決算特別委員会で保健福祉委員会で質問しました。

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来年度から新たに道立病院の経営にあたる事業管理者が置かれます。

520億円にも上る累積欠損金を解消し、経営改善を図るための措置ですが、それだけによって全てが良くなるわけではなく、根本的な見直しをしなくてはならない課題が多々あります。

昨年度の決算を基に、道の認識を質しました。

平成28年決算特別委員会(企業会計 保健福祉部所管)開催状況

開催年月日  平成28年11月7日(月)
質問者 北海道結志会   浅野 貴博 委員
答弁者 保健福祉部長   村木 一行
    道立病院室長   山中 博
    道立病院室次長  三瓶 徹
    道立病院室参事  佐藤 充孝
    道立病院室参事  竹澤 孝夫
    道立病院医療参事  福島 亨

病院事業会計について

収支などについて

1.質問 : 純利益の要因分析等について

まずは平成27年度の病院事業会計についての、定期監査報告結果書の中で指摘されている事項でございますが、「純利益が2億7,952万118円」純利益は出たんですが「累積欠損金は依然多額であり、引き続き経営の改善を図る必要がある。」と指摘をされております。この指摘への受け止めと、純利益が出た要因分析について道の所見を伺います。

答弁 : 道立病院室 佐藤参事

純利益の要因などについてでございますが、平成27年度の損益については、当初予算では約7,300万円の純損失を見込んでおりましたところ、決算では、約2億8,000万円の純利益となったものでございます。

その主な要因としましては、年度末にかけて、手術件数や感染症患者が増えたことなどに伴いまして、一定の収益を確保した一方で、年間を通じて、高額な医薬品や医療材料を使用する患者が見込以上に減ったことなどによりまして、医薬材料費等の費用が減少したことによるものでございます。

しかしながら、多額の累積欠損金に加えまして、一般会計から約60億円の負担金を繰り入れるなど、極めて厳しい経営状況にありますことから、引き続き、経営改善を進めていかなければならないと考えております。

2.質問 : 医業収益について

続いて医業収益ですが、前年度比で収益比率は0.6%改善をされておりますが、収益金額は下回っております。

当初予算と比較しても、約10億円下回っております。この要因について、どのように分析をしているのか所見を伺います。

答弁 : 道立病院室 竹澤参事

医業収益が減少した要因についてでございますが、平成27年度医業収益は、約83億600万円で、平成26年度と比較して約1億3,300万円、1.6%減少しております。

前年度実績や当初予算と比較して、医業収益が減少した主な要因といたしましては、医療の質の向上に伴い平均在院日数が短縮してきておりますことや、精神科病院で長期入院患者の地域生活への移行を進めましたほか、一部の診療科で常勤医に欠員が生じ、十分な診療体制を整備できなかったことなどにより、入院患者数が減少し、入院収益が減少したことによるものと考えております。

3.質問 : 新・北海道病院事業改革プランについて

次に、新・北海道病院事業改革プラン改定に向けての取組状況と今後の見通しについて伺います。

答弁 : 道立病院室 竹澤参事

新たな病院事業改革プランの策定状況についてでございますが、道では、新たな改革プランの策定に向けて設置した検討会議において、国の新公立病院改革ガイドラインで示されました4つの視点である「地域医療構想を踏まえた役割の明確化」、「経営の効率化」、「再編・ネットワーク化」、「経営形態の見直し」に加えまして「医療従事者の確保」についてもご議論いただき、先月、ご意見をとりまとめさせていただいたところでございます。

今後、検討会議からのご意見を踏まえ、11月中を目途に新たなプランの素案を作成し、年内にパブリックコメントを実施することとしておりまして、議会でのご議論を踏まえながら、年度内に新たなプランを策定する予定であります。

4.質問 : 医師、看護師の欠員状況等について

今月中に素案を作成し、年度内に新たなプランを策定するとのことですが、先ほどの医業収益の答弁の中にもありましたが、経営を安定させていくための重要な要素はなんと言っても、医師はじめ医療従事者の確保であります。

