北方領土委員会で質問しました。

写真㉀_1200.jpg12月15日、16日の首脳会談を受け、臨時で委員会が開催されました。

北方領土における共同経済活動を行うための協議が始められることとなりましたが、道はどのような役割を担うべきなのか。

現時点では詳細は何も決まっていないようですが、頭づくりはしっかりと行っていかねばなりません。

平成28年北方領土対策特別委員会開催状況

開催年月日 平成28年12月19日(月)
質問者 北海道結志会 浅野貴博 委員
答弁者 北方領土対策本部長、局長、参事

今回の日露首脳会談について

中司委員、橋本委員と重複する部分ございますのでその点は省きながら、私からも質問させていただきます。

まず15日、16日の日露首脳会談が終わってからも、深夜に及ぶ情報収集、対応に当たっていただいた領対本部の皆様、道職員の皆様に感謝を申し上げて質問に入らせていただきます。

1.質問 : 新聞報道について

今回の首脳会談に際しては、北方領土の具体的な返還などについて取り決めがなかったことに対して、道は残念な思いである一方、新しい制度のもとでの共同経済開発や北方墓参制度の改善など、そうした点が合意されたことについては、意義深かったとの評価をされております。しかし、今回の首脳会談に関しては、地元の北海道新聞をはじめ多くの新聞報道が「領土返還進展せず」、もしくは「帰属解決 遠のく恐れ」といった見出しの記事を掲載しております。

総じて厳しいトーンの報道なのですが、道として、今回の首脳会談によって、北方領土の返還は進展せずに、日本への帰属確認は遠のいたと認識しているのかどうか、この見解を伺います。

答弁 : 東田参事

北方領土問題についてでありますが、議論の結果、平和条約問題を解決する両首脳自身の真摯な決意が表明されるとともに、安倍総理から、「70年間解決できなかった、長い間交渉すら行われてこなかった問題であるが、まずはしっかりとした大きな一歩を踏み出すことができた」との発言があったところであり、政府においては、継続して行われる今後の平和条約締結交渉を粘り強く、かつ強力に進めていただき、北方領土問題が早期に解決されるよう期待しております。

2.質問 : 行政手続について

今回の首脳会談で最も大きかったことは、北方領土における共同経済活動を進める、実現するための協議を開始しようと合意されたことだと思います。

そのことについて、先ほど橋本委員の質問の中にありましたように、高橋知事は評価をしつつも、元島民の方の財産権についても配慮なされるように国に要請してまいるとのお話がありました。

そこで、この北方領土における共同経済活動について伺いますが、これは租税、法律、警察権と非常に複雑な問題、実現に向けて難しいがクリアしなければいけないと思います。

四島を行政区域として抱える道としては、この共同経済活動が実現した際に、どのような行政手続を行うことが求められるのか、見解を伺います。

答弁 : 東田参事

共同経済活動についてでありますが、今後、両国の関係省庁が、共同経済活動の条件、形態及び分野の調整の諸問題について協議を進めることとされております。その協議の中で、調整された各分野に応じ、そのための国際約束の締結を含むその実施のための然るべき法的基盤の諸問題が検討されることとなっており、道としては、そうした状況を注視しながら、国とも連携し、道としてどのような対応が必要となるのか検討してまいります。

3.質問 : 共同経済活動について

すべて詳細はこれからの協議だということだと思うのですが、北方四島はいうまでもなく北海道の行政区域に含まれるわけでありまして、そこを含む特別な制度作りには当然広域自治体である北海道としても関与すべきだと私は思うのですが、道として、そもそも関与することは可能なのか。できるとしたらどのような関与をしていくのか所見を伺います。

答弁 : 東田参事

共同経済活動に係る道の関与についてでありますが、今後、日露政府間の事務レベルの協議が進んでいく中で、共同経済活動に係る「特別な制度」の内容が明らかになっていくものと考えており、そうした中で、隣接地域などの意向が反映されるよう国に求めてまいります。

指摘 : 

この制度について、私は堅い扉を開けることに繋がる非常に大きな一歩だと私自身は評価しておりますが、先ほど脇理事長、湊屋町長が仰ったように、隣接地域、北海道の思いがしっかりと反映された制度作りになるように、道としても国の動向を注視して、情報収集を怠ることのないように、対応をしっかりお願いしたいと思います。

