北方領土対策員会で質問しました!

12月の日ロ首脳会談を控え、日本国内では北方領土問題に大きな進展があるのではと、大きな期待が寄せられています。

各種新聞報道では、四島一括ではない、二島先行返還ともいうべき返還方法が取り沙汰されていますが、従来より一括返還を訴えてきた道はどのような認識を持っているのか、質問しました。

また12月の首脳会談までに安倍総理の北方領土視察を実現させたいとの道の認識を引き出すことができました。

平成28年北方領土対策特別委員会開催状況

開催年月日 平成28年10月6日(木)
質問者 北海道結志会 浅野貴博 委員
答弁者 北方領土対策本部 局長、参事

北方担当大臣等の根室訪問並びに北方領土視察について

9月18日に、鶴保北方担当大臣が根室に入られました。元島民をはじめ地元関係者の方と懇談をされております。報道によると鶴保大臣は、「国民運動の灯が消えないよう、地域の賑わいを取り戻すことを含め、色々な方策を考えていく」、「納沙布岬を訪れる人は年間15万人というが、これを倍、10倍にできれば北方領土に興味を持つ人が増える。そういう政策をしていきたい」、また「今こそ啓発に力を入れなければいけない。領土問題解決のためには世論の力は計り知れないものがある」といったコメントをされていると承知をします。

1.質問 : 大臣訪問の意義について

今回の鶴保大臣の根室訪問はどのような意義があったか、道としての認識をまず示してください。

答弁 : 東田参事

鶴保大臣の根室訪問についてでありますが、9月17日から18日にかけて、大臣就任後初めて根室を訪問し、管内1市4町の首長や関係団体、元島民などとの懇談をはじめ、納沙布岬から歯舞群島などを直接望まれ、北方館を視察されたことは、北方領土と向き合っている根室地域の実情や、元島民の思いをご理解いただく上でも意義があったものと考えております。

2.質問 : 根室地域への訪問者拡大について

鶴保大臣が発言された、納沙布岬への訪問者を増やすとか、根室地域の賑わいを取り戻し、領土問題へ興味を持つ人を増やす、そうした取組について、道は今後具体的にどのように取り組んでいくのか説明をお願いします。

答弁 : 東田参事

領土問題への啓発などについてでありますが、納沙布岬をはじめとする根室管内に多くの方々に訪れていただき、根室の実情や北方領土を間近に感じていただくことは、根室地域の活性化はもとより、北方領土問題についての関心を高めていく上でも重要と考えております。

現在、千島連盟や北隣協などと連携し、東京や札幌での啓発活動や修学旅行、地域イベントへの支援などに取り組んでおり、今年度からは新たに道外で北方領土セミナーを開催しているところでありまして、今後も国や地元市町と連携を図り、訪問者の増加に繋がるよう、啓発活動に取り組んでまいります。

3.質問 : 安倍総理の北方領土視察について

鶴保大臣が9月27日の記者会見で、安倍総理の北方領土を視察に触れてらっしゃいました。総理による北方領土視察の意義については、道はどのような認識を持っているか教えてください。

答弁 : 東田参事

総理大臣の北方領土視察についてでありますが、道ではこれまでも、元島民の方々や返還要求運動関係者の励みとするため、総理の北方領土視察を要請しているところであります。

総理の北方領土視察は、実現すれば平成16年の小泉総理以来12年振りとなり、北方領土問題を全国に向けてアピールする上でも意義のあるものと考えております。

4.質問 : 政府への働きかけについて

実現すれば12年振りとなる総理の北方領土視察実現に向けて、道は政府に働きかけをされていると思いますが、どのような尽力をしているのか説明願います。

答弁 : 東田参事

総理の視察実現に向けた取組についてでありますが、総理の北方領土視察は、返還に向け国民世論を大きく盛り上げる最良の機会となることからも、関係団体とも連携して様々な機会を通じて政府に要請してまいるところでございます。

再質問 : 