ここ過去3年間の医師、看護師の欠員状況について伺うとともに、その要因をどのように分析しているのか併せて所見を伺います。

答弁 : 道立病院室医療参事

医師、看護師の欠員状況等についてでございますが、各年度4月1日現在で、医師は、定数97名に対し、平成25年度の配置数が79名で、欠員18名、平成26年度の配置数が78名で、欠員19名、平成27年度の配置数が81名で、欠員16名となってございます。

また、看護職員は、病棟再編等により定数が増減しておりますが、平成25年度が、定数554名に対し、配置数が514名で欠員40名、平成26年度が、定数542名に対し、配置数が498名で、欠員44名、平成27年度が、定数559名に対し、配置数が500名で、欠員が59名となってございます。

医師、看護師不足の要因といたしましては、医育大学から十分な医師派遣を受けられなくなったことや、医療従事者が都市部の比較的大きな病院に集中し、地方や都市部の中小規模病院では不足するなどの地域偏在が深刻化し、必要な人員数を確保できなくなっているものと考えているところでございます。

5.質問 : 医療従事者の確保について

医師、看護師ともに大都市集中などの要因により、欠員が生じている状況でございますが、新たなプランの策定に当たり、このような偏在、不足に対して、どのように取り組んでいくのか所見を伺います。

答弁 : 道立病院室医療参事

医療従事者の確保策についてでございますが、今後、地方に勤務する医師をはじめ医療従事者の確保は益々困難になると予想されることから、医療従事者の確保対策の強化が必要でございます。

道といたしましては、医育大学等への要請や募集活動の強化、医師や看護師の業務負担軽減と離職防止対策の充実、資格取得の支援などによる魅力ある職場づくりに取り組むとともに、採用機会の更なる拡大や弾力化、業務内容に応じた諸手当の設定を検討するなど、従事者確保策の一層の強化に取り組んでまいります。

6.質問 : 高度な医療機器の整備について

続きまして、高度な医療機器の整備について伺います。プランでは収益確保の取組ということで、高度な医療機器の整備が掲げられておりますが、これまでどのような方針により整備を行っているのか伺います。

答弁 : 道立病院室 佐藤参事

高度医療機器の整備についてでございますが、一般の医療機器は、国が定める「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」を基に道において定めております耐用年数の約2倍を更新時期の目安としております。

また、CTやMRIなどの高度医療の提供に必要な機器につきましては、耐用年数のほか、保守点検での部品供給年限などを考慮いたしまして、約10年を目途に更新しております。

7.質問 : 医療機器整備の今後の進め方について

国の基準に従って計画的に整備を進めているということですが、病院事業推進委員会では、高度な医療機器の購入にあたり様々な意見が付されております。例えば効率的な運用の観点から、「周辺自治体との共同利用という形についても検討すること」などでございますが、これらの指摘を踏まえて、費用の縮減という視点から、これまでどのように取組み、今後どのような対応していくのか所見を伺います。

答弁 : 道立病院室 佐藤参事

高度医療機器整備の取組などについてでございますが、CTやMRIなどの高度な医療機器の導入に当たりましては、これまで、病院内での選定委員会において耐用年数や保守点検での部品供給年限などを考慮いたしまして、購入の判断を行ってまいりました。今後はこれらに加えまして、病院の規模や機能に見合った仕様の検討、地域におけます他の医療機関との共同利用の可能性、更には、購入後に発生いたします保守点検の費用を考慮の上、費用対効果を踏まえた医療機器の整備に努めてまいります。

羽幌病院について

8.質問 : 医業収支比率について

続きまして、道立病院のうち留萌管内羽幌町にあります羽幌病院について伺ってまいります。

羽幌病院は、留萌中・北部の地域センター病院として、地域の住民の皆さんにとっては、なくてはならない重要な役割を担っております。しかしながら、地域の人口減少し、高齢化が進んでおります。患者数は年々減少し、現在稼働している病床数は、許可病床数120床のうち45床となっております。経営的にも非常に厳しい状況と私どもは認識しておりますが、そこでまず伺いますが、羽幌病院における医業活動の収益性を示す医業収支比率について、平成25年度から27年度まで、3カ年度の推移をお示しください。

答弁 : 道立病院室 竹澤参事

羽幌病院の医業収支比率の推移についてでございますが、羽幌病院の医業収支比率は、平成25年度が57.5%、平成26年度が55.8%、平成27年度が54%となっております。

