9月7日、保健福祉委員会で質問を行いました。

外部有識者による平成26年度における道内6つの道立病院の経営改善に向けた取り組みに対する評価結果が出されました。

私の地元の羽幌病院は、患者確保などの点でも最も目標達成に届かなかったところです。しかしそれは、決して羽幌病院スタッフはじめ地域の方々の取組が不十分だったから、ということではありません。

産婦人科医も不在となり、整形外科医も近々不在となる等、地域の需要に応える態勢がなかなか構築できない事情があるのです。 また、管内を走る唯一の国道である232号線の状況によっては、病院に行きたくても行かれないときもあります。

絡み合う地域の課題を同時に解決していかなくては、羽幌病院の経営改善もなかなか進みません。そうした事情を十二分に考慮して戴くよう、質問の中で触れました。

平成27年第3回北海道議会定例会 保健福祉委員会(前日) 開催状況   

開催年月日 平成27年9月7日(月)
質 問 者 北海道結志会  浅野 貴博 委員
答 弁 者 保健福祉部長  村木 一行
道立病院室長  山中  博
道立病院室参事 志賀 利美
道立病院室参事 竹澤 孝夫

「新・北海道病院事業改革プラン」に係る平成26年度事業の点検・評価結果について 

1.質問 :

まず、6つの道立病院の経営の改善については、久しく道の皆様が熱心に取り組んでこられて、大変なご努力を重ねてこられたものだと思うのですが、それに対して、平成26年度外部有識者による評価が今回まとめられました。
この評価に対して、道としてどのように受け止めているのか、全般的な考えをまずお示しください。

答弁 : 道立病院室長

評価委員会による点検・評価結果についてでございますが、平成26年度は、診療報酬の改定や消費税の増税などによりまして、病院の経営環境が厳しさを増し、患者数が減少する中で前年度収益を上回る収益額を確保した点について、評価委員会から一定の評価をいただき、各病院現場においても、経営改善に向けた意識が徐々に浸透し、収益確保に向けた取組が進んできているものと考えてございます。

一方で、事業全体ではプランに掲げた目標が未達成でございまして、従事者確保をはじめとする収益確保対策について、ご指摘をいただいておりますことから、医師などの人材確保対策に粘り強く取り組むとともに、地元市町村のご協力をいただきながら、患者確保対策の充実に努めていかなければならないと考えております。 

2.質問 :

全体評価のなかで、やや詳細について数点伺ってまいりたいと思います。

まず、このいただいた資料の中にあります、全体評 価の記述につき、まず一つ目の「最重要課題である医 師・看護師など従事者確保の取組や患者確保対策に ついてあらゆる手段を講じ、収益確保に努めること。」 とされている部分がございます。

先週の委員会でも、平成26年度における道による 医師確保対策への取り組みについてご報告がなされ たばかりでありますけれども、改めて道としてこれまで の努力に加えて、今回の指摘を受けて、今後、医師確 保に向け、さらにどのような取り組みをされるのか、お考えをお示しください。

答弁 : 道立病室参事

今後の医師・看護師確保対策についてでございますが、道では、これまで、道内の医育大学への医師派遣要請や自治医科大学卒業医師の配置のほか、看護師養成校への募集活動などに取り組んできたところであり、さらに、昨年度からは、民間の医師・看護師人材紹介事業者の活用、移住促進フェアや北海道物産展の会場を利用した募集活動など、道外からの招聘も積極的に進めているところでございます。

また、新たな人材を確保する一方で、現在勤務している医師・看護師の定着や離職防止も重要と考えており、本年度におきましては、医師事務作業補助者の増員により医師の勤務負担の更なる軽減を図りましたほか、看護師のワーク・ライフ・バランスを推進するため、新たに、専ら夜勤のみを行う勤務形態を導入したところであります。

道としては、今後とも、新たな人材確保と、定着・離職防止の取組を積極的に進め、医師・看護師等医療従事者の確保を図っていく考えでございます。

3.質問

続きまして、全体評価の二つ目の丸にあります、「取 得可能な診療報酬加算について、更に精査・検討す ること。」とありますけれども、これまで、それぞれの道 立病院で取得されてきた診療報酬の加算措置に加えて、今後、さらにどのようなものが取得可能であると、道 として考えて、また取得に向けて動いていくのかご説 明願います。

答弁 : 道立病室参事

診療報酬加算についてでございますが、道におきましては、これまでも、医療ニーズや職員体制を踏まえ、より収益効果の高い診療報酬加算について検討してきたところであり、本年度は、新たに、緑ヶ丘病院において3年以上の病院勤務経験を持つ薬剤師の配置により、「感染防止対策加算」を取得したところでございます。

