8月5日北方領土対策委員会で質問を行いました。

主な発言内容は、7月17日に発生した拿捕事件に対する道庁の初動対応のあり方、船長はじめ乗組員の方々の釈放に向けた取り組み、北方領土の"ロシア化"に対する道の対応、そして独立行政法人北方領土問題対策協会(いわゆる北対協)の根室市への一部機能移転の是非についてです。

北対協の件については、8月6日付北海道新聞に記事として取り上げられています。

 

【水産林務部所管】

平成27年北方領土対策特別委員会開催状況

開催年月日 平成27年8月5日(水)
質問者 北海道結志会 浅野 貴博 委員
答弁者 水産林務部次長、国際漁業担当課長

 

北海道漁船の拿捕について

北方領土問題の前に、北海道の漁船の拿捕について質問を進めてまいりたいと思います。

1. 質問 : 拿捕に係る連絡について

先月17日に、十勝管内広尾町のさけ・ます流し網拿捕情報についてでありますが、道におきましては、漁船「第十邦晃丸」が、ロシアの国境警備隊に拿捕される事態が生じました。

この情報は、道が、いち早くつかまれていたものと承知しておりますが、事件発生をどのような形で、道として連絡を受けたのか、その経緯を改めてご説明ください。

答弁 : 中島国際漁業担当課長

7月18日、13時30頃、サハリン州国境警備局から、17日の日本時間18時50分に、納沙布岬から約45km沖合のチェックポイントで、広尾漁協所属のさけ・ます流し網漁船「第十邦晃丸」に立ち入り検査を行ったところ、ベニザケが割当量を472㎏超過していたことを確認したため、拿捕したという情報を受けたところでございます。

2. 質問 : 拿捕に係る道の対応について

18日、13時30分に通報を受けてから、道として、どのような初動対応を取ったのか教えてください。

答弁2 中島国際漁業担当課長

事件発生後の対応についてでありますが、道では、通報を受け、直ちに、第一管区海上保安本部に事実関係の問い合わせを行った結果、同様に通報されていることを確認するとともに、外務省にも同様の連絡があったことを水産庁から確認いたしました。

また、漁船が所属する広尾漁協や道鮭連漁業協会から、乗組員に関する情報の収集を行うとともに、国に対しまして、引き続き、継続した情報の提供を求めたところでございます。
そうした中、7月20日には、水産庁から、「第十邦晃丸が、国後島古釜布港付近へ連行された」との連絡を受けたところであります。

道といたしましては、人道的な観点から、21日には、水産林務部長が外務省、水産局長が在札幌ロシア総領事館、22日には、知事が菅官房長官などへ、さらに29日には、副知事が外務省・内閣府へ早期の乗組員解放と漁船の返還について、要請したところであります。

3. 質問 : 解放などの見通しについて

伊東船長をはじめ、乗組員の皆さんの解放並びに船体の返還についての見通しは、ついてますでしょうか。

答弁 : 中島国際漁業担当課長

解放の見通しについてでありますが、国に確認しておりますが、本日現在、乗組員の解放などに関する情報は、入っていないところでございます。

道といたしましては、引き続き、乗組員の解放と漁船の返還について、国に働きかけていくとともに、情報収集に努めて参る考えであります。 

4. 質問 : 船員の健康状態の把握について

まだ解放の目処が立っていない中なんですが、乗組員の皆さまの健康状態が心配されるところだと思います。

道として、乗組員の皆さまの健康状態の把握は、どのようにされていますでしょうか。

答弁 : 中島国際漁業担当課長

船員の健康状態についてでありますが、「第十邦晃丸」が、古釜布港付近に連行されてから、在ユジノサハリンスク日本総領事館では、定期的に船長と電話連絡を取っておりまして、8月4日時点においては、「乗組員の健康状態には問題はない」と水産庁から連絡を受けているところでございます。

道といたしましては、引き続き、国を通じ、船員の方々の健康状態などについて、情報収集に努めて参る考えであります。

5. 質問 : 食料品などの支援について

ちなみに、本事件が発生した後に、ビザなし交流で国後島を訪問されていました、新党大地の鈴木宗男代表が、タイミング良くといいますか、ちょうどその場におりましたものですから、船員の皆さまに、食料品や薬を渡すことができた、ということですけれども、その後、船員の皆さまに、薬だとか、例えば食料品といっても日頃食べている日本食、そうしたものも必要な時期かと思うのですが、そうした必要なものは、その後、手に渡っていますでしょうか。