返還に向けて国民世論を大きく盛り上げる最良の機会、そのとおりだと思います。それでは、総理の北方領土視察はいつまでの実現を目指して要請をするのでしょうか。

答弁 : 東田参事

総理の北方領土視察についてでありますが、12月の日露首脳会談の前に、総理ご自身が北方領土をご視察いただきたいと考えております。

意見 : 

12月15日は、総理のご地元山口県での首脳会談ですから、そこで大きく事態が動くことも期待されています。その前に、是非原点の地根室に入っていただいて、視察を実現できるように引き続き要請を続けていただきたいと思います。

今後の世論喚起について

9月2日にウラジオストクで行われた日露首脳会談に続いて、来月の11月はペルーで、そして12月には、今申し上げたように安倍総理のご地元で首脳会談が行われることが決まっております。領土問題解決に向けた機運はかつてなく非常に強く高まっているものと私は考えます。

5.質問 : 安倍総理の所信表明演説について

9月26日の所信表明演説で安倍総理が、北方領土問題に関して「終止符を打つ」と。これまでどの総理も用いることのなかった非常に強い表現をもって領土問題に触れてらっしゃいました。

これは、領土問題の解決に強い意欲、そしてそれが実現可能だという確かな手応えがあっての発言ではないかなと私は思うのですが、道として安倍総理の所信表明演説をどのように評価しているか教えてください。

答弁 : 東田参事

総理の所信表明演説についてでありますが、この度の所信表明演説の表現は、北方領土問題に対する総理の並々ならぬ決意の表れと受け止めており、日露両首脳のリーダーシップにより、領土交渉が前進することを強く願っているところであります。

6.質問 : 新たな啓発について

何度も言いますが、領土問題が解決に向けて動くのだ。機運が非常に高まっている今、鶴保大臣が根室を訪問された時におっしゃったように、今こそ、これまでより更に力強い世論啓発が求められているものと考えます。道としては、冒頭にご説明いただいたように、非常に地道で粘り強い啓発事業をこれまでずっと行ってきていただいております。これはまさに政府の交渉をこれまでずっと下支えしてきたものだと私は思いますが、今の千載一遇のチャンスを受けて、この状況を見て、今後何らの新たな取組をする考えはあるのか説明願います。

答弁 : 篠原局長

今後の啓発についてでございますが、9月のウラジオストクに続き、11月にはペルーで、12月には山口県で日露首脳会談が開催されることとなっており、平和条約締結問題を含む政治分野、経済分野などで準備が進められているものと承知しております。

政府がロシアとの交渉を強力に進めていく上で、北方領土返還要求運動が日本国民の総意であることを示し続けることが重要でありますことから、道といたしましても、これまでの啓発活動に加え、国などとも連携しながら、道議会の皆様のご協力をいただき、北方領土返還要求アピール行進など返還要求運動を展開し、国民世論の一層の喚起に努めてまいる考えでございます。

7.質問 : 著名人を活用した啓発について

新たな啓発の方法の一つとして、先ほど清水委員のお話の中でありましたけれども、漫画を活用した啓発などもあると思いますが、私は、今年の3月29日に道が吉本興業と包括連携協定を結んで、そうしたことを考えたときに、著名人の方に是非北方領土問題の存在というものをアピールしてもらうのも有効ではないかと思うのです。

北海道新幹線や道産食品の輸出ですとか、道の強みをアピールする上での著名人の活用が今の状況だと思うのですけれども、強みと言うよりも北海道、日本が抱える長年解決しないこの問題について世間に対するピーアール力の強い著名人の力を活用する事業を今後考えてみたらいかがと思うのですが、この点について道の見解を伺います。

答弁 : 東田参事

幅広い啓発活動についてでありますが、8月6日の「さっぽろ八月祭」において、お笑いタレントによる北方領土漫才を実施したほか、11月には、サッポロファクトリーで、女性タレントを起用した北方領土のイベントが予定されており、引き続き、包括連携協定企業などとも相談しながら、幅広い啓発活動を検討してまいりたいと考えております。

再質問 : 

お聞きしますけれども、女性タレントの人選は決まっているのでしょうか。

答弁 : 東田参事

北対協が実施するイベントなのですが、足立梨花さんという方を起用してイベントを実施するというふうに聞いております。

意見 :