今後は、来年度に予定されております診療報酬改定に向けた中央社会保険医療協議会の議論などを注視しながら、必要な人員確保、体制整備等に伴うコスト等も勘案の上、さらに検討を進め、可能なものから速やかに取得してまいりたいと考えております。

4.質問

次に3つ目の丸に書かれています「道立病院に求められる病床機能や、適正な運営規模を十分議論する」こととされています。

それぞれの道立病院の病床機能並びに運営規模について、今後、道はどのような見直しをする考えでいるのか。

特に先般、地域医療構想策定のたたき台として、20 25年に必要とされると見込まれる21の二次医療圏域 ごとの必要病床数の推計を道として出されています。  このデータを踏まえ、どのような見直しをする考えな のか教えてください。

答弁 : 道立病室参事

道立病院の病床機能などの見直しについてでございますが、国では、本年3月に「新公立病院改革ガイドライン」を示し、地域医療構想との整合を図りながら、「地域における役割の明確化」など4つの視点に立って現行プランを改定するよう要請しているところでございます。

道立病院は、安定した経営の下で、道内におけるへき地医療・不採算医療や高度・先進医療等を提供する重要な役割を継続的に担っていく必要がございますことから、地域医療構想策定に向けて開催される各圏域の地域医療構想調整会議でも、道立病院の役割を十分にご説明するとともに、プラン改定に向けて設置をいたしました「新・北海道病院事業改革プラン改定検討会議」におきましても、道立病院に求められる病床機能等について十分に議論していただく考えでございます。

5.質問

地方公営企業法の全部適用についても具体的な検 討をして早期に結論を出すこととの指摘がされています。

これは以前の委員会でも質問したことがあるのです が、道立病院に対してですね、地方公営企業法の全 部適用に向けた検討、これを実施することのメリット又 は実際に適用するか否かの結論について、道としては いつくらいまでにそうした結論を出すのか、そうした考 えをお示しください。

答弁 : 道立病室参事

地方公営企業法の全部適用の効果等についてでございますが、これまで、自治体病院では、地方公営企業法の財務規定だけを一部適用する経営手法が主流でございましたが、近年は、法の全ての規定を適用する全部適用を採用する事例が増えつつあるところでございます。

全部適用に移行しました場合には、病院事業を専掌する管理者に人事、給与等の権限が一定程度付与できますことから、経営責任の明確化やマネジメントの強化が図られるとともに、勤務環境に応じた手当の設定など処遇改善による医師、看護師等の人材確保の強化や新たな専門職の配置に伴う診療報酬加算の取得拡大を通じた収益確保の充実などの効果が期待できるものと考えております。

道立病院の経営形態のあり方につきましては、現行プランの改定に向けた検討会議の場で10月を目途に意見集約していただくこととしておりますので、検討会議でのご意見を踏まえながら、道の考え方を取りまとめていく考えでございます。

6.質問

「評価」の中の(3)資料1の2ページ目にあるのですけれども、「(3)収支計画及び数値目標の達成状況にかかる評価」について、私の地元の羽幌病院を含む江差と羽幌病院についてこのように書かれています。

「他の急性期医療機関から地元患者を受け入れる医療機関として、地域包括ケア病床の整備を検討すること。」とされています。

道とそれぞれ羽幌、江差病院との間で、今後右の指摘を受け、実際に地域包括ケア病床の整備について検討する考えているのかどうかご説明願います。

答弁 : 道立病室参事 

地域包括ケア病床の整備についてでありますが、地域包括ケア病床は、平成26年度の診療報酬改定時に新設された病床区分でございまして、急性期病床からの患者の受け入れや、在宅への復帰支援などの機能を有するものでございます

患者数が減少傾向にある江差、羽幌病院にとりましては、隣接する圏域から急性期患者の受入れも期待できることから、患者確保に有効な手段として、今回、評価委員会からご提言をいただいたものでございます。

両病院におきまして地域包括ケア病床を運用していくためには、地域における具体的な需要を把握するとともに、この病床に専従する理学療法士等、新たな職員配置などの課題もございますことから、今後、周辺市町村の協力もいただきながら、早急に患者ニーズを把握した上で地域包括ケア病床の整備について、検討を進めてまいる考えでございます。

指摘 : 

ただ今、答弁の中で周辺市町村との協力もいただきながらとありましたので、十二分に地元の自治体の皆様との意見交換を、道としてしていただきながら、地域包括ケア病床、こうしたものを検討を進めていただきたいとお願いをいたします。

7.質問 : 