答弁 : 中島国際漁業担当課長

乗組員に対する支援でありますが、外務省からの情報によりますと、7月31日から8月3日までの日程で実施されました自由訪問事業で、7月31日に、国後島古釜布を訪れた際に、訪問団に参加した外務省職員から、野菜や肉のほか保存食などの食料が届けられたと聞いております。

質問 :

この後も、ビザなし交流、若しくは、自由訪問等の日程があるかと思いますので、その機会を活用して、必要な食料品、薬などが、船員の皆さまに届けられるような措置を是非とっていただきたいと思います。

もちろん、それ以前に開放されれば望ましいんですが、その点についても今後も万全の体制をとっていただきたいと思います。

6. 質問 : 拿捕の原因等について

そもそも、このような拿捕の事件が起きてしまった原因は、何にあったのか。

道として、どう認識しているのか、ご説明願います。

答弁 : 中島国際漁業担当課長

拿捕の要因についてでありますが、ロシア側は、さけ・ます流し網漁業が、さけ・ます資源の再生産や海洋生態系へ悪影響を与えることなどを理由に、来年1月以降、禁止することとしており、今年のさけ・ます流し網漁業の操業にあたりましても、ロシア艦船による臨検が、例年より多く実施され、また、長時間に及ぶことがあるなど、非常に厳格な体制での検査が行われたと聞いているところでございます。

このような厳しい環境の中、チェックポイントで、ベニザケが割当量を472㎏超過していたため、拿捕されたものと考えております。

7. 質問 : 割当量の超過について

なぜ472㎏超過してしまったのか、その理由は、道として把握されていますか。

答弁 : 中島国際漁業担当課長

違反の原因についてでありますが、現在、ロシア側に拿捕されておりまして、船長などと連絡がつかないため、お答えすることができないことを、どうぞご理解願いたいと思います。 

8. 質問 : 道としての今後の取組について

今後、このような事件が、また起きることのないようにしなければいけないと思うのですが、道として、どのような取り組みをされるのか、お聞かせ下さい。

答弁 : 飛田水産林務部次長

今後の再発防止に向けました取組についてでありますが、道では、これまで、ロシア水域において日本漁船が操業を行います際に、毎回、漁業者あるいは漁協など、関係者を対象として、操業指導会議を開催いたしまして、操業上の注意点を伝えますとともに、適正操業を行うよう、指導して参ったところであります。

質問 : 

この問題に関しましては、事件が発生してから、特に、道の担当職員の皆さまにおかれましては、土日祝日関係なく、昼夜問わず、非常に緊張感を持って対応に臨んでいただいているものと思います。

これからも、事件が再発しないように努めるのと同時に、それ以前に、一日も早く、今取調べを受け拘束されている方々が開放されるような働きかけを、国と連携して、引き続き行っていただけますよう、お願いを申し上げます。

答弁 : 

現在、ロシア側に拘束されております、船長及び乗組員が解放された段階で、道として、しっかり事情聴取を行い、事実関係を明らかにしたうえで、厳正に対応して参りたいと考えております。

また、今後、日ロ地先沖合漁業をはじめとする対ロ漁業におきまして、出漁する漁船に対し、操業指導会議におきまして、指導を徹底するなど、拿捕の再発防止に取り組んで参りたいと考えております。

 

ロシア政府による北方領土開発について

9. 質問 :

新聞報道等ございますけれども、ロシアのメドベージェフ首相が、また、北方領土を視察するんだと。

他の閣僚に対しても、四島に訪問すべきだと、非常に強行な話をされているとの報道がありますけれども、道として、それらの事実関係、詳細は把握されてますでしょうか。

答弁 : 宗万参事

ロシア要人の北方領土訪問についてでありますが、道といたしましても、メドベージェフ首相が北方領土訪問を検討しているという7月24日の報道を受けまして、直ちに北方領土対策局長が外務省ロシア課長に対しまして、事実関係の確認を行ったところでございます。

現状では、メドベージェフ首相が、今月に択捉島で開催される行事への出席を検討しているなどの報道については承知をしておりますが、詳細な内容については把握をしていないところでございます。 

10. 質問 : 

2010年にメドベージェフ大統領のときに訪問されてますけれども、これがまた、繰り返されることがあれば、北方領土交渉に深刻な影響が及ぶと思いますが道としてはこの点、どのように考えられていますか。

答弁 : 宗万参事

道の見解についてでありますが、メドベージェフ首相が、平成22年11月に大統領として、平成24年7月には首相として国後島へ訪問したのに続き、表明どおり、今回、自身3度目となる北方領土訪問が行われれば、現在日ロ両国間で進められている外交交渉への影響が懸念されますとともに、元島民の方々をはじめ返還要求運動に取り組んでいる道民の感情を逆なでするものであり、極めて遺憾であると考えているところでございます。