今後の世論啓発等について

4.質問 : 道の認識について

今回の首脳会談は、残念ながら具体的な返還の話などは、でなかった訳であります。これについては、今年ずっと大きく報道されてきまして、もしかしたら12月のこの首脳会談で具体的な返還が、四島全て同時にとはいかずとも、例えば、二島が返還されるのではないかとか、大きな期待が寄せられたのは事実だと思っております。

政府与党の中にも「がっかり」という表現を使っておられる方もいらっしゃるように、期待が大きかった分、落胆の思いももしかしたら大きいのではないかと考えるわけではありますが、今回の首脳会談の結果を受けて、元島民をはじめ世論には落胆の思いが広がっていると、道としてもどのような認識を持っているか伺います。

答弁 : 東田参事

元島民などの受け止めについてでありますが、日露首脳会談後、根室市内で開催された千島連盟の記者会見において、脇理事長から北方領土問題の解決に向けた、なんらかの進展があるものと 期待していたが、領土問題の今後の具体的なスケジュールも示されておらず残念である。元島民の自由訪問や墓参といった部分の拡大ということが 具体的に出てきたことが明らかになったことは非常に嬉しく思う。政府においては今後さらに粘り強く交渉を重ねるとともに、一日も早く四島返還が実現することを期待する。などといった発言があったところであります。また、根室市の会見において、長谷川市長から、期待していた前進は、具体的道筋は見えなかった。我々としても残念だが、領土問題を解決し、平和条約交渉を続けると確認したということは今後につながる。などの発言があったところであり、道としては、こうした発言については認識しております。

5.質問 : 世論喚起について

今日の北海道新聞の朝刊に出ております共同新聞社が世論調査で行った15、16日の今回の首脳会談に関する評価、何と今後領土問題での進展に対して北海道では期待しないと答えた人が日本全国で道内が最多の約77%だったと。本来、最も世論を盛り上げなくてはいけない北海道において非常に落胆する、そして今後期待しないとする方が4分の3以上を占めてしまった。非常に由々しき事態だと思います。領土問題に関する交渉は今後も長期にわたりますし、それを支えていくのは世論の力強い支持であることは変わりがないと思います。世論喚起を担う道としてこのような現実の状況を踏まえて、今後どのように世論喚起に努めていくのか、道の具体的考えと決意を伺います。

答弁 : 篠原局長

今後の取組についてございますが、北方領土問題の解決に向けては、政府の交渉の原動力である国民世論を盛り上げていくことが重要であり、道といたしましては、こうした認識のもと、今回高まった関心が薄れないよう、国や関係団体などとより連携をするとともに、青年会議所などの全国的な組織との連携を検討するなど、なお一層の世論喚起に努めてまいる考えでございます。

6.質問 : 今後について

青年会議所など、全国的な組織との連携の話ありました。若手の方々で青年会議所は以前から北方領土問題に関する活動をされていますし、商工会議所青年部といった団体もあります。とにかく北方領土問題に強い関心を持って努力をしていただいている方々の力を得ながら、灯火を消さないように努めていただきたいと考えます。最後に伺いますが、今回の首脳会談で示された日露双方の立場を害さない新しい制度のもとでの共同経済活動、これは従来から言われてきた「新しいアプローチ」の具体的な形の一つなのかなと思います。これまで道としては四島の一括返還という方針を掲げておりますが、知事も記者会見などで仰ってましたけど、「新しいアプローチ」の具体的な形が見えてきた際、道の方針も変え得るとの認識を示していらっしゃったと思います。今回の首脳会談を受け、道として、これまで掲げてきた北方領土の返還の方針、何か変わるものあるのか、それとも変わらないのか、今後の道の方針について伺います。

答弁 : 笠置本部長

北方領土問題についてでございますが、今回の会談では、北方領土の帰属や返還についての具体的な言及はなく、安倍総理は首脳会談後に、「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する。これは、日本の今までの不動の姿勢であり現在も変わらない」と発言をされております。道といたしましては、今回開始することとされました共同経済活動に係る協議ができるだけ早く合意に至るよう国に求めるとともに、四島一括返還を基本スタンスとして、返還要求運動に粘り強く取り組み、北方四島の返還を願う強い思いを表明していくことが大切であると考えております。