9.質問 : 今後の方向性について

今、お示しいただいた比率は、平成27年度で言えば全6道立病院の収支平均が62.4%。最大の北見病院で68.8%に比べれば非常に低い比率だと考えております。

100%を超えて初めて本業である医業自体の利益が発生する医業収支比率が、3年続いて50%台というのは、病院の厳しさというよりも地域の抱える様々な事情の厳しさを示しているものだと思っております。しかし留萌中・北部地域の皆さんにとっては、羽幌病院以外で最も近距離の急性期病院と言えば、留萌市立病院。ここまで車で1時間、距離にして50kmございます。そういうことを考えれば、羽幌病院が一定の機能を維持することが必要であり、それができて初めて地域医療を守ることに繋がると思っております。道では、本年度中に策定する新たな病院事業改革プランの中で、各道立病院の役割、様々な機能について明確化すると承知しますが、羽幌病院の今後の方向性については、現在どのような検討がなされ、方向性を示されているのか道の所見を伺います。

答弁 : 道立病院室 竹澤参事

羽幌病院の方向性についてでございますが、プラン改定に向けました検討会議におきましては、羽幌病院における診療体制や収支状況などの現状に加えまして、留萌圏域の人口推計や将来の病床必要量等をお示しをいたしまして、今後の方向性について、ご議論いただきました。

羽幌病院に関しましては、現在の稼働病床数を確保しながら、その一部を回復期病床に転換し、利用状況等に応じて回復期機能の拡充を検討すること、地域の医療需要に幅広く対応できる総合診療科の設置を検討し、他の医療機関との役割分担を図ること、総合診療医や地域医療を志す医師の人材育成機能の体制強化を検討することなどの意見が取りまとめられたところでございます。

今後、こうしたご意見を踏まえ、新たな改革プランの中で、羽幌病院の役割や機能を示していく考えであります。

10.質問 : 地域の医療のあり方について

検討会議で示された様々なあり方について、私ども地元の人間もしっかり受け止めて考えなくてはいけませんし、地域の人口は減っております。高齢化も進んでおります。そうした中で羽幌病院の新たな役割というのも検討しなくてはいけないと考えておりますが、一方で、より身近なところで、かつてあったような急性期の医療を復活して欲しい。地域の一番身近なところで医療を受けたいと願っているという思いがあるのも事実でございます。 

検討会議でこういう方向性が示された。だからそれに従えと、そういう形にはならないと思うのですが、今後、羽幌病院のあり方を議論して具体的に方向付けていく中で、何よりも地元の皆さんのご理解を得るために、丁寧な説明が必要だと考えておりますが、今後の地域の医療のあり方について、道と地元自治体が一緒に考えることも必要と思っております。そのことについての道の所見を伺います。

答弁 : 道立病院室長

留萌圏域の医療のあり方についてでございますが、留萌圏域では、留萌市立病院や羽幌病院などの公立病院が地域医療を支える重要な役割を担っておりますが、今後人口減少により医療需要も大きく変化することが想定されるところであります。

プラン改定検討会議からは、羽幌病院について、周辺医療機関の病床利用率や経営状況、人材確保の状況などを見極めながら、病床機能の転換など今後の医療提供体制のあり方について、検討を進めることとの意見をいただいたところでございます。

道といたしましては、新たな改革プランの素案を取りまとめた後、今後の羽幌病院の役割や機能について、地元町村の関係者に対し丁寧な説明を行うとともに、地域の将来の医療のあり方についても地域医療構想調整会議なども活用しながら、協議を進めていく考えでございます。

意見 : 

皆さま方にだけ役割を押しつけるわけではありませんが、私も含めて地元への丁寧な説明をしながら進めていくということを、ぜひともお願いしたいと思います。

地方公営企業法の全部適用について

11.質問 : 事業管理者の人選について

これまで、他の委員の方の質問にもありましたが、まず、事業管理者の人選について現在の進捗状況を伺います。

答弁 : 道立病院室 竹澤参事

全部適用移行に向けた進捗状況についてでございますが、病院事業管理者の選任に向けては、現在、待遇面の条件などに関して、庁内調整を進めておりますほか、医育大学等関係者の方々からご意見を伺いながら、人選を進めているところでございます。