11. 質問 : 

質問11 そのメドベージェフさんですけれども、今年で終了するクリル社会経済開発計画を、また、来年から2025年までさらに進めることを閣議決定をして、日本円で約1500億円相当の資金をつぎ込んで極東並びに四島の開発を進めるんだと、また、そのような話をされていますけれども、それに対して道の見解はどのようなものか教えてください

答弁 : 宗万参事

クリル諸島社会経済発展計画についてでありますが、この計画は、北方領土を含む開発計画として、ロシアの管轄権を前提としたものと考えられ、北方領土問題に関する我が国の立場とは相容れないものと承知をしております。

12. 質問 : 

これまでに、ロシア政府による四島の実効支配の強化が進む中ですね、直接交渉には関われないにしても、行政区域として四島を抱える北海道として、そのリーダーの高橋知事として強い危機感を表明していただいて、ロシア側を少しでも牽制するような動きをとっていただく必要があると思うのですが、これらの一連の流れ、問題について高橋知事はどのような発言をされてますでしょうか。

答弁 : 宗万参事

道の対応についてでありますが、メドベージェフ首相による北方領土訪問の意向表明が報道されたことを受けまして、知事の命を受けた山谷副知事が関係団体とともに、7月29日に関係省庁のほか、国会議員に対しましてロシア首相の北方領土訪問中止などについて、緊急要請したところでございます。

12. 質問 : 

緊急要請をされたということですが、知事、道として強い危機感を表明することは当然必要であるところですけれど、ロシア側とすれば自国の領土を粛々と開発するんだと、そう言われてしまえば、実際なにも手出しできないのもまた事実でございます。

悔しいことでございますけれども、強硬な態度を示しつつも、現実的に進められているロシア化に対してどのような手立てでそれをくい止めて、少しでも日本化を進めていくかという知恵を出す必要が私たちあると思うんですが、この点について、道の見解を教えてください。

答弁 : 篠原局長

北方領土交渉についてでありますが、道といたしましては、問題解決のためには、北方領土が一日も早く返還されることこそが必要であり、国に対し、北方領土問題の早期解決に向けた強力な外交交渉を求めるとともに、北海道から返還要求運動を盛り上げ、国の外交交渉を後押しすることが大切であると考えております。

特に本年は、北方領土問題が発生してから70年の節目の年に当たりますことから、改めて、道民の方々に領土問題の大切さを強く訴えるとともに、若い世代に運動を引き継ぐことを運動の柱として事業展開することとしております。

質問 : 

以前、委員会の質問の中でも触れましたけれども、例えば根室市の皆様が以前から求められておられるロシアの管轄下を前提としたものではない中での四島との更なる経済交流活動の促進といったですね、ただ、島を返せ返せという一辺倒ではない水面下での相手の懐に入り込むような知恵を今後出していかなければいけないと思いますので、道としても根室市の皆様と一緒に汗をかいていくという姿勢ももっていただければと思います。

 

北方領土問題対策協会の根室市誘致について

13. 質問 : 

最後に北対協の根室市誘致について伺います。

先ほど松浦委員から質問がありましたので、重複する部分は避けますが、今回の8月3日付けの道新の1面記事を見ると道として誘致を進めているという印象を受けたのですが、実際のところは、根室市側としてその意向を示し、その意向を道として聞いているという状況かなと思いますが、そのあたりの事実関係を教えてください。

答弁 : 宗万参事

政府関係機関の移転についてでありますが、政府関係機関の移転につきましては、今年3月に、国から道府県に対し提案募集があったところでございます。

これを受けまして、道では、総合政策部 人口減少問題対策局 地域戦略課が北海道の強みや独自性などの観点から、本道への誘致効果などを勘案するとともに、提案の対象となる機関の検討を行っておりまして、その一つとして、北方領土問題対策協会の一部機能も検討の対象となっていると承知をしているところでございます。

14. 質問 : 

北対協の果たす役割については、先ほど松浦委員が質問されましてその説明がありましたので、北対協が具体的にどんなことをされているのかは結構ですので、北対協と道はどんな連携をこれまでしてきたのかについてご説明ください。

答弁 : 宗万参事

北対協との連携についてでございますが、道と北対協は互いに連携をしておりまして、関係団体が一堂に会して行う政府や国会に対する要請などのほか、各種事業の実施にあたりましては、相互に応援したり、PRをしたりして、効果的に事業を実施しているところでございます。

15. 質問 : 

