する道の認識について

障害者虐待防止法は2012年10月から、障害者差別解消法は昨年4月からそれぞれ施行されておりまして、道の保健福祉部の皆様を中心として全庁をあげて虐待の防止、差別の解消に取り組んでこられたもの思います。

それにも関わらず、これだけの件数、しかも内容としても非常に深刻な虐待事案が道内各地で発生してしまったことは非常に遺憾であると私は考えますが、道としてはどのような認識を有していらっしゃるか伺います。

答弁:福祉局長

虐待事案の発生についてでございますが、障がい者虐待は、障がいのある方々の尊厳を著しく害するとともに、その自立と社会参加への大きな妨げとなるものでございまして、いかなる理由があっても決して許されるものではないと考えるところでございます。

このため、道といたしましては、施設従事者等を対象とした研修会の開催など、虐待を防止するための意識啓発を進めてきておりますが、事業所における事案の報告件数が増えている状況でございますことから、昨年4月に施行されました、障害者差別解消法の趣旨も踏まえ、市町村や関係団体等と連携をしながら、障がいのある方々に対する虐待防止に向けた効果的な取組を進めていく必要があると考えております。

3.質問:虐待事案への対応について

ただいま長野局長がご答弁でおっしゃったように、いかなる理由があっても虐待というものは許されるものではない、そのとおりだと思います。一方で、施設職員の方のキャリア不足であったり、人手不足であり、多忙による心理的なストレスだとか、許されることではありませんが、今後の研修等によっては改善ができるもの、人の気持ちとしては同情の余地が決してないわけではない、そうした虐待もあるかと思います。しかし、この道新記事で出ている事案の中には、利用者さんのお金を盗むだとか、施設利用者を自家用車に乗せてわいせつ行為を行うといった、明らかに刑事罰に問われてもおかしくないような事案があったことが報じられております。これらを含め58件の虐待事案に関して、道ではどのような対応を行ったのか、また、その各事業所では発生後、再発防止策はきちんと講じられてきたのか、それぞれ道が把握しているものを伺います。

答弁:施設運営指導課長

虐待事案への対応についてでございますが、道では、平成24年10月の障害者虐待防止法施行後に発生をいたしました58件の虐待事案のうち、道が所管いたします41件について、市町村と連携をいたしまして、障害者総合支援法などの関係法令に基づく監査を速やかに実施をし、利用者の立場に立ったサービス提供や職員への研修内容の見直しなど、虐待の再発防止に向けました取組を行うよう指導を行ったところでございます。

また、こうした指導を行いました施設につきましては、事後の実地指導等において改善状況を確認することとしておりまして、効果的な指導監督を行ってまいる考えでございます。

再質問:

効果的な指導監督を行ってまいると、お考えをいまいただきましたが、お金を盗んだ、性的嫌がらせ、わいせつを行った、先ほど申し上げたように、明らかに刑事事件に発展しかねないような虐待を働いた職員は、どのような処分を受けているのでしょうか、またそれら職員は今も同じ事業所若しくは場所は変えても同じような福祉事業に従事をしているのでしょうか、道として把握しているのか伺います。

答弁:施設運営指導課長

虐待を行った職員の処分状況などについてでございますが、虐待を行った職員につきましては、事業所の服務規定等に基づき、処分などが行われているものと承知をしてございますが、当該施設に対しましては、再発防止に向けた改善状況報告の提出を求め、措置の概要について確認をしてございます。

再々質問:

重ねて伺いますけど、そうした深刻な、決して法律上も許されるわけではない虐待を行った職員が、いまなおそうした仕事に就いているということであれば、また同じことをするのではないかという、そういう懸念があると思うのですが、この点について道はどのような認識を持っているか伺います。

答弁:施設運営指導課長

再発の懸念についてでございますが、虐待は、障がいのある方々の尊厳を著しく害しますことから、いかなる理由があっても決して許されるものではないというふうに認識をいたしてございます。

