北方領土対策委員会で質問しました!

〜第一回自由訪問の中止の経緯等について〜

5月16日に予定されていた第一回自由訪問が中止となりましたが、これを巡り、日本側は天候悪化のため、ロシア側の一部報道は諸手続きのためと、主張に食い違いが見られました。こうした混乱が今後なきようにどのようにするのか、道の見解を問いました。

平成28年北方領土対策特別委員会開催状況

開催年月日 平成28年6月8日(水)
質問者 北海道結志会 浅野貴博 委員
答弁者 北方領土対策本部 参事

 

平成28年度第1回北方四島自由訪問の上陸中止について

1.質問 : 第1回北方四島自由訪問について

今、北口委員からも質問がありました四島交流事業の実施の件なのですが、報告の資料の中にもありますが、5月16日から18日まで予定されていた四島の自由訪問。これは第1回の水晶島への自由訪問が実施できないという事態が発生をしてしまいました。これについては、報道ベースですけれど、日ロ双方の主張に食い違いが生じていたと承知をしております。まず、日本側としては、あくまで天候不良によるものであると。しかし、ロシア側では、地元新聞が「日本側の書類不備により入域を拒否された」と、そういう報道があったと思います。それについて日本側は、そういう事実はないと、政府もまた道としても説明をされておりますけれども、この見解に変わりはないのか、改めて確認をいたします。

答弁 : 東田参事

第1回北方四島自由訪問についてでありますが、帰港後の根室市での記者会見において、同行した外務省職員から、入域手続が完了しなかったのは天候がよくなかったためとの説明があり、また、菅官房長官も同じ日の記者会見で、安全確保のため引き返さざるを得なかったと報告を受けていると発言しており、入域手続が完了しなかったのは、天候不良によるものと考えております。

2.質問 : 日本外務省の申し入れについて

日本側としてはあくまで天気が悪かったからだと。しかし、ロシア側ではそうではない報道がなされていた。となれば、どちらかが事実でないことを述べていることだと思うのですが、これについて菅義偉内閣官房長官が、5月18日の記者会見で、日本外務省としてもロシア外務省に「事実を歪曲することがないように」との申し入れを行ったと言われております。その後ロシア側は、この日本側の主張に対して回答をしているのか、回答をしているのであればどんな回答をしているのか。日本側の主張をロシア側は認めているのかどうか、道として説明は受けて、その事実関係は確認をしていますでしょうか。

答弁 : 東田参事

日本外務省の申し入れについてでありますが、日本外務省に確認したところ、事実を歪曲することがないようにと申し入れを行ったが、それに対するロシア側の反応については、お答えは差し控えさせていただくとのことでありました。

3.質問 : 今後の交流事業等の実施について

様々な政府間の外交交渉のことについて、全てをつまびらかにできない、というのは仕方ないかなと思うのですが、大事なことは、今後ともこの四島交流事業が安定的に実施されることだと思うのです。いただいた資料の中には、北口先生が行かれたような、1回目2回目のビザなし交流も無事実施されていますし、天候不良を除けばこのようなトラブルは今のところはないのですが、今後も四島交流事業が安定的に実施できるように、道として、この間の事態が起きてからどのような働きかけを行ってきたのか、説明をお願いします。

答弁 : 東田参事

今後の交流事業等の実施についてでありますが、4月の日ロ外相会談において、交流事業等に関し人道的見地からも円滑な実施が重要であることが確認されております。

先の自由訪問は天候不良により上陸することができませんでしたが、その後のビザなし交流については予定どおり実施されており、今後の四島交流事業等について、引き続き関係機関と連携を図りながら円滑な実施に努めてまいる考えであります。

 

高橋知事とサハリン州知事との会談について

4.質問 : 会談内容

5月12日に行われた高橋知事とサハリン州知事との会談について伺ってまいりたいと思います。

今回、両知事の会談については、新聞報道がなされておりますが、北方領土問題については互いにどのようなやり取りがなされたのか改めて説明をお願いします。

答弁 : 東田参事

会談についてでありますが、北方領土問題に関し、高橋知事からは、ソチで行われた日ロ首脳会談において両首脳で認識が共有されたことや「元島民の方々が多く生活している北海道の知事として、日ロ両国間の最大の懸案である領土問題が加速度的に解決に向かうことを期待している」ことを発言し、コジェミャコ知事からは「我々の交流がスムーズに進めば、難しい政治の問題も解決できると思う」との発言があったところであります。

5.質問 : 道の認識について

北方領土問題に関して、ただいまご答弁いただいたように、両知事とも前向きな、意欲的な発言をされたとのことですが改めて伺います。

今回の両知事の会談は、北方領土問題の解決を今後両国政府が図る上でどのような意義があったのか道としての認識を教えてください。

答弁 : 北方領土の共同開発について

北方領土の共同開発についてでありますが、ご指摘のコジェミャコ知事の発言に関し、新聞報道があったと承知していますが、北方領土における共同開発については、日本政府としては「我が国の法的立場を害さないという前提で議論することとしている」と方針が示されており、道としては、こうした政府の方針に沿って、対応を検討していく必要があるものと考えております。

6.質問 : 北方領土問題について

まさにこれは、5月6日の首脳会談ででた「新しいアプローチ」の今後のキーワードになっていくと思いますが、サハリン州のコジェミャコ知事との対話の中で、高橋知事は「両国間最大の懸案の領土問題が加速度的に解決に向かうことに強く期待する」との発言をされているようですが、ここで原点としての定義を確認したいと思います。