また、移行後の組織体制や給与体系、職員の勤務条件や採用方法などにつきましては、関係部局と協議しながら検討を進めておりまして、今後、全部適用移行の効果を発揮していくための具体的な手立てを取りまとめ、北海道病院事業条例の改正案を次回定例会に提案できるよう準備を進めますとともに、病院事業に従事する職員の給与に関する条例等の制定や病院事業の運営上の取扱いを企業管理規程として定めるなど、必要な手続について作業を進めていく予定としております。

12.質問 : 道立病院としての役割等の考え方について

ただ今、ご答弁いただいたように、病院経営の自由度を一定程度高めるという利点がある一方で、例えば経営的に厳しい医療が削減されたりだとか、病院スタッフの人件費を削減されるなどの合理化が進められることも、地域としては懸念があると私は考えております。全部適用への移行により、地域の医療提供体制が低下しないような配慮も必要だと思うのですが、この点について道としてどのように取り組んでいくのか所見を伺います。

答弁 : 道立病院室次長

全部適用移行後の運営についてでございますが、道といたしましては、道立病院が、今後とも、地域において必要とされる医療を提供していけるよう新たな改革プランの中で、各病院の役割を明確にするとともに、経営形態の見直しや、経営改善を進めることとしているところでございます。

全部適用への移行により、病院経営の自由度を一定程度高めることが可能となりますことから、業務内容に応じた諸手当の設定や短時間勤務等の多様な勤務形態の導入といった勤務条件の改善等に向けた取組を検討するなど、医師や看護師等の人材確保に向けた、道立病院の診療体制を確保していく考えでございます。

累積欠損金について

13.質問 : 

先ほど、稲村委員の質問の中にもありましたが、昨年の決算特別委員会において、我が会派は知事に対して、全適後も多額の累積欠損金を抱えたままだと、新しく事業管理者となられた方も大変でしょうし、事業の利益剰余金が発生しても、その累積欠損金の圧縮に充てられることになり、病院現場職員のモチベーションがあがらないのではないか、こうした懸念から、全適を機に、未処理欠損金を解消する考えがないかと伺ったところ、知事はこのようにおっしゃいました。「新たなプランの実効性を高めていくためにも、累積欠損金の扱いも含め、経営形態の見直しが必要。」と、このような答弁がありました。  

あれから1年になりますが、全部適用への移行に向けて準備を進める中で、この累積欠損金の扱いについてどのようになるのか、現時点での検討状況を伺います。

答弁 : 道立病院室長

累積欠損金についてでございますが、地方公営企業法では、累積欠損金の縮減は、毎年度の利益をもって充てる、資本剰余金を取り崩す、資本金を減資する、のいずれかの方法によることとされておりまして、他の都府県の累積欠損金の解消に向けた取組についても調査を行ってまいりましたが、長期借受金の債権放棄により累積欠損金を解消した例はなかったところでございまして、道といたしましては、病院経営において生じた累積欠損金については、自らの経営努力により解消すべきものと考えております。一方で、経営改善に向けた取組を持続させていくためには、職員の士気を向上させることが必要と考えておりまして、業務内容に応じました諸手当の設定や短時間勤務等の多様な勤務形態の導入など、勤務環境の改善について検討していく考えでございます。

指摘 : 

他府県との比較の調査を行ったと答弁をいただきましたが、道立病院事業は、他府県の病院事業とその役割にまず差異はありません。しかし、本道の広域分散化という状況を踏まえれば、取巻く環境は、言うまでもなく他の都府県を比べれば厳しいわけであります。

だからこそ、経営形態を新たにするタイミングについて、昨年、知事も「新たなプランの実効性を高めていくためにも累積欠損金の扱いも含め、経営形態の見直しが必要。」だと述べられたのだと私どもは理解しておるところでございます。

昨年に続き地方公営企業法も踏まえた上でお聞きをいたしましたが、他府県の事例を述べられるに留まり、率直に申し上げこの1年間どれほどの検討をされたのかと疑問を感じます。

『新たなプランの実効性を高めていくため』、に視点を置いた、累積欠損金の扱いについては、高度な政治判断を要する事項だと考えますので、病院事業の在り方を含め、改めて知事に伺いたいと存じますので、委員長のお取り計らいをお願い申し上げ私の質問を終わります。