次に、個別の病院の評価について伺ってまいります。

私の地元の羽幌病院なのですが、全6病院の中で 達成率が最も低かったのですけど、この要因は何であ ると道として認識してますでしょうか。

答弁 : 道立病室参事

羽幌病院の実績についてでございますが、羽幌病院における平成26年度の実績は、入院患者数が、1日当たりの目標39人に対しまして、実績が28.6人となりまして、達成率は73.3パーセント。

また、外来患者につきましても、1日当たりの目標249人に対しまして、実績が211.5人となりまして、達成率は84.9パーセントとなっております。

達成率が低かった要因といたしましては、平成26年度の診療報酬改定によりまして、手術直後などの急性期を経過した患者さんや介護施設等において症状が悪化した患者の入院を対象といたします亜急性期入院医療管理料が廃止されたことに加えまして、検診等の受託件数や内視鏡検査の実施件数、他の病院からの紹介患者が伸び悩んだことなどが考えられるところであります。

質問 : 

羽幌病院の外来収益の目標達成率は88.5%とな ってまして、6病院全体の達成率96.5%を大きく下回ってしまっているんですね。

全体の最下位となっていますが、これはもう皆様もご 理解いただいていると思いますが、地元の羽幌病院のスタッフの皆さん、地元自治体の皆さんが十二分に努 力をした上でこの結果であります。

それは、留萌管内中部地域、道内の他の地域と比 較しても広域分散化も進んでおりますし、高齢化も進んでいると、人口減少も進んでいると、そもそも患者確 保が難しい地域なんですね。

来年度以降ですね、前院長が退任する意向を示し てまして、地域で最も必要とされている整形外科医が不在となる見通しが極めて高くなっております。

医療の需要はあるのですけれど、それに応えるだけ の体制がなかなか取れずに、潜在的にいる患者を受けることができない、確保できない。

よってこの目標達成率がなかなか十分な数字を達 成できないという状況が今後も生じることが考えられます。

羽幌病院の経営状況について評価を下して、今後 の組織のあり方について論じる際には、地域のこうしたなかなか難しい事情を十分に鑑みていただきたいと思 うのですが、道の見解をお示しください。

答弁 : 道立病院室長

羽幌病院のあり方についてでございますけれども、羽幌病院は、地域の医療機関や他の地域センター病院と連携しながら、留萌圏域におけます地域センター病院として、2次医療機能の確保に大きな役割を担っているところでございます。

現在、道では、2次医療圏毎に、市町村や医療機関等の関係者によります地域医療構想調整会議を設置いたしまして、2025年時点におけます地域の医療提供体制のあり方についてご議論をいただき、来年の夏頃を目途に、地域医療構想を策定する予定でございます。

道としては、今後、留萌圏域で開催されます調整会議におきまして、羽幌病院が、これまでへき地医療や離島医療に重要な役割を担ってきたことをご説明するとともに、地域の関係者と十分に意見交換をしながら、羽幌病院が、地域において果たすべき役割について、検討してまいりたいと考えております。

指摘 : 

ご答弁にもありましたけれども、羽幌町には天売島、焼尻等という2つの離島があります。

夏の秋の今の時期はまだ良いのですけど、冬になれば本土と行き来するフェリーの便数も極めて限られてですね、医療の確保が非常に厳しい地域、そうした離島、へき地の医療を担っているということを、今ご答弁いただきましたけれども、十二分にそれを踏まえていただきたい。

さらに先般、我が会派の地域政策懇談会を留萌管内で実施した際に、羽幌町の北の方、初山別村、遠別町、天塩町とあるのですけれども、ご案内のとおり留萌管内は、国道232号線が1本の命の道路で、真冬の厳しい時期になればそれが通行止めになることも多々あるんです。

その一方で代替道路が十分に整っている訳ではありません。

羽幌病院に来たくても道路状況が悪くて行けないという、そこでもまた患者確保の上で、大きな足かせになっている。

道路整備については保健福祉部の皆様の所管ではないんですけど、様々なこうした事情があるということを勘案してですね、他の道内の部の皆様と連携を取って、道立羽幌病院の経営状況をこれから議論していただきたいと、これはご指摘ということでお願いしたいと思います。

9.質問

最後に伺います。

羽幌病院への評価のなかで、「患者動向については、近隣の各市町村と積極的に情報交換を実施しながら、患者確保策の強化を図ること」とされていますけれども、これは患者数の減、人口減に直面している江差病院についても同じです。

こうした情報交換の実施について、地元の留萌振興局をはじめ道として主体的に取り組んでいただくべきと考えておりますが、最後にこの認識を伺って私の質問を終えます。