道が考える北方領土問題の解決とはどのような形のものを指すのか、改めて道の認識を示してください。

答弁 : 東田参事

北方領土問題についてでありますが、北方領土問題に関しては、「我が国固有の領土である北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」という国の一貫した基本方針が示されており、道としても同様に考えているところであります。

7.質問 : 道の取組について

道としても認識を有している北方領土問題の解決が加速度的に進むように、道としてはどのような取組をしていくのか、その見解を伺います。

答弁 : 東田参事

道の取組についてでありますが、政府においては、ロシアとの交渉を強力に進めていく上で、北方領土返還要求が日本国民の総意であることを明確に示し続けることが重要であるとの考えであり、道としても、政府の外交交渉を後押しするため、地元市町や関係団体と連携し、積極的な啓発活動を展開するなど、返還要求運動を一層推進していくことが重要であると考えております。

 

「新しいアプローチ」に関する道の認識について

8.質問 : この度の要請について

先般の首脳会談で示された「新しいアプローチ」の道の認識について、以下、数点伺ってまいります。

首脳会談が行われるに先立ちまして、先日の委員会でも触れましたが、高橋知事は根室の長谷川市長、千島連盟の脇理事長、北方領土復帰期成同盟の堀会長ほか根室管内首長さん、議会議長さんなどとの連名で、「北方領土問題の早期解決に向けた要望書」を政府に提出されております。

その要望書の中には「領土問題が一歩でも二歩でも前進を遂げ、元島民をはじめ、私どもに希望を与えていただきますことをお願い申し上げます」との文言があります。
このような「一歩でも二歩でも」という切実な思いが込められた表現というものは過去、道も関わる中で政府に提出された北方領土問題の要望書等の中では見られなかったものだと私は思うのですが、これは領土問題の早期解決を切望する、それこそ一つでも、ほんの少しずつでも前進をしてほしいという根室管内の方々の思いを強く反映したものだと私は思うのでありますが、このことについて確認を求めます。

答弁 : 東田参事

この度の要請についてでありますが、5月に予定されていた安倍総理の訪ロ前に、総理のリーダーシップにより、停滞している北方領土交渉を前に進めてほしいという元島民や地域の思いを伝えるため、根室管内の1市4町で構成している北隣協や関係団体とともに要請活動を行ったものであります。

9. 質問 : 要請内容について

5月11日の委員会で私の質問に対して、道は「生まれ育ったふるさとの一日も早い返還を切望されている四島それぞれの元島民の心情を考えると一括返還を願っている」という答弁をされています。

この要望書の中にある「一歩でも二歩でも前進を」という表現と四つの島を一遍に返してくれという「一括返還」の表現は私は相いれないものであると思うのです。

それぞれの表現を道が使い分けることは、道の見解に矛盾が生じていることになるのではないかと考えるのですが、この点はいかがでしょうか。

答弁 : 東田参事

要請内容についてでありますが、この度の要請については、総理のリーダーシップにより、停滞している北方領土交渉を少しでも前に進めてほしいという元島民や地域の強い気持ちを率直に伝えたものであって、ご指摘のような返還の考え方を述べているものではないと考えております。

10.質問 : 北方領土交渉について

5月6日の首脳会談によって、再び領土交渉が軌道に乗ったと思う矢先で、先日ロシアの外務大臣が「島は返さない」とそういう発言をしたとの報道もなされています。日本側の期待もあれば、なかなか向こう側は容易ではない。今後どのような状況に進むかというのは予断をもって判断できないところであるのは、皆様ご承知のとおりだと思います。

そのような中でも両首脳が大きな政治的決断をもって「新しいアプローチ」という表現をして、新たな動きをしようと見せている中で、やはり四島を行政区域に抱える北海道が一括返還という実現可能性が極めて低く、しかも先ほど答弁で述べたように、北方領土問題の解決の定義として道としても認識をしていないその表現を今後用いることは、私は有益ではないと考えます。

それよりも、この要望書の中にある「一歩でも二歩でも」領土問題が前進するようにしっかり交渉してほしい。そのような切実な思いを反映した表現を今後用いるべきだと思うのですが、この点はいかがでしょうか。

答弁 : 東田参事

北方領土交渉についてでありますが、5月9日の記者会見において、菅官房長官は、日ロ首脳会談が合意した「新しいアプローチ」に関し、「四島の帰属問題を解決して平和条約を締結するという日本側の基本的立場に変わりはない」と強調しているところであります。

北方領土の返還をめぐっては、様々なご意見があることは承知していますが、生まれ育ったふるさとの一日も早い返還を切望されているかつて四島に住んでおられた元島民の皆様の心情を考えると一括返還を願っているところであり、返還要求運動を粘り強く展開し、国の外交交渉を後押ししていくことが大切と考えております。

指摘 : 

北方領土問題の返還をめぐっては、今、東田参事がおっしゃったように、様々な立場の方が様々なご意見をお持ちであることは私も承知しております。

その中でも、それらの意見を束ねて、道として全国の返還要求運動を牽引していく立場を担っていくのであれば、私は改めて申し上げますが、表現を統一したものを用いたほうがいいのではないかと思っております。この点は、今後も委員会の中などで発言してまいります。