北対協の一部機能をですね、根室市に誘致するという話について、根室市と北対協自身、その2者に対して道としてどんな協議を具体的に、実際にしているのか教えてください。

答弁 : 宗万参事

根室市などとの協議についてでありますが、道としては、募集要綱を踏まえ、国の機関としての機能が確保できるのかどうかといった点について所管部におきまして検討することとしているところでございます。

具体的な検討につきましては、今後、行われるものと承知しており、その中で、北対協の一部機能の移転については、地域の意向と併せ、国や全国の関係機関との連携強化など、総合的な観点から検討していかなければならないものと考えております。

16. 質問 : 

今後、実際の協議がこれから行われるものということで理解をしていますけれど、実際に北対協の事務所の今でも根室市には連絡所があると承知しておりますけれど、よりその機能が強化されると思うのですが、一部機能が根室市に誘致されるとしたら、どのような効果が得られるのでしょうか。

道の見解を教えてください。

答弁 : 宗万参事

道といたしましては、今後、政府関係機関の地方移転に係る国の考え方を情報収集するとともに、北海道としての強みや独自性などの観点から対象機関の絞り込みを進めていくこととしており、北対協の一部機能もその一つとして検討していくこととなると承知をしております。

17.質問 : 

質問17 北方領土問題の解決を図るという意味では、どんな効果が得られると認識されていますか。

答弁 : 宗万参事

北対協の一部機能の移転についてでありますが、北方領土返還要求運動を進める上で、中心的な役割を果たす北対協の一部機能の移転については、地域の意向とあわせまして、国や全国の関係機関との連携強化など、総合的な観点から検討していかなければならないものと考えております。

18. 質問 : 

どのような北方領土問題の解決にどう資するかについては、これから検討を進めて、定まった認識は今のところないということだと思うのですけれども、先ほど松浦委員の質問にありましたのと重複しますが、北対協の役割は、北方領土問題という、未だ解決していない国家の問題、根室側だけの問題ではない、これがいまだ解決されず残っているということを日本全国に伝えて、全国の世論向上を図るのが一番の役割だと思うんです。

もし、北対協の事務所が根室市に誘致をされる、それによって、かえってこの問題が地方の問題なんだと、北海道の中でも根室の問題なんだととられるようなことがあれば、かえってそれは逆の効果になってしまうのではないかという懸念を私自身は有しておりますが、この点につきまして道はどのように考えておりますか。

答弁 : 篠原局長

北対協の移転についてでございますが、東京圏に集中する政府関係機関の地方移転を進めることは、東京から地方への人や経済活動などの新しい流れ生み出すなど、地方創生に大きく資するものと承知しております。

政府機関の移転に係る提案につきましては、所管部において検討を進めているところでございますが、北対協の一部機能を根室に移転することについては、国や全国の関係機関との連携強化や全国的な返還要求運動の推進など、総合的な観点から検討していかなければならないものと考えております。

19. 質問 : 

単にというと失礼かもしれませけれど、東京に集中している政府関係機関を地方に分散させればいいというものではなくて、特に北方領土問題に関しましては、最終的な解決につなげるには、どのような各機関の配置がいいのか、ということを、そのことを第一に考えて、今後そうした話を進めていただければと思います。

北方領土問題に関わる機関としては、他には公益社団法人千島歯舞居住者連盟や北方領土復帰期成同盟などがあると承知しております。

そうした組織をですね、例えば一部機能もしくはメインの機能を根室市にもってくるということを道としては検討されてますでしょうか。

答弁 : 篠原局長

関係団体の誘致についてでございますが、千島連盟や北方同盟の移転等につきましては、それぞれの団体が主体的に決めるものと考えてございますが、既に根室管内に支部機能を有していることや、返還要求運動を効果的かつ効率的に展開していく必要性などから考えますと、現状では難しいものと認識しております。

20. 質問 : 

最後に伺います。

北対協の根室誘致などの話がありますけれども、政府関係機関、特に北方領土問題に係る機関を根室市に誘致するのであればですね、以前から質問の中で、委員会の中で質問させていただきましたが、外務省の北方領土問題の担当職員が根室市に常駐する形を是非とっていただいて、この問題が解決しないことで、日々、焦燥感を募らせている皆様の思いをなまで感じていただく、そうした体制を取ることこそが私は必要ではないかと思うのですが、このことについて道としてこれまで根室市並びに根室地域の皆さんと具体的な協議はされてますでしょうか。

答弁 : 篠原局長

外務省職員の配置などについてでございますが、今週末から、本部長が現地を訪問し、根室管内の各市(し)町(まち)や関係団体の方々と地域課題などについて意見交換する予定でございまして、その際にそうした点についても意見交換を行ってまいる考えでございます。