コスト面などいろいろあると思うのですが、そうしたことを今後も進めていただきたい。そして、11月のイベントの翌月には首脳会談もありますので、是非多くの人が集まり、多くの人にピーアールするようなイベントにしていただけるように検討を進めていただきたい。北対協がメインということでありますけれども、領対本部としての意見なども伝えて進めていただければと思います。

8.質問 : 新聞報道について

先ほど橋本委員の質問でありました9月23日付読売新聞の記事について伺います。詳細は省きますけれども、平和条約を締結する条件として、四島の帰属が日本に確認されることを前提とはしない。ただ一方で、四島の返還を諦めるものではないというふうにも受け止められました。

最終的に四島の返還を求めていくという意味では、その過程として、二島もしくは複数の島の返還が前提としてあるということであれば、これまでの日本政府の方針が根底から覆されるものではないと、私は考えるのですけれども、こうした方針に対して、その是非なども含め、道はどのような認識を持っているのか説明してください。

答弁 : 東田参事

北方領土問題に関する新聞報道についてでありますが、ご指摘の新聞報道については承知しておりますが、その日の記者会見で、菅官房長官が、「全くそうした報道のような事実はない。政府として四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結していく。その基本方針は変わっていないし、粘り強く交渉を進めていく」と発言されており、現状において、これまでの政府の方針は変わっていないものと認識しております。

9.質問 : 北方領土交渉について

政府として、菅官房長官も、また安倍総理も予算員会などでそうした事実はないとおっしゃっていますけれども、5月6日の首脳会談で確認された「新しいアプローチ」の一環として、今後、日露両政府の交渉が、これまで見られなかった大胆な提案が行われるということは十分に考えられると私は思います。道は従来より「四島一括返還」の方針を掲げています。今後もこの方針を堅持するということは、これまでこの委員会などで明らかにされていますけれども、今回報道されたような、少なくとも四島の一括返還とはならないような形で、今後政府間の交渉が進むこととなった場合、道はあくまでも四島一括による返還を政府に対して訴えるのか、それとも政府が進める交渉方法を是として、その交渉を下支えすべく世論喚起に努めるのか、この辺の道の見解を示してください。

答弁 : 東田参事

北方領土交渉についてでありますが、北方領土の返還を巡っては、様々なご意見があることを承知しておりますが、政府においては、北方四島の日本への帰属が確認されることを条件として、実際の返還の時期及び態様については、柔軟に対応するという考えのもと、「四島一括返還」については、政府の基本的方針を踏まえ、北方四島の返還を願う強い思いを表明したものであるとの認識をしているところであります。

道としては、生まれ育ったふるさとの一日も早い返還を切望されている元島民の方々の心情を考えますと、四島一括返還を願っているところであります。

意見 : 

今日の北海道新聞の記事で出ていましたが、昨日行われた道新フォーラムで、日ソ共同宣言60年を祈念した日露の専門家を呼んでの議論の様子が書かれていました。そこで、かつて外務省欧州局長として領土交渉に関わった東郷和彦さん、現京都産業大学教授が、1992年に非公式に打診されたとされている、いわゆる「クナーゼ提案」ですが、ロシア側が歯舞、色丹の二島先行返還を非公式に日本政府に打診してきた。このことについて、東郷さんが「当時、日本とロシアの国力は最も開きがあった。そこでロシアが受け入れなかった4島返還は今も受け入れられない」と話をされています。

四つの島を返すということを、ロシアが決断するのはかなり難しい。まして一括で返ってくるということはもっともっと難しい話だと思います。

そこで政府はいろいろな新しいアプローチで今後交渉を進めていくと思います。その際にいろいろな世論のハレーションが起きることも予想されます。そのときになってからではないと道の今の見解を具体的に示すことができないと思いますし、最終的にどういうふうにするのか政治家である高橋知事としての決断にもかかると思うのですが、そうしたことを逐一、情報を取って、さまざまな想定を今のうちにしっかりと領対本部の皆様にはしていただきたい。言わずもがなのことですが、そのことを最後に指摘をして私の質問を終わります。