このため、道といたしましては、こうした事案が二度と起こりませんように事業者に対し、利用者の立場に立ったサービス提供や職員の研修内容の見直しなどについて指導いたしますとともに、改善状況を確認をし、指導の徹底を図ってまいります。

意見:

それら虐待を行った職員に対する処分のあり方まで道が直接指導できる立場ではないということはわかりますが、いま改善状況を確認して、指導の徹底を図るという答弁をいただきましたので、今後ともそれを徹底していただきたいと思います。

4.質問:潜在化している虐待事案について

次に伺いますが、この虐待事案で最も私達が懸念すべきことは、明らかになっていない潜在化している虐待があるんじゃないかということだと思うんです。道新記事にも書かれていましたけれども、施設利用者と職員さんという「上下関係」を気にして、虐待を受けていても自ら告発できない、そもそもそうした明らかになっていない事案があるのではないかと考えますが、昨年より道として障がい者施設などに対して特に深刻で悪質と思われる虐待が懸念される、疑われる場合には、事前の通告なしの実地指導を行うことを、昨年より新しい取組として行っていると承知しますが、そもそも、虐待事案が顕在化せずに潜在化していることへの懸念について道はどのような認識を持っているのか、どのような対応をとっているのか所見を伺います。

答弁:施設運営指導課長

潜在化する虐待事案への対応についてでございますが、今年度、道が施設の利用者とご家族を対象に実施をいたしました虐待防止に関する実態調査では、職員の対応に関する相談をしなかった理由といたしまして、

 ・相談しにくい雰囲気がある
 ・相談したことで立場が悪くなる恐れがある

との回答もございましたことから、虐待事案が潜在化している可能性は否めないものと考えます。

このため、道といたしましては、今年度から新たに、実地指導の際に、利用者から職員の対応状況等について聞き取りを行いますほか、虐待の疑いがある場合は、事前通告なしの実地指導を行うなど、事案の把握と未然防止に取り組んでいるところでございます。

意見:

虐待事案が潜在化している可能性について、それは否定できないとのご答弁をいただきました。それを改善するために、今年度から、昨年から抜き打ちの実地指導と利用者に対して直接聞き取り調査を行うという新しい取組をしていただいていることは、大いに評価されるべきだと思っております。ただ、昨年の委員会でも質問させていただきましたが、利用者さんへの聞き取り調査に際しても、自ら言葉を発することがなかなかできない、文字を書くことができない方は、職員さんに寄り添ってそういう聞き取り調査を回答するという、その際に、その調査に回答する際も、職員さんとの人間関係もさまざま気兼ねをして素直な思いを書けないんじゃないか、素直な思いを伝えられないんじゃないか、そうした懸念があることも私は昨年指摘をさせていただきました。

5.質問:道の今後の取組について

いずれにしても、虐待が潜在化しているのならば、一日も早く明らかにして、なきように対応をとらなければいけないと思うのですが、今回道新記事によって報じられた障がい者の方々の人権が侵害される事案を未然に防止するために、道として今後どのように取り組むのか、最後に村木部長のお考えを伺って私の質問を終わります。

答弁:保健福祉部長

虐待の根絶に向けた取組についてでございますが、道では、福祉施設を対象に実施をしております集団指導や実地指導におきまして、虐待は重大な人権侵害であることを訴えまして、未然防止の必要性や発生時の速やかな報告について徹底をいたしますとともに、今年度からは、利用者の方々やご家族を対象といたしましたアンケート調査の実施に加え、虐待の疑いがある場合には、事前通告なしの実地指導を行い、事案の発生防止に努めているところでございます。

また、障害者虐待防止法のほか、昨年4月に、障害者差別解消法が施行されまして、障がいのある方に対する不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供が求められているところでございまして、道といたしましては、障がいのある方々の権利を擁護いたしますために、施設の役職員を対象とした虐待防止研修を実施をいたしますとともに、パンフレットの配布やフォーラムの開催など、広く道民の皆様方に対する意識啓発の取組を進め、虐待の根絶に向けて努めてまいる